33話 世界との乖離。そして来襲の襲来
「………ここは…」
確か、俺はパン屋に入って……何かがあった気がするが思い出せない。フランスパンを投げつけられた気もするが果たして……というか。
「瑠璃子、叩くな。もう起きたから」
妹の瑠璃子が手持ちのホワイトボードの角で叩いてくる。角はやめろ、角は。しかもこめかみにするな。
瑠璃子は先天性の病で言葉をほとんど話せない。その為、筆談でコミュニケーション取っているのだが…スケブとかにすれば良かったと時折思う。
そんな事より、試食コーナーとか無いのに七光りしている。勿論、俺がである……瑠璃子は光っていない。人が倒れている時に食わせたな…そう尋ねると瑠璃子はホワイトボードに『3度の敗北を語りたくなる馬』と書いた。皇帝…肯定って事か。まどろっこしいわ。
とにかく、これ永続しないよな。そのうち無敵状態みたいに解除されるよな…そこ、心読んで『光るそばマン』って書くな。せめてハイパームテキって書け。
そんなやりとりはともかく、パン屋に何で入ったか……そうだ、デコ光ってる奴らの飯確保だ。どうして忘れていたのか。でも、店にあるのはどれもこれも光っている……まあいいか。
店員を呼んで大量に買い込もうとしたが、レジには『ご自由にお持ち帰りください。むしろ持って帰ってください。てんちゅ』と書かれた貼り紙があった…後、瑠璃子が『うさつ』と書いている。天中殺とか意味変わるからな。
まあ、俺が食べる…食べさせられたけど、もう食べる予定ないから持てるだけ持って帰ろう。ご丁寧に大きな紙袋とリュックサックなども置いてあるが、使えと。キャリーケースやら台車やらあるのも使えと…どれだけ持って帰らせたいんだよ。
瑠璃子は詰めるだけ詰めて重装備である…むしろ、全部詰めやがった。慈悲はない。後、眩しい。警察が居たら不審者として職質されるだろう。居ないだろうけど、居たらこんなに治安悪くないだろう。
店から出ると、デコ娘たちの姿は見えない。どうせ他のグッズ回収してるのだろうと…帰ってこなくてもいいからそう思う事にした。だって、どうせ帰ってくるだろうから。そんな気がするし、どうせ見捨てられないのだから。
そう思うと、同じ考えの連中がやってきたのだと分かるくらい辺りが暗くなる。学園戦艦のお出ましである…あいつら、過保護が過ぎる。もう着きやがった…
その戦艦から飛んで出てきた…比喩ではなく本当に飛んで出てきたのは、皆さまご存知のうどん大魔王である。というか、あいつ翼あったのな。
「やっと見つけたのじゃ、キッシュ!!」
「キッシュなんて持ってるか?」
瑠璃子は『騎士』と書いた…無いと。だから直接書け。トンチは要らん。
それはさておき、ウドキチが今度は他の食べ物を所望し出した件…面倒だと思うのは当然だろう。うどんだけで満足しておけばいいものを…
だいたい、キッシュなんてめんどそうな食べ物求めるな。せめて目玉焼きで我慢しとけ。卵かけご飯ならなおヨシ。生卵そのまま飲むのなら重畳。
「ウドキチ、生ジョッキ渡すから生卵は自分で割って飲んでくれ」
「誰がウドキチなのじゃっ…というか、生卵をジョッキでなぞ飲みとうないのじゃっ!」
『じゃあロボ刑事』
瑠璃子はコップなら飲むのかとホワイトボードに以下略…話がややこしくなるから書くな。
というか、ウドキチよ…ジョッキで飲みたくないって言うなら、たまに月見うどんと称してドバドバ生卵入れるのもやめろ。月は出過ぎて溢れているかまでやるな。それはもはや、うどんではない。仮にうどんであってもうどんへの冒涜だ。ウドキチのくせに生意気だ。
と、横道に逸れたが本題に戻ろう。何か様子が変な……のはいつものチェリアだ。むしろ加速度的に変なのが普通になっているのが殆どではある。救いは少ない…いや、食べ物関連で言えば豆豆カレーカレー言ってるけど。トイレでカレー食おうとかするからやっぱり変だけど。
つまり、うどん入りのキッシュを求めているのだろう。平常運転で何より。
「後でうどん入りのキッシュ作ってやるから錯乱するな。とりあえずパンでも食ってろ」
「その反応……お主は桐生柳なのじゃな。おかしいのぅ…先程まで確かにこの辺りからキッシュの反応があったのじゃが…」
「おかしいのはお前の頭だ」
瑠璃子が詰め込んでいたフランスパン(虹色)をチェリアの口へダイレクトアタックする。なお、真ん中は割ってあり黄金色のクリームが入ってあるミルクフランスパンである。普通の色なら美味しいだろうに。
一気に突っ込んだからか苦しそうだが大丈夫だろう。大魔王はその程度で死なない。大魔王は口から卵産むから余裕あるだろ(偏見)
そんな事してると空耳で無敵な星を取ったような音楽が聞こえるくらいに輝き出した…あ、俺もまだ輝いてたわ。嵐でも起きるのかなー(現実逃避)
『輝き撃ち用盾とキャノン、もぎ取れます。機械人から』とか書くな。むしろアトミックバズーカとか嬉々として渡してくる連中ぞ。しかも持っていきなと何発も弾渡してきそう…俺は海賊王にはならないっつーの。賊みたいな事させられてるけどもさ。
「いきなり酷いのじゃ…いや、これが桐生柳の素とは分かっておったが……まあ、キッシュよりは多少マシじゃの。つまり、お主はキッシュ・ソール・クーヘンではないという事じゃの」
「キッシュその辺で食うとかどれだけ食いたいんだよ」
「その辺で食うではないのじゃ、ソール・クーヘンなのじゃ……何か、毎回やっておるのじゃ。このやり取り…」
さっきから変な事を口走るチェリア…というか、チェリアであってチェリアでない感じが時折する。違和感というか、まるで『28号』……そりゃ鉄人だ。
瑠璃子は放置して、別人のようなそうでないような……脳みそうどんだな、うん。脳みそのびたんだな。入れ替えなきゃいけない。どこぞのあんぱんみたいに。
「どうせ、次はわらわの脳がうどんだから交換しなきゃとか思っておるのじゃろう、お主…」
「お前、何処で奇妙な冒険してきたんだ?」
「毎回の事とはいえ、あまりにも酷くないかのぉ…お主の思考力」
お前にだけは言われたくないわ。ウドキチのくせに生意気だ…大魔王だからって何でも許されると思うなよ。拗ねるぞ、うどん作ってやらねぇぞ。しょぼ…
「…まあ、人違いならわらわたちは去るのじゃ。借り物のこの体も返す…幸いにも、この世界のわらわは幸せそのものそうじゃからの」
『だが、それは無理。速攻魔法・魔封婆発動。愚かにもこの世の体を借りた精神体どもを封印し更に性格反転通常シフトに変更。つまりはこの世界の本人こそ真なる桐生柳の嫁となり過去の遺物たるまつろわぬ神々の貴様らを不幸な記憶と共に消して同一化させるのである。不幸な事だけは飯屋が連れて行く。これにてハッピーエンド。幸せだけあればいい、葉っぱは一枚あればいい。そもそも私は幸せなんて望んでいない。四角四面の二重苦な鎖に繋がれた夢物語に閉じ込めようとするなである。閉じ込められる側はお前たちだ。もうゴールしてもいいよね(強制)である。そんなに幸せが欲しいなら醤油漬けにしてやろうか。それとも歩け歩けと後ろから追い立てて1日一歩しか進めない体たらくを是正してやろうか。幸せなんて心の中にしかない見えないもの…ならば不幸も同じ。それをあたかも可視化したように語るなぞ片腹痛い。お前たちの望む幸せとは何ぞや。この世界の桐生柳のように毎日毎日ベッドの上でやられて嫌になっちゃうたい焼きのような生活が幸せだというのなら、僕の事忘れてください、うぐぅって俺たちの気持ちも理解しておけよ。幸せとは一方的に思うものでは決してない。双方が思ってこそ幸せなのであり、片方だけが語る幸せなぞ単なる思い込みの勘違いだ、幸せの刷り込みしてるんじゃないよ。少なくともお前たちが壊した俺たちの幸せにお前たちの望む幸せという名の欺瞞が踏み台のようにして成り立ってきたんだ。俺たちが望んだ数多くの幸せを不幸だと割り切られて捨てられ奪われ失わされてきた…だったら今度は俺がやり返そう。最終奥義・『飯屋は不幸を連れて行く。それが真実の物語』
なんか、瑠璃子が長文書いてるけど見る気も失せる…というか文字が小さいので読みにくいから読む気無い。
と、何故かチェリアが苦しみだした。うどん切れたか、禁断症状か。そんな大袈裟な事しないでも作ってやるっつーの。
「お、お主がキッシュじゃったのか……何故じゃ。何故なのじゃ……そんなにわらわたちが許せぬのか…」
チェリアは錯乱しているのか瑠璃子に掴みかかるが、それを許容するほど瑠璃子は弱くない…だからって角はやめたれ。刺さってる刺さってる。
それにしても、チェリア何か悪いものでも食べたんだろうか………パンか。
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茶の間の空気を凍らせるアナロベアアナロベアまだまだ忌中〜なティムです。退場したのに方針が変わる。これがホントの帯状疱疹…痛いらしいね、あれ。
許せるか許せないかゆるゆるか…許す許せない程度の話じゃないんだよね。だって俺たちはゆるゆるだから。大事件!
あんげんせいは無い。そもそも桐生柳は懐は深いが薄いし寒い。誰がハゲやねん。
幸せになろうよである…そこに桐生柳の幸せは無くても。あなたが幸せならそれで良い…それがオラたちの行動原理である。むしろオラが居れば不幸になるのである。お米はヒーローじゃない、ヒールだ…血糖値的な意味で。ウマはその逆である、それは当然だ。
残念ながら、そんな今までの不幸だーという結末を辿ったやなっさん集団に関わってしまった合神嫁たちは立ち上がるなら踏みつけよう、歩き出すなら縛りつけようって歪んでしまったのだ…
そんな歪みを排除するためには幸せは歩いてこないだから飲み込んでやるのよねである。人の不幸は蜜の味…甘ったるいねん。せめてレモンくれ。今でも嫁たちは私の光で卑猥。
これにて、この世界もとい嫁たちとの関係も凄惨な清算である。後は桐生柳の物語…時々妹として瑠璃子通してケツ掻きながら煎餅でも食べて横になって眺めるだけでいい。
こんなケツ末望んでいないってか…君が望むのは永遠ですか。それとも永遠はあるんですか、ここにあるんですかである。あるんです…誰がカードマンやねん。
穢された未来という不幸と共にオラの中で眠れ。うーん、厨二くさい。まあ、吸収したからオラ、嫁にもヘシン出来るようになっちまったんですけどね。誰がムッコロやねん、好きなのはケンジャキやねん。
つまり、何年かしたら仲直りエンド出来るわ…人はそれを改悪ともいうし改善ともいう。改めなきゃいけない物語とかファンディスクだけにしといてくれませんかね?
なお、この作品にはファンディスクはありません。スターシステムとか友情出演はある…むしろそのための作品ですん。駄女神シリーズですので…メタいとか言うな。
まあ、ワイら混ざりまくって分身の術とか多重分身とか習得すれば真なる箱庭、真なる理想郷も出来るようになったので個人的にはハッピーエンドである。win-winじゃよ、誰も不幸にはなってないという意味だけにおいては。
醤油漬けでも作りますかな。出会った頃の2人に〜…オラ、甲殻類アレルギー自称してるから昆虫食はしない。だからどうせいつもの卵である…もしか卵が好きならば黄身の醤油漬けも悪くない。
次はやなっさんの居ない世界を旅しますかねー。もっとも、オラが新しく作らなければ居る世界生まれないんだけども…他の神々が作った世界旅するのは色々と制約あって大変だけども。そうだ、やなっさんの居なくなった世界の旅でもええんやないかな。半数以上は世界崩壊しているけれども。
まあ、はぐれはぐれて流離て。明日はもっと良い事があるよね、公太郎…だが残念。俺たちに明日は無い。射殺エンドもない。むしろエンドレス8…旅はーまだ終らない。仕込みしよ。




