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オクタグラム チェインテイルズ  作者: 紅満月
13章 新訳・ロボ編
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地斧の国4・未だ咲かぬ蕾のままに

「ふむ…やはり黒桜の展開は現時点では不可能なのじゃな」


「そうですね。チェリア様の指輪は他の方と比べて更に特殊なものです。その中に保存されている鎧が何らかの原因によって展開を拒否していると考えるべきでしょう」



わらわの鎧について調査をしてくれておったこの国の機械庁長官という地位におるヴァルジニア・ラピスこと乙女座と卯のヴァニラによる指輪の解析結果がこれじゃ。


こやつは他の機械人を作り出す組織を結成しており、初期の量産を行なっておる生き字引といった立場であるからこそ指輪の事もそれなりに分かっておるようじゃ。


「一応、契約の破棄は行われていませんので阻害要因さえ緩和出来れば我々のように第一段階として機械人やアバターとしてのサブとして展開出来るでしょうが…原因特定が必要でしょう。ましてや、チェリア様には既に桜樹の影響もあるので親和性の問題もあるかと」


「うむ…じゃが、それを乗り越えてこそじゃからの。もし、万が一にもあのバカが同じ事を繰り返すようでは鎧の力は必須なのじゃ」



つららも危惧しておるのがかつての末路の繰り返しじゃ。歪んでおるとはいえ、次の世界はキッシュが潰えた世界となったのは事実。ましてや、わらわたちを引き離して何をしておるのか分からぬのじゃから心配するのは当然じゃ。



「せめて、ボクらの使い手が全員揃った上で第二段階へと至る程のシンクロを行えたなら可能性は少しでも上がるのですが…」



僅かながら人数が足りぬのでヴァニラと契約するのは現時点では居らぬし、わらわのような既に鎧を持っておる者は不可能であるからのぉ…どうにかならぬものか。






黒の次は白なん…白というかターンなん。担々麺はちょっと苦手なんなー。ゴマの風味がちょっとあかん、後、味が統一してないのがあかん。統一といえばダイナゼノンの企画フォーマットに合わせて金は頭部、赤は脚部、青は右腕、緑は左腕、紫はバックパックに可変する機能も付けたん。次の白は腰部なん。その次は肩なん。


で、白の二倍装備である。ロマン大剣二本装備である。可変してガトリングになるのと、大弓になるのが一本ずつである。今なら更にエネルギーパック増し増しである。


重い重いとうるさいので軽量化はしておるん。むしろ、無線操作も可能なん。今なら更に強化型の大剣二本も付けたるん。金銀仕様なん…と言ったら、「そのクボタイトで防御重視の武装を作ってください」と言われたん。レリアの髪色に茶色だけじゃなく銀色追加されましたん。まったく、わがまま娘なん。


わがままと言えば、うさぎちゃんなん…乙女座のヤツである。乙女だから子を成せと迫ってきたヴァニラである。だから、機械人作れる能力与えたけど違うそうじゃないと言ってきたん。


そういえば、あいつも二刀流だったんなー。名前的にはナノマスィーンを使って欲しかったんやけども。誰がピンク色の変なぬいぐるみか。まあ、完全に優遇しておったけども。


でも、機械人作れる能力与えたからマッドサイエンティスト気質あるんなー。モチーフはあれです、チョコレートの人が乗ってるうさぎっぽいのです。麦チョコ食いたい。







トーナメントというのは、もっとこう人数が多くて沢山の観客に見守られながら行うもののはずじゃ。


わらわは参加が叶わぬのは仕方ないとして審判を買って出たのは間違いだったやもしれぬ。


ヴァニラの話では、数年前に誰かさんが観客席に砲撃を撃ち込んだ結果な上、圧倒的なまでの力の違いがトーナメントという形骸を生んだらしいのじゃ。


結局、4人だけの戦いとなり、アクアとフィシスの戦いは両者がボロボロになるまでの撃ち合いによりダブルノックアウトだったのじゃ。というより、契約者であるルーチェやつららの命令を無視して撃ち合いするのはどうかと思うのじゃ。


結局、残った2人で決勝じゃ。射撃のサーラと剣戟のヴァニラ…圧倒的に契約者を有しておるサーラが優位なはずなのじゃが、ヴァニラは互角に戦えておる。



「さすがナンバー02だけはありますね。単身でもその威力…」


「…だからこそ、この辺りで棄権しましょう」


「なっ…」


「地の鎧はボクの好みではありません。従って、サーラが装着する方が良いかと」



ヴァニラがそう言い残し、闘技場を出て行った…まあ、最初から勝つつもり無いと言っておったからの、あやつ。そんな事をする暇があるのなら新型機械人作った方がマシと言うておったわけじゃし。


こうして、優勝はサーラとなったわけじゃ。本人たちは憮然としておったがの。







「地の鎧は彼女ですか…まあ、順当と言えば順当ですね」


「ガ…ふるあーまー、モシクハばーさるカ」



塔のてっぺんから様子を監視していた謎の二人組である。目立ちそうだが目立っていないのは迷彩効果である。



「しかし…何故彼女の契約者は現れなかったのでしょうかね。奪われるのは2号機の鉄則とか言っていたのに」


「ガ……キットメンドウダッタカラニチガイナイ。ダカラコソコナカッタ。マエノヨウニ」


「それもそうね。さて、残りも見に行きますか。本戦に向けて敵情視察も兼ねて」







「時系列がおかしいけれど、やっと出発出来るんなー。起動せよ、ダイナゼノンなん」


『GUGYAAAAAAAANNNNNNNN』



ぐぎゃーんって何よ。というか、なんで英字表記なん。ぐぎゃーんじゃなく、ジーユージーワイエーエーエーエーエーエーエーエーエヌエヌエヌエヌエヌエヌエヌエヌって読むんか…人工知能プログラムの修正要るんなー。



「ましたー。結局こんな巨大ロボ作るために留まってたの?」


「心外なん。ノリに決まってるん…というか、無駄に追加武装しこまれたのはお前のせいなん」



ダイナゼノンからパーツ取ったら維持出来んから、量産型も作る羽目になったん。全力で未完成にはしとうなかった。だから後悔はしとらんのん。


とはいえ、そのおかげでレッタの強化パーツ作れんかったん。パスタ娘もヒヒイロカネ在庫切れしたらしいん…何処かに要らんの落ちてないかのぉ。


まあ、ついでに他の支星'sシスターズの兼用にもなってしもたん。ダイナゼノン…このままボス化してもええやろか。ほら、ヨボ爺が作ってたもののウチのわがままロボ娘が登場出番奪って資材と化した謎ロボみたいに。場合によったらまた妹型機械人が増えるやん。


もうええわ、マジで。追加武装作りたくない。え、時系列がおかしな事になってるから茶色と銀色と量産型と民間型の武装説明してないとか言うななん。






何か、ソールがロクでもない事をやっている気がするのじゃ。地の鎧を着たサーラであったが、かつての白い輩のような愚行をしたりはせぬようじゃ。


決勝トーナメントを行う地に向かう事になるのじゃが…国を空けて大丈夫なのかのぉ。帰ってきたら焼け野原とか、クーデターによる簒奪とかありそうなのじゃ。それほど、こやつら無能なのじゃ。わらわの知る限り政務なぞしておらぬ…


まあ、そもそも裁判しかしておらぬという話じゃし…よくまあ今日まで国の体裁整っておったものじゃ。世界統合したら真っ先に崩壊するのじゃ、これ。

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