転生者のララバイ
そして、真くんの幼なじみと後輩と幼女の命を奪った。が、何も変化無し…変化の具合は革命組織メンバーへの拷問だ。いや、既に奴らの体はホモホモだ…んな事はどうでもいい。
ご町内の皆さんの命の廃品回収、元過激派とか革命組織の連中も殺ったが同じだった。まあ、カ○ピスの原液飲んで復活はやってやったさ。それでレベル上がったから構わないんだけど…
「お手上げだな。攻略方法間違えたか…」
卜部家に勢揃いする俺たち…2日が経って、既に半透明化していたりする。お通夜ムードだ。生前葬のようなものだ。つまり、後数時間しない内に俺は死ぬのだ。役所の件で無駄に殺したのがとも思ったが、あそこはストーリー上過激派全滅だから大差無いはずだ…
「キッシュ…やはりわらわのを渡す。それで助かるのじゃ」
「ダメ。ママのじゃなくてわたしの…」
「そんな事しやがったら、お前ら殺して俺も死ぬから覚悟しとけ」
嫁たちは互いに自分のを渡すと言うが、俺はそんなの望まない。好きな奴を失って生きなきゃいけない人生なんて2度とゴメンだ。
「ですが、あなたが居なくなったら女神との戦いは…」
「そう思うなら出せや、クソガエル」
ボスはこの世界に馴染んだ存在だから神魂の欠片を失っても存在出来るという話はチェリアから聞いている。が、こいつ無駄に不死だから死んで欠片を吐き出さないという無駄仕様。まあ、それはチェリアも同じようなものか…むしろ、表のボス一行で出した奴居ないし。ゲーム中での話なわけだが。
「…俺にはよく分かりませんけど、こうやって多くの人を…両親を助けてくれた人をみすみす死なせてしまうなんて…」
「いや、気にすんな。お前こそ記憶戻らないままで残念だと思うし」
真くんの記憶も戻る事が無かった。水乃ちゃんが存在しないなら両親が殺された事も無かった事にされるわけだが、心の傷は深いという事か。こいつの部屋に寝泊まりさせてもらったわけだし、お前のベッドの下にあった本から分かる性癖は墓に持って行ってやるからな…いや、骨も残らないんだったか。
まあ、それは構わない。こいつのご両親にも世話になった。水乃ちゃんに殺された件が無くなったのだし、覚えていないのだから構わない。
いや、ちょっと待て…まだここに居る。死ななきゃいけないのに死んでない人間がだ。恩義もあったし水乃ちゃんに殺されたからと見逃してきたのだ。
俺は最期の足掻きとばかりにそいつを殴り殺した。無属性魔法を使えば半透明化しても効果あったよ。
響き渡る家人たちの絶叫…安心してください。生き返らせますよ?
さて、ここでクエスチョン。俺は誰を殺したでしょう。次の3人から選んでください。
1,この物語の主人公、卜部真くん18歳
2,真くんの父親、卜部父43歳
3,真くんの母親…残念、義母でした。卜部母28歳
正解はCMの後…なんて事は言わない。え、義母なのかよだって。そうなんだよ、真くんのベッドの下にあった本から分かる性癖だよ…全部義理の母ものだった。一応、デバガエルに確認させたら義母でした。卜部父、死に別れた妻の後で年下の女捕まえて再婚してやがりました。しかも、当時高校生の幼妻だよ…そりゃあ、真くんの性癖も歪みますわ。
で、歪んだ結果がこれだよ。
「はい、正解は1の卜部真くんでした。というわけで…死ねや、残念少女」
突如台所にケーキを持って現れた残念少女千羽水乃…彼女のモチーフは水仙だ。水仙の花言葉を知ってるか?
自惚れや自己愛ってのが一般的だ…だが、黄色い水仙の花言葉は「もう一度愛して欲しい」「私の元へ帰って」とかになる。何の気なしにネットで調べた花言葉…更にだ。その花言葉の語源になったのはナルキッソスとかいうバイな美少年の逸話だ。つまり、最初から表と裏でストーリーというか主人公は繋がっていたわけだな、これは。というか、水乃ちゃんが黄色髪なのが悪い。あざといんだよ、お前は…
「な、何がどうなって…っ、天野司ぁぁぁぁ」
水乃ちゃんは突然の出来事に慌てふためいたのも束の間、革命組織の宿敵ガエルが目の前に居たからさあ大変。でも、安心してください…ビッチに慈悲無い。
「はいはい、天上天下唯我独尊男女平等無限パーンチ(手加減)」
棒読みで無属性魔法の乗ったパンチを繰り出してやった。一応殺してない…ちょっと試したい事あるし。というわけで真くんをぴぴろう。
「な、何でこんな仕打ちをっ!」
甦る一浪。あ、今の季節は4月ですよ。真くん浪人生ですよ…え、高校の生徒証持ってたって。ちゃんと返せよ、早生まれだからっていつまでも高校生気取るなよ…そんなのどうでもいいか。でも、ほら君の童貞奪うビッチが居るよ。一度死んだから消えないはずだよ。というか、記憶戻ったんじゃね?
「な、なんでこの女がまたここに…えっ。記憶が…」
言った通り甦る一浪。そんなもんだよ、このクソゲー仕様は。というか、顔見たのか。ストーリーだと見てないはずだったんだが…まあ、理想と妄想と現実は違うようで同じだけどストーリーは違ってたって事にしておこう。
「キッシュよ、分かるように説明するのじゃ」
「意味不明…」
嫁と卜部一家…というか、俺以外の全員が状況を分かってないようで俺を見つめてくる。安心しろ、俺も分かってない。とりあえず卜部一家は全員死ぬから順にやろうとしたら最初に当たっただけだ。水仙の花言葉とかは覚えてただけだ。むしろ、水乃ちゃんがここに現れた方がびっくりしたわ。
「まあ、俺の憶測で構わないなら…その前に瀕死の水乃ちゃんを縛っておいてくれ。いや、一度殺して生殺与奪状態にするか」
「心配せずともお主以上の回復魔法を使える者は居ないのじゃ…放置で構わぬ」
そんなものか。そういえば、ステータス確認してないな。ほぼ全快まで回復させたんならチェリアの命魔法スキルアップしてるだろ。まあ、そんなのも後だ…
というわけで憶測の話をしよう。あくまでも憶測だから仕方ないね。真実なんて俺が知ったこっちゃ無いからな。
まず、真くんだ。両親…もとい、初恋の義母を見知らぬ少女に殺される場面を目撃して発狂し逃げ出す事で犯人との関係が破綻した。と思わせておいて記憶を失う事でストーリー通りに進むはずだったが、そこにチェリアとアイリスが出くわして安全確保のストーリー破綻が確定した。女神の力、雑で笑えない。
で、水乃ちゃんの転生フラグは壊滅したのは前に言った予想通りとして、裏ストーリーの奇行種水乃ちゃんの話だ。やらかしたのは3つ。前世の両親殺害、ビッチ行動、前世の自分自身の殺害。真ん中のはさておき、問題は前世に関わる事だ。おそらく、ボス戦の時にされた洗脳が半端に作用して前世を思い出したんだろう…最愛の義母を殺したのが自分だった事、そして目の前のかつての自分を殺さないと今の自分が成り立たない事を悟ってしまった。だから、あんな凶行に至ったというわけだ。憶測だけどな。
というわけで洗脳ガエルに洗脳してもらった。ついでに回復もしといた…あ、ビッチの回復は無理だよ。中古を新品になんて出来ませんよ。
「……確かに。その人の言った通りだ。あたしの前世はそこに居る男だ…」
あら、それは知ってるのよ。そんな事が聞きたいわけじゃないの…とも思ったが病むのはこれからだし、義母は甦ったから憂いは無いだろう。全てに絶望して自棄起こしてカエルに当たりまくる…そんな人生から解放されれば良いんじゃないかな?
この残念少女は大っ嫌いだが分からないでもなかった。最後の最後に真くんを裏切らなければ、真くんの両親を殺していなければ、ビッチでなければ良いヒロインだったと思う。いや、真くんにとってはの話だ…どうせ好きな義母も中古品だし。
「おい、ゲガエル。何を恨まれてるか知らないが水乃ちゃんを殺してくれなんて言うのはこれで無しだろ。卜部一家は娘を欲しがっていた。うちのアイリスは渡さない…が、そこの天涯孤独な息子の来世が余ってる。それならそいつを娘にすれば良いだろ。というかしろ…じゃないとここで皆殺しだ」
おそらく、前世を知った水乃ちゃんは卜部一家を襲えない。やったら、やった事が前世の記憶として自身に跳ね返ってくるのだ。自分で自分を殺すのだ…それは精神的に辛いと思う。というか、前世の自分を来世の自分が幸せに出来るのだ。まあ、ラバーズが増えたって事で良いんじゃないの?
この日、本当の意味で抗争が終わった。カエルの所為で両親を失った少女が、新しく家族を手に入れた事で…ああ、水乃ちゃんの父親、前の総理だったらしいよ。どうでもいいね、そんな事。ストーリーで語られなかったし。チワワ総理って仇名だったらしいよ…終わってんな、この国。
とりあえず、カエルは殴られ蹴られ毟られたところで水乃ちゃんに許された。羽じゃないよ、髪の毛だよ…ハゲラッチョだよ。
これにて綺麗に一件落着…綺麗にハゲ散らかしたハゲガエルから神魂の欠片が飛び出してきたからクリア扱いなんだろう。勿論、いただきましたよ。でも、またアイテムボックス行きな。なんか加齢臭とかで臭そうだったからきちんと煮沸消毒してから入れたよ。




