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決着、絶望の先に

その時、マジで不思議な事が起こったんでありのまま話すぜ…え、お前死んだんじゃないのかって。まずはそこから説明しなきゃあかんのか、仕方ないなぁ…


キッシュの戦いはあそこで終わってしまった。と思うじゃん、俺も思ってた事は無い…さて、皆さんは覚えているだろうか。俺が新しく手に入れたスキルを…嫁と合体して精霊やら天使やら竜やらのスキルを手に入れたところまではステータスで分かっていたはずだ。その中の天使スキルで覚えた技を使って着ぐるみの中から脱出したのだ…ル○ラと思ってくれればいい。圏○事件でも構わない。つまり、俺は進化してテッカ○ンになってアナロベアはヌケ○ンになったんや…ボスを倒すには前の機体は捨てなきゃいけないんだよ。やっぱ俺って不可能をパターンやな。


まんまとアナロベアの中に収まってくれた上に取り込まれた瞬間にコアを近付けてくれたので一緒にあった炎の鼻毛鞭を掴んでアイテムボックスに放り込んでやった。俺の嫁は俺のもの、嫁の持ち物俺のものって事ですよ…ドロボーじゃないよ。盗んだのスコップや弓矢じゃないもん。


さて、炎の鼻毛鞭を強化パーツに組み込んでたようで明らかにストーキングの気配が弱まっている。きっと俺じゃなくても倒せるだろう…それと引き替えにアナロベアの着ぐるみを失う事になるのだがM字ハゲの入った着ぐるみなんて要らんわ。


うん、正直手放したくはないんだ。俺だって出来るなら置いておきたいさ…でも、オリハルコンやアダマンタイト手に入れたから防御力も攻撃力も上回っちゃったんだよね。アイテムボックスを圧迫するし、不要だと割り切れないがアイテムボックスだって無限じゃないから整理しないといけないのだ。ちょっとオリハルコンやアダマンタイト取り過ぎたがロボで必要だから仕方ない。嫁たちのアイテムボックスには私服とかあるから渡せないのだ。


さて、そろそろ本題に入って構わないだろうか。俺の見た不思議な事の話だ…リンドウが膝をついてうな垂れたと思ったら光り輝いて分裂したんだ。え、スライムだからそれくらい出来るだろうって…リンドウは半端だから出来なかったんだぞ今まで。出来てたらプレイの幅広がってたわ。


でだ。その分裂したリンドウの話だ。リンドウ自身の変化は無い。体格も変化無しに見える…まあ、分裂した側がそんなに大きくないからだ。チェリアより小さい幼児サイズ…ロリです。むしろ、サイズ的には赤ちゃんサイズ…それは構わないんですよ。問題はその幼女の付属品…


頭の上にあるトラの右耳とウサギの左耳。口の中に光る八重歯。臀部から生えた折れたしっぽ…それはリンドウが取り込んだあいつらの証だった。


え、何処から見てたのかだって…上空からですが。飛んだ後に天使スキルで翼を出して上空待機中なんですよ。別に俺はキレた天使と悪魔のハーフでもないのに真っ黒な翼ですよ…ちょっとブルー入っとります。ポエム綴りますかな。


それはどうでもええねん。問題はあのロリンドウの事だ…分身扱いなんですか、俺との子扱いなんですか。俺としては分身扱いの方が良いかな。まだ新婚生活楽しみたいし、育児しながらもげるのは大変なんやで。


まあ、後から聞くとして…そろそろ落としますか。微笑みの爆弾とやらを。早い話が太陽を背にして上空から一撃滅殺エスカリボルゲインを突き刺して中から爆発する程の力を注ぎ込むだけの簡単な必殺技です。









力が溢れだして、あたしたちは本当に生まれ変わった。



「あたしの…あたしたちの体だけじゃなく、ご主人の体まで取り込んで…絶対に許さないっ!」


『何だ貴様は?』


「あたしは…あたしたちはお前に中から食われたモンスターよっ!」



ずっと眠り続けるはずだった。優しいヒトに抱かれて、ご主人の優しさをほんの少しだけ感じながらあたしたちの魂はゆっくり溶けて無くなるはずだった。実際に溶けて混ざってあたしはくぎゅうとしての意識が強く残って1つになった。でも、全部の思い出は持っている。


最初に選ばれたあたしとあたし…前のご主人に捨てられて引き取られたあたし…そして、生み出されたあたし。全部、幸せだった…最期の最期のまで幸せだった。でも、あたしたちの体が…あたしたちを殺したスライムがご主人を殺した。



「絶対に許さない。リンドウ、仇取るよ…あたしたちの大切な人の仇を」


「あ、うん…」


『ふっ…あくまで逆らうというのかリンドヴルムよ。ならば、仕方ない…お前たちも吸収してから目的を果たすとしよう』



武器を構えたロボ熊がジリジリ近寄ってくる。でも、あたしには分かる…あたしたちと4対1で戦った時のご主人の方が断然強かった。武器の事もあるのだろうけど、本能が告げる…あたしの方が強いって。


『覚悟せよ、リンドヴルムよっ!』


「覚悟すんのはあんたよ…っ!?」



今から命のやり取りが始まろうとする刹那、空から何かが降ってきた。



「親方、空から男の子がっ…おや勝った」


「ご、ご主人っ!?」


「キッシュ…さん…」









エスカリボルゲインで空から勢い付けてバイオロボベアRXを貫いた。本来ならそこから魔力注ぎ込んでのつもりだったんだけど、貫くだけで消失した。ドロップアイテムというか、サファイアとルビーに種死装備だけが残っていた…付いてた付属品やん。ドロップ無しか、ストーキングよ。いや、逃げたか?


気配を探るが分からない…ステータス確認するとレベル上がってるから倒したという事にしておこう。スライムのドロップアイテムなんて期待しちゃいけないんだ。最初から本気出して倒してたらアナロベア失わずに済んだというショックがぱないの…いいんだいいんだ。どうせ半端なぱちもんだっんだから、仕方ないんだ。


さて、気分を入れ替えよう。まず、空から降ってきただけだから決めポーズ失敗した…ピピったら復活せんか、無理か。せめて肉塊吐き出したら4匹とか騎士とか復活させてやれたのにな…え、だったら被害に遭った選手たち助けてやれよと。もう埋葬されたそうで手遅れだったよ…というか、そんな義理ないし男ばかりだし構わないんですよ。



「ご主人っ!」

『ドンッ!』


「ごふっ…」



そんな事を考えているとロリンドウから捨て身タックルをいただいた。何気に今日一番の大ダメージなんですけど…いや、4割を一撃で持っていかれたなんて初めてですわ。何とか踏みとどまったがこのロリンドウ、強いぞ?



「ご主人ご主人ご主人ご主人ご主人っ!」



全力で俺の横っ腹にしがみついて頬擦りしてくるロリンドウ…そして、今更だがご主人って何なんなん。ロリンドウはメイド様なん、萌え萌えキュンなん…あー、オムライス食いたい。



「リンドウ、オムライスが食べたいです」



バスケはやりませんよ。突き指するの目に見えてるから…あー、小学生は最高だけど幼女は究極だなぁ。体温高くてほっこりする…というか、放置してたら頬擦りで火起こせるんじゃねって勢いで熱くなってきた気がするんや。



「そ、そんな事より、無事だったんですか。ケガとかしてませんか…」


「無事じゃない…アナロベアの着ぐるみが完全にご臨終だ。やったの俺だけど」


「あんなものはどうでもいいんです…オレはキッシュさんが無事なだけで…」



そう言いながらリンドウも俺に抱き付いてきて泣き出した…あー、うん。心配するわな、普通。というか他の嫁は何処行ってるん…そろそろ戻ってきてもええんと違うんか。気配的にはコロッセオの外でドエムゴンとプライムと一緒に何かしてるみたい…ドエムゴンとチェリアの前に人が並んで、プライムとアイリスがその列を監視している。人間ドミノかな?


安全そうなので放置するとして、右は熱くて左は冷たい…これなーんだ。俺の現状です。罪な男だね、俺は…


だいたい、捨てられる事があっても捨てるわけないじゃないかと。俺の死に場所は嫁たちに囲まれて見送られると決めとるんじゃ。わしは嫁に捨てられん限り死が分かつまで共に生きるんじゃ…という事が出来ると良いなと思っている。無理かもしれないがそう簡単にやられたりしませんよ…


さて、ちょっと熱くて冷たいので体を素早く反転したい。だが、そんな事をする余裕は無い密着状態なんです。飴ちゃんとか持ってないから落ち着かせられないん。飴ちゃんあればこの手の行動は抑え込めるんだけどな…まあ、目の前から居なくならない限り愛されているのだと妥協して諦めようと思う。


結局、泣き疲れて眠る&首の振り過ぎでやめるまでなすがままにされましたとさ。めでたしめでたし…新調した革ジャンまで摩擦と溶解液でダメんなったけどな。ブラァッ卒業に絶望した…

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