奪われた神器
モンスターテイマー・リンドヴルム…王国主催の大会の出場者であるが、初戦敗退して絶対にプレイヤーとは戦わないテイマーだった。そういえば控え室で外套被ってて話しかけても無言だったのが居たな…
「……で、そいつがエンシェントドラゴンの子だというのは分かった。が、どういう意味だ?」
エンシェントドラゴンとミス・ライムの間に出来たドラゴンとスライムの混血…ドラ○スライムですね、分かります。なのに人間にしか見えない不思議。外套を取るとそこには美少女が居ました。赤いショートヘアのオレっ娘です。よし、嫁に決めた…なんて事は後で言おう。それより深刻な事が起きたらしい。
「あ、えっと…とりあえず人間なんだよね?」
「キッシュ、着替えるのじゃ。シリアスシーン台無しじゃぞ」
このアナロベアの何が悪いというのだ…この場の空気さえ和ませる事が出来るというのに。ん、空気さえ和ませる…風属性備えてたのか、こいつ。更にゴーストするから闇まであるのか…光もあるだろうし、完璧モンスターじゃないか?
「パパ、早く着替える…素顔見せたら、良い事あるよ?」
アイリスがリンドヴルムを素顔見せて攻略しろと言ってきた。やだ、この子俺の心読んだの…天使魔法か。恋のキューピッドやってくれんのか。あ、もげたら天使魔法もアイリスに受け渡せました。チェリアは無理だったよ。あいつは絶頂合わせないからなぁ…
まあ、アイリスまでそう言うなら脱ぎますよ。俺、脱いだら凄いんですよ…むしろ、脱いでから凄いんです。いや、ここでマッパはしないからね。追跡や撲滅をいずれもマッパでやりませんよ。マッパでヤるのは嫁とだけですからね。
とりあえず、脱いだ。いいないいな、着ぐるみじゃないっていいな。おいしいご飯にあったかい嫁、子どもを作るの待ってるだろな。いや、シリアスにしろというので現実に帰ろう。嫁をひっくり返すのは後でしよう。
「とりあえず、改めて自己紹介といこうじゃないか。俺はキッシュ…悪の組織に改造されたところをこのロリババアに助けだされた改造人間ハカイグマーだ」
「パパ、嘘よくない」
「ロリババアから離れるのじゃ」
嫁たちはミステリアスな男の価値が分からないのか…単なる不審者にしか見えないだって。まあ、ゆるキャラの中は変態しか居ないからな。じゃないとあんな動き出来ないよね…今度、嫁のパンツ被って仮面気取ればええのんか?
「あー…とりあえず、オレはリンドヴルム。父上以外からはリンドウって呼ばれてます。さっきはすみませんでした、ハカイグマーさん」
「リンドウよ、信じるでない。改造などされておらぬぞこいつは」
「そうだぞ、クマじゃなくてチーターだ」
「パパ、混乱させない」
でも、俺はチート。冒険王チートだ…というか、リンドウはノリがいいな。そういうの嫌いじゃない。後でドラゴン父を殴って嫁に貰う事としよう。え、なんで殴られなきゃいなけないん?
とりあえず、以下省略で自己紹介が進む。ややこしい俺と嫁の関係にリンドウの顔が微妙そうに歪む。安心しろ、ロックオンした。お前も狙い撃ってマイワイフにするから安心しろ。
『では、改めて状況を話そう。炎の鞭が盗まれたという事だが、炎の鞭は2つあるのだが…』
炎の鞭はエンシェントドラゴンのヒゲから作られた鞭らしい…お前、西洋の竜なのにヒゲ生えんのかよ。東洋の龍ならまだ分かる。本当にヒゲだろうな、それ。鼻毛の間違いじゃないだろうな?
まあ、鼻毛でも耳毛でも縮毛でもボールでいうところのマスター的なものらしいので狙っているテイマーは多い。偽物も売られていて、俺も買ってしまったものだ…いや、買える中では高性能だったんだよ?
で、2つのうち1つは離婚した妻が慰謝料代わりに持って行き、残ったのは鼻毛ドラゴンが管理していたらしい。が、ここのリンドウが自分のテイムモンスター欲しさに持ち出した結果、転んだ拍子に川へドンブラコ…そのまま拾われ国王様に献上されましたとさ。
拾得物をネコババするなんて、この国も酷すぎる。というか、ここはすり替えておいたのさって展開じゃないの?
「それで、今度の大会の景品になるみたいで…」
リンドウが仕入れた情報によると、今度の大会の景品にして、優勝した奴にエンシェントドラゴンをテイムしてくるのじゃとかするつもりらしいバカ国王…自分の鼻毛で使役されるドラゴンなら女神が倒してると思うんだ。というか…
「奪われたなら奪い返せばよくね?」
ネコババよくない。許されるのは猫耳だけだ…ルーチェ。なにそれ牛乳入れて固まるやつ?
『さすがにそれは無理だろう。死人が出る』
お前の管理不行き届きだろうがと説教して良いかな…ゴミの弓だけじゃなくて鼻毛の鞭なんて要らないけどさ、うちのロリ嫁が収集癖あるんだよ。もう闇の斧も破壊してガン○ラ捨てられた感じにさせてやろうかな。いや、それやったらマグロになりかねないか。
というか、どいつもこいつもボスのくせして人の命がとか何とか…これだから偽善者の勇者という連中は。自分が不利益になるの分かってても勇者振るんだ…そういうの嫌いではないが利用されて弄ばれてるんだぞ。本当に世界の事を願うなら幼なじみと娘のどちらかとなんて言わせんな。俺は奴隷仲間の女の子派だ。なのに何で寝取りやがった自称親友…俺は王族なんて大っ嫌いだっ!
「オレは正々堂々と戦って優勝したい。だから、母上からもう1本の鞭を貰ってきた…」
「それで正々堂々とか言うなよ…」
お前の持ってるそれ、1回使って終わりじゃないぞ。むしろ、また転んでドンブラコするだろ、絶対。というか、大会の1回戦敗退者には過ぎたアイテムだと思う。使いこなせるわけがないよ…というわけでリンドウの手にある鞭を奪ってみた。
「な、何をするんです。返してくだ『ピシッ』…マスター、これからよろしくお願いします」
『き、貴様。何をしておるのだぁぁぁぁぁぁぁ』
何の気無しにリンドウを奪った炎の鞭でお返しとばかりに軽く叩いたらテイム出来ちゃった。よし、このまま出来ちゃった婚だ…え、意味が違うだって。些細な違いだろ。
「というか、やっぱりドラゴス○イム扱いか…ついでにエンシェントドラゴンも叩いてみるか」
『そんなもので我が屈するわけが…「ピシッ」あふん、もっと…「ピシッ」おぉ…これがテイムの心地好さか…』
何か、テイム出来てないはずなのに目覚めさせてしまったらしい。これはヤバい…神器半端ねぇ。え、神器関係ないって?
とりあえず、野生に返してやろう。目覚めよ、野生の魂って奴だ。無理矢理は良くない…魂と魂が響き合わないと股間が研ぎ澄まされない。五感じゃないのかって…そうとも言う。淫獣合体とも言う。でも、主従関係だって無理矢理は良くない。行為の後に愛があるとか言う奴も居るが、愛がなければジュニアは育てられんのだよ。
「まあ、そうなるとは思わなかったから解放する。悪かったな」
「あ…放逐ですか。残念です…」
リンドウの俺を見る目が捨てられたチワワみたいだ…落ちた。間違いなく落ちた。というか、人型からスライム型とかドラゴン型とかになるんだろうか、こいつ。まあ、じっくり知っていくか。
『我は貴様に従っても構わぬぞ。だから、もっと叩け』
「捌いてドラゴンのたたきにして食ったろか、この淫竜がっ!」
そりゃ、離婚されるわけだよ。こんな性癖の持ち主がこの世界の守護竜扱いか…娘の目を見てみろ。汚いものを見る反抗期特有の目をしているじゃないか、てめぇの方が何してやがんだ。嫁たちも同じ目をしてるじゃねぇかっ!




