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オケアノスオブイースポーツエリア  作者: 桜崎あかり


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第10話『トゥルーへの答えを探して』その3

・2021年9月21日付

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 アルストロメリアのプレイを見ていたのは、プロゲーマーや一般客だけではなかった。中にはVRゲームで有名なプレイヤーも、彼女のプレイに対して足を止めて見る者もいる。


「あれが――ARゲーム」


 若干ぽっちゃりで、黒髪のツインテールと言う女性――他のギャラリーにも似たような人物がいるのだが、そちらよりは若干目立つ。


 その理由は、彼女がVRプレイヤーとしては知名度のある人物だったからである。


「今は、どうでもいいか――」


 彼女の名前はウォースパイト――後に改名をする事になり、VRゲームからも離れる事になる人物。


 活躍するのは――まだ先の話であるが、いくつかの場面でARゲームと遭遇した事が、ARゲームに興味を引かれるきっかけとなったのは言うまでもない。


「彼女は確か――と思ったが、ARゲームプレイヤーではないな」


 背広を着た男性ゲーマーが彼女を見て、興味深そうにするのだが――すぐにセンターモニターの方を振り向く。


 センターモニターではアルストロメリアが次のステージへ向かうべく、フィールドの探索を始めていた。


【ARゲームにもプロゲーマー制度は導入されていたな?】


【そのはずだ。既に様々なゲームで公認プロゲーマーは生まれている】


【その一方で、ARトランスでは少ないと聞く】


【少ないと言うよりは、指折り数える程度だ。他のジャンルだと少なくても100人レベルだ】


【100人で少ないのか?】


【イースポーツの規模を考えていないのか? メーカー公認だと1000人はいないかもしれないが、自称だと1万人はいる】


【自称? それで通じるのか?】


【それでネット上で認められる動き出ないからこそ、メーカーが公認を出すのだろう】


 ネット上ではプロゲーマー議論が白熱する。ARゲームではメーカーがプロゲーマー認定を行うジャンルもあれば、別のケースで認められる事もあるらしい。


 しかし、プレイヤーサイドではプロゲーマーが無尽蔵に増える事は歓迎される物ではなく、モラルの低下を招くのでは――と懸念する声だってあった。



 ゲームフィールドの方では、密かにランスロットが次々とアイテムを回収していく。何故にアイテムを回収ばかりをしているのかは不明である。


【あのランスロットがアイテムばかりを回収しているように見えるな】


【スコアが増えるアイテムもあるらしいが、アイテムがあれば勝てる的な要素はない】


【つまり、入手すれば有利だが――なくても問題ない、と?】


【その通りだ。アイテムがあればある程――有利にプレイ出来るかもしれないが】


【アイテムをとりつくす事は出来ないだろうが――何をするつもりなのか?】


 ランスロットのやっている事は、ある意味でのアイテムコレクターと言えなくない。それはアイテムを入手して事典等に登録される場合に発揮されるが、ファンタジートランスにはそう言った概念は存在しないのだ。あくまでも隠し楽曲絡みでアイテムは必要かもしれないが――。


【隠し楽曲って情報あったか?】


【ウィキでは、既に10曲ほどは存在が確認されているが――アイテムなしでも出せる曲が多い】


【そうなると――アイテムを集めている理由は?】


【第2次解禁でアイテムが必要になると想定しるのではないのか? それならば、納得がいく】


【一体、ランスロットは何をしたいのか――】


 ランスロットの正体は色々と不明な部分も多い為――ネット上でもまとめサイトで書かれているレベルの情報しかない。


 しかし、そうしたサイトが真実を書いているとは疑わしいので、それを信じるかどうかは個人の判断にゆだねられる。


 それなのに――ネット上では承認欲求や自分のストレス発散目的等でネットを炎上させる為、ねつ造まとめサイトを立ち上げてアクセス数を稼ぐ手段等が使われるのだ。



 ガングートの話を含めて色々と悩む箇所はあったが――アルストロメリアは先のステージへ進む。そうしないと、時間切れを起こす為だ。


 ボスバトルでは時間が減らない事が判明したが、それ以外では減少する。下手にアイテム収集をしていると、時間は消耗するだろう。


 無料プレイ以降のプレイ料金は個人負担になるが――支払うかどうかの判断材料を決めなくてはいけない。その為に――彼女はファンタジートランスをプレイしている。


 その状況下で、彼女は――ある人物と鉢合わせになった。100メートルは進んでいないような――そう錯覚する位には。


「神殺しの剣――?」


 アルストロメリアの腕は無意識に震えている。まるで、このプレイヤーにあってはいけないと警告しているかのような――。


 明らかにSFモチーフのアーマーだが、その形状を見るとワンオフではなく汎用アーマーにカラーリングをアレンジした感じにも見える。


 一方で、武器に関しては実体剣タイプのロングソードにビット兵器が合体したような――見た事無いタイプの武器を左肩のハードポイントに固定していた。


 この人物はアルストロメリアの方角を向く事無く、別のエリアへと向かうのだが――何者だったのだろうか。


 この人物を追跡しようとは考えていないが、向かった先は本来のルートとは違っている。唐突にバトルとなったら、時間を消耗すると考えた場合――これはラッキーと言うべきかもしれない。


「どうして、あのプレイヤーがここに?」


 アルストロメリアも噂だけは知っていた。ARゲームの一部ジャンルでネット炎上を起こしている人物がいるらしい――と。


 ネット炎上勢力は無名のモブを含めて無数にいるかもしれないが、それ以外で危険だと言われているのが神殺しとも言われている――ミストルティンだ。


【ミストルティンは危険人物――なのか?】


【それはまとめサイトが邪魔と考えている人物だから、個人的に叩いているだけじゃないのか?】


【いわゆるヘイトと言う事か】


【噂によると、ミストルティンはとある歌い手夢小説や実況者小説等のナマモノ夢小説を叩いていると言う噂も――】


【それこそ芸能事務所の拡散している情報だ。大手芸能事務所AとJの手のひらで踊らされるのは――】


 ネット上の書き込みもあるのだが、それこそ複数アカウントを利用しての印象操作やマッチポンプ――そう言う物で間違いない。


 結局、ミストルティンが何者なのかは不明――その認識が正しいのである。あえて放置してもよい人物であれば、その人物を調べる必要性はないだろう。


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