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歪んだストーリーの修正法

昨夜は結局走り続けて卜部さんちに戻ってきました。涙流しながら迎え入れてくれましたよ…あ、熊のままだったのによく分かったな。さすが命の恩人には寛容な社会だ。え、命乞いしてただけだって…そんなバカな。


で、朝目が覚めたらもう昨日まであった役所は無くて、「ホントあぁもぅ…えっとどうしよう」と困惑している悩めるガエルが居た。お前、朝から他人様の家に押し掛けんなよ。俺は命の恩人様だから構わないんですけどね。



「住民の基本情報とか全部台無しですよ。どうしてくれるんですか…」


「過激派に占拠された時点でアウトだろ。仮に消去されていたなら俺の所為じゃない。という事で悪いのはあいつらだ。そんな事よりチェリアとアイリスのカップ麺をさっさと用意しろ。次は病院崩壊させんぞ?」



売店にカップ麺があれば上階の崩壊だけだったはずだ、俺は悪くねぇ。カップ麺を根こそぎ食ってたあいつらが悪いんだ。占拠するなら食べ物持ち込める場所を占拠しやがれ。



「もう過激派の事はこちらでどうにかします…というか、昨日の事で改心して戻ってきたのが多いんです。革命組織はバケモノを飼っているとか噂してますよ」



バケモノって…水乃ちゃんですね、分かります。病院で真くんを食べちゃいますからね。いや、一部プレイヤーの憶測ですけども…とはいえ、改心してくれたのはありがたい。病院の敵グラって女多いんです。俺、一応フェミニストだから新品には優しいわけよ…優しく倒してお楽しみってしたいわけよ。


いかん。昨夜中に革命組織と合流して個室与えられてもげる予定が狂ったから欲求不満だ。このままでは現地妻をマジで作ってしまいそうだ。



「のぅ…過激派の事はどうとでもなるのなら、『革命返し』とやらを直接潰せば良いのではないか?」


「ロリ嫁よ、そうは言うがストーリー的に詳細は語られてないんだぞ、あいつらの拠点。何処かの3階建て以上のマンションを占拠せず用意していてこの都市の中にあって日当たり良好の反面、近くにはバスや電車の路線も無い。更に言えば各個室は小さいながらもユニットバスにキッチン完備。またマンション共有スペースにはビリヤードとバーがあって駐車場は地下だ」


「いや、それだけの情報があれば不動産屋と協力すれば探せるかと…詳細はまたお聞きするかもしれませんが」



あら、この不動産ガエルがど根性で見つけ出すとか意気込み出した。なら、ついでに風呂付きのウィークリーマンションを探してくれや。金なら釘バット売ったのがある。ここの自治組織が全部お買い上げしてくれたからな。なんか、昨夜に幼女を両脇に抱えた不審熊が出たとかで早朝から対策用に何かないかと叩き起こされたから倍額で売りつけてやった。押し売りは聞いた事あるが押し掛けられ売りなんてのは初めて体験したぞ。俺は24時間年中無休ではやってないというのに。



「…というより、今まで探そうとせなんだったのがおかしいのじゃ」



ロリ嫁よ、お前がそれを言うか。探されてたら魔王ってバレたんじゃないのかと…いや、あるいは王様連中知ってたりして…








で、卜部父は出稼ぎに、真くんは殿様ガエルの鞄持ちに。俺たちはだらだらしてます…釘バット作りくらいしかやること無いもの。アイリスは卜部母に気に入られてるからお菓子を色々貰ってる。強制はしてないぞ…娘みたいに思われてる。それは構わないんだが、俺のだからな。



「で、お主は何をしておるのじゃ?」



間食しないから成長しないロリ嫁は茶をすすりながら問うてきた。まあ、横に広がっても困るからアイリスの食い過ぎには注意しないとな。それはともかく、俺は書いている途中の紙をチェリアに見せた。



「攻略順というか、ストーリー上の流れだ。とりあえず、都市の分だけな」



真くんとなったプレイヤーは児童公園で一夜を過ごした後北へ向かってあても無く歩いている途中で水乃ちゃんを救った。で、そのままご案内されて車で拉致られ革命組織のアジトへ。で、役所を襲撃後1週間経ち病院を襲う。その翌週に警察を襲い、そこに居合わせたポリガエルと戦って革命組織壊滅、真くんも水乃ちゃんに刺殺されてストーリー終了なわけだ。



「…のぅ。これ最初から破綻しておるのじゃ…わらわたちが卜部を助けた時点で色々とな」


「それ分かってる…実際、革命組織も現れなかったんだろ。役所壊した意味無かったかもな」



まあ、そのお陰で過激派はほぼ改心したのだから構わないけどな。え、ドーナツ人間はどうだってか…正当防衛に決まってんだろ。それにやったのはアナ○熊であって俺ではない。俺はそれでもやってないと言い張れば完璧だ。



「そもそもじゃ…革命するのに役所や病院、警察を何故狙うのじゃ。直接ゲガエルを討てば良かろう?」


「まあ、金目的だな。役所で住民の情報を収集して金持ちの情報を集めて強盗に押し入るとか、病院で医療薬として保管してある麻薬を奪って横流ししたり、警察署に保管してある拳銃を密売したり…」


「…山賊じゃの。しかも下の下じゃ」



まあ、組織を運営するには金が必要だからな。結局、大義名分なんてのは欲を満たすためだ。世界のため、国のため、人々のためなんて面倒臭い事を言って叶えた奴なんてほんの僅かしか居ない。そんな事はどうでもいいや。金を集める方法は何でもある…ただ、向こうには純粋に計画を進めるキーパーソンが欠けている。真くんはこちらの側だし、元々のエースは取り調べで「愛してくれてありがとう」って言う程掘られてる。で、その穴を埋めようとした俺も失敗したわけで…いや、俺はエースの穴に埋めてませんよ。



「『オンドゥルルラギッタンディスヨ』って言えるシチュエーションは無くなったな」


「分かる言葉で話すのじゃ…」



簡単に言えば、潜入して中から潰すのは無理って事だ。そんな事するならアナ○熊の炎と氷を合わせただけでマンション崩壊は出来るからな。ボムってやるだけだ。在宅中に近くの別マンションからドーンと汚ねぇ花火大会で壊滅だね。


正直、ストーリー中では水乃ちゃん以外の革命組織のメンバー名は分からないから知りたかったんだけど、もう無理そうだ。さすがに名無しという事は無いだろうからボスである「ダイヤのキング」をダディ○ーナさん、「クラブのジャック」をム○キーと仮称しよう。ついでに捕まってるエースはケ○ジャキで嫌われ者はムッ○ロでいいよね。あ、52人も構成員居ないから安心しろよ。「ブラックジョ○カー」なんて2つ名貰えると期待してたわけじゃないんだからねっ!



「結局、どうすればクリア出来るんだって悩んでたんだよ。学園の時は勇者の心折って終われた…というか、カタタ倒してクリアだったろ。今回は何をどうすれば終わるかって言うなら真くんデッドエンドが表も裏もストーリー終了のお知らせなわけだ。かといって、それは出来ないだろ?」


「無関係な輩には無慈悲なのに殊勝じゃのぉ…」



そう言われても、覚えが無いな。俺に出会ったら関係者。敵対したら倒すだけの簡単なお仕事ですし。まあ、ハーレム要員が3人居る真くんを敵と見なすのは簡単ですけど。別に寝取りは興味無いし…トルスなんて知らん名前ですな。


それはさて置き。ゲイガエルが真くんを生かしたいと言ってるのに殺したら譲るものも譲ってくれない可能性もあるというのがあるので優しいわけじゃない。まあ、まずは水乃ちゃんを昇天させてからだな。それでクリアしなきゃサンドガエルを殴り続けよう。



「というか、クリアのさじ加減って誰が判断するんだよ。ロリ魔王…お前の時はどうだった?」


「そう言われても曖昧なのじゃ…わらわとしては坑道の一件で十分と思っておったのじゃ。お主の言う裏ストーリー的には。じゃが、カタタの件があってわらわの魂と結ばれておる神魂の欠片に変化があったような気もするのじゃ」


「よく分からんな…結局、現状では修正不可って事か」



というか、魂と結ばれているってどういう事だよ。呪いのアイテムじゃないか。まあ、これがあるから異世界でも移動可能って事らしいし…こういう事を考えたら嫌な事が起こるんだよな。


ほら、アイリスを半透明化してるよ。よくある展開だよ…歪んでたのはこっちもでした。

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