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君の傍に行くために

落書きの教科書もなく、外ばかり見てる俺。超高層ビルの上まで穴空いてる…どうやって届かせた、攻撃的に。何が言いたいのかだって…バイク盗んで走り出そうとしたら、ホウマモルガエルが「盗みはよくありません。無免許もよくありません。安心してください、私が車を出します」と言った…言ったまでは構わないんだよ。言ったまでは…



「おや、ここも壊れて通行止めになってますね」


「……どうして、自衛隊の高機動車とかじゃないんだよ」


「自前ですから」



あちこち道が崩壊していて思うように進めない。運転せずに済んだと安易に考えて受け入れた俺を蹴り飛ばしたい…どうして軽トラなんだよ、こいつ。やり場の無い気持ちで扉蹴り破ったわ、ドチクショウ…どうしておっさんと狭い車内に長時間居なきゃならないんだ。膿家か、お前膿家こじらせてんのかっ!?











まあ、控えると決めた矢先ではあったがこの青年があまりにも起きなんだので魔法で治療を行った…色々と折れておったようじゃ。骨も心もな。



「……ここは…」


「起きた」



治療を終え少しすると目を覚ましたとアイリスが言ってきた。わらわは青年がどのような素性か調べるために財布を拝借して身分証を探しておった。が、アイリスに説明させるのは酷じゃの。どれ、わらわが説明してやるのじゃ。



「お主は道端で倒れておったのじゃ。それをわらわたちが拾って届けたというわけじゃ…素性が知れぬ故、身分証を探していたが。名前は言えるかの?」


「あ…えっと、ごめん。覚えてない」


「…片仮名のトに部活動の部。それに真実の真で…卜部真とぶしんと生徒証に記しておった。顔も同じじゃが…これに見覚えは?」



財布を返しながら、抜き取ったそれを青年に見せる。しかし、反応が鈍いのじゃ…記憶喪失というやつかもしれぬが、油断は大敵じゃ。キッシュが言っておった人間でないにせよ注意せねばな。










「違う違う。そうじゃない」



このヒキガエル。タイヤパンクさせやがった。というか、軽トラ乗り捨ててバイク盗んで校舎の窓ガラス割った後で走り出したい。どうして俺がタイヤ交換を手伝わないといけないのか。



「なら、これをこうして…」



戦車が壊れてなかったらアイテムボックスから出して乗って行ったんだけどなぁ…まあ、部品だけでも後々使えるから構わないんだが…やはり、先にロボ行ってから来るべきだったか。もう、こいつ置いて走って行って良いよね…答えは聞く気無い。さあ、こんな無駄な時間から卒業じゃ、ドチクショウ。



「というわけで、走って行くからな。お前はJ○Fでも呼んで対処しとけ」


「いや、来ないと思いますが…」



なら、飛んで帰りやがれ。お前のその手羽は飾りか。飾りならもいで唐揚げにして犬に食わすぞっ!











「そうですか。お兄さんとはぐれて…」


「そうなのじゃ。わらわと菖蒲は兄と合流せねばならぬ。あの兄を放置しておいては危険じゃ」


「お兄ちゃんは危ない…」



アイリスは言い過ぎじゃ…しかし、離れておる時間が長くなると何を仕出かすか分からんからのぉ…



「とりあえず、わらわたちは行くのじゃ。記憶を失ったお主を放置していくのは忍びないのじゃが、わらわたちではどうしようもないのじゃ」



魔法で消す事は可能でも逆は無理じゃ。むしろ、わらわたちと行動を共にすればキッシュが釘バットで殴って…記憶が戻る前に人生が終わるのじゃ。



「でも、君たちみたいな子どもを危なそうなところには…」



キッシュに言われるならまだしも、初対面の若造に言われのは腹立たしいのじゃ。身分を明かしてなく、言われ慣れておるとはいえイラッとするのじゃ。



「お前、丸腰。わたしたち武器ある。足手まといの正義感要らない」


「うっ…」



アイリスは容赦無いのぉ…まあ、事実その通りなんじゃが。しかし、キッシュの悪影響を受けておる気がするのじゃ。



「それに、知らない男と一緒の方がよっぽど危ない」



ほれみろ、やはり悪影響を受けておるのじゃ。弓を構えて臨戦態勢じゃ…ト部、短い付き合いだったのじゃ。












トリハダガエルを見捨て、風と雷の属性魔法で追い風に身体強化を行い走る事数分…あれだ、「軽トラよりはやーい」って奴だ。目的地にもうすぐ着く。後で筋肉痛になりそうだけど…後、嫁たちは寝取らせん。そんな事になったらまず教会から破壊する。そしてコランダム部屋…ではなく、ベア行きだ。そして、嫁たち殺して俺は生きる。


そう思っていた時期が私にもありました。目視出来る位置まで来たら、突然矢が飛んできた…え、どゆこと?


いや、もちつけ。誰だって超高速で接近してくる不審者居たら攻撃するよな、うん…とりあえず、肩に刺さった矢キッシュの完成です。マジ痛い…でも、このままアイリスの前に行ったら発狂するよな。貫くのは俺の方で十分なわけだし…


とりあえず、後数百メートルの位置まで来てるから見失う事もないし、治療して行こう。もっと近かったら、いくら防御力カンストしててもミンチになっていた気がするし、良かったと思う事にしよう…これで行ったら寝取られてましたって事になってなきゃ笑い話で済む。ホワッホッホッホ…











「これくらい、出来たら…足手まといじゃない」



アイリスは射ったのじゃ、明後日(キッシュ)の方向に。命中したがキッシュは無事のようじゃ…刺さった矢を引き抜いておるし。後が怖いが、アイリスもキッシュが居ると分かって射ったわけじゃないのじゃ。猛スピードで現れたキッシュとタイミングと方向が悪かったのじゃ…後で、床で思う存分貫くとか思っているはずじゃ。それで許されれば良いのじゃが…



「……うん。余計なお世話だったね…」



ト部は腰を抜かしておるのじゃ。むしろ、チビっておるようじゃ…魔族の嗅覚を舐めるでないのじゃ。そんな事はどうでもよい。問題はキッシュがこれをどう思うかじゃ…


まあ、漏らすような男に何が出来るのかと説得すれば大丈夫かの…ここで見捨てるのも良い気分ではないし、安全な場所まで送り届ける程度は許容してくれるじゃろ。何だかんだ言って、ヴァン以外には寛容じゃったからの。


まずは、まあ…アイリスにキッシュを射抜いたと悟られん事が肝心じゃな。キッシュは刺されても許したが、した方にすれば2回もやらかした分嫌われると思うはずじゃ。ならば好かれようと激しく求める。わらわが置き去りにされそうじゃ………わらわもだいぶ、悪影響を受けておるようじゃ。











治療を終え、何やら話し込んでいる嫁たち+αへと普通に近付く。近付いていくとその+αが真くんだと気付いた。菊池とか沢渡とか木野とか氷川とか伊藤でもない卜部さんちの真くんだ。という事は、そういう事だ…どういう事だ?


またまたもちつけ。俺がここへやって来たのは時間を確認したからだ。ここのストーリーは何処ぞの海外ドラマかという程に詳細な時間決めがなされている。今は家に居た真くんが両親の悲鳴を聞き、惨殺された姿を見て家から逃げ出してきたところだ。残念、水乃ちゃんは取り逃がしました…人様の冷蔵庫開けてスイーツ食う礼儀知らずのスイーツ脳ですわ。ちなみにそのスイーツは真くんの誕生日ケーキ(お母さんのお手製)ですわ…もうね、真くん不憫過ぎて泣けますわ。


で、タイミング的には街中を駆け抜け、児童公園の屋根付き遊具の中で小さくなって震えながら一晩過ごす事になるわけだ。どうしてそこをチョイスしたし…とはいえ、そのお陰でこうして無事合流出来たわけだ。俺は矢をもらいましたが…



「2人とも、捜したぞ」



俺は笑顔で近付く。すると、チェリアとアイリスが一歩下がり、「浮気なぞしておらぬ、良いから落ち着くのじゃ」「一筋…この人拾っただけ」と怯えていた。なんでやねん…


さすがに開始早々、両親を失ったメンタルで女とどうこう出来る主人公じゃないと思うよ。やってたら潰すが…



「えっと、あの…お兄さんですか?」



真くんにそう聞かれた…お兄さん=どゆこと?


待て、まだ慌てる時間じゃない。仮にチェリアやアイリスとあんな事になって、こんな事になって、俺を義理の兄だと思っているのなら…もうね、潰すだけじゃ済むわけないじゃん?



「戦車と拳銃。好きな方を選ばせてやる」


「よいから落ち着くのじゃっ!」



チェリアの魔王パンチが飛んできたが、回避する。お前今、矢の刺さったところ目掛けて殴ろうとしただろ…ソウカオレヨリソイツヲエラブノカ…



「そもそも、こんなお漏らし記憶喪失の若造とどうこうなるわけがないじゃろう…」


「………………ん?」



チェリアはさらっと男の沽券…いや、股間に関わる事を言った。まあ、両親の惨殺体を見て漏らすのは仕方ないと思うんだ…が、記憶喪失ってなんぞ。ゲームではそんな展開無かったんだが?

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