期待のシチュエーション…ただしゲル
多田茂…居そうな名前だ。ではなく、振り向くと赤いスライムが居た。まさに這い寄る混沌。うーにゃーうーにゃーこずみっく。
「あ、あの…一緒に入ってもいいですか?」
「お、おぅ…」
ここはせめて、人型でタオル巻いてがセオリーなんだが高望みはすまい。むしろ、ドラゴンじゃないだけマシか。ドラゴンだったら右手の封印が…その下りはもういいか。
丁寧に掛け湯をしてから入ってくるレッドスライム…ふやけないのだろうか?
そういえば、俺タオル巻いてないや…濁り湯だから構わないけど。濁り湯じゃなくても構わないけど。いや、露出の趣味は無いが。
「い、良いお湯ですね…」
「ああ、うん…」
スライムって温度分かるんだなとか、浸透圧とかはどうなってるんだとか、分裂するのかとか色々疑問がある。むしろ、ドラゴンとスライムでどうやったら子作り出来るんだ?
ゲーム中では配合システムはあったが実用的ではなかった。異種族は出来るが生まれるまでには時間がかかった…どうしてポケ○ンとかみたいに卵生に統一しなかったのか。胎生もありますよ…むしろ、どっちにしても1から育てるより食わした方が良い。よく分からんシステムだった。
さて、目の前の最強×最強は卵生になるのか分裂なのかという疑問が出てきた。どっちだろう…どっちにしてもするつもりだが今のタイミングじゃないな。
さて、嫁たちと一緒に入ったこのドラスラ娘さんは何の目的でこんな事をしているのですかなという思考に移ろう。色仕掛けではないのは確実だ。人型じゃないのだもの…人型だったら遠慮なく襲ってましたよ。据え膳は美味しくいただきますからね。
まあ、普通に話したいんだろうな。つまらない答えだがそれ以外に何があるんだよと…いや、捕食か。そのニュルニュルボディーで俺を包み込んで食うつもりか?
ボケてみたが、ありそうで逆に怖いわ…というか、そんな事やってたら中古判定ですわ。嫁候補じゃなくなるし討伐対象だ…きちんと聞いとかないといけない。
「なあ、リンドウ…男食った事あんの?」
「ありませんっ…清い体ですっ!」
プルプル震えながら否定した。清い体なのは構わないけど、聞きたいのとはちょっと違う………ロリババア、何吹き込みやがった。
「あ、あの…リテイムしてくれませんか。キッシュさんのテイムモンスターになりたいです」
「…………はい?」
リテイム…まあ、またテイムしてくれって事だ。ゲーム中では1回捨てたら2度は無い。というか、紛れたら同じモンスターって分からないからな。いや、単にシステム上の問題だけどさ。
「き、清い体です。い、今はスライムですけど、いつもは人型で居ます。の、望むなら何でもします。だからオレを…」
「待て待て待て」
俺のテイムモンスターは「と○てつ」と「バー○ー」、それに仲間プレイヤーが引退の時にくれた土属性ライオンの「さすおに」、弱肉強食と配合を繰り返して生み出した複合属性持ちタイガーの「くぎゅう」だけだと決めてるんだ。システム上、最高4匹パーティだからな………うん、アイテムごと消えたよ。もう2度と会えないよ。いつか君を捕まえるって出来ないよ。どうでもいい事じゃない…特にくぎゅうには伝説のモンスターも食わせて最強に仕上げたというのに。弟っぽい鎧モンスターとか色々さ…
「………キッシュさん、どうして泣いて…」
「そんなに自分を安売りするな。里のおっかさんも泣いてるぞっ!」
「は、はいっ…」
あれ作り上げるだけで3ヶ月だぞ。俺の3ヶ月返せ…女神、お前は俺をマジで怒らせた。絶対殺す。もう許さへん。
「や、安売りはしません。でも、ほら…仲間をお探しだとか。これからお手伝いしてもらうわけですし、恩返しとか…」
おっと。リンドウと話しているんだった…えっと、何だっけ…お手伝い。制服を着てとびきりをあげるって。はじめては優しくするよ。え、違う。双子はまだ先の話だったな、うん。そうそう、リンドウを鍛えて大会優勝して炎の鞭の奪還だったな。ゲットバ○カーズだな…どんな内容だったっけ?
「まあ、確かに手伝いはする。が、完全な味方というわけにもいかないだろ。昨日の敵は今日の友だが明日は大会を目指すライバルかもしれない。実際に大会出る枠を俺たちで埋めれば半分の確率にはなるが潰し合いになるかもしれないし」
「それは、まあ…でも、取り戻せたら良いんです。悪用されて両親や皆に危害加えられるよりは…」
マジですまん、ドエムゴンは手遅れだわ。もう叩かれる快楽無ければ生きていけないんじゃないかと思う。いや、マジすまん。責任は取らん。
「……だが、お前が取り戻さないと意味が無い。それに、お前が持つもう1つの炎の鞭が奪われてもアウトだ。お前がそれによってテイムされた時点でこの世界は終わる…どうして終わるかは言わなくとも分かるな?」
「……父上ですか。だからリテイムしてくれないんですか…」
「…俺にすればドエムゴンは関係無い。ただ、鞭で無理矢理なのが嫌なだけだ…リンドウ。お前は俺にモンスターとして扱って欲しいのか。それとも1人の女として扱って欲しいのか…どっちなんだ?」
さすがに辱しめられてとかは言えない。それなら俺にとか言われたらおしまいだ…いや、俺としてはそれでも構わないけど言わせた感があるからな。確かに、こいつは魔物かもしれないしスライムが本性かもしれん。でも、女の子だ…いや、正確にはメスになるかもしれんが。
正直、モンスターとして扱って欲しいならアイテム扱いだ。収納して他にも連れていける…だけど、それは何となく嫌だ。南極2号みたいで嫌だ。
「オレは…モンスターです。他のモンスターをテイムしたがるようなダメモンスターです。でも…人間みたいな生き方がしたい。普通に恋をして、結婚して、子どもを産み育てて…だけど、キッシュさんにテイムされた時にオレはモンスターなんだって、放逐されたの悲しくって…分からないんです…」
分からないか…まあ、性急過ぎたのは分かっている。むしろ、モンスターとして扱えと言われていたら失望していただろうな。だからといって何が変わるのかと言われればそれまでだが…
とりあえず、頭を撫でてやる。頭を……どこまでが頭なんだ。いや、どこまでがどこなんだ?
分からん…分かったからといってどうにもならんが。仕方ない…全力で撫でてやろう。王国作れるくらい全力で。
「おーよしよし。わしゃわしゃわしゃわしゃ」
抱き締めて全力で撫で回してやる。え、女性にするには変態的だって…スライムですが、何か?
「きっ、キッシュさん…その、くすぐった…ひゃう…」
「よいではないか、よいではないか」
なんか、物凄く触り心地好いスライム娘だ。チェリアやアイリスではこうはいかん…いや、スライムと同列には無理か。この弾力性はスライムだからこそだ。が、嫁のささやかなのはそれで…
「やっ…やめてくださいっ!」
最後に見たのは赤だった。赤い衝撃が誓いの弾幕のように襲ってきた…熱いバトル起こしたというか、捕食された。
残念、キッシュの物語はここで終わってしまったっ!
という展開になりそうだった。出歯母娘によってすぐさま救出されたよ…覗くなら入ってこいよ。些細な弾力楽しませろよ。
「キッシュ、お主は少しでも反省せぬか」
「反省してまーす」
チッ、うっせーよ。チェリアが変な事吹き込んだのがそもそもの原因だ。というか、吹き込むならスライムで入れさせるな。俺はモフるのが職業みたいなもんだ。というか、ちょっとだけ捕食されたの気持ち良かった。あれか、ローションってやつか。使った事無いけどニュルニュルもそんなに悪くなかった。
「ううぅ…穢された。キッシュさんに穢されたぁ…」
「よしよし…一緒に入浴した時点で手遅れ」
泣き付くスライムを慰めているのか呆れているのか分からないアイリス。というか、穢されたのは俺だと思う。向こうは赤いスライムの塊、こっちはフルフロ○タル…そして嫁たち。これは3倍もげろという事なんだな?
「キッシュよ、興奮しとらんでさっさと拭いて服を着るのじゃ…」
チェリアがゴミムシを見るような目で睨んできた。そこに顔を赤くして床で恥ずかしがる姿は無かった…マンネリか、倦怠期の始まりか。萎えた。




