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第13話 ~そこに居た者~

■成分・ この物語は作者自身の身に起こった事を忠実に盛って作成されています


■効能・  本製品は、暇な時間の緩和に効果を発揮するアレですよアレ。


■用法・ 容量・本製品は1日1ページ位を目安に御使用ください。


■注意・ 用法・容量をキチンとお守りください。もし、次の症状があった場合は直ちに使用を避け一部の症状が現れた場合、医師とご相談下さい

目の充血、目のかすみ 眠気(スリープ) 破壊衝動(バーサーク) 狂喜乱舞(コンフュージョン) 作者への誹謗・中傷(ここ重要)


第13類医薬品.?


 今は梅雨時―――


 降りしきる雨と肌にまとわり付くような湿気が嫌になる


 降りしきる雨の様子をジッと忌々しく見つめながら、オイラは授業を受けていた


 そっと視線を外したその先に、一体の豚人間オーク


 アイツは何時からいたのだろうか


 目線の先に一体の豚人間オークが直立不動で立っていた


(あんな所で一体、何をしているんだ?・・・)


 オイラは授業を受けながらもチラチラとその様子を観察する


 豚人間オークの事を監視する事暫し……


 豚人間やつは只々ジッと動かず立ち尽くすのみであった


 だが――


 豚人間やつは突如として動きを始めた


 それは腕を天高く突き上げ、そうかと思うと次はそのまま腕をユラユラ振り続ける


 腕を降ろしたかと思うと再び腕を突き上げユラユラ……


 豚人間やつは一体何をしたいのだろうか?


 それはまるで阿波踊りでも踊っているんじゃないかと思わせる行動であった


 豚人間やつはそれを一心不乱にやり続る


「ムフッ・・・」


 見ていてチョット面白い


 踊りに合わせて音楽でも流したいものだ


 チャンカチャンカ、チャンカチャンカ……


 激しく阿波踊りのようなものを踊りだす豚人間オーク


 しかしそんな奇怪な踊りもしばらくすると止めてしまう


 飽きたのだろうか?


 豚人間やつは時間ときが経つと再びまた、動きを止めて直立不動の構えをとる


 踊りだすかと思うと直立不動の構え


 豚人間オークはその奇行を何度も繰り返していた


 それからと言うものオイラは豚人間オークの姿を何度も何度も探し求めている自分の姿に気が付いた


 いつものポジション、いつもの奇怪な阿波踊り


 今日も元気に踊っている……


(馬鹿だ・・・!)


 実に醜いデブの……イヤ、豚人間オークの阿波踊りであった




 ―――そしてこの日、授業は体育であった―――


 休み時間に体操着へと着替えて次の授業の準備を始める


 着替えが終わった者から順々に体育館へと集結して行く


 最近の授業の内容はいつも通りのバスケットボール


 皆が思い思いの仲間と共にチームメンバーを作りあげる


 オイラも仲の良い皆を集めてチーム作りを開始した


 しばらくしてから気がついた事があった……


 あいつが居たのだ。あの豚野郎が、


 ポツンと体育館の端に佇む一匹の豚野郎オーク


 奴は何をする訳でもなく今まで通りに唯々そこに立ち尽くしていた


 気にはなったがオイラは豚人間やつの事を無視すると決めている


 そう、今だけは……


 授業内容でもあるバスケットボールを開始した


 オイラ達の試合が始まる


 スタートしてから直ぐに相手からボールを奪い敵陣地へ


 しかし相手も黙っては見ていない


 オイラの進路を塞ぐべく腕を大きく広げて立ちはだかる


 それを巧みに躱しながら相手陣地へと斬り込むオイラ


 ドリブルしながら幾人の敵を上手く躱したであろうか?


 やがてオイラは敵に阻まれ立ち止まる事となってしまった


(しまった!!。仲間は――。)


 辺りを見渡す……


 だが既に味方へのパスはキツすぎて上手く通りそうにない


 そして相手チームのゴール下を見た時―――


 そいつが居た!!


 いつの間にか味方が居た!!


 ノーマークでしかもゴール下で馬鹿面をぶらさげて突っ立っている


 直立不動の構えを見せるそいつは敵からも味方からも忘れられた存在であった


 無視され続ける存在


 それが奴……


 しかし時には役に立つ事もあるようだ


 オイラは迷わずそいつに向かってボールを大きく放り投げた


 そのボールは大きく放物線を描きながらもそいつに向かって一直線に飛んで行く


 瞬間―――


 突如それは始まった……


 既に恒例となっていた奴の醜い阿波踊り……


 奴は……いや、もうお分かりだろう


 この豚野郎はまたしてもオイラ達の見ている前で阿波踊りを始めたのであった


 シュート……


 外す……


 キャッチしてまたシュート……


 キャッチ、シュート、キャッチ、シュート……


 上に投げてはそれをキャッチし続ける


 一体奴は何をやりたいのか?


 後はその繰り返し……


 奴はそれを幾度繰り返したのであろうか


(醜い……あぁ、醜い……。誰も居なかったんだから、せめて一発でゴールを決めろよな!)


 そう思ってしまうのはオイラのエゴだろうか?


 既に奴の周りに敵チームがワラワラと集まり始めていた


(こいつは何度同じ事を繰り返したら気が済むんだ!!)


 それを少し離れた所から眺めめながらもその先では今日も奴は元気に阿波踊りを踊り続ける


「あいつ、また踊っているよ」


「早く入れろよな・・・」


 チーム内からヤジが飛ぶ


 そして、それを見ながらオイラは……


「誰かフォローに行ってやれよ」


 苦笑いを浮かべながらもオイラは一応、言葉でフォローを入れてやる


 しかし味方の誰もが動く気配がない……


(仕方がない・・・)


 そうは思うがオイラも他のメンバー同様、そこ場に留まる事にした


 奴の醜い阿波踊りを生暖かい目で見守り続けるチームメンバー一同


 因みにウチのチームの得点は大半がこいつが入れている


 だって、いつもゴール下に居てノーマークなんだもん……


 ちなみに奴は我がチーム内では“ゴール下の阿波踊り野郎”と言う通り名で通ってる……


(醜い・・・。あぁ、醜い・・・。)


「あっ、また外した・・・。」


 そんな様子を生暖かい瞳で見つめながら奴は今日も醜い阿波踊りを踊り続ける……


 シュートが決まるのは何本に一本くらいなのだろうか?


 そんな事を思いながらオイラは視線を明後日の方へと向けたのだった


あぁ・・・ダルい・・・


花粉症つらい・・・

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