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オクタグラム チェインテイルズ  作者: 紅満月
13章 新訳・ロボ編
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雷槍の国4・尊き調べは水の音のように

「闇の商人を自称するこのリブヴァーズ・マリンこと双子座と亥のリヴァリでも、さすがに記憶を戻す薬などというものは持ち合わせていませんねぇ…」


「そうですか…」



リンドウ殿の話でも、他の方々も無理と言っていたようですし、わっちの前世の記憶を戻す方法はやはりソール殿しか持ち得ていないと考えて間違いないでしょう。


それに加えて、指輪の中には鎧が既に登録されているから契約も無理と言われるし…わっちの存在意義がない気がします。



「それに、我々のような機械人ではないのですから記憶の保全や移動、コピーなんかはお勧め出来ませんよ。偽物の記憶を植え付けられる場合もありますので」


「偽物の記憶…」


「記憶なんてものは曖昧です。ましてや、他者から与えられた記憶なんてものは尚更…こうして闇の商人として処分された機械人の器を初期化して再利用に回していると、時々思うのですよ。再利用した器に新しく入れたデータは元の体の持ち主の影響を受けていないのかと」



わっちはそれでも、偽物でも良いからかつての記憶が欲しいわけで。ソール殿…もとい、キッシュ殿に対する気持ちを植え付けられたのは否定しないけど、今こうして皆さんと居ると羨ましいというか、わっちだけ除け者になっているのではと感じる時がある。


まあ、そんな事を言ってしまえば前世の記憶を戻されていない他の皆さんだって不安は抱えていると思うのですが…



「とりあえず、鎧の機能不全については調べてみましょう。考えられる原因としては契約者とのレベル差や故障、または契約者情報の齟齬があると思いますが…」


「あ、はい。お願いします。」



とにかく、今は役に立って頑張らないと。せめて戦力としてだけでも…








嫁たちの鎧も整備しなきゃいけないと思い始めたマイレボ。あれは名前が更新してなかったり、世界渡ったので整備不良起こしてるはずなん。まあ、オラでは完全な整備なんて不可能なんなー。オーバーテクノロジーなん。直せるまでかつての「茉莉花ジャスミン」量産かのぉ。


というわけでまずは民間品の量産目指しますん。その中でもレリアのは特注するん。具体的には左腕や足に可変する予備パーツなん。推進力だだ上げして他は疎かにしとるん。ただ、推進力の為の推進装置は強力なビーム砲にもなるんなー。ダイナゼノンの必殺砲担当なん…まあ、民間でもロケット飛ばせるんだからええん。


しかし、それだけでは単なる早いだけの装備である。そこは村の刀でカバーである。天空を翔けてドラゴン的なアイデア出せばええだけである。おはよう世の中である。え、レリアがグレんかいなとか言うな。


レリアが耐えられるだけの限界値まで加速するんなー。だから推進装置二倍やねん…赤いモヒカン付きの仮面付けないといけないかもしれん。殺人的加速ですん。まあ、仮面あればヘルメット飛んでも復活間違いなしなん。


そういえば殺人的加速で突撃してくる猪突猛進な奴が居た気もするん。しかも双子の鎧だから四つ手以上で襲ってくるん。あれは脅威なん…







「というわけで、今回は3人での不規則決勝戦です。契約者の居ないリヴァリさんは辞退したので、残りの3名で争います」


「いやいや、それはおかしいです。せめて、不戦勝を入れた方が…」



スズランが何か言ってるけど、リヴァリさんは既に闘技場を後にして荷物をまとめてくると言っていた。次の世界に契約者が居るんだと言ってたんですけど…


とにかく、頑張ってください。審判の命令は絶対ですし。







「あ、殴った…というより、下手くそか」


「ガ…ゼンゼンブキツカエテナイ。ヘンニエンリョシテルセイ」



上空から泥試合を観戦している、いつもの二人組である。


ジェム、プレーネ、ルティンの3人は鎧を使わず素手で殴り合っていた。この国は気骨のある機械人が多く、トーナメントは苛烈であった。準決勝までは。


リヴァリ、突然の辞退という名のエネルギー切れにより3人で決勝戦、しかしながらエネルギー切れは3人も同様である。契約者が全力で戦わせた所為である。


従って、素手で殴るしかなかった。さすがに身内で修復しなければいけない程のダメージを受けると後が面倒だからだともいう。



「カミナリノヨロイハえねるぎーのカタマリ。コイツラニハオニアイ」


「まあ、そうでしょうが…結果は見ずとも分かりきってますし、そろそろ行きましょうか。我々もトーナメントへ行かないと」


「ワカッタ」







亥は後回しにするん。セラ◯ィーには更に強化装備付ける必要あるん。背中に分離式の何か必要かもしれんのん。ロマン砲とロマン多腕なん…デブではないと思う、多分。



「ましたー、これ酔う、吐く、加速で圧死する」


「仮面あればどうにでもなるん。だから諦めんな」


「根性論と変態論ではどうにもならない」



先制攻撃を嫌がるとか贅沢なん。後、仮面だから変態扱いは酷いと思う。白マントがパスタ乞食にやってきて、ついでにユニット分割の設計図書かされたけど、今回は無報酬だった事に憤っておられるようである。旅立ち前に邪魔されたからかもしれんが。


まあ、話ではトーナメントへ行く場所も教えて貰ったし、雷槍の国の優勝はドラゴンストーカーになったらしいん。何その新しい魔物名…雷の鎧着込んで雷龍化したらしいんですん。可変してドラゴンモードになれそうですん…ビービーな戦士ですん?


さあ、やっとこ旅に出る準備出来たん。といっても、ダイナゼノンに乗っていけば早いん。決勝トーナメント兼噛ませ負け犬トーナメントやる場所はかつて決戦の地となった所のすぐ近くなん。元悶々墓場の横なん…悶々墓場の墓石にしていた鎧は撤去という名の持ち去り済みなん。


というか、再利用されてるんなー。墓石の再利用とか縁起悪い。砕石ならまだしも、そういう使い方をするから嫁たち呪われてるんやなかろうか。呪いの装備は教会にお布施して外してもらえなん。村人神は外し方知らんのん…人生から呪われてますから。はっはっは…はぁ。


嫁たちが鎧使えないのはそこら辺もあると思うん。まあ、単なるサイズ変化かもしれんが…まだキッシュみたいにもげてないんで。レリアの装備だって基本的にバックパックと簡易鎧なん。フリーサイズなん。


さて、では行きますか。とりあえず、ダイナゼノンの肩にでも座るんなー。



『ZUGYAGYAGYAAAAAAAAANNNNNNNNN』



あ、言語機能直してなかったのん。ずぎゃぎゃぎゃあーんはないんなー。後、うるさいわー…耳キンキンするわー。








「良かったのでしょうか、こんな結果で…」


「いや、それ以外どうなるってのよ。最後は勝手にポカポカ殴り合ってただけじゃん。契約の意味無かったってアチキ思うんだけど」


「これは残当…初回に会った奴が一番強い説」



契約者なのに何も出来なかった3人が落ち込んでいました。わっちとしては、審判も似たようなものと思いますが、あの雰囲気に混じる勇気は無い。



「蓮華さん。決勝トーナメントの方も審判をして欲しいと…」


「うへぁ…」



思わず変な声を出してしまいました。ただでさえ気遣いによる気疲れしましたけど、またあれをしろと…


ソール殿に頼んで、誰かこちらへ出してきてもらいましょうか…そういうのが得意な妖怪を。


それよりも、今は悩みが尽きない。この指輪には前世の記憶が今尚封印されているとか言われたら悩むしかない。色々と謎が多過ぎて頭が混乱しそうです。

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