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攻略チートチャート

とりあえず、車はどうにもならなかった…でも、電車とバスを乗り継いで俺たちは目的地へと来た。本当に地味な移動手段だ…



「ここに何があるのじゃ?」


「学園より大きい…」


「過激派の拠点の1つ…役所だ」



過激派の拠点は3つある。役所と病院と警察署だ。その中で最初に革命組織が襲うのがこの役所だ…病院と警察署はまあ分かる。薬物とか拳銃とか合って困るわけではないし。が、役所だ…住民情報とかは重要ではあるが過激派の拠点にするには根拠が薄い。まあ、バカな連中の考える事は分からない。俺なら大型スーパーとかにするわ…食い物あるし。そういえば、うどんと蕎麦を食わせてないな。



「…まだ『革命返し』とやらは来ておらぬようじゃな」


「だな。来ていたら計画変更だったが…」



俺の計画はこうだ。いきなり入れてくれと組織に押し掛けたところで怪しまれるだけだ。真くんは幹部の残念少女水乃ちゃんを助けたから入れただけで、信頼を得るにはわざと抗争の火種を作ろうとしたビッチを救うなんて方法は無い。むしろ、襲われててくれたら万々歳だ…もしかしたら、今も中で励んでるかもよ。見たくねぇ…


それはさておき。不肖元桐生柳の妹2人が拐われました。超シスコン、ヨスガ万歳のお兄さんは拐った連中を血溜まりス○ッチ墓だらけにしましたとさ…そこに颯爽登場革命組織って展開。怯える妹2人と共に保護を求める…物理的に。妹2人は襲われ穢され深く傷つきお兄ちゃんにベッタリで組織の中でも襲われる心配無し。どうだ、とんだザル計画だろっ!



「という事で、2人は入口で革命組織が来るのと過激派の出入りを押さえてくれ。ヤバいと思ったら遠慮なく建物破壊な」


「破壊してもお主なら何とか脱出するじゃろうが…その格好は何とかならんのか?」


「お兄ちゃん、モフモフ」



俺は今、能力者「アナ○熊のやなっさん」だ。つまり、前に買ったコランダムベアの着ぐるみ姿なんですがね。勿論、アンテナ付けて目の部分はコランダムベアがくれた宝石に入れ替えた。ミスリルの武器防具より強いんだぜ、これ…後で爪をミスリル製にしようと思う。


さあ、絶滅させられた恨みを晴らしに行こうか。



「さあ、殺戮を始めるクマー」


「もう少し真面目に出来んのか、お主は…」



チェリアとアイリスには真面目なつもりだぞ、俺は。正直なところ最初は森のアナ○熊さんって事ですたこら逃げる2人を追い掛けて、過激派の皆さんに出会ったら「おぜうさん、お逃げなさい」と言って逃げる2人の後からまた追い掛ける血塗れ熊さん(血のり提供過激派の皆さん)の演出で行こうとしたんだが却下されたわけだし。


まあ、それやったら血で汚れるな。まだまだ使える装備を無闇に汚すもんじゃないか。というか、本心では入口の見張りなんてやらせたくない。もう役所潰しても良いよねって気分なんだが……まあ、万が一水乃ちゃん以外の人質とか居たらと考えるとな。ストーリーではその描写無く皆殺しだったけど。うちの嫁さんたちは優しいから仕方ないね。







というわけで、やってきました役所の中。灯りも無く薄暗い…本来なら、過激派の皆さんを順番に嬲っていって鍵を手に入れていかないといけないんだけど、面倒な事はしない。宿直室で鍵を手に入れる…まあ、パッとクリアしたい人はそちらで。攻略チャートにありますからね。それよりお手軽なのが、こちら…


炎、水、風、地、雷属性魔法による身体強化魔法を一気にしてパラメータの増強するこの戦法。更に光属性魔法で体をピンク色に発光させる演出付き。コランダムシステムと名付けよう…パクりですが何か?


まあ、素手で防火扉やシャッターをこれで蹴破れますから何とでもなりますよ。素手なのに蹴破る…前脚だもの、間違ってない。というわけで、地下の売店へ一目散にやってきた。食い物漁るクマー…本能ですよ?



「な、なんでここに熊が居るんだっ!?」


「お、落ち着け。どう見ても着ぐるみじゃないかっ!」



見張りが居た。でも、これは正真正銘コランダムベアの生毛皮から作られた本物仕様の着ぐるみですよ…中に俺が居ますよ。まあ、どう見てもアナ○熊にしか見えなかったから前の世界で気に入ったんだが。下半身裸の熊とかほっぺた落とす熊より断然アナ○熊派ですよ、俺は。



「も、燃やせ。そうすれば火だるまだ」


「お、おう」



男たちが能力という魔法を使おうとしているが無駄無駄無駄…生毛皮を使ったコランダムベアの防御力は高い。耐性も高いし地属性ユニークモンスターですぞ。そもそも、そんな遅いモーションでどうにかなるとでも?



「おっさん、お待ちなさい。ちょっと落とし物」



俺は腕を突き出す。白い貝殻の小さなイヤリング…違うよ。お前たちの命ですよ?



「「ぎゃあああああああああ…」」



そのままの勢いで突貫して人間ドーナツを2つ作ってみました。見張りする程食い物無いじゃないか、ドチクショウ。でも、人間は食いませんよ。経験値だけウマウマしときます…さあ、アナ○熊さんのハントの時間だよ。慈悲なんて熊に求めちゃいけないよ?







地下3階、地上8階を駆け抜ける1匹の熊…野郎しか居ないじゃないか、ここ。会議室とか次々と開けていくが襲われ監禁された女の子なんて居なかった…いや、まあそれはそれで構わないんですけどね。俺、そういう被害者には優しいけど興味無いから変なフラグ立てないためこんな格好してるわけだし…病気怖いからどんな理由でも中古はお断りだし。


というわけで、ステージボスの部屋にやってきた。知ってますか、役所の高いところって首長の部屋じゃなくて議会室である事の方が多いらしいです。だから議員ってつけあがるんですね…その上にはお前らを選んだ国民が居るという民主国家を蔑ろにしてると思うんです。で、ここのボスは選んでもいないのに偉ぶってます。



「な、な、な…どうやって入って来たっ!?」


「ずっと前からこっそり居たクマー」



茶の間の空気を和ませてきた俺をお忘れですかとばかりにまともな対応なんてしない。議長の席に踏ん反り返って座るお前の方がどうやって入ったと。ここはこの地域の未来を決める神聖な場所ぞ。金と権力と欲望に塗れた人間が入って良い場所じゃないんだぞと…説教しても血塗れにするんですけどね。だから、せめて熊らしく戦ってやろう。


さて、突然だがここでこの世界のおさらいをしよう。最初の学園と箱庭の次に投入されたのがここだ。しかし、最終攻略推奨レベルはそんなに高くない。学園のラスボスはレベル30程で挑むのが望ましい…実際、チェリアもそれくらいだった。今は上がっているが。が、ここの最終攻略推奨レベルは20と落ちる。だから、途中で学園から都市へと鞍替えするプレイヤーも多かった。だから、アイリスのイベントを逃した奴が学園へ舞い戻る事もあったわけだ。


それはさておき。このエリアボスは真くんでもお手軽に倒せるレベル8程度。つまり、ワンパンだ…片玉より強いが、そこまで遊ぶ程の恨みとかは無い。まあ、水乃ちゃんを襲った奴はここには居なかったし、むしろ水乃ちゃん襲ったの褒めてやりたいと思っていたのに。



「地デ○カ覚悟するクマー」


「俺は地デジ○じゃねぇっ!」



雷属性魔法で攻撃してくる時点で俺の敵は確定だ。まあ、頭のアンテナで受信してお返しするんだがな。現状、風属性だけが足りないのが難点だ。羽でも付けるか…まあ、ロボに行くまでの繋ぎだし構わないが材料無いな。


というわけで、わざと受けた雷が相当溜まったのでどうにかしよう。まあ、雷まとった拳で殴るってくらいなんだが。そんな首から下を回転させて超○覇王電○弾とか出来ないんだから仕方ない。後は蹴りか。雷まとった飛び蹴りか…ロボとかバイオとかに変身したい。ネタとして作りたい。


さて、アンテナ型避雷針も程よく熱せられたし…あ。あれやってみようか。



「右手にルビーの炎を、右手にサファイアの氷を、中央に雷を…ク○ノ・ト○ガー参照複合魔法、ミックスデ○タ」



3つの力が1つになって気付いた。ダッシュ、ダッシュ、ゲ○ターダッシュして逃げよう。これ、オーバーキルだ。建物が…んでんでんでって感じで逃げないと、地下で食料無かった憂さ晴らしついでに耐震ゴムの大半吹っ飛ばした分、確実に崩壊するんだ、この役所。


さあ、嫁たち連れて逃げよう。少なくとも数百メートル単位で離れよう。






議会室を飛び出し、マッハで階段駆け降り、入り口にいた嫁たちを両脇に抱えて「おぜうさん、マジお逃げなさい」と数百メートル走ったところで背後から爆風…スランプになるほどのな。それでも走る走る俺たち。流れるのは冷や汗だ…たぶん、役所と周辺は焦土ですわ、あれ。威力強過ぎて笑えないけど笑えば良いと思うよ?



「……もう、過激派と革命組織がまとめてお主を倒しにくると思うのじゃ。むしろ、女神も来そうなのじゃ…」


「…パパの嫁で良かった。敵対しなくて良かった…」



脇に抱えた2人がそんな事言ってる…そんなに褒めるなよ。いっぱい可愛がってやるから気にすんな。それはそうと…革命組織すら信じないだろうな、あの状況。戦略用核兵器使ったって方が説得力あるわ…背後振り返る余裕無いからはっきり見たわけじゃないが、キロ単位で離れてるぞ、もう。なのに追い風衰えない。まあ、吸引力になったらブラックホール化してこの世界オワタだからまだマシか。後、今日の寝床どうしよ?

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