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名前をつけて、利息もつけて、蹴りつけて

コロッセオを出たら野戦病院がありました。いや、そんな立派なのじゃありませんけどね。というわけで、広範囲回復魔法を使ってみました…メガ○ルじゃないよ、ナ○スだよ。俺はシン○ォニアの斧っ娘が好きです……なんだ、俺のチェリアもだいたい同じやん。



「キッシュ…終わったのじゃな」


「パパ、お疲れ様…でも、何それ?」



嫁たちが近付いてきたが、早速目についたのは俺に肩車させている唯我独尊のロリンドウだった…まあ、そらそうだわ。ちなみに、リンドウはお姫様抱っこしてますとも。涙で留まらず溶解液まで出してきた嫁はちょっと怖い。ストーキングより怖い…というか、あいつ全然怖くなかったけど。



「よく分からない謎生物、ロリンドウ(仮称)」


「ご主人、あたしロリンドウじゃないから。せめてくぎゅうって呼んでよ」



え、釘○さんなん。しかも使い魔なん…いや、関係無いしツンデレちゃうし。完全デレキャラやん…あ、俺ツンデレキャラのストーリーは好きだけどツンデレ自体好きじゃなかったから構わんわ。シ○ナとか内容分からんかったし…タイミング悪くて2期観れんかったからやけど。


まあ、その話はリンドウが目覚めてからだ。扱い的に俺の子か別の存在かで変わってくる…場合によっては、ようこそここへ遊ぼうよパラダイスな展開になる。まあ、牧場仕様だからあまり期待はしてない…ハーレムとか実装されたら買ってたわ。


それより先に別のもの買ってたみたいなんだが…いやね、回復させてやったというのに俺に向かって武器構えたり石投げようと構えてるの居るんだよね。反感とか不興って何処で販売してるん…クーリングオフ出来るんやろか?



「聞け、国民共よ。悪しき熊と悪しきスライムはこの聖女リンドヴルムによって浄化された。俺とこの娘は悪しき呪縛から解放されたのだっ…それとも何か。お前たちは回復させた恩も忘れ刃と悪意を向けるつもりなのか。その愚かさが悪しき呪縛を生み出し俺たちを苦しめたというのに過ちを繰り返すつもりならば俺は容赦はしない」



という事で不特定多数の人間を睨み付ける…と共に頭上のロリンドウが先程渡した名無し砲とアロンダイトを構える。名無し砲とアロンダイトが可変して人型になったならロリンドウにはジャンボ機とかショベルカーを作って輝かそうと思う。勇者にして指令出してやるんだ…ロリンドウ、割とノリが良さそうだし。


俺たちの強さはあの戦いを見るなり音を聞くなりで把握しているだろう。なので、睨み付けた効果があるのか何人かは武器を降ろしたり石を捨てたり悶えたりしている……悶えてるのドエムゴンだった。お前、元の姿に戻ってどうにかしろし。


「ロリンドウ(仮称)…いや、イルム。あの白髪悶え親父に名無し砲を撃て」


「イルム…それが新しいあたしの名前?」



リンドヴルム=リンドウ、余り「゛ルム」→「いルム」→「イルム」という事で安直に決めました。2人はリンドヴルム…2番目に好きなのはミュ○ズです。エ○ス違います…ロリが成長しても萎えるだけやねん。どうして大きくしたし。ただのババアには興味ありません。



「イルムイルムイルムイルムイルム…うん、覚えた」


「気に入ったか?」


「勿論っ!」



顔は見えないが嬉々とした声が響く。気に入ったなら構わないんですよ、名前を付けるのは大変な事ですからね。そして、付けられる方は納得するしかないのだ……やっぱりてつをの改名やめてやるか。むしろ、てつをにアナロベアやれば済んだ話だったんだよな。鬱だ、燃やそう。


リンドウを近くのベンチに寝かせ、ご機嫌な蝶になって火の玉を掲げる。元気○級の大きさのメ○です。ゾーマ付きません、付くのは回復してやった恩を仇で返そうとする差額です。トイチなんて優しい事は言いません、俺は大切なものを奪うだけです。あなた方の命です。



「やぁってやるぜっ!」


「やってるよっ!」


「待て、待つのじゃっ!」


「パパのはシャレにならないからダメ」



両足に嫁たちがしがみつく…いや、実際にしがみついてるのは腰のあたりなんですがね。イルムのノリが良い反面チェリアもアイリスもノリ悪いなぁ。ちょっと王都をクレーターに変えるだけぢゃないか。無論、嫁たちと愉快な義理の親は大丈夫だよ。他のは知らん、消えて無くなれ。というか、今の俺はマンモス扱いではないでしょうか…背中にリンドウを乗せれば我は空さえ断てるん違う?


とはいえ、よく見ると中には幼い少女たちもいる国民共…可愛いは正義だし、少女を倒すのは俺のポリシーに反する。テイ○ズが一番嫌いになったのは、主人公が街滅ぼしたところじゃなくて敵の女の子をムッコロした事やねん。そこは捕虜にして屈服させるところじゃないか…よく見れば戦意喪失しているのが多数というかほぼ全員だったのでしょうがないからやめてやるか。という事で、ドエムゴンに火球を圧縮してプレゼントした。



「んふふぉあっーぎもぢいいぞぉ…』



いや、十分気持ち悪いっす。喜ぶだけならまだしも、声をなんとかしろや。というか擬装が剥げてドラゴンに戻っていってる…マジ気持ち悪いっす。こんなのが義理とはいえ父親である事が嫌だ…リンドウと別れる気はないから親子の縁切ってもらおう。


だが、周りの人間はその気持ち悪さに気付かず「エンシェントドラゴンだ」「神の裁きがくだるんだ」とパニックパニックパニック皆が慌ててる状態。とりあえず、それを無視して嫌々ながらもドエムゴンの前に行く…



「ドエムエンシェントドラゴンよ。王たちが奪った炎の鞭をお返しする」



張り詰めた弓…じゃなく、空気を解きほぐすために奪い返した炎の鞭を高らか掲げドエムゴンの前に突き出す。ヨダレ垂れ流してはぁはぁ言っててとても気持ち悪いっす…ヨダレ掛けたら口の中に火球ぶっ込むから覚悟しとけよ。



『ご、ご苦労だった、我が義息子よ。それを褒美としよう…だから、遠慮無く叩くが良いっ!』


「おいこら、空気読め」



こっちがうやうやしくゴマだれってるのに、ドエムゴン揺らがなさ過ぎて腹立つわ。こっちは未だに嫁たちが引っ付いて大変なのに。というか、いつまで引っ付いてるんだろう…この気持ち悪いの以外には攻撃しませんよ。



「ご主人、気持ち悪いから遠慮無く攻撃して良い?」


「大丈夫だ、全然問題無い」


『ふはは…幼き者よ、お前では我に快楽をもたらす事など「コランダムシステムフィードオン…一撃必殺・牙王連兎撃がおうれんとげきっ!」げふ、ふが、ごふ、うが、ばふ…』



肩から飛び降りたイルムは厨二を発症しつつ赤色に発光して超絶猛烈ダイナミックな連打キックとパンチをドエムゴンに食らわせている。ちなみにイルムのパラメータは完全にカンストしてるらしい…俺より強いんだってばよ。ほら、もうやめてドエムゴンのライフはZEROよって状態になりつつある…構わないんですがね。


そして、ドエムゴンは滅びた…誇り高きエンシェントドラゴンはもう居ない。ただそこには快楽に悶えて気絶している笑顔の変態が横たわっていただけだった……なんか、さっき似たような光景を目にした記憶があるような無いようなどうでもいいような。


とりあえず、この世界の最強がドエムゴンからイルムへと変わった瞬間だった…だから何って話だけど、嫁たちがすっかり怖がってしまったん。「何あれ怖い」「あのエンシェントドラゴンをあそこまで出来たのは女神くらいじゃ」とより締め付けてきましたよ。まあ、気持ちは分かる。


でもまあ、敵というわけじゃないだろう…病ませたら大変な事になると思うが。取り扱い注意なのは分かった。まあ、捨てれないんだろうけどね…



「ご主人、倒したよ。褒めて褒めて」


「あ、はい」



とてとてと戻ってきたイルムさんの手にはドエムゴンのしっぽが握り締められていた…彼女曰く、晩ご飯らしい。ちぎりやがった…再生するだろうけど、そんな穢らわしいもの食べちゃいけませんっ!


とりあえず、頭撫でながら少しだけ父性が目覚めたのを自覚した今日この頃…とりあえず、義母に相談して今後の方針考えよう。ドエムゴンは知らん、どうにでもなるだろ。

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