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学園生活と仲間たち3

「では、今から戦闘実技を行う。まずは武器を選べ」



ライ○ン丸先生がそう言うと、いの一番にウザキャラが武器の置かれた棚へと向かって行った。


午後の授業は座学ではないので学園内にある練習場で行われる。但し、制服のままだ。この制服はゲーム内のこのストーリーにおいてはそれなりの防御力があるので鎧を装着する必要は無い。体操服とかのグラを用意するのが面倒だったスタッフの手抜きではないはずだ。


というか、さっきの授業で作った武器とか使うつもり無いのか俺以外の全員が棚へと行き、それぞれの武器を選んでいた。


一方の俺は、さっき作った武器で構わない…というか、棚の銅製武器より強くなってる。一般的な銅製武器の攻撃力は6〜20程度だ。ゲーム中においては攻撃力は装備者と武器の合算で算出される…早い話が攻撃力を上げて殴るだけの仕様だ。


とはいえ、この現実でそれはまかり通らないのはこれが完成してしまったので何ともいえない…



「各自、選んだらペアになって模擬戦闘を行ってもらう」



レオ○ン先生がそう告げると、両刃の銅剣を持ってウザキャラヴァンがやってきた。



「食べ物野郎。このバスターソードで叩っ斬ってやるから覚悟しやがれっ!」


「ドが抜けてるぞ。この、ど腐れ野郎」



持っているのは一般的にバスタードソードと呼ばれている片手でも両手でも扱う事が可能な剣。ゲーム中においては両手に色んな武器を持てる仕様だったので両手装備するなら両手にそれぞれ持って使えばお得な類いとして重宝されていた。決して、どこぞのラノベ主人公みたいに二刀流にして尊敬されるために名前もその主人公と同じにしたとかって連中と同じにしてはいけない。16連撃とか出来る技スキルなんて無い。


だいたい、勇者のくせして表ストーリーの噛ませ犬イフォルマくんみたいな言動は止めてもらいたい。イフォルマくんが誰かだって…逆から読んで察してくれ。ちなみに後のイベント戦闘で悲惨に死ぬフォイ。裏ストーリーでは出ないからどうでもいい。



「勢いが良いな、ヴァン生徒。では、まずはヴァン生徒とキッシュ生徒が舞台の上で戦ってもらうとするか。魔法は禁止だ。後、殺すのはダメだからな」



ちなみに表ストーリーで最初に学園を選んだら1人でイフォルマくんと戦わないといけない。イベント戦闘だとはいえ強敵だった。倒せなくはなかったが、最初にもらったモンスターをいきなりライバルと戦わせるくらいの緊張感はあった。イフォルマくんは弓使いだったわけだが、どうして仲間にならなかったのかと悔やまれる一方で、弓はイフォルマくん専用と不遇の扱いを受けた。後、死んだイフォルマくんはロリ魔王によって救済された。男として死んだイフォルマくんは美少女になったフォイ。ニューハーフとして学食で給仕として生きる事になったフォイ。



「……聞いているのか、キッシュ生徒?」


「ああ、聞いてる聞いてる」



獅○丸先生から注意を受けたがちゃんと聞いていた。要はこれでヴァンを男として殺しても生きていたら構わんのだろう?


進級試験であんたがイフォルマくんの急所を握り潰したくらいには。だから、その黄金の玉粉砕事件をこのウザキャラに移し替えてやる。


どうして俺が…いや、プレイヤー全員がイフォルマくんを好意的に見ているかというと、あいつ、ロリ魔王と同じようにアイテムくれる良キャラだったからだよ。中古とはいえ武器やら防具やらアクセサリーやらを進級する度に「僕に勝った君がそんな装備で大丈夫じゃない。僕のプライドにも関わる」とか言って渡してくれるイベントは大好評だったのに、「どうしてイフォルマがヒロインじゃなかったんだ」という運営へのクレームによってシンボルをもがれ死んでしまった悲惨なキャラだぞ。良キャラばかり酷い目に遭わす運営への怒りの分も合わせてウザキャラにぶちかます。



「闇しか使えないくせに勇者なんて俺は絶対認めないからな」


「認めるのは俺じゃない。魔王だ…魔王も倒せない雑魚が勇者なんて名乗るな」



ウザキャラが煽ってくるがまだ足りない。むしろ、作ったこれを手にした時からどう使うかしか頭にない…のなら構わないんだが、脳内BGMが鳴り止まないから余計な事を考えるしかない。とりあえず、こちらの煽りはウザキャラ以外の勇者にも効果あったのか勇者の視線が少し痛い。



「正々堂々と。それでは開始だっ!」



大西ラ○オンの合図と共にヴァンがいきなり剣を構えて突っ込んでくる。ちなみに裏ストーリーといえど物語は最初からなので勇者たちのレベルは初期値の推定2〜3だ。それにヴァンは俺同様に大器晩成タイプの種族「人間」であり平均的なパラメータ仕様。攻撃力は推定25前後。更にカッパーバスタードソードの攻撃力は30。合計しても60あるかどうか…


一方、俺の防御力は999に焼肉弁当の1.5倍付与プラス制服の20を足した数値だ。つまり、ゲームなら食らったとしても1程度のダメージにしかならない…ゲームなら。



「そんな直線的な攻撃があるか」



あえて食らって「その程度か」なんて言う程現実は甘くない。俺は手に持ったそれでバスタードソードを弾き飛ばした。



「さあ、撲殺を始めようか」


「えっ…あ、ちょ…「待たない」」



俺は手にした凶器「釘バット」を振り下ろす。脳内BGMのぴぴるぴるぴるという雑音を消すかのように。まあ、重さはそんなにないのでいきなり頭蓋骨が吹き飛ぶなんて事は無い。軽く回避されたので左腕の肉を抉る程度に留まった。「もうやめて、体力0よ」と言われる程じゃない。ここで悲しみの向こうへ行かせるつもりはない。



「痛い痛い痛い痛い痛い痛い…」



とりあえず、ミンチより酷い状態にするため転げ回るウザキャラの両足に振り下ろす。膝から下がパージして吹っ飛んで行った。人を厨二扱いした分だ。ちなみにこの世界でいう厨二とは王宮の厨房に2年くらい勤務していた奴が世界の食卓全てを握っていると勘違いして痛い言動をする事に由来するらしい。だから何だといえばそれまでだが。



「も、もうやめ「お前が謝るまで俺は嬲るのをやめない」」



腕も同じようにしたいが、それだと失血死なんてつまらない終わりになるので急所にバットを突き立てる。



「ぎゃあああああああああああああああああ…」


「そ、そこまでだっ!」



あまりの惨劇にボートに乗っていたらしき小泉純○郎が俺を羽交い締めにして止めやがった。手応え的に1個しか潰れてないぞ、この野郎。



「…ちっ…今回はこれくらいで勘弁してやるか」



どうせ、全回復するイベント戦闘なわけだから片玉になるのかは分からないが、慌てて回復に来たビッチ聖女に下半身を露出させられるという辱しめを受けながら色んなものを垂れ流し、色んな意味で死んだヴァンを見るとざまぁとしか思わないが少しだけスッとしたので構わないという事にしておこう。


誰かが呼びに行ったので仮面ライ○ー先生がやってきて処置室へと運ばれていった片玉の勇者(笑)と心配そうに見つめながらも俺への敵意や殺意を剥き出しにする残された勇者たち…そんな事より、俺はある事を閃いていた。



「……これ、購買で売れば儲かるな」



後日、購買にて勇者を半殺しにした伝説の武器として釘バットが発売され俺が小金持ちになったのは別の話だ。後、玉潰しをしたのはきちんと汚物として消毒した。ロリ魔王が部屋に飾りたいと言ったが却下したのは言うまでもない。

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