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さあ、戦争を始めよう

ロリ魔王とカエル総統の会談、卜部さんちにて…せめて、ここは何処かのホテルとかだろうよ。



「久しいのゲガエル」


「ええ。チェリア・ブロッサム」



卜部のご両親は自分の家というのに肩身の狭い思いをしているようだ。まあ、国のトップがお宅訪問なんて嫌がらせの極みだからな。まずは手土産用意しろよ…俺たちは記憶喪失の息子と蘇生っての用意してきたんだぞ。国債とかあるだろ。黄金の菓子とかよぉ…それ以前にうちのカミさん呼び捨てか。覚悟出来てんだろうな、ゴラァ。



「パパ、顔が怖い」


「…というか、偽名と設定はどうした。マイシスター」



擬似ヨスガるまでは通そうぜ、アイリスさんや。まあ、さすがに他人様の家では無理だから今は仕方ないね。



「詳しい事はキッシュから聞いたのじゃ…そこの卜部の息子を食いたいそうじゃの」


「…どういう説明をしたんですか、あなたは…」


「ホモガエルが花園に真くんを入れて挿れたいという説明をしただけだが何か問題でも?」



ありまくりだという目を向けてきた。安心しろ、既に外で待機しているマスゴミにもリークしてある。やったね、水乃ちゃんのフラグが折れたよドラがえる。というか、そもそも過激派と革命組織って水乃ちゃんの情報漏洩で繋がってるし、ストーリーとかテラーガエルの話を総合するに水乃ちゃん始末すれば一気に解決するんじゃね?



「そんな事はどうでもよいのじゃ。わらわの望みはお主の神魂の欠片じゃ…」


「あー…まあ、渡しますが今は無理です。既に物語は動き始めていますからね。表でも裏でもない展開へ…死人の復活や第3軍の登場へと。クリア条件を満たさなければ何も出来ないのがこの世界のルールです。それはあなたも分かっているでしょう?」


「つまりあれか…詐欺か」



少なくとも真くんの死亡フラグは折ったんだぞ。革命組織加入ルートは無くなった…つまり、革命組織の幹部「スペードのエース」は誕生しないんだ…ちなみに水乃ちゃんは「ハートのクイーン」だ。キングじゃないのかと思った人は残念。ラブラブは無いぞ?



「詐欺というわけでは…しかし、過激派と革命組織を潰す必要はあるでしょう。我々は殺戮をしたいわけでも虐げられた事を返したかったわけでもない。人としての自由を取り戻したかっただけです」



日本というのは伝染病だの何だので隔離したがる種族だ。それが正しいと思い込ませ、後年になって間違いだったと遅すぎる手のひら返しをする…それが待てずに隔離された連中がやり過ぎた結果、能力者が国のトップとなった今の状態だ。だが、腐ってもカエル…慈愛のロリ魔王と仲間だった堕天使だ。何処ぞの女神みたいに世界の破滅を望んでいるわけではない。まあ、このままなら破滅なんだが…更に言えばストーリー的に水乃ちゃんによる破滅を招くんだが。


どっちにしても、真くんの居ない革命組織は烏合の衆どころか最早犯罪組織だ。実は昨日、死体の中に抵抗されて逆に刺されて死んだ組織の奴が混ざっていた。死人に口なしで放置されたと思われるが残念、俺だよ。復活させて吐かせるよという事になってマスゴミに公表して全国で流れた。しかもそいつ、真くんが後釜になる件の「スペードのエース」でした…民間人に抵抗されて死んだエースとか草生える。暴露してくれてありがとうとでも言っておこう。こんな幹部で大丈夫じゃないわな。


…ん?



「つまり。これはあれか…俺が真くんの代わりに革命組織に潜入して内部から壊すと共に過激派と共倒れ狙えば良いのか」


「どうしてそういう発想になるのじゃ…」


「パパ、お手伝いするの?」



嫁たちが微妙そうな顔している。だが、この案はそんなに悪くないはずだ。ストーリー通りなら革命組織は烏合の衆だが真くんの加入によって虐殺の類いは過激派へと向く。今回のような事件は起こさなくて済むわけだ。勿論、そんな事はどうでもいいし水乃ちゃんが襲われても助けない。だって、ビッチだもん。


幸いというか、ご都合的というか革命組織も過激派も都市の中で暴れているに過ぎない。避難しない国民も国民だが、離れられない事情もあるだろう。それは詐欺ガエルに任せる。優しい政治なり新しい警察組織構築なりして頑張ればいい。はっきり言って気に食わないだけだ。


昨夜、俺が考えた事を再び思い起こせば分かるだろう…俺は他人事でも復讐したがる質で、その力があるのなら使いたがる人間なんだよ。この世界が『八芒星物語集』の中で一番嫌いだった。何処ぞの犬の話並みに嫌いだ。理不尽に主人公が死ぬんだぞ…伊藤姓なら仕方ないが、純粋な男の子の心を弄び殺人をさせた挙句殺されてしまうクソシナリオだ。約束されたバッドな表に、更にクソな裏エンドだ。そして今、彼の心は記憶を失う程深く傷付いた。まあ、復活しているのだから救いはまだあるが…



「俺が真くんのルートをなぞる。その間にお前が過激派以外の連中をしっかりまとめ上げろ…あまり一般人を下らない殺し合いに巻き込むな」


「キッシュは言う事がメチャクチャなのじゃが…ゲガエル。お主は一般人を下らない殺し合いに巻き込むつもりなのかの?」


「む…いや。既に彼は我々の知る『スペードのエース』ではないからな。ただの学生を無理矢理どうこうしようとは思わない。むしろ、保護すべき対象の1人でしかない」



まあ、表ストーリーで卜部真という存在は主人公であると共にプレイヤーの皮であったに過ぎない存在だ。裏では強かった事にされてはいるが、それは表のストーリーが反映された結果に過ぎない。つまり、今の彼は青狸の居ないメガネ並みの存在だ…むしろ、その方が幸せじゃないのかと思われる。というか、相手が誰でも結婚して子孫残せる時点で勝ち組…いや、狸の話はどうでもいい。さっき助けた死体の中に真くんを慕う子が居たわけだし…しかも3人。幼なじみと後輩と幼女だと…まあ、嫉妬したくもなるが構うまい。ゲーム内で少しの間とはいえ俺はこいつでこいつは俺だったのだ。幸せになればいいさ…



「…パパ、別行動するの?」


「それは無い。ただ、行く場所が野郎共が多いから絶対に離れるなよ」


「山賊の仲間入りみたいな事はしたくないのじゃが…どうしてもせねばならぬのか?」



チェリアは乗り気じゃないが、やらないとアイリスを連れていけないんだぞと…安心しろ。策はある、無策という策が。別に皆殺しにして構わんのだろう?



「嫌ならここでさよならだ。桐生桜花とかいうふざけた名前で生きていけ」


「嫌なのじゃっ…キッシュと一緒に行くのじゃ」


「わたしも、一緒」


「あの…俺も…」



嫁たちはまだしも、真くんが一緒に行きたいとか言ってきた。民間人が乗れる機動兵器なんて無いよ。お断りしないと主人公気質に巻き込まれてろくな事にならない。ほら、ご両親が泣いてるよ。



「真がそう望むのなら…」


「死んでもどうにかなりますものね」



って、おい。軽いな両親。勇者の旅立ちだみたいな雰囲気醸し出してんじゃねぇよ。泣けよ、行くなとか言えよ。可愛い子には旅をさせるのは構わないが人殺しに行くのにそんな空気出すなよ。おかしいわ、こいつら。脳やられてゾンビってんじゃねぇのか?



「そんなに人が殺したいんだったら刑務官にでもなって死刑執行すればいいだろ」


「いえ、人を殺したいというわけではなく記憶が戻るんじゃないかなって…」


「バカなの、死にたいの。腹から変身ベルト出せんの。闇の中見つめてんの、君のままで変わればいいんじゃないの?」



氷川になりたいんか、そうなんか。だったらせめてロボに行って鎧作ってから出直して来いやっ!



「キッシュの言う事はメチャクチャなのじゃが…記憶を失う程の事をこれから体験するのじゃぞ。正直言うとわらわたちだって行きとうないのじゃ。人を殺す事にもなるであろうし、殺される可能性もある。そんな中に行って戻るかどうかも知れない記憶を探すのは無駄じゃ」


「死にたがりは邪魔なだけ」



チェリアはまだしも、アイリスは容赦無いな。カタタの事もあるからなぁ…まあ、俺も死にたがりはご遠慮願いたい。盾くらいしか役に立たないからな…尚更鎧作って出直して来いよ。



「シタガエル。こいつはお前に任せる…だいたい、俺の仲間に男は要らん」



結局、そこに結実するんだよな。うん、付いてきても見捨てよう。戦争に犠牲は付き物だが、自ら生け贄になりたい酔狂な奴を止めたりしないよ。俺は…むしろ、好んで狩る側だぜ。狩るぜぇ〜超狩るぜぇ〜



「では、この町内の有志を集める手伝いをしてもらおうか。護衛役は出すが自衛も必要だ…見回りや安全確認も人と関わる事になる。むしろ、君を知っている人と関わる事が大切だな」



ヤラナイカガエルが綺麗にまとめた。ホモ臭い言葉だ…まあ、真くんも納得しているからそっちは任せよう。後、自衛隊の高機動車とか要求しよう。安心してください、キッシュになる前は免許持ってましたよ…オートマ限定だけど。


次のイベント開始までにやりたい事あるから急がないといけないわけだし…ちょっと急がないとな。

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