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オクタグラム チェインテイルズ  作者: 紅満月
13章 新訳・ロボ編
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雷槍の国1・遠きあの日に移ろう陽炎

「お久しぶりです、リンドウお姉様。覚えておいででしょうか、支星'sシスターズがナンバー03、ジェミリアル・ムーンこと天秤座と辰のジェムです」


「あ、うん。はい…」



目覚めたところは大きな屋敷のベッドの中だった。そして、見覚えのある女の子…というより機械人のジェムが居た。皆もきちんと寝かされている様子。本当にやる事がめちゃくちゃです、ソールさん。


スズランたちが目覚めるまで、情報交換をしましょう。とりあえず…








何か、破天荒な奴扱いされた気するんなー。とりあえず、先に茶色装備作るん。銀色は後回しなん。マント装備なん、左右対称にしたるんなー。更にマントは可変して銃撃モードにもなるん。ついでに展開して後ろに回したらシステム起動するん。え、強化する奴じゃありませんよ、金ピカになって手が唸って光るモードになるだけです、ダークネスです、バカ弟子がです。


ただ、茶色のマントの配色は微妙なんな。光学迷彩入れておくのん。ついでにあん肝…暗器も仕込んでおくのん。今夜は鍋にするんなー。


鍋と言えば空鍋ですん。同じ竜系だからとリンドウを慕う病んでる気質のある奴が居たんなー。しかも天秤座なん。武器豊富なん、特別なん、ヴェ◯オリなん。


あれ、絶対にスズランの鎧になるわー。さすがに紅竜は複製出来んかった。青い瞳の白い竜だったら3回コピー出来ただろうに。


まあ、足輪使って更に凶悪なドラゴンモードになるの確実なんな。スズランなら問題ないと思うん。むしろ、スズランしか適任者居ないんな。





「なるほど、そのような事が。さすが創造主と言えばいいのですかね…」


「ああ、まあ…うん」



起きたらジェムちゃんに半ば強制的に契約されました。リンドウ、何を言った…状況説明とは言っていたけれど、余計な説明もしたと思う。なにせ、もう1人の自分自身の事だから分かる。



「ですが心配ご無用です、スズランお姉様。スズランお姉様ならいきなり第二段階である装着モードも出来るはず。さあ、合体しましょう。さあさあ」


「ま、待ってください。それは後にして、こちらの雷槍の国の事も教えてください」



ジェムちゃんは現在、商人としてこの国の中枢を裏から掌握し動かしているらしく、他の国にもそれなりの影響力があるとの事。


この国は適当な機械人が適当に運営している適当な国という適当な説明もありつつ、一応豪商という理由によって雷の鎧を所持している事も教えてもらえた。



「…とりあえず、商人という事ですが何を売買されているんですか?」


「蓮華様、何を売買するのではありません。何でも売買するのです。それこそ、ネジ一本から新規ボディー、新たな家族となる機械人まで何もかもです。何でも取り扱えるからこそ豪商となるのです…まあ、それぞれが分担しているので、あたしは主に生活用品ですが」



但し、食料品は機械人専用の嗜好品しか無いとも言われた。まあ、需要が無いから仕方ないですね。でも、カンナさんは普通に食事をしていたような。どら焼きとコロッケは嗜好品という話もしていたのですが……地の勇者を生み出しておいて作物を育てていないというのは不可解な気もします。









ホットケーキを焼く機能を付けろとレリアがのたもうた。そんなマントは要らんのんなー。フライパンは作ったるん。フライパンにもなる円盾とか二度と作りたくないん。


ドラゴンコンプレックスな奴の話は一旦さておき、マントの話である。肩パーツにもなるので割と大型である。先端には刃物仕込んで切れる仕様にするん。肩パーツの時には拡張させるん。


拡張といえばドラコン娘のコンセプトはナ◯クなん、アルト◻︎ンでもええん。無限に伸びるん…両手のドラゴンパンチ怖いわ。月まで伸ばせる気もするん。


それはええねん。マントである…まあ、どちらかといえば防御型なんな。刀あるから攻撃はどうにでもなるん…胸に盾付けて旅姿モードにしてもええん。え、それは紅蓮に任せろ、荒ぶる鬼はそんなに要らんってか。



「ましたー。排熱が損なわれて内部の温度が高いので冷却装置を内蔵してください」


「お前、繊細すぎるん。空冷式か水冷式かで手間が変わるんなー。放熱フィンで我慢しる」


「せめて空冷式。それは譲れない」



譲れない願いでは仕方ないん。水冷式にしたるん…え、魔法でどうにかしナイトってか。原作者はグループらしいんなー。そんな事よりレアメタルくれ。水属性の鉱石あればすぐ解決なん。何処かにええ商人居ないだろうか…あ、その場合死の商人とか出てきそうな展開だから要らんか。


色んな意味でデストロイしそうな展開になるのは微妙ですん。せめて伝説なん。背中に排熱装備背負わせたるんなー。









「後一歩ですね。今のままでは第二段階には到達出来ません……スズランお姉様、創造主からの寵愛が足りていませんね?」


「ちょ、寵愛…」



確かにリンドウに比べたら色々と劣るし、キッシュさんみたいに愛して貰えてないのは分かってますけど…



「スズラン、挑発されてるだけです。ソールさんの役に立つという点において、誰しもそこに至っていません」


「お父様の寵愛が足りていないのは誰しもです。ましてや、スズランさんで足りてないという時点で誰も足りてないかと」



フォローして貰ってはいるものの、力不足は否めないのが事実です。とりあえず第一段階は可能なので研鑽を積む事によって至るしかないという事でしょうね。






「しかし、このような過剰装備を作って誰と戦うつもりだ?」


「再生ブランを倒す。敵だったのが光堕ちして強力な味方になる展開はありがちでも燃える」


「言っただろう。あれはコアが無いからただのハリボテだと…」



ジャジャジャーンと効果音付きで白マントが取り出したのはコアだった。



「ソールにクボタイトと等価交換で貰った。埋め込まれてたコアを吐いて出してきたからちゃんと消毒はしてる。神だから口から出すのはやってみたら出来たとか言ってた」


「そ、そうか…」



黒マントドン引きである。何処の異星人かと、緑色かと思っているようだ。



「マッチポンプにはこれで十分。使用後は卵の栄養にしたらいい」


「あー…まあ、それくらいしか使用方法無いか」



卵の孵化もまもなくである。月見きつねうどんを欲しがっているリコリスの魔の手から逃れる日も近い。というより、ソールがきつねうどんを渡したのがそもそもの原因なのだが…



「だが、そのパターンで上手く行った事が一度でもあったか。特にソールが絡んでいる場合はロクな事にならない。またこの世界滅びるのでは?」


「知った事ですか、そんなもの」



白マントは辛辣であった。

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