第十六章 あらすじと人物紹介
◆一行目は呼称。
用語と地名は「野茨の環シリーズ 設定資料」でご確認ください。
【思考する梟】などの術の系統の説明は、「野茨の環シリーズ 設定資料」の「用語解説07.学派」にあります。
◆第十六章 連携 あらすじ
移動販売店プラエテルミッサのトラックは、魔獣に追われ、アーテル領ランテルナ島へ渡ってしまった。
アーテル軍の検問を機転でやり過ごし、ネモラリス人ゲリラの隠し拠点で保護されたが、ネーニア島へ戻らなければ危険だ。
ファーキルは、老婦人シルヴァの【跳躍】で、ランテルナ島最大の都市カルダフストヴォーに移動する。単身、地下街チェルノクニージニクに降り、かつて訪れた呪符屋を頼る。
レノたちは、魔法薬、夏服、野菜畑などを作り、【不可視の盾】の実践訓練や、呪歌【癒しの風】などの習得で、少しずつ力を付ける。
諜報員ラゾールニクが、呪医セプテントリオーを訪ね、新たな情報をもたらす。
島に隠された拠点に武闘派ゲリラが帰還。ピナとアミエーラを人質に取られ、少年兵モーフとソルニャーク隊長が協力を申し出る。
★登場人物紹介
■移動販売店見落とされた者■
ドーシチ市を出発後、ツマーンの森を横断する新道で魔獣に追われ、北ヴィエートフィ大橋を渡ってランテルナ島へ逃げ込む。
森の中に隠された別荘に迷い込み、呪医セプテントリオーと葬儀屋アゴーニに再会。一行は、ネモラリス人有志ゲリラに手伝いを強要される。
★薬師 アウェッラーナ 呼称は「榛」の意。
湖の民。髪と瞳は緑色。フラクシヌス教徒。
隔世遺伝で一族唯一の長命人種。外見は十五~六歳の少女(実年齢は五十八歳)
実家はネーニア島中部のゼルノー市ジェリェーゾ区で漁業を営む。
ゼルノー市ミエーチ区にあるアガート病院に勤務する薬師。
魔法使い。【思考する梟】【青き片翼】【漁る伽藍鳥】【霊性の鳩】など様々な学派の術を少しずつ使える。
入院中の父を星の道義勇軍に殺され、他の家族や親戚は行方不明。
移動販売店プラエテルミッサでの役割は製薬部門の責任者。
ランテルナ島に隠された武闘派ゲリラの拠点で、庭の薬草をすべて魔法薬に加工するよう求められる。
弱い防護の術が掛かった薄手のコートを着用。
真名は「ビィエーラヤ・オレーホヴカ・リスノーイ・アレーフ」
★パン屋のレノ 呼称は「馴鹿」の意。髪の色と足が速いことから。
力なき陸の民。フラクシヌス教徒。十九歳。濃い茶色の髪の青年。
ネーニア島のゼルノー市スカラー区にあるパン屋「椿屋」の長男。
両親と妹二人の五人家族。パン屋の修行中。
テロと戦争で店と親を失い、妹と親友たちと共に助け合って避難生活を送る。
力なき民でも使える術の存在を知り、少しでもできるようになりたいと思う。
成り行きで、移動販売店見落とされた者の店長になった。
調理服っぽい白い服にエプロン。妹たちが作った薄緑色地にサンドイッチの刺繍が入ったTシャツにエプロン、夏用ズボンを着用。
妹たちを守る為、ソルニャーク隊長に銃の扱い方を教わる。
◆ピナティフィダ(愛称 ピナ) 呼称は生まれた季節に咲く花の名。
力なき陸の民。フラクシヌス教徒。中学生。二年三組。濃い茶色の髪。
レノの妹、エランティスの姉。しっかり者。
状況を見極めて必要な教えを乞い、理解して実践できる判断力と行動力を持つ。
幼い頃から家業のパン屋を手伝い、料理上手で商売のコツも心得る。
移動販売店プラエテルミッサでの役割は、パン部門と販売と広報。
針子のアミエーラに裁縫、呪医セプテントリオーに呪歌【癒しの風】を教わる。
自作の薄緑色地に食パンの刺繍が入ったTシャツに夏用ズボンを着用。
◆エランティス(愛称 ティス) 呼称は生まれた季節に咲く花の名。
力なき陸の民。フラクシヌス教徒。小学生。五年二組。濃い茶色の髪。
レノとピナティフィダの妹。アマナの同級生。大人しい性格。
家事や店の手伝い経験があり、ある程度パンやクッキーを作れる。
移動販売店プラエテルミッサでの役割は、パン部門と販売補助と広報。
針子のアミエーラに裁縫、呪医セプテントリオーに呪歌【癒しの風】を教わる。
自作の薄緑色地にコッペパンの刺繍が入ったTシャツに夏用ズボンを着用。
★工員 クルィーロ 呼称は「翼」の意。
力ある陸の民。フラクシヌス教徒。工場勤務の青年。二十歳。金髪。
パン屋の息子レノの幼馴染で親友。ゼルノー市スカラー区在住。
両親と妹のアマナとの四人家族。隔世遺伝で、家族の中で一人だけ魔力がある。
魔法使いだが修行を怠り、使える術の系統は【霊性の鳩】が少しだけ。
最近、少し【操水】が上手くなった。
機械に興味があり、ゼルノー市グリャージ区のジョールトイ機械工業の音響機器工場に就職。
両親は共働き。父は出張が多く、テロ当時は首都クレーヴェルに居た。母は隣のマスリーナ市にバス通勤し、生存は絶望視される。
移動販売店プラエテルミッサでの役割は販売部門と機材管理。
ランテルナ島で、呪医セプテントリオーに防禦魔法【不可視の盾】を教わる。
妹が作った薄紅色地に工具の刺繍が入ったTシャツに夏用ズボンを着用。
アウェッラーナが教え子からもらった最下級の【耐寒】【耐暑】【衝撃緩和】などの防護の術が掛かったマントを譲られた。
◆アマナ 呼称は生まれた季節に咲く花の名。
力なき陸の民。フラクシヌス教徒。クルィーロの妹。金髪。
小学生。五年二組。エランティスの同級生。ゼルノー市スカラー区在住。
音楽と魔術の融合に興味があり、【歌う鷦鷯】学派の解説書などを読む。
少しでも平和に近付く為、みんなに呼掛ける歌を作詞する。勉強家。
移動販売店プラエテルミッサでの役割は販売補助と広報。
針子のアミエーラに裁縫、呪医セプテントリオーに呪歌【癒しの風】を教わる。
自作の薄紅色地に音符の刺繍が入ったTシャツに夏用ズボンを着用。
★お針子 アミエーラ 呼称は「宿り木」の意。
陸の民。キルクルス教徒。十九歳の女性。金髪。青い瞳。仕立屋のお針子。
工員の父と二人暮らし。祖父母と母と弟妹は病死。母方の祖母が力ある民。
隔世遺伝で魔力を持つが、知識がなく、魔法を使えない。
力なき民のフリでキルクルス教徒として生きるか、信仰を捨て、魔術を教わって力ある民として生きるか迷う。
河の畔でトラックの一行と出会い、行動を共にする。
ドーシチ市の屋敷で、湖の民の薬師アウェッラーナに自分が何者か明かし、祖母の手帳を見せた。
移動販売店プラエテルミッサでの役割は蔓草細工部門と縫製。
自治区では、魔術的な真名を名づける習慣がない。
真名は「イフェイオン・ユニフローラム・ステルラ・カエルラ」で、母が秘かに付けた。
鍋や食器、非常食、祖母の手帳三冊、クフシーンカ店長から預かった大伯母カリンドゥラ宛の手紙などを所持。魔法のコートと肌着を着用。【耐寒】などの術で少し守られる。
★少年 ローク 呼称は「角」の意。
力なき陸の民。商業高校の男子生徒。十七歳。ディアファネス家の一人息子。
ゼルノー市セリェブロー区在住。家族と相容れず、家出する。
ネーニア島のリストヴァー自治区外で暮らす隠れキルクルス教徒。
祖父たち自治区外の隠れ信徒と、自治区の過激派が結託したテロ計画を知りながら、漫然と放置した。保身に走り、後悔しがち。
移動販売店プラエテルミッサでの役割は販売部門。
ドーシチ市の屋敷では、薬師アウェッラーナの講義を補助した。
戦う為、ソルニャーク隊長に銃の扱い方を教わる。
呪医セプテントリオーに呪歌【癒しの風】を教わる。
ラジオや非常食、【魔除け】の護符、【魔力の水晶】などを所持。
アウェッラーナの教え子からもらった【不可視の盾】の手袋を左手だけ装備。
アミエーラたちが作った薄青色のTシャツと夏用ズボンを着用。
★少年兵 モーフ 呼称は「苔」の意。
力なき陸の民。キルクルス教徒。星の道義勇軍の少年兵。十五~十六歳くらい。
リストヴァー自治区のバラック地帯出身。アミエーラの近所のおばさんの息子。
自治区外に出て他の暮しを知り、フラクシヌス教徒や魔法使いと共に避難生活を送る内に考えが変わる。
移動販売店プラエテルミッサでの役割は蔓草細工部門。
ネモラリス人の武闘派ゲリラに銃の扱い方を教える。
以前はボロボロの格好だったが、ファーキルがくれたトレーナーと交換品の服に着替えた。
ランテルナ島では、アミエーラたちが作った薄青色のTシャツとボロい作業ズボンを着用。
◆隊長 ソルニャーク 呼称は「雑草」の意。
力なき陸の民。キルクルス教徒。おっさん。冷静な判断力を持つ知識人。
星の道義勇軍・第三小隊の隊長。モーフたちの上官。狂信はせず、自爆攻撃には否定的。
大地と同じ色の髪に彫の深い精悍な顔立ち。空を映す湖のような瞳は、強い意志と知性の光を宿す。
移動販売店プラエテルミッサでの役割は蔓草細工部門の責任者。
ネモラリス人の武闘派ゲリラに銃の扱い方を教える。
ランテルナ島で、アミエーラたちが作った薄青色のTシャツとボロい作業ズボンを着用。
◆元トラック運転手 メドヴェージ 呼称は「熊」の意。
力なき陸の民。キルクルス教徒。星の道義勇軍の一兵士。おっさん。
リストヴァー自治区のバラック地帯出身。歌が上手い。
以前はトラック運転手として、自治区と隣接するゼルノー市グリャージ区の工場を往復した。仕事で重傷を負い、ゼルノー市立中央市民病院への入院経験がある。入院中に妻子を亡くし、星の道義勇軍に入った。
みんなに「国民健康体操」を教える。
移動販売店プラエテルミッサでの役割はトラックの運転と蔓草細工部門補助。
ランテルナ島で、アミエーラたちが作った薄青色のTシャツとボロい作業ズボンを着用。
★ファーキル 呼称は「松明」の意。
力なき陸の民。キルクルス教徒。男子中学生。十五歳。
アーテル共和国北部、ヴィエートフィ大橋の袂にあるイグニカーンス市在住。
ぱっとしない外見で大人しい。頭はいいが、親と同級生からは蔑ろにされる。
ネモラリス共和国領内で、移動販売店見落とされた者の一行と出会い、以後、行動を共にする。
アーテル共和国人だが、ラクリマリス王国のグロム市民であると偽る。
各種SNSなどのアカウント名は「真実を探す旅人」で統一。インターネットで写真を公開し、空襲被害の惨状を伝える。
真実を伝える為なら、命を捨てても構わないと考える。
移動販売店プラエテルミッサでの役割は販売部門補助。
タブレット端末、呪文をまとめた手帳、【魔力の水晶】を所持。呪符屋がくれた魔法の手袋は右が【退魔】、左は【不可視の盾】の術の補助具。
呪医セプテントリオーに呪歌【癒しの風】を教わる。
ランテルナ島で、シルヴァが調達した変なTシャツと夏用ズボンに着替えた。その後、アミエーラたちが作った薄緑色のTシャツに着替えた。
■自治区民■
◆仕立屋の店長 クフシーンカ 呼称は「睡蓮」の意。
力なき陸の民。キルクルス教徒。一人暮らしの老婆。気前がいい。
団地地区で仕立屋を営む。
アミエーラの祖母フリザンテーマの親友。存命中はお互いに助け合った。
自治区選出の国会議員ラクエウスの姉。議員への繋ぎ役として一目置かれ、顔が広い。
初夏から、ラクエウスの支持者らと共に、バラック地帯の大火を生き延びた者の生活再建を支援する活動を始めた。
■リャビーナ市民楽団■
ネモラリス島東部に位置するリャビーナ市の楽団。プロとアマが混在。音楽を通じた慈善活動にも熱心。
★ラクエウス議員 現在の呼称は「罠」の意。
力なき陸の民。敬虔なキルクルス教徒。老人。クフシーンカの弟。
ネモラリス共和国リストヴァー自治区出身の国会議員。無党派。自治区の発展の為、尽力する政治家。
若い頃は、ラキュス・ラクリマリス交響楽団の竪琴奏者で音楽を生業とした。
半世紀の内乱中に妻子を失う。自治区への移住後、交響楽団時代の人脈を駆使して国会議員となる。
魔哮砲の使用に反対。首都クレーヴェルの議員宿舎に軟禁されたが、両輪の軸党の蜂起に乗じ、クラピーフニクと共に宿舎を脱出。スニェーグ宅に匿われる。
現在は、変装してリャビーナ市民楽団に加わる。
若い頃の呼称はハルパトール、「竪琴奏者」の意。
◆スニェーグ
力ある陸の民。白髪の男性。ピアノ奏者。クラピーフニク議員の協力者。
■ネモラリス政府軍■
★ルベル 呼称は「赤」の意。髪色に因む。
力ある陸の民の男性。フラクシヌス教徒。実家はネモラリス島北東部ウーガリ山中にあるアサエート村。
ごつい体格で厳つい顔。彼女いない歴は年齢と等しい。
ネモラリス政府軍の魔装兵。兵学校を卒業して数年の若者。末端の兵卒。
【飛翔する蜂角鷹】学派を修め、偵察などを主な任務とする戦闘員。
治安部隊だったが、テロ鎮圧作戦中に開戦し、急遽、水軍の守備隊に転属。
軍用魔道機船に乗組み、哨戒任務で空襲の警戒にあたる。
魔哮砲の正体に疑問を抱き、この戦争に関する報道発表などの情報を精査。
魔哮砲の行方不明後は捜索任務を拝命する。
軍服は魔法の【鎧】。
■ラキュス・ネーニア家■
旧ラキュス・ラクリマリス王国時代、陸の民の王家ラクリマリス家と共同統治を行った。
共和制移行時に下野して一般国民となる。半世紀の内乱による国家分割後も変わらず、公式の場に姿を見せなかった。
家名のラキュスは「湖/水/墓」の意だが、この地方では、湖の女神の涙の神話から「涙」の意も持つ。ネーニアは「歌/呪文/悲歌/挽歌/子守唄」の意。
◆当主 シェラタン・ラキュス・ネーニア 呼称は星の名「合図」に由来する。
湖の民の女性。長命人種。フラクシヌス教徒で湖の女神派。ネーニア家の当主。
【贄刺す百舌】学派の術を修めた儀式魔術の管理者。
呼称は広く国民に知られる。
■ネモラリス人の有志ゲリラ■
ネモラリス政府軍が防戦一方なことに業を煮やし、ランテルナ島を拠点にアーテル共和国領内で破壊工作を行う。統率力の低い寄せ集め。特に指導者はおらず、人数すら把握できない。
★市民病院の呪医 セプテントリオー 呼称は「北極星」の意。
湖の民の男性。フラクシヌス教徒。湖の女神パニセア・ユニ・フローラ派。
長命人種で外見は三十代前半くらい。実年齢は四百歳以上。
旧王国軍の軍医だったが、共和制移行時に王国軍が解体された際、共和国軍に入らず、公立病院に転職した。
ゼルノー市立中央市民病院で唯一の常勤呪医。【青き片翼】学派を修め、主に外科領域の治療を担当。
オリョールの説得に応じ、ゲリラの隠れ家で負傷者の治療を行う。
移動販売店見落とされた者の一行に【不可視の盾】や呪歌【癒しの風】などを教えた。
旧ラキュス・ラクリマリス王国時代の生まれ。元フナリス群島の島民。半世紀の内乱中に一族を殺され、家名は捨てた。
白衣には魔法の防護が多重に掛かり、魔法の【鎧】並に頑丈。
◆葬儀屋 アゴーニ 呼称は「火」の意。
湖の民の男性。フラクシヌス教徒。髪と瞳は緑色。【導く白蝶】学派を修めた葬儀屋。口は悪いが人情に厚く、割と面倒見がいい。
死は誰にでも平等に訪れるので、なるべく分け隔てなく遺体の処理をしたいが、優先順位をつけざるを得ない場合もあり心苦しく思う。
オリョールの説得に応じ、ゲリラの隠れ家で遺体の処理を行う。
アーテル本土の拠点を破壊されてからは、オリョールたちの身を案じつつ食糧調達などを手伝う。
商売柄、服には【魔除け】や【退魔】など呪文の刺繍がある。
◆警備員 オリョール 呼称は「狗鷲/勇士」の意。
力ある陸の民の男性。髪と瞳は明るい土色。二十代半ばくらい。
医療産業都市クルブニーカの製薬会社に雇われた警備員。森へ素材採取へ行く薬師の護衛だった。【急降下する鷲】学派の術を修めた魔法戦士。
アーテル本土の拠点を破壊され、ネモラリス領の北ザカート市の廃墟に移動。森林地帯で魔獣などを狩り、呪符や魔法の道具の素材を集め、武力を蓄える。
呪医セプテントリオーに武闘派ゲリラを始末する計画を明かす。
◆警備員 ウルトール 呼称は「復讐者」の意。
力ある陸の民の男性。【急降下する鷲】学派の術を修めた魔法戦士。
ネモラリス人の有志ゲリラ。元は森の研究所を守る警備員だった。
◆警備員 ジャーニトル 呼称は「門番」の意。
湖の民の男性。二十代半ば。【急降下する鷲】学派の術を修めた魔法戦士。
ネモラリス人の有志ゲリラ。科学文明には、あまり詳しくない。
医療産業都市クルブニーカの製薬会社に雇われた警備員。森へ素材採取へ行く薬師の護衛だった。薬草の目利きが少しできる。
復讐に虚しさを覚える。
◆警備員 パーリトル 呼称は「護衛」の意。
力ある陸の民の男性。黒髪。髭面のおっさん。【急降下する鷲】学派の術を修めた魔法戦士。
医療産業都市クルブニーカの製薬会社に雇われた警備員。森へ素材採取へ行く薬師の護衛だった。
◆手伝いの老婦人 シルヴァ 呼称は「森」の意。
力ある陸の民の女性。ネモラリス人の有志ゲリラ。
親戚に「難民支援」と称して、ランテルナ島にある別荘を提供させた。
負傷者の看護と別荘の管理、情報収集を担当する。
ランテルナ島民の家を情報収集の拠点にするなど、強かな一面がある老婆。
◆情報ゲリラ ラゾールニク 呼称は「露草」の意。
力ある陸の民の男性。金髪。露草色の瞳。
ネモラリス人の有志ゲリラ。アーテルの市井に紛れ、情報収集を行う。
武闘派との情報伝達の不備で甚大な被害が発生。反省から時折、治療拠点を訪れるようになった。
■ランテルナ島民■
アーテル共和国の自治区。南ヴィエートフィ大橋で本土と繋がり、定期バスが運行されるが、島民は棄民扱い。
地上の街カルダフストヴォー市と、その地下に広がる地下街チェルノクニージニクに人口が集中する。
◆呪符屋 ゲンティウス 呼称は看板の「竜胆」に因む。
湖の民の男性。長命人種。ランテルナ島の地下街チェルノクニージニクにある呪符屋の店主。店に名はなく、リンドウの看板が目印。
初対面のファーキルの身を案じ、様々な忠告をした。ぶっきらぼう。
◆運び屋 フィアールカ 呼称は「菫」の意。
湖の民の女性。二十代半ばに見えるが、長命人種なので実際には高齢。
ランテルナ島の地下街チェルノクニージニクにある呪符屋を拠点に活動する。
魔法使いだが、タブレット端末を使いこなすなど、科学文明にも馴染む。
◆クロエーニィエ 呼称は「(布地や皮などの)裁断」の意。
力ある陸の民。黒髪でごつい体型のおっさん。長命人種。
地下街チェルノクニージニクの魔法の道具屋「郭公の巣」の店主。
【編む葦切】学派の職人。服飾品の製作が得意分野。ファッションセンスに難はあるが、職人としての腕前は確か。
自作の魔法の服や装飾品の他、ヤミで持ち込まれた委託品も販売。




