表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生王女は元男の子  作者: いでりん
34/36

閑話 メイドからの印象

はい、今度こそ最後の連続更新です。

一気に書いたので読みづらいかも。申し訳ない。


 わたしはハンナ。

 ついこの間まで、アルフェル様のメイドをしておりました。

 現在は、アルフェル様の娘であるミサーナ様のメイドをしています。


 本日はこのミサーナ様について、少々お話させて頂きたいと思います。


 では、まず初対面の印象から。

 初めて顔を拝見した時には、フロウス様に半ば潰され、顔どころか全身血塗れでしたのであまり良い印象はありませんでしたね。

 ただまぁ、そのギャップもあり、血を拭った時には意外と可愛らしい顔立ちをしているなと思いました。少なくとも、イーガス様と死闘を演じるような子には見えませんでした。


 その後しばらくは目覚めなかったので、割愛致します。


 次に、目覚めて最初に話した時の印象ですね。

 一言で言うなら、狂人、でしょうか。


 どこの世界に、寝起きに逆立ちをする元王女が居るのでしょう。

 しかも、緩めの服を着ていたせいで下着も見えていましたし、いくら同性とはいえ、淑女の嗜みや、羞恥心は教わらなかったのか……いえ、この場合はどこに置いて来たのか、ですね。

 指摘しても、赤面どころかストレッチでごり押すくらい図太かったですし、これもう王女じゃないですよね。なんなら、女性かどうかも怪しい。


 その後確認しましたが、アルフェル様の術も効いていないようでしたし、印象としては少女の皮を被った不気味なナニカ、でした。


 お次は勉強を教えた時の印象ですね。

 はい、正直天才だと思いました。


 算術については、王国で教わったからわたしに習わなくても出来るとのことで、納得は出来ましたが、歴史も神学も三度以上同じ事を教えた記憶がありません。

 それなのに、編入試験ではほぼ満点を叩き出していますからね。わたしが小さい頃に頑張っていたのはなんだったのか、と文句が出そうになりました。

 魔法も含め、やはりアルフェル様の娘なのでしょう。頭の出来が違いました。


 学校でのことも、わたしが知っている限りで話しましょう。


 どうやら編入初日から、ずっと友達が出来なかったらしいです。

 これに関しては、ミサーナ様の問題ではないでしょうね。最初以外は。


 最初はミサーナ様もクラスメイトに歩み寄ろうとはしていたそうですが、三日程度で諦めたそうです。

 そして、その時間を魔法の練習や勉強にシフトしたとか。学生としては正しい行動かも知れませんが、子供としてそれはどうなんですかね。それを気にした様子も無かったそうですし。

 ついでに言うなら、それを不気味がって、更に人が寄り付かなくなったという自覚はあるのでしょうか。絶対無いですね。


 ただ、彼女も友人を作りたくない訳ではなかったのでしょう。

 つい最近、人とお茶を飲んでいて帰るのが遅くなった日がありましたが、その日はやたらと上機嫌でしたし。

 まぁ、普段から機嫌が悪いことなんて滅多にない人ですけど。


 話してみると普通に楽しいし、良い子なんですけどね。

 無駄に見た目が良いこともあって、近寄り難い。見た目と中身が釣り合っていない典型みたいな人だと思います。残念美人という程ではありませんが。


 この時点で、わたしもかなり彼女に絆されているのでしょうね。本当に悪い子じゃないのが性質が悪い。

 と、思っていたのですが、二度だけミサーナ様が悪い感情を強く表に出した出来事があります。


 一度目は、イーガス様の息子であるルガス様との決闘の時です。

 理由は、ルガス様が自分が勝ったら、父であるイーガス様に謝罪しろと言ったそうです。

 正直、ミサーナ様に学生が勝とうとするのは無謀だと思うのですが、ルガス様には勇気があったのでしょう。

 ですが、ミサーナ様の反応は劇的でした。

 口調が少し荒くなり、顔も不機嫌そうに歪んでいたそうです。

 どれだけイーガス様が嫌いなのかと聞いてみたいところですが、まあロクなことにならない気がするので、控えておきます。好奇心は猫を殺すそうですし。


 そして二度目は、現在。

 ドラゴンと戦っている彼女の態度は、もう色々な意味で酷いです。


 まずは口調、酷い原因は殆どこれですね。

 荒々しい、というかほぼ男です。それも結構乱暴なタイプの。


「ハッ!ざまぁ見やがれ!」


 やばくないですか?

 元々そういうのを投げ捨ててはいましたが、淑女としてどうなんですかね、これ。

 いやまぁ、これに関してはこちらにも非があるので強くは言えませんけれど。


 というのも、今回のドラゴン狩りですが、実はアルフェル様もわたしも、ミサーナ様に達成出来るとは思っていませんでした。


 ドラゴンの鱗は硬く、生半可な魔法では砕けませんから、攻撃力が足りないと思っていたのです。

 それに、そもそもドラゴンは単騎で狩る相手ではありませんし、それをするのは幹部の方達だけですから、未だ学生であるミサーナ様には荷が重いのです。

 重いと、思っていたんですがね……。


 わたしの目の前で、ドラゴンの腹部が不自然に膨らみました。あれ、多分爆発してますよね。アルフェル様が似たような事をしているのを見たことがあります。

 かなりエグいです。十歳の子供の所業としてどうなんですかね。

 正直、年齢を偽っている、とでも言われた方が信じられるのですが。


 というか、見たことの無い魔法使ってますよね。

 わたしはこれでも長くアルフェル様のメイドをしていたので、魔法については詳しいと自負しています。ですが、あのドラゴンの腹部を爆発させた小さな魔法は見たことがありません。人族にそんな強力な魔法があるとは思えないのですが……。


 そんな事を考えているわたしの前で、ドラゴンの腹部は更に爆ぜていきます。

 それはそれはもうドンドンバンバンと。


 わたしがのんびり観戦している間に、ドラゴンは五回爆発したところで息絶えました。

 あれ、魔石は無事なんですかね。流石にそれくらいは考えてくれているとは思うのですが、それでも少し不安です。


 そんな考えを持ちつつミサーナ様に話しかけると、早速先程の魔法について言及がありました。

 どうやら、わたしの口止めをしたいようです。

 …………この反応、自分で造った感じがしますね。怖い怖い。


 ただまぁ、自分で考えたなら、いえ、あれほど強力な魔法なら、口止めしようとするのは当然ですね。

 むしろしない方がおかしい、というか、不用心にも程があるというものです。


 となれば、口止めしたいミサーナ様と、報告したいわたしとの交渉勝負となる……と思っていたのですが、なんかあっさり報告を認められました。アルフェル様限定ですが。


 ……他の幹部に比べれば、アルフェル様に報告するくらいは大丈夫と考えているのでしょうが、アルフェル様が話すとは思っていないのでしょうか。結局不用心ですね、この人。


 結局、これまでの付き合い全てを通しての印象は、『勉強、魔法面において優秀ですが、ガサツで詰めが甘く、男らしい雰囲気のある才女』ですかね。


 自分で言っておいて何ですが、この印象の人間とか存在するんでしょうか。

 色んな意味でおかしい気がします。


 まぁ……これから先もしばらくは付き合う事になるでしょうし、ゆっくり評価させていただきましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ