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俺のペット嫁(予定)が阿修羅すら凌駕しそうな件

翌朝…ええ、昨日はお楽しみ出来ませんでしたとも。非常食OUT、俺参戦に納得出来なかったから、何なんじゃ忍者忍者なタヌキが所構わずシュシュっと参上しやがって大変だった。お陰でパーリナィッ延期ですわ。


という事で寝不足なわけだが俺と3人の嫁と嫁候補2人の6人パーティで屋敷の南西にある川へやってきた。今回の探検隊の目的は鰐の皮、肉、牙の採取ですん…ついでにシュモクザメとオオカミを捕まえて合体させようず。そんな冗談言ったらイルムが調子に乗った…ええ、百獣合体するつもりですよ、きっと。というか、気の所為かな。さっきから耳の形が時折変わってるん…角にもなってるん。しっぽも変わってるん。これ、食ったの吸収してるんじゃね?



「イルムだけでいいんじゃないかな」


「おこぼれでレベル上げさせてもらえてますから…」



本体リンドウすら呆れる攻撃力ですよ。というか、完全に別個体と化しとるらしいですわ……これ、将来嫁にしないと確実に隠しボス化するパターンっすわ。


まるでドリルのように前から出てくる敵を縦横無尽に倒すイルム…というか、ドリル使ってますん。そんな装備何処で手に入れた…大丈夫か?


で、討ち漏らしとか瀕死の魔物を嫁たちが殲滅していく簡単なお仕事です。俺要らんかったわ、マジで。いや、ボスにチェリアが単独で毎回挑むのを防がねばならんかった…駄々こねるタヌキ娘にクボタイトの刀やったからラスボス戦のハードル上がったからなぁ。そうです、裏ストーリーのラスボスはタヌキ一族の変身体でしたって展開は知らないんだが、ストーリー後にそんな話が毎回あったそうな。雪ババア、鬼畜過ぎワラエナイ。


しかし、川なのに魚の気配が無い。というか、水が毒々しい色をしてる…紫色で時折ゴポゴポいうとりますわ。環境破壊甚だしいな、おい。


だが、自称新妻候補の蓮華の得意分野な水魔法でどうにか移動は出来てるわけですよ。微弱ながらも回復効果のある魔法も含まれる水属性ですからね……先代はそれで何とかパーティの枠を補えていたんですが、今回は足手まとい感がハンパない。主に増えていくしっぽの重さに慣れない様子で、時々すっ転ぶんよ。まあ、巫女装束で岩とか登ればそうなるわな…モフりたい、あのしっぽ。されど、隠せないんですかね…先代には無かったよ、しっぽもケモミミも。







そんなこんなしながら日暮れまで川を探索してるから夜営よるのいとなみ…いや、野営しなきゃいけなくなったん。川で野営するとか危ないんなー…と思っていたら、この川に温泉が湧いていたというご都合仕様。回復ポイントですね、知ってます…というか、先代と混浴シーンがありました。俺はフラグミスして見れんかったけど。だって、プレイヤーとのレベル差3以内とか無理だろ。3以内だと見張りの意味無いから一緒にとか意味分からんし。今回は無いよな?



「パパ、ご飯出来た」


「キッシュさん、おかずを出してください」



アイテムボックス扱いされる俺…まあ、念を入れて人面鶏の唐揚げとか金髪豚の生姜焼きとか入れてますが。ご飯は飯盒炊爨ですよ、あつあつほかほかですねん…敵のテリトリーの中で飯盒炊爨する余裕が怖い。更に、その余熱で倒した魔物の肉を食おうとしている魔王と百獣とモフしっぽの感性も怖い。まあ、イルムなんて昨日は馬鹿の兜焼きを食ってましたからね…どうして剥製にしなかったし。



「そういえば、今までは日帰り出来てたのに野営になったわけだが…」



まあ、ゲームの頃でもここら辺からダンジョンが長くなるのは定番だったわけだし、きちんと準備してきたわけだから大丈夫だ、問題無いってわけだが。



「それはパパが悪い」


「ドロップアイテムとか、宝箱回収しているからですよ…」



アイリスとリンドウが呆れた目で見てきた。え、今まではアイテム回収してないだと……勿体無い。それにイルムなんて生肉で済ませてたのをいちいち焼いて与えるから遅くなったとか言う始末。衛生面甘く見過ぎだろ、マジで。それでイルムが腹下したら大変でないかい。



「それに、パパはただ見てただけ。霞みたいに手伝ってない」


「そこは、まあ…作戦的には分かってるんですけどね」



タヌキ娘が抜けた分、俺が足手まといと言われました。一応回復とかサポートしてるんですけどね…何処ぞの神官みたいに効かない即死魔法を繰り返したりはしとらんのんやけど。後、転びかけてる蓮華を支えたりしとるん。ラッキースケベはまだ無い。


とりあえず、向こうで貪っている3人とは別に優雅な食事を楽しみましょうか…アイリスとリンドウに罵倒されながらですけど。欲求不満な時はこうなるのですかね、俺の嫁さんたちは。






食後、わっちたちはキッシュ殿を差し置いて入浴と相成った。チェリア殿の「こんな場所でやり始めたら危険極まりないのじゃ」という一言に渋々納得した形だ…主にわっちが。


誘うとかいう事ではなく、スキンシップというものが足りていないし、妻となるのであれば背中を流す事くらいするべき…とは思ったものの、他の面々を差し置いては無理と自覚もしていた。



「キッシュが入って来たら遠慮せず魔法で追い払うのじゃぞ…修行にもなるのじゃ」


「ボス倒したら、また水の魔法が必要」


「それは分かっていますけど…さすがにキッシュ殿に攻撃は」



今までもボス戦後には山火事を消したり、谷に水を流して水車を回したり、荒野に水を与えて潤したりとやってきた。おそらく、今回はこの川の源流の浄化といったところだとわっちも考えている。


母様のやってきた事とは別の難しさ…キッシュ殿にそれを詳しく話してないのは自分だけで行う力を身に付けるためというチェリア殿の助言からだ。キッシュ殿に認めてもらうには頼ってばかりでは相応しいとは言えない…今のわっちとキッシュ殿の関係は母様の言葉で成り立っていて、それに甘えているに過ぎない。わっちが少しでも認めてもらえないなら前に進めない。



「それくらいであやつはどうにかなるようなものではないのじゃ。むしろ、どうにかなるような時はお主を認めるはずじゃ」


「そうでしょうか…」


「レン、だいじょぶ。パパは頑張ってるのきちんと見てる」


「オレだって受け入れてくれたんだし、大丈夫だって。今は役目とかあるけど、それさえ終われば…」






「って話してるよ、ご主人」


「万能盗聴器イルムたんワラエナイ」



覗かず火の番をしてますん。ぼかぁ、こう思ったわけですよ…好感度高いなら後で俺が入る時に一緒してくれるんじゃなんて甘い理想を。好感度高過ぎるのが結果として監視役として残ったん…有能過ぎて数キロ先の針が落ちる音すら聞けるようになってん。本当に危ない奴を仲間に入れたん…隔離して嫁たちともげるのすら不可能な気がするん。


まあ、それはさておこう。問題は蓮華のイベントなわけですよ…水の魔法を使うイベントがあったらしいし、ゲーム中ではそんなの無かったわけだから作為的なものを感じるんだよなぁ。また雪ババアの仕業か…


山火事、干ばつ、渇水なんかが水の必要性のある災害とかです。洪水とか津波起きる気がするん…ここ以外は池沼と海岸しか残ってないんなー。救命胴衣とか早急に必要だろうと。材料あったかのぉ…



「ご主人、ご主人。あたしと一緒ならこのまま飛び込んで制圧も出来ちゃうよ?」


「イルム変態主人公過ぎワラエナイ」



そんな展開は良くない。逆上せるまでやるぞ、こちとら。野生の魂と魂をぶつけ合って明日に響くっつうの…ダンジョンじゃなかったらやってたとも。


まあ、それにせっかくイルムと過ごしているんだからスキンシップは必要だと思う。というか、いつ進化するのかとも思う…指標ないですかね。しつけとかご機嫌でどのような進化するのかっての。あるいは強制進化アイテムの類い。



「とりあえず、敵が居る以上危ない事はしない。帰りとかなら考えるが」


「なるほど………じゃあ、帰りに」



納得して頷くイルムに一抹の不安を覚えた。これ、夜中に抜け出してボス倒して帰るって事にする顔ですわ…


勿論、翌朝そうなっていたんですが。俺、要らないメンバーじゃないかしらん?








ピンク色の鰐…もとい、八股の鰐の亡骸からしっぽを奪い返した。というより、イルム殿が亡骸を蒲焼きにして食べていたからご相伴に預かっただけですが。



「…わらわの決意とか色々台無しなのじゃ」


「ママ、楽なのが一番」


「まあ、穴を塞ぐとかやらないといけないわけですし…」


「……鰐でピンク色なんだから、仲間になったかもしれないというのに…で、こいつ百獣の団長とかだったんけ?」



キッシュ殿はよく分からない事を言っているけど、仲間になったかもしれないという言葉には少し胸が痛む…わっちの良いところを頑張って見せないと。






イルムが朝食に持ってきた鰐は魔物寄りだったから食えた…だからといって知性的なのを食うのは気が引ける。頭沢山あるから知性的なのか寄れば文殊の知恵だったのかは怪しいところだが既に臨獣ですからね…首の蒲焼きは美味しくいただきました。


というか、骨組み込んで機械の竜作りたいん。乗り込んでゴ○ラと戦える気もするん…それだけのサイズのボスをレベルMAXとはいえ単独で倒した幼女怪獣イルムたん。もう、女神倒しに行っても良いんじゃないかな…


後、帰りが楽になったからといってもまだペドな幼女を云々なんて気は無い…まあ、そこはきちんと理解しているからマシなのかもしれんが、ちょっと成長してないかとも思うわけだ。これ、鯨倒す頃には低学年くらいになってますわ…食い過ぎで。


それに加えてイルムは気付いてないかもしれんけど…俺、要らないメンバーだけど転移出来るから帰りは温泉無いと思うん。道具代わりですが何かって扱いになってきたん…それと、キツネ娘の入った後の温泉は抜け毛が酷かったから出来ねぇっすわ。ブラシ作らねばならんかったよ。あ、豚と馬の毛があったなと…肉以外にも使い道あるボスばかりなん。帰ったら鶏ガラでラーメン作ろうと思い始めた今日この頃。


さて、とりあえず鰐の皮でもなめしますか…そんなのより嫁たち舐めたいわ。でも、現状では俺が色々と舐められとん……昼行灯ですよ。隠し兵器とかではなさそうですが。こちらも雪ババアというここのラスボスを知ってるわけだし。俺の活躍の場って今後あるのかしらん?

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