4とか8とかいってもそれ以上居るのがお約束な件
突如現れた仮面じゃないイナゴラ○ダー…え、歌は歌ってないって。そんなの知ったこっちゃない。
「現れたな、ゴルゴ○の怪人めっ!」
「怪人ではないわっ…我は八部衆を纏めし八部衆長の蟲魔族、バータ・バタバータ様だ」
自分で様とか言っちゃう痛い系だよ。しかもバッタ意識してるんじゃないか。でもお前は間違いなくイナゴだよ。だって、食える八部衆の長が食えないバッタなはずないじゃん。バッタ顔は結構見てきてる俺が言うんだから間違いないね…え、ただのライダーオタクだろと。失礼な、俺は色んなオタクだ。
「…聞かぬ名じゃの。それに八部衆長なぞわらわの居た頃には無かった役職じゃ」
魔王ちゃんが存在そのものを全否定しました。というか、倒したら食わなきゃいけないルール適用してくれるなよ…さすがに虫系の生き物は食いたくないわ。いや、虫食えば世界の食糧事情改善するとか知ってますけど、それならまだゾンビ化してカニバる方がマシでっさ。え、理性捨てる方がマシなのかよって…当たり前だのクラッカー。
「貴様が知らないのも無理は無いな。俺様は今まで橘一族に倒されてきた魔族たちの怨念が生み出した新たな魔族だからな」
説明口調でイナゴが語った。つまり孤独な蠱毒野郎、今まで倒した100匹超の魔族の肉を食らって強なったカニバの王って事ね。蠅の王ならぬイナゴの王なのね、そうなのね…という事は八部衆長とか自称なんじゃねぇか。
「歴代のご先祖様の敵の集合体…」
「ご主人、こいつ食ったらもっと強くなれるねっ」
「そんな最強要らへん」
蓮華は感慨深いのはまだ理解出来るん。イルムは最強なんだからもうええじゃないかと…そんなの食ったら次はキングフォーム化して黒い虫軍団呼び出しかねないし。というか、既に虫系のガタキ○バっぽいフォームあるだろと。え、その考えだと虫食ってるよねイルム。
「食うのはこちらだ。魔族の宿敵と偽の王とその他大勢を食らって魔族を牛耳っているあの4人を倒し俺様が新たな魔王となるのだ」
やっぱまだまだ魔族居るんですね、分かってました。でも、イナゴング分かってないなぁ…お前は裸の王様にでもなりたいのかと。王とは守るべき者や慕われてこそなれるものであって、こちらの魔族は確かに見捨てられたかもしれんがチェリアは王と呼べる事をきっちりやっていたのは知っている。だから、別にこちらでも魔王を擁立して勝手にやっても構わないわけだが……人の嫁様バカにして生きて帰れると思うなゴラァ。
「時を超えろ、空を駆けろ、この嫁のため〜」
という事で、真エスカリボルケインの試し突きするん。そしてだいだいだいだい大爆発だーなん。え、爆発したら屋敷危ないんじゃないかって……知らん。そんな爆発程度で壊れるならもうダメだぁ、おしまいだぁ、だっふんだぁって事になると思うんす。
「待ってくださいキッシュ殿。歴代のご先祖様の敵の集合体…わっちが倒すべき相手です。どうか、1対1で戦わせてください」
新妻が敵とのタイマンを申し出た…いやいや、NTRフラグ以外の何物でもないですやんか。そんなの認めたくない、ミトメタクナーイ。
「却下だ却下。蓮華は体力の消耗が激しいじゃないか。そんなハンデを背負ってまで戦う必要が何処に有るねん」
主にお前の所為だろという嫁たちの視線は無視する。こんな強靭というか疲れ知らずの体にした勇者連中が悪いと思うん……あれ、俺も目の前のイナゴと似たり寄ったりの化け物じゃないか。どうして変身出来んのか…
「キッシュ殿の心配はごもっともです。ですが、わっちはやらなければいけないと思うんです。キッシュ殿の真の嫁となる為にも、また帰ってくる場所を守る為にも」
「どうしてこのキツネ嫁は頑固になってしもたん…教えてイルムたん」
「ご主人、あたしが知ってるわけないじゃん」
せやねせやね…俺の制止を無視して薙刀構えてしもたん。「それでこそ魔族の宿敵」とか言って相手もノリノリなん…ちょっと調教足りんかったと思うん。そりゃ、俺は妖術なるニュースキルを得たからそれなりに強いのは理解してるん。でも、相手が悪いん。100超えた能力持ちのイナゴとか俺やイルムみたいなチートじゃないと勝てないと思うん。実際、蓮華は先代より力ではまだまだ劣る未熟な巫女巫女なんす…生麦生米巫女巫女なんす。いや、驚愕の事実としては114歳のロリババアだったんですけどね…ババア率高いわ。アイリスよりロリなのにチェリアより若いだけだったという。間違いなく真の嫁は現時点でもチェリアですとか言ったら泣くんだろうな…いや、立派な第4夫人ですよ蓮華たんは。
「俺の新妻が言う事を聞いてくれないんだがバッチの許容出来るレベルを超えたんだろうか?」
「何を言っておるのじゃお主は…危なくなったら加勢するが少しは見ておれ。蓮華もお主と共に歩む為頑張っておったのじゃからな…この程度の相手が倒せなければ先へは進めぬ。これは、蓮華が乗り越えるべき壁なのじゃよ」
チェリアがロリババアの貫禄を発揮してバカ言ってるの。倒したら釣りの餌にしてやれば構わないとか思ってるん…と思いたい。佃煮とか嫌なん。大爆発させて木っ端微塵の粉砕玉砕大喝采になって食えない計画も頓挫しそうなん…
さて、観戦モードに入ろうと思うん。薙刀使いの新妻と徒手空拳のイナゴとと戦い。一方的にボコられてるイナゴには隠し腕とか無かった。だからモチーフは慎重にとか思うわけだ。昆虫は6足なのに奴は人型気取ってるから手足しかないわけですよ。某ロボットみたいな隠し腕ビームサーベルとか無さそうなん。あったらあったで嫌なんですけどね。
「何故だ、何故こんな小娘に俺様が勝てないんだっ…」
「キッシュ殿に鍛えられましたからっ!」
そう言いつつ、薙刀を的確に振り回す蓮華…いや、鍛えた覚えは無いんですけど。夜に寝床で運動会してただけで…しっぽ消費して回復するから手強かったですよ。ええ…足腰鍛えられたんですかね。こっちは腰痛かったですよ、はい。
まあ、元々低レベルでラストダンジョンに乗り込んで弱ってるとはいえラスボスを倒せた蓮華たんですよ。その後イルム鬼コーチの下でビシバシ鍛えられたわけですよ…それなりに素養あって戦闘経験積み重ねてますわな。最後の方はイルムや俺がボスを倒しましたが………あれ、先代はまだしも先々代以前はどう対処していたんだろうと思い至る。先代はご存知の通りプレイヤーが用心棒となって戦う裏ストーリーですよ。俺やってないけど…
………さてさて。この世界も矛盾がどんどん出てきてますぞ。この綻びは予定調和なのか、それとも…どうでもいいですよね。早く女神をぶん殴りに行けば済む話だ。とか思っている間に形勢が互角になってしもたん。え、見逃してたわ。
「所詮、弱体化していくだけの魔族との合いの子よ。教えてやろう…お前の父親が誰かを」
「そんな戯言聞く気はありません。キッシュ殿は言ってくれました。わっちはわっちだと…誰が親でもわっちは14代目橘蓮華。そして、キッシュ殿の妻であるとっ!」
真剣勝負の時に相手の動揺誘うのは卑怯なん。でも、ピロートークの話を持ち出すのは無いん。ちょっと調教足りんかった…後、ぽっと出のイナゴが何で蓮華の親を知っとるねん。というか、何か誠○ね臭がしてきたん…え、橘一族って家系図作ったらヤバかったりするんやろか……まさかな。
何か、そんな事を考えてしまったから無性に鉈振るいたくなったん…洒落じゃないよ、マジでだよ。でも、横槍入れたら蓮華が怒りそうだから我慢するん…とか思ってたら、蓮華の手に槍が増えた。いや、あれは蓮華が鋭く尖った氷を作って槍として使っているのか。凍傷にならないよう手袋夜なべして作るべきだな。
「わっちはまだまだ強くなります。このしっぽを託してくれた母様と帰りを待ってくれている2人…そして、わっちを受け入れてくれたみんなの為に」
そう宣言した蓮華のしっぽが光り輝き出した。と同時に左手に持っていた氷の槍が見る見る間に形を変えていくわけですよ…ここで覚醒するとかオーバーキルじゃないですかね。10本…いや、水の薙刀入れたら11本目のしっぽの爆誕である。蓮華の本来のしっぽが武器とか微妙ですん。しかも槍ですよ、槍…まあ、リンドウは2本の鼻毛鞭ですから似たようなもんか?
というかしっぽって武器にもなるんよなと今更ながら思うわけだ…ファ○ネルとか出来るんと違うんと思い至るんですよね、改めて。ブチブチ千切れたしっぽが宙を舞う…これはある種のホラーですよ。さすが妖怪嫁…
まあ、今回はそんな事も無くしっぽが青く光り輝いてるだけなんですよ…え、超キツネ人Godにでもなってるんじゃないかって。稲荷神社に祀られてるのはキツネじゃないですか、今更ですよ。つまり、俺は神を嫁にしたのだっ……言い過ぎました、訂正します。俺はまだ神にも魔王にも人にもなれる程ハーレム築いてねーです。なら、俺は何なん…そうさ、俺たちは天使だったとかって話ですか。ハゲと同類は嫌でがんす。
そんな事を考えているうちに蓮華がイナゴを串刺しにしたん…100超えの魔族パワーは何処にいったん。
「何故だ、何故力が発揮出来ない…」
「わっちの、わっちたちの血の力であなたの能力は封じさせていただきました。このまま数々の亡霊と安らかにお眠りください」
あ、キツネ嫁の封印ですね。力を封じられたイナゴなんて熱く蘇らない限り誇りのエナジーも無いと思うん。完全独走したのが敗因だな…せめて、警察の協力があればバイクとか作ってもらえただろうに。え、ク○ガじゃないって…せめて遺影フォームくらいに強化してから襲ってきて欲しかったわ。
「何故だ…魔族の血も引く貴様に、この怨みを理解出来ぬとは言わせない。偽の王よ、貴様もだ…人間が招きしこの世界の破滅を我等魔族が何故肩代わりせねばならぬ。滅ぶべきは魔族ではなく人間の方ではないか」
「……そうだとしても、お主たちはやり過ぎたのじゃ。魔族として妖怪たちと共存する道もあったはずじゃ。それを選ばず妖怪たちを食い物にし、わらわの盟友の子孫たちに苦しみを与えた罪は重いのじゃ」
チェリアもろくでもない部下を持つと苦労するね。しかも、ろくでなしの夫を持ってるから更に大変だ…胃薬作ってやるべか。
「お覚悟を…八部衆長バッタもんさん」
いやいや、蓮華たんがバッタもんいっちゃいけない。確かに俺はワーム○ン好きではあるけども…関係無かったね、うん。やっぱり俺はてつをが好きだわ。という事で、水の薙刀と氷孤の槍(勝手に命名)の2つをぶっ刺されたイナゴ=バッタもんは少しずつ凍り始めたわけですよ。イナゴのシャーベットとかかき氷は要らんぜよ…
「俺様は最強の魔族のはずなのに…女神め、話が違うじゃないかぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァァァァ………」
何か不穏当な事を言ってバッタもんイナゴは凍りついた。ゆっくり死んでいってねってやつですな……蓮華たんってばパーペキね。俺の心配は必要無かったん…義母蓮華よ、娘は立派に育ちましたぞ。胸以外は…まあ、育ってたら嫁にはしなかったかもしれんが。
「だいたい、寄せ集めの合体怪人は勝てない件」
「ご主人、当たり前の事言ってるだけ」
イルムが自虐しとるん。最強フォーム以外は封印させていいよね。だいたい最初から最強なのに更に最強とか意味不明な生き物ですし。さてさて、こういう自称な魔族妖怪の類いは最後っ屁に呪いとか残すのも定番なん…というわけで、蓮華に呪いが降りかかる前に一欠して爆砕しとくんなー。という事で、どいて蓮華たん。そいつ爆砕出来ないっ!




