第10話 ~廃屋~
■成分・ この物語は作者自身の身に起こった事を忠実に盛って作成されています
■効能・ 本製品は、暇な時間の緩和に効果を発揮するアレですよアレ。
■用法・ 容量・本製品は1日1ページ位を目安に御使用ください。
■注意・ 用法・容量をキチンとお守りください。もし、次の症状があった場合は直ちに使用を避け一部の症状が現れた場合、医師とご相談下さい
目の充血、目のかすみ 眠気 破壊衝動 狂喜乱舞 作者への誹謗・中傷(ここ重要)
第10類医薬品.?
中学校からの帰り道
裏道を使用すると帰宅途中に、ある一家の廃屋があった
そこは木々に囲まれ、辺りは昼だというのに薄暗く、生い茂った雑草が人の侵入を拒むようにして佇んでいた
そしてこのボロボロに朽ちた家の中では密かにある噂が立っていた
それは『出る・・・』と……
別にトイレを我慢して言っている訳ではない
この廃屋にはある噂話があったのだ
家主が自殺を図りその幽霊が出るというそんな根も葉もない噂が……
もちろん、そんな噂のある家だ、興味本位で立ち入る人間が後を絶たないのは言うまでもないだろう
時々、肝試しを兼ねた者達が出入りする
その為か雑草で生い茂っている筈の家の周りの一部には人の通ったような道が、綺麗に一本出来上がっていた
もちろん思春期真っただ中の中学生がそんな話を聞いて黙って見過ごす訳もない
しかもその場所というのがオイラの帰り道のという絶好のポジションなのだ
こうして帰り道が一緒という同志諸君が集まり、帰り道にその廃屋へと探索する事となったのである
帰り道―――
目の前に佇む一軒の廃屋
背の高い雑草が辺りを覆い、一本だけ奥へと続いている獣道
その獣道を進むと壊れた扉から廃屋の中へと入る入口が見えてきた
土足のまま侵入を試みるオイラ達
日はまだ高い
だが、入ってみれば家の中は少し薄暗く、隙間より差し込める日差しがほんの僅かに室内を照らしていた
電気も無く、雨どいで窓を塞がれていれば当たり前かもしれない
光は僅かに壊れた隙間から入ってきていた
時々、家の隙間より入ってきた風がカタカタと鳴り響き、オイラ達の不安感を一層と掻き立てた
唯一の助けはまだ少し明るいという事と周囲にいる仲間達だろうか
彼らが居るだけで何だか妙に心強い
廃屋へ足を踏み入れると皆が早速、思い思いの場所へと散って行く
これから散策開始である!!
オイラも適当な部屋へと入ると物色を開始した
入った部屋はどうやら居間のようだった
それ以外、別段特に何も見当たらない……
お化けも居なければ、それらしき痕跡も見当たら無い
見えるのは畳を外され剥き出しになった木の床だけ
その時――
カタン!!
何かと思いそちらを振り向く
だが、別段何もない
(隙間風でも吹いて何か音がしたのだろう・・・)
オイラはそう結論づけるとそこからそっと視線を外していった
何せ隙間だらけのボロ家なのだ そう結論づけるのも無理なき事
だが、一瞬―――
視界の片隅に何かを捉えた
『何だ!!。あれは!!』
思わず言葉に漏れそうなのを意思の力で押しつぶす
それは口にしてはいけない何かヤバイものだった
誰にも気づかれずひっそりと佇んでいる
これは……見てはいけないモノを見てしまったのかもしれない。そう思った
『ヤバイ!!』
再び、思わず言葉が漏れそうになる
そして、オイラの様子にまだ誰も気が付いてはいない
自制心でその場を離れようとするが体が上手く動かない
そこには人の姿をした何かがあった……
オイラは駄目だと思いながらも逸る気持ちを押さえつけ、それを確認する
瞳が少しづつそちらへと移っていった
視界の端にやはり何かが映る
(あぁ・・・。やっぱりだ・・・!!。)
やっぱりあれは目の錯覚ではなかった
焦りが募る
目が離せなくなった
視線はシッカリとそれを捉えていた
そこには少しくたびれた感がある女性の姿があった
しかし皆、探索に夢中になっていてオイラの様子に気が付いた者は誰も居ない
このままこの場を離れて見なかった事にしてしまおうか?
そうは思うが、やはりどうするべきか気ばかりが焦ってしまう
静寂なる部屋の中で心臓の鼓動だけが〝ドクンドクン”と音を立ててやけに五月蠅い
(皆、早くこの場から去るんだ!)
オイラは心からそう願っていた
でも、なかなか去らない仲間達
更に気ばかりが焦ってしまうオイラとは対照的に仲間達はのんびりしたものだった
手が震えだす
(早く、早く居なくなってくれ!!)
オイラは半ば祈るような面持ちで視界に入る仲間達を見守り続けた
気になって、チラリと視線を戻せばそこにはやはり女性の姿が……
髪の長い女性だった
不意に聞こえた誰かの声
『ここは特に面白そうな物は何もないなぁ~。他の場所も見てみようか?。』
その言葉に反応したかのように皆が周りから立ち去り別の場所へと散策しにいく
(助かった・・・・)
オイラは知らず知らずの内に〝ホッ”と一息ついていた
視界の中から次々と消えてゆく仲間達
その様子をしっかりと確認しながらやがて辺りを見渡し皆が見えなくなったのを確認する
確認してからオイラは改めて視線を彼女の方へと移していった
少しボロボロ感のある髪の長い黒髪の女性
オイラはそんな彼女に引き寄せられるかの様にフラフラと歩み寄った
オイラはそこで彼女を見ながらゆっくり屈み込む
彼女の姿をしっかりと捉え、瞳に映るその姿……
それは――
ボロボロに朽ちた一冊のエロ本
オイラは皆が居なくなったのを再び確認しながらもゆっくりとページをめくっていった……
そう、ゆっくり……
ゆっくりと……
女性の姿を堪能しながら・・・・
(ムフッ・・・!!
ムフッ、ムフッ・・・!!)
あぁぁ・・・明日から仕事か・・・




