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復讐するは我にあったり無かったり

という事でストー(キング)キマイラモードと戦わなければ生き残れない…嫁たちには他の連中の避難を任せた。というか、なんか俺が悪役扱いされていたので赤と青の光で意識刈り取ってやった…サンキューポリ○ン。


只今、ドエムゴンとプライムも協力してコロッセオ外に捨て置いている作業中だ…俺なら地割れの中に放り込むんやけどな。



『どうした、そんな閃光では私を倒せないぞっ!』



バカな、多くの子どもを病院送りにした閃光が効かないだと…当たり前だろ、俺の地元にはテ○東系無いから遅れ配信だったから直に見てないんじゃ。だから適当やっただけで倒れるボスとは思っとらんわ。



「素直に倒れていれば良かったものを…」



素直に倒れていたら苦しまずに逝けたのだ。さて、ここまでをきちんと見てきた人なら分かるおさらいをしておこう。目の前に完全にはキマイラになってない黄色スライムが居ます、あなたは何で倒しますか?


1.アダマンタイトの剣でぶった斬る

2.オリハルコン名無し砲で撃ち抜く

3.歯が立たないので他の方法を取る


はい、勿論分かってますよね。正解は1と2のあまり効果の無い攻撃を全力全開で繰り返してちょっと頭冷やさせるんですよ。3番の他の方法、打撃系の技や武器を使うと思っていた人はまだまだ甘いですな…俺がそんな簡単な方法で殺して差し上げるわけないでしょうに。頭だけスライムに同化したんだから冷凍する程冷やしてやらねぇと。


ムカムカするんだよ。狙ったようにあいつらのチャームポイントを失ったそのクソみたいな合成方法がっ!



『ほざけ小僧がっ…ふはははは。そんな攻撃で私を倒す事は出来ぬっ!』



剣で斬ったり、砲で撃ったりするが増長するだけで効果はイマイチのようだ…でも、4匹の顔は苦しんでいるという矛盾に悪意を感じる。だがスライムなので罪悪感とか戸惑いは無い…というか、巨大過ぎて同じとかって同情感湧かない。ただの巨大な化け物ですねん…


剣で斬って砲で撃ってワンツーワンツー、休まないで倒せ…ないよ、あのイエロー何回やっても倒れない。後ろに下がって撃ちまくってもいずれは距離を詰められる…剣で連撃放ってみてもあいつの体は傷つかない。だから次は絶対勝つために俺は羊羹だけは必ず食っておく。というわけで羊羹食いながら手を抜いて応戦しとります。勿論、羊羹も都市で買った物ですよ…昨日嫁と食べるつもりだったけど、嫁を食べちゃったから余ったんだよね。俺、ガム嫌いだから何か食べてないと歯を食いしばり過ぎて血管切れそうなんだよ。


だけど、現時点での打撃技は有効ではない…あいつは減った体力を回復させるかのように肉の塊を食っている。誰だ、ミンチより酷い肉塊を置いていた奴は…そのお陰で近付き過ぎたら食われるのが分かっただけでもマシか。



『弱い、弱過ぎるぞ。この程度でリンドヴルムの夫とは片腹痛いわっ!』


「片腹でも痛いなら十分だっての」



痛覚あるのかよ、スライムの癖に…いや、リンドウの時は感覚あったか。さて、そんな冗談を言っている余裕は無いな。こいつを完全に倒す手はともかく、痛めつける手があまり無い。むしろ、わざとこんな武器を作った時点で主人公らしからぬ行為と分かっている。


わざわざ主人公落ちするデスティ○ーっぽい仕様にしたり、アダマンタイトの剣にアロンダ○トなんて付けてその持ち主のランス○ットに乗って親友殺すような展開にしたかっただけだ…親友なら居ない居ない居ない居ないけどさ。


さて、やはりパンチとキックしかないんですかね…あいつのスライムコアの中に炎の鼻毛鞭があるのも確認出来たし。名無し砲で当てたいけど体内を移動しているから掠った程度だし…フックショ○トが欲しいです。本当に面倒なスライムですよ。


そろそろ縛りプレイが面倒になってきたが、未だに避難が完了していないのが辛いところだ。肉塊から気絶してる奴らへの捕食回復へと移行されても困らないが、悪役扱いされた精神的ショックの賠償責任を問えなくなる。


ので、気絶している野郎は蹴り飛ばしてストー(キング)の近くから避難させる…女子どもには優しいんだよ。でも、既にだいたい避難してあった。ドエムゴンは分かってないな…実際に人質にするなら男より女の方が良いってテレビで言ってた。我慢強いのは女性だからなんだと。俺はテレビっ子だから鵜呑みにしたけど、人質にするならやっぱこれだね…



「ストー(キング)、古くさい王よっ!」



バタ臭い裏声で壇上に倒れていた王をストーキング目掛けて蹴り飛ばす。が、受け止めるでもなく体に空洞を開いて避けやがった。そんなに嫌か…実の父親が壁にぶち当たったぞ。酷い息子だ…というか、父親吸収したらドラゴンの血筋濃くなってパワーアップしたんでないの?



『ふふふ…どんな攻撃をしてこようとも無駄だ。たとえそれが肉親であったとしてもだ』


「うわぁ、酷い…お前の母ちゃんデベロッパー」


『何だとっ!?』



だって、お前の父ちゃん恍惚とした顔して仰向けで気を失ってるぞ…嘘みたいだろ、国王なんだぜあれで。という事は息子が命奪われても…情けないとか言う親ですからね。頭だけ取り出さなくても良いかのぉ…


とはいえ、このままこいつを倒したところで俺は悪の手先扱いだし炎の鼻毛鞭さえ戻ればこんな国ホビロン…いや、滅びろん。この戦い終わったらリンドウの家に行って温泉楽しもうと思う。



「グレートアロンダイト…真っ向唐竹割りっ!」


『効かぬ、効かぬわっ!』



やっぱ金色のハンマー出そうかなと思うけど、唐竹割りしたのはノリに決まってるじゃないか。お前の看板に当たるよう位置調整して放っただけだお。しかし、着ぐるみ暑い…勝利の方程式は見えているんだがイマイチ乗れないんだよな。だから、もう少しふざけたい

が、どうやらここまでのようだ。



「キッシュさん、避難が終わりました。皆さんもすぐに来ます」



リンドウが一足先に知らせにやってきた…いや、愚王はまだ残ってるんやけどね。愚王だからいいか…息子がこれだけの事やって玉座に居座るわけないもんな。


で、リンドウは鞭を構えるわけですよ。炎の鼻毛鞭は打撃系だから大変なん。リンドウさんは器用貧乏チェリアとは違って鞭一辺倒だからカンストしてたのが上限突破してしもとん…まあ、俺程ではないから壊れないけど攻撃力3倍のボーナスあるのよ。ちなみに、10なら1.2倍で99なら10倍の攻撃力がプレゼントというのが俺が実験して出した推定値だ。つまり、リンドウは鞭スキルのレベルが30なんだよね。リンドウ1人でストーキング倒せそうなん。



『あくまでもその男の味方をするかリンドヴルムよ。分かった…お前も取り込んでくれようっ!』



ストーキングがリンドウに触手を伸ばしてきた……そのままリンドウを取り込ませると思っていたのか。だからストーカーは嫌なんだよ。


『ドン』っとリンドウを突き飛ばす。当然、捕まえようと伸ばされた触手はリンドウには届かない。が、その代わり突き飛ばした側は捕まえられるというわけだ。



『ふはははは…身代わりというわけか。良かろう、お前さえ居なければリンドヴルムも世界も私のものだ』


「キッシュさんっ!」



はいはい、捕まりましたよ俺は。スラリンみたいに弾力無くてベットベトでヌルヌルしてて気持ち悪い触手だな、おい…着ぐるみ着てなかったら吐いとるわ。臭いし…



「ストーキング。これで勝ったと思っているのか?」


『悪あがきは寄せ。そうだな…お前のその皮は使えそうだから使ってやろう。中は溶かして糧としてやろう』



そう言い放つと、ストー(キング)は俺を取り込んだ。残念、キッシュの物語はここで終わってしまったっ!









「嘘だ…」



オレの目の前で最愛の人が飲み込まれた。そしてそのままキッシュさんの着ていた着ぐるみの中にイエロースライムが入っていく光景が目の前にある…キッシュさんの姿は無い。


オレを庇ったから…ふざけた言動をしつつも倒れた国民たちを庇って揺さぶりを掛けて気を逸らしていたのに。オレが不用意に出ていかなければあんな事にならなかったのに…


足の力が抜けていって、オレは膝をついた。炎の鞭を落とした時とは比べものにならないくらいの衝撃が体を貫いて穴を開けられた感覚になった。


『ふむ。これは良い体だ…これを使いこなせないとはたかが知れる男だったというわけだ』



イエロースライムがそう呟く。沸々とある感情が溢れ出てきた…それと同時にキッシュさんとの思い出も甦ってきた。


初めて出会った時の事も、楽しく過ごした時の事も、愛された時の事も…



「「……さない……るさない……許さないっ!」」



オレは…こいつを絶対許さない。

あたしも…こいつを絶対絶対絶対許さない。

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