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別れは再会のためにある

とりあえず、場所を移動してプライムとの話し合いだ…が、その前にやっとく事があったのでその人物を探し出してこう言ってやった。



「おお、国王よ。全治3ヶ月とかなっさけなぁ〜い」


「ぐぬぬぬ…」



人を曲者呼ばわりした国王は回復なんてさせないよ。あのストーキングは回復のために必要な薬とか買い漁って食ってたらしいし俺がやらなきゃ3ヶ月は安静な生活を余儀無くされるだろう…まあ、イルムのお陰で権威失墜したとはいえドエムゴンの怒りを買うような事を仕出かした罪は重かろう。暗殺されてしまえ。


とりあえず、曲者呼ばわりした慰謝料。炎の鞭を奪った罰金と損害賠償、国民共を助けた治療費、ストーキングを倒した褒賞合わせて城の宝物庫からお助け料1000億万円相当の通貨や財宝をいただきました。きちんと交渉した結果ですよ。3ヶ月が6ヶ月になっただけで亡き者にはしてませんから。


後、イルムのお陰で今後のドエムゴン生け贄派遣はしない方向になった。めでたしめでたしというわけだ…とはいえ、今まで生け贄にされた子たちを引き取る人は当然居ないわけだから万事解決とはいかない。お助け料から生け贄たちへの還付してやるか…というか、ドエムゴンの威厳無くなったから牧場に引っ越ししておかないと討伐とかに巻き込まれるな。考えておかねば…俺って優しい。






というわけで、嫁たちとプライムと一緒にル○ラで牧場へと帰ってきました。ドエムゴンは知らん。きっとまだ王都で嘔吐してんよ。



「キッシュさん。夫とやり直したいと思います…あの人を矯正しないとこれからが大変ですし」


「矯正無理じゃね?」


「お主もな」



茶を飲みながら一通りの事を説明するとプライムが復縁すると言ったが、チェリアに俺まであんなのと同じと言われた…精神的ショックによりもげる事を要求する。とか言ったらダメなんでしょうな。


まあ、牧場に引っ越しして女の人が働くとモンスターも喜ぶし合いの子計画も進むから構わんらしい。俺としてはどうでもいいような気もするけど…愛は種族超えるのは知っとるし。



「さて、ドエムゴンの事はともかく炎の鞭も取り戻したし…急ぐ旅じゃないが、リンドウ。改めて問いたい」


「言わないでください。オレの気持ちは決まってます…もうキッシュさんを失いたくないです」


「…失うって何?」



そういえば、敢えてストーキングとの戦いの事は詳細に説明しなかったっけ。言ったらこの2人また発狂するし…という事で思ったのだが、先程から俺の膝の上に座って茶菓子を懸命に頬張る愛玩生物イルムの処遇だ。テイムモンスター扱いだからアイテムボックスに入れられる…というか、リンドウの分体のはずなのに合体して戻れなくなってしまい俺のテイムモンスター扱いになっている。


リンドウが言うにはリンドウと俺の子というものでもないらしい…じゃあ何なの。未来から来た娘とかなん、攻略非対象キャラなん?


とか思ってる間にリンドウがアナロベアの最期を語っていた。チェリアとアイリスが恨めしそうにこっち見てる。アナロベアの最期を見れなかったからか、アナロベアをモフりたかったのに出来なくなったからか、俺が危険な事をしたからか…最後だったらもげてやろう。なんて考えるから矯正不可と思われるんやな。



「お主は本気も出さず何をしておったのじゃ…」


「パパの本気なら、一撃で倒せてた」



あれ、心配さえされてないんだが。しかも本気ならすぐ終わってたとか…炎の鞭が壊れたらそこで終了だったから仕方ないじゃない。それにドロップしなかったんだぞ、M字ハゲの頭部とか出てこられても困るがボスキャラがアイテム無しとかどうなん。



「分かってないね、ご主人の嫁のくせに。どんなに弱い相手でも少しずつ実力の差を感じさせて追い込んで絶望させていくのが正しい倒し方なのよ。一気に消滅させるなんて楽な殺し方は楽しくないじゃない」



何このロリンドウ怖い。全く同感だけど幼女の口からそんな言葉聞きたくなかった…誰だ、こんな育て方したの。情操教育失敗してるぞ、おい。



「本当にこの小童はキッシュそっくりじゃの…」


「リンとパパの子で間違いない」


「あたしはご主人の新しい嫁だし」



俺、ロリコンだけどペドじゃないつもりなんですが。そう言ったら合計したら成人の年齢は超えてると言われた。ゲーム内時間って性急だよね…1日で1歳とかあるし。チェリアの次にロリババアだったよ…この転生手乗りキメラ。嫁にしたらゴミアイテム必要だからテイムモンスター扱いにすると言ったら愛人と言い張り出した…マスコットキャラの間違いだろ。


教育ママとその娘が躾けないとなんて相談しているが、改めて本筋に戻そうと思う。リンドウの意思は揺るがなさそうだとしても、数日くらいは牧場でのんびりしたいと思う。そう告げたら、プリン脳がこうほざいた…



「キッシュさんはいつまで義理の実家でごろごろするつもりですか。それに、義理の実家で子作り出来るんですか?」


「むっ…」



これはプライムが俺の貞操を狙っていると判断出来るな。あまり良いものではない…リンドウの家に行こうかなと思う。温泉入りたいし、荷物もあるだろうし山引き払うから管理する人が居なくなるので荒らされる可能性あるし。


まあ、そんなこんなで暫くは雑務に追われるんだろう…その辺は全面カットするとしよう。引っ越し作業とか伝えても意味無いし、生け贄中古の寮とか作ったりしないといけないのは目に見えている。ちょっと結納金払い過ぎってくらい働かされんだろうな。






というわけで、半月が過ぎたのにもげれない日々が続いた。誘ってくるのはイルムだけという侘しさ…だが、Yesロリータ、Noタッチです。せめてチェリア並みに育たないと欲望起きませんぜ。


というか、俺の称号が何でも屋になる程色々やった。中古の運搬、寮とかの建設、サーカスの初期調教にカフェの指導…何でも屋というかブラック企業の間違いだろ。俺の好きなブラックはそれじゃないっての。



「さて、イルム以外のモンスターに恋人が出来た件」



そろそろ次の世界に旅立とうとしたのだが、リグナとチギリ、てつをが人間の女と恋に落ちていた…ちなみに、元生け贄、幼い観光客、生き残ってた女騎士の3人です。人が血の涙流してもげれない日々を過ごしていたのに、いつの間にか人になれる能力手に入れてもげてやがった…まあ、てつをの場合は俺に報復しに来たのを迎え撃ったからなんだけどさ。



「…まあ、わらわたちも同じような事をするのじゃし、引き離すのはの」


「うん。子の門出」


「相手の人たちは連れて行けないなら仕方ないですよ」



嫁たちは仕方ないという表情をしているが、約1名計画通りって表情してやがる。これは間違いなく計算されて行われた合いの子計画だ…いや、俺違うからな。というか、リグナとチギリってそういう欲望あったんだなと。チェリアやアイリスと不倫してないよな…まあ、無理か。あいつらの土ミミズは俺のより当然小さいからな。


とどのつまり、全部イルムが何かしたんだろう…巨大化したリグナとチギリを何だかんだで元に戻したのは無意識下に居たイルムがリンドウから一時的に分離して云々言ってたし。その時はスライムでしかなかったけど、今はスライムにすらなれないただの幼女だし。魔王よりも強いけどな…



「じゃあ、連れて行くペット枠はイルムだけか」


「ご主人、ペット扱いは酷いよ」



モンスター扱いよりはマシと思え。間違いなく立ち位置はネコ系のマスコットキャラなんだからな…人の頭の上か膝の上で寝ようとするし、カツオ味の風ミミズのミミズ節をコリコリ噛んでるし、主食はねこまんまだからな。いや、そこは単なる好みだけどさ…


とりあえず、嫁扱いしてもらいたいなら成長しろって事だ。不思議な力で成長がモンスターから人間に近くなったのか幼年期から進化する気配無しだし。


結局、プライムにリグナたちを託す事になってしまった。飼育料をかなりの額支払わされる事になったという…92かと。ほぼほぼ財宝消費したぞ。飼育料に3匹が払わなきゃいけない結納金に子どもが出来た場合の養育費等々…父性どころかまだ見ぬ孫の分まで集られた。騙されているよ、分かっているよ…でも、実質人質みたいにされるしかないんだから従うしかないじゃない。それに、宝物庫から奪ったものだから懐痛まないし…


って、ちょっと待て。社畜並みに働かされて搾取されてる俺はまさにATM夫そのものじゃないかと。いかん、このままでは嫁たちが義理の親に感化されてドエムかプリン脳になる。早急にここを経たないと俺の人生がお先真っ暗じゃん…よし、さっさと逃げよう。



「お前たち、40秒で支度しな」


「何なのじゃ、急に」


「ご主人はお前たちにテイムモンスターを逃してさっさと次の世界に旅立とうって言ってるんだよ」


「イルム、通訳上手」


「でも、40秒ではさすがに…」


「3分間舞ってやる」



とりあえず、踊り始めた俺を呆れた目で見ながら嫁たちは慌ただしく出立の準備を始めた。結局、リンドウが手紙書くのに時間が掛かって40分舞い続けましたがね。


こうやってまた夜逃げするように次の世界に旅立つのは慣れた。というか、今までで一番扱い酷くなかったかと…次の世界は逃げるように去りたくないなぁ。


とりあえず、得たもの…嫁1人とペット他。失ったもの…大量の金、木材、鋼材などなどと、アナロベアと漢のロマンという微妙な結果になって俺たちはこっそりこの世界を後にした。ブラック企業とかからはバックレるに限る。皆も覚えておこう…福利厚生の無い上に雇用契約書も存在していない企業に仕える必要は無いんだと。元B級バックラー舐めんなよ。


次に目指すのは新たなるロマンの原材料を求めてヒヒイロカネ掘削業だ。

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