永遠の別れなんて本当は無いはず…たぶん、おそらく、そうなんじゃないかな?
という事でバッタもんを爆☆砕しました。正直、呪われてバッタ怪人になるの期待してたけどそんなの無かったん……俺、生まれ変わったらステーキハウスの店長するんだ。あんまり牛肉好きじゃないけど。
「せっかくの肉を…」
「パパがパワーアップさせてくれなかった」
「キッシュさん、酷いですね…」
この嫁たちは暴食の大罪でも背負ったんだろうか…俺は色欲だけでよござんす。とりあえず、昆虫食するなら別れますよ。え、ミミズはどうなんだと…ミミズは動物ですよ。足が6つあって頭、胸、腹と分かれて云々が虫じゃないですか。だから、何だって話ですけど。
「キッシュ殿…食べて強くなるのはともかく、強くなったでしょうか。わっちは…」
「蓮華たん強すぎ。俺要らないんじゃないかなって思う程」
だって、こういう場面は何らかのピンチあって俺が颯爽登場する展開でしょうがと…あまりにも一方的すぎて俺要らないんじゃないかなって思えてきた。鯨の中で遊んどけば良かったんじゃないかなって考えてしまうくらい俺この世界で何もしてない。網作ってレベルを上げたら嫁が増えただけの簡単な生き方しかしてない……鬱だ、バッタ怪人化したい。
「キッシュ殿が要らないなんて事はありませんっ…キッシュ殿が居なければわっちは前を向いて歩けなかった…」
安心してください。最近の若者はスマホに夢中で前向いて歩いてませんから…え、意味が違う?
「前向いて歩けないなら上向いて歩けば良いんじゃないかな…」
「ご主人、今夜はすき焼きだね」
俺としては芋炊きが良いな…ではなく、イルムがボケを拾って更にボケるから収拾つかん。ほら、死んだ人は星になるっていうじゃないか……いや、そんな感傷に浸る気も無かった俺が言うのもどうかしとるけどよ。
というか、まだ朝っぱらですから星とか見えるはず無かったん。あのバッタもん、太陽の子じゃなかったから負けたんだな…まあ、ただのイナゴ顔した魔族でしかなかったわけだけども。今後、そういう敵の襲来あるかもだから網で屋敷の周り囲っておこうかなと思うのですよ。作り過ぎたとか言うな…穴の規模がどれも思ったより小さかったから余ったんだよ。世界レベルの穴とか聞いてたのに合計したってこの屋敷の平米より小さいって何ぞ。ドーム型に組んで置いてやるさ…
というわけで牧場で培った謎の技術を応用してドーム型の網作って屋敷をすっぽり覆いました…数時間で。ホントチートですわ、自分でもどうやったかよく分からない。これだからゲーム仕様ってやつは。
さてさて、俺に放置されて半ば涙目だった新妻蓮華たんは他の嫁たちに慰められましたぞ…だって、考えてもみてくださいよ。次の世界行ったら他の嫁みたいにやさぐれるんでしょ。床では改善されますけど。あんな純粋に好き好きオーラ出してくるのに他所行ったらツンツンですよ…軽く吐血出来るわ。俺、ツンデレは好きだけどデレツンはダメみたいです…軽く死ねるわ。だから、甘やかさないことに決めたん…実際、俺がバッタ怪人化する呪いに掛かってたら食われそうだし。
「さて、これでオラも入れねぇし出られねぇな結界の完成なわけだ」
勿論、俺たちは屋敷の敷地外に居ますよ。次入る時は次○刀とか持ってこないといけないんじゃないかなって思う。その時になって考えておこう。
「………霞ちゃん、つららさん…行ってきます」
蓮華は屋敷に向かって頭を下げながらそう呟いていたのを高性能なデビルイヤーは聞き逃さなかった。まあ、蓮華の気持ちは分かりますとも、勿論ですとも。何か感慨深いというか…分かってますよ、分かってますよ。またまたあのトラウマタイムのお時間なんでしょう。「行ってきます」と出て行ったバカ娘が帰って来なくて地獄を見たバカ柳くんのお話お話の時間なんでしょうと…でも今回は俺は帰す側の立場。俺が命と引き換えてでもここへ戻さないといけないんですよ、分かってます。そもそも、100年以上も一緒に過ごしてきた仲ですからね…家族のところに帰すのなんて当然でしょう。
はいはい、本質は何も変わってませんよ以下略……俺だって色々と理解してますがな。女神が俺たちを殺しにきているわけですからね。もしかしたら、次は嫁の誰かが洗脳とか支配されかねないわけですよ。勿論俺も含めて…
そんな事になったら、命を捨てても解除してやる…天使の魔法に自滅回復魔法あるんよ。そうです、メガ○ルですね分かります。そうなったら俺は嫁たちの心の中に生き続けるんやって話ですけど…その展開はあまり面白くないですね。どうせ生き返りますパターンだし。まあ、そうしなきゃいけない展開はあるんだけどさ。
さて、そんな事は置いといて次の世界に行かないといけないん。だが、今回はあまり手に入れたものがなかったな…ヒヒイロカネとキツネ嫁と魔族肉とその素材だけですん。これだから貧乏屋敷の連中は。本来なら代々伝わる伝家の宝刀とか…は折ったか。仕方ない仕方ない。
まあ、嫁たちがパワーアップしたので良かったとしよう。イフォルマくんの女体化はここでも無理だったわけだし…もう諦めようかなと思う。機械化はさすがに問題だし他の手段があるはずないし…他の魔法に何かないかしらん?
「で、キッシュよ。次の世界は何処にするのじゃ?」
「パパ、何か沢山作ってたから期待してる」
母娘がいつものように問い掛けてくる。まあ、このまま向かうのがベターなんですよね…ちょっとは休憩させて欲しい気もするが。とりあえず、一晩ほどお楽しみしたい。どうせ、また新しい世界行ったらお預けなんですし。たまには野外でやらないかと……そう提案したら殴られた。雰囲気守れってさ…俺、嫁たち守る前に嫁たちに殺されるんでなかろうか。自業自得ではあるけれども。
「とりあえずだな……」
そういえば、イナゴって爬虫類の餌になるらしいからドエムゴンに食わせればとか無駄な事を考えながらも嫁たちに次の世界を何処にするか説明してやった。ここから先は純粋な強さだけでは生き残れない世界ですからの……イルムなら大丈夫な気もするが、あれは規格外なんだよ。
ま、案ずるより産むが易しって言いますからね。それ以前に作る方が難しいんですが…はよ次の世界行って検査しよ。というわけで俺たちは次の世界に向けて出発したのでした。
◇
その頃、某所…
「今回の結界はやたらと強いね」
「我等の出番か。八部衆も倒れ、残されているのは四神である我等のみ…そして、おそらく魔王と共に神魂の欠片は既にこの世からは消えたであろう」
「侵略の意味は無し…か」
「………いや、世界が元に戻れば我々の時代がやってくるだろう。女神が苦し紛れで我々から奪った八部衆長を倒す連中をどうにか出来ればの話だが」
「出来るさ。倒したのは僕の娘だよ…親が子に勝てないわけがないじゃないか」
含み笑いを浮かべる金髪の少年と、それに呼応する4人の魔族…いずれ戦う事になるであろう四神と呼ばれる魔族たちは虎視眈々とその機会を待っていた。いずれ訪れるかもしれない戦いはすぐそこまでやってきているかもしれない。
◇
なんて楽しい事が起こってるんじゃないかなって思うわけですよ。なんて1人で妄想盛り上がってたら置いていかれました。というか、イナゴの最後っ屁の小型イナゴをはけーんしたんで退治してたんですけどね。あの手の生き物は破片生きてたら再生しかねないなり…次来た時にドームに群がるイナゴの大群なんて目にした日には卒倒するわ。危ない危ない…さて、改めて嫁たちを追いかけて追いかけて追いかけて行きずりしますか。
というかイルムは神魂の欠片は無いのに大丈夫ですかね。いや、あいつなら大丈夫か…むしろ俺が殴る前に女神殴り殺せるんじゃないかな。別の不安覚えてきたん…
まあ、それはどうにかするん。さて、ちょい置き土産しておきますかな…どうせ、次はSFチックな世界でござんす。だから魔法をぶっ放すん…君が居ないなら意味なんて無くなるからこの世界もひんやりした温度も時間も気にせずゆっくり凍っていってねって事で世界氷河期突入の極大エターナルフォースブリザードを放ってやった。これでイナゴ残ってても凍死間違いなし…ついでに妄想上の四神や義父も凍死すればええのん。え、居るかどうかも分からないのに気にするなって…居るんじゃないかな。どうせ、まだまだ問題だらけの世界ですし…ほら、解決してない問題も多々ありますから。
とりあえず、イナゴを死滅させる為だけに世界を凍らせてみました…お陰で水属性もカンストしたんす。俺、あまり水属性は使いまくってなかったんですよ。回復、補助、攻撃とばらけ過ぎて使い勝手悪かったし。それを使いこなす蓮華は魔法槍士ですかね…バーサク○ーラーにならなければいいけど。
では、改めて俺は真っ白になったワールドを後にする事にした。そうですカレーは大好物です、ただ欲を言わせてもらえれば激辛が良いんです……麻婆カレーが食いたいな。次来る時は野菜とか色々持ってこないといけないん。やっぱ、来世は牧場経営しようと思うん。カブはあまり食い方分からないからキャベツ育てるん…そうしたら月に住んでる二重人格ロリと出会える気もするん。まあ、今はそれより嫁たちだな…一応説明しているが上手く合流出来るのかどうか。チェリア居るからどうにかなるか…おそらく。




