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誰かのための居場所

さて、もげもげタイムが始まらないまま数日が過ぎた。欲求不満を発散させるべく増築に増築を重ねた結果、牧場はテーマパークみたいになった。サーカスとかもあるよ…誰得なんだよとか言うな。属性ごとにモンスター分けて生活維持するには色々必要なんだよ。愛護団体がどうこう言ってくるなら餌代くれや。同情するなら金寄越せ。


それはともかく、チェリアたちのテイムモンスターたちは少しずつではあるが強くなっている。いや、少ししか強くなっていないとも言える…この周辺の野生モンスターを瀕死で連れてきては食わせるだけの簡単なお仕事がここ最近の日課な俺。何処かの誰かが生態系を破壊するのかよく出てくるんだよ…誰だ、自然破壊をする奴は。


で、食う光景を見た嫁たちとリンドウは青ざめて育成を俺へマルナゲットしてくれましたし抱いて眠る事は無くなったがもげもげタイムには至らない悪循環。人もモンスターも命をいただいて生きておるというのに…むしろ、もぐもぐタイムって牧場の目玉イベントだろうがよ。残酷だとか言われても戦わなきゃ生き残れんのだ。むしろ、最初から戦わせてないからこれでもまだまだ不安なんだぞ。チーム組んで戦えるから何とかなるが、大会は相手もそうなんだから生存戦略とか考えて欲しい。イマ○ン憑依させてクライマックスまでジャンプしたろか…気分は育メンだよ。俺、つけ麺苦手だというのに。畑で小麦と蕎麦を育てて手打ちうどんと蕎麦の店とか作ろうかな…



「と思うんだが、どうよ?」


「乗っ取る気満々じゃの、お主…」



チェリアは少しずつだがアザラシの共食いにも慣れてきたのでたまに魚を与えられるようになってきた。だが、ロリ嫁よ…魚は食うもんじゃない。売り飛ばして金を手に入れるものだ。だが、主人からの餌は格別なのか水アザラシは魚を食う…雷イーグル見習え。弐号機並みに餌モンスターを食らっているというのに。まさに鳥葬…真心を君に。アイリスには理解されず気持ち悪がられてますがね…離婚フラグかな、これ?



「弱肉強食って流行らないのかな…雷イーグルの育て方間違えたのか?」


「…ライムも間違いなくその方法を勧めておるから安心するのじゃ。ただ、刺激が強いのじゃ…モンスターと一緒になって屍肉を食らうお主が」



土ミミズだけじゃ食い飽きるから調査してるんだろうが。お陰で最近の食生活豊かになったじゃないか。更に牧場の畜産も始められるんだぞ…至れり尽くせりなのに何故そこまで言われねばならぬ…ちなみに、属性によっても味が多少違う。土ミミズはマグロや鳥だが、水ミミズはブリハマチだった。勿論、生け簀作って完全養殖目指してる。まあ、実際にやってるのはマザースライムから生まれたスライム軍団なわけだが…なんか、連鎖して消えそうな色してんだよな。死骸の残りと混ぜ合わせた結果だが。



「俺は欲望には忠実に生きる男。スパ○ダーマッ」


「またわけの分からぬ事を…」


「良いんだよ。こいつらが強くなって生きていけるだけじゃなく、将来ここに戻ってきた時の生活基盤を作ってるんだし…」


「……学園ではダメなのか。わらわの帰るべき場所はあそこじゃ。アイリスも…」



まあ、否定はしない。ここに帰るべきなのはリンドウだろうさ…チェリアとアイリスは学園の方が良いだろう。うどんと蕎麦を毎日食べられるし…


だからこそ、居場所は人それぞれに必要だ。俺がよくある召喚系主人公の末路を辿るのだとしたら………まあ、この世界の何処にも居場所の無い根無し草は何か残せるかってところだ。



「帰る場所があって、帰りを待ってる人が居るなら……帰らないといけないよな。そこが居場所なんだから」



俺に…いや、桐生柳にはそんな人はもう居ないはずだ。元より死人に居場所は無いが。役目を終えた役者はどうなるんだろうな…まあ、そこであいつらにまた会えるならそれも悪くないか。


例えば、それが最愛の人たちから憎まれる事になっても…なんてノスタルジーとかに浸っても意味無いよな。俺は俺らしく、俺のまま生きるだけだ。



「今日こそアザラシカレーとローストチキンが食いたい」


「またそんな事を言う…それに、わらわたちの居場所はお主と共にあるのじゃぞ。それだけは忘れるでない」


「……まあ、覚えとく」



そう言った奴は…あいつはあいつだが、チェリアやアイリスは違う。そう思いたいが…それはクソ女神のみぞ知るってやつか。


それでも、信じたいものだ…愛の奇跡ってやつを。






今日の昼飯はカレーでした…魚のフライの。もう、チェリアは釣りバカになれば良いんじゃないかな。そうすれば合体出来ますがな…


とか考えつつ、カレーは食った。食ったけど、アイリスが更に食わそうとしてくる…



「パパ、無理矢理食わされる苦痛知るべき」


「チギリか。チギリの報復か…」



飛べないワシはただの餌だ…太って飛べないワシはただのブタワシだ。俺もブタにするのか、家畜の安寧なら構わないぞ。だが、その時はお前も食っちゃる。


後、チギリは喜んで食ってるよ。主に臓物を…女体化出来る腕輪とかないかな。いやあかん。永続的じゃないとマシンガンで蜂の巣にする自信あるよ…ロボでケン○ファーみたいなのも作りたい。でも、俺はザク○ォーリア派なんだ。パーフェクトザク○ォーリアとか作りたい…でも、ロボでそんなに大きいの作れないんだろうなぁ…



「パパなら食える」



新妻の期待がちと辛い。でも、ここ数日の間でメシマズから普通飯出せる程度にはレベルアップしているから応えて夜もげる展開が望ましい。先程のチェリアたちの様子なら期待は出来る…おそらく。



「カレーは飲み物だから大丈夫とはいうが、限度あるからな…後、俺は激辛の方が良い」


「なら、辛くする」



唐辛子入りました…1瓶まるまる。やっぱメシマズだわ、アイリスは調理される側で十分でやんす。まあ、食いますよ…食べ物粗末にしたらミミズかスライム行きになって変異種生まれそうだもん。その理屈だと俺が変異してしまいそうなんだが…新しい着ぐるみ作ってアナロベアRXとか名乗ろうかな。


とか考えながらも食う………おのれ、女神。また1つ俺を怒らせおってからに。だが食うが…アルティメットアナロベアってのも良いな。



「パパ…最近どうして口だけで手を出してこないの?」


「………はいぃ?」



アイリスが突然そんな事を聞いてきた。手を出してくるなって雰囲気を出してるのはあなた方嫁様じゃないですか。愛しいペットを血塗れにしてるからと……手を出そうとしたら叩かれましたよ、昨日だって…



「それでも普段のパパなら諦めずしてきた」


「あー………まあ、そうかもな」



露天風呂シチュに行けないからちょっとやる気は下がりまくりだった。そこで床でまで拒まれたら俺の立ち上がったガン○ムも横になりますわ。再起動せんし……あれ、これ巷で噂の萌え尽き症候群ってやつか?



「それに、リンに手を出そうともしてない…会話もあんまりしてない」


「あー…うん。それは認める」



色々気まずいのは事実だ。露天風呂に入ると2日に1回の割合で水色スライムが入ってくる…いや、実スライムじゃなくててつをだよ。てつをの奴、俺をコピーして這い寄ろうとしてる…性別無い癖に。そう考えるとリンドウも無性別のはずなんだが…そう考えると嫁扱いして良いのかと。いや、性差別するつもりとか無いんやで…ただ、何というか本当にこれ以上増やして良いものかと思うわけだ。


俺にはチェリアとアイリスが居るだけで十分だしハーレム王になるつもりは無い…というか、特攻隊とかドラ○エ1の主人公の気持ちが分かり始めたマイレボ。全部スライムの所為さ…


俺の知ってるストーリーとチェリアたちの戦いには明確な違いがあった。女神を満身創痍ながらも封じたストーリーとは違い、チェリアたちの戦いでは犠牲者が出た…まあ、よくよく考えればボスの中にそんなのが居たわけだが。ボスの中に犠牲者が出たならば…ボス程の実力を持たないアイリスやリンドウでは女神を倒すなんて無理だろう。


また女神と戦えば犠牲になるのは俺の女だ…なら、女神と相討ち覚悟でI can't stop my love for youだろ。でも、チェリアとアイリスは手遅れとしてもリンドウはまだ引き返せる。勿論、炎の鞭とかの事は解決させるさ…だが、それと恋愛は別だ。結婚ってのはどちらかの死を見届ける事だ…が、俺は関白亭主だ。メシマズでも早寝遅起きでも構わん…が、先に死ぬ事だけは絶対に許さない。犠牲になるなら俺は1人で女神に挑む…


という事に納得する程のバカ女を俺が好きになるはずも無く破綻するのは確実なので口にはしない。なので、リンドウに対する言い訳は…



「だって、あれだけ撫でても落ちなかったわけだし…俺に気は無いだろ。むしろ、スライム形態で入ってきた時点であるはずが無いのだ。あるなら再び露天風呂に入ってくるはずだ…というか、お前らもどうして風呂に入ってこない」


「源泉掛け流し汚したら、後が大変…」



それはごもっともで…いや、魔法で綺麗に出来るじゃないかと。いや、てつをの乱入があるから定番のスライムに襲われる展開になりかねない。やっぱりやめておこう…嫁にされたら消滅させるし。俺を襲ってこようとした両刀スライムっぽいし、あいつ…やっぱり名前の付け方間違えたわ。


後、やっぱり胃とかがキリキリ痛い。辛いは辛い…今日の午後は休もう。たまには休んで嫁たちの膝枕とかでのんびりするのん。

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