長として、夢見るものとして…ダメだこりゃ。次だ次
根本的問題を解決しよう。理想では、キリンもとい麒麟や黄竜との決戦において蓮華がもう戻らないはずの前世を愛と奇跡とよくある展開で取り戻すってパターンやったん。で、ロボとーさんみたいな感動展開で睡蓮壊れる予定だったのに狂った。そんなんばっかなん…
やっぱあいつらクソ雑魚ダメ妖怪だったわ。もう少しバトルさせろである。という事で、戦いだ。
「蓮華よ、かつての記憶が欲しいのなら母を…紅蓮を倒すのだ」
「そ、ソール殿…それは…」
「別に命奪えとは言わんのん。再現とかどうでもええん。ただ、お前がかつての記憶を求めたのにそれ妨害したのはこいつなん。その気持ちぶつけておかないと後でイヤゲモノとか渡してくるん。小言は標準装備なん」
というか、今になって気付いた事があるんや。紅蓮の記憶はクリアしてはいないが、こいつどこまで覚えてるんだと。だって、オラにしてみればまあまあ気に入っていたNPCではあるが、よくよく考えたら所詮NPCとあばたぁの関係である。仲介役のイルムが居たとて、あいつ世界を託してきやがった。本当に母親らしくなかったと。
これはあれなん。紅蓮にちょっと母性期待しすぎてたん。やはりクソトメはクソトメなん。賢母ではないんなー。元から単なるドジ巫女だったけども。本当にその記憶残ってるのかしらん…というわけで、オラの十八番の速攻魔法「遠き思い出は捏造してでも美化するもの」を発動。ぶっちゃけやる事は嫁と同じものである。
という事で、掌底である。殺意のはどーにちびっと目覚めそうなん。
「ふげっ…」
「ほら、こういう風にやるん。下顎を突き上げるように打つべしなん。昇るドラゴンの如くなん」
「えぇ…」
「この世界の連中には容赦なくないか、お主…」
大魔王がなんか言ってるけど、あーキコエナイ。容赦なくなくなんてないんなー。ちゃんと敬意には敬意を持って応じてるだけなん。父兄には不敬なだけなん。後、駄猫が羨ましそうにこっちを見てない。豆狸と一緒にそっぽ向いてる。何か吹き込まれた模様である。
「さあ、やるのん。でなければ妖怪の長として未練は捨てるのん。灰汁は潰えた…妖怪を取りまとめていく役目はお前が請け負ったのだのだ」
「それは…」
みんな何処へ行った見送られる事もなくとか言わせんのん。ヌーボー倒してタヌキとキツネのミニ妖怪が屋敷に増えたん…それ以外は逃亡してるからええんやけど、あのキリンdeathが影響して増えるの間違い無し。むしろ、他の抑圧されていた妖怪同士による派遣を狙った闘争に発展するん。派遣業者ウハウハでブラック社畜という新ジャンルの妖怪誕生なん。
で、ここでの選択肢は限られるん。1つには蓮華一行残留の妖怪大戦争ルート、2つには蓮華一行のみ逃亡の座敷童子乗っ取りルート、3つには…え、またひんやりしていってねは無いだと。雪ババアが何かタクラマカン砂漠…いや、企んでおるん。托卵はいやや。
「蓮華様。この男は試そうとしているのです。妖怪の長として生きるか、再び伴侶の1人として共に生きるか…伝え聞くあの桐生柳はそういう男です」
「ババアは黙ってるのん」
こいつ、色んな記憶持ってて厄介なん。裏ボス黙ってろなん。別にオラとしてはどちらでも構わないん。むしろ、家族として幸せに暮らせましたってハッピーエンドが続きますようになん。だから…
「…ません」
「うん?」
「要りません。かつての記憶も妖怪の長としての地位も。ただ、妖怪の未来を救った貴方が、ソール殿が望むならわっちは何処までも付いて行きます。それがどのような道であろうとも」
なんか、勝手に決意表明したん。しかも記憶要らないとのたもうた…まあ、どのみち記憶操作なんてオラには簡単なお仕事なんですけどねー。一応、村人神ですし。
というわけで、ガールフレン◯(仮)な嫁が加わる事になってしもた。までは良かったんですけど、やはりラスボスはおかしな事を考えるもので…
「やれば出来るは魔法の合言葉なん。やなっさんの力ぱないのぉ…魔法使い舐めんなである。他の2人も魔法使いなら賢者になれとったはずなんなー。誰が遊び人やねん」
ラスボスこと紫姫の暴走によりて、アイテムボックス内への屋敷及び住人の移転が行われてしもたん。農場と牧場の従業員ゲットだぜともいう。凍らせないなら移転すればええやないと言われた件…お陰でアイテムボックスの容量がだいぶ圧迫されたん。圧縮してやろかしら。
とりあえず、アイテムボックスに移動しなかったのは蓮華と紅蓮とつららに霞、そして酒店員…否、朱天院の名字を与えた天華である。同伴者である。チリメン丼屋のご隠居とその一行である。誰がうっかりポジなんやろ?
win-winな提案扱いやったけど、ハイリスクノータリーンな結果なん。だが、あの雪ババアもオラの真意に気付いているのだろうとは理解出来る。だから人質に差し出したのだ。さすがにアイテムボックス内に家族が居てはオラも迂闊な行動しないと考えたのだ。
このままでは108人くらい増えそうなん。石版でも用意すべきなんかしらん。オラは紋章より…これは次の世界で戦闘機を作ってしまえというわっしょいなフラグなん。いや、ハゲガエルはお呼びでない。
そんで、さっきから豆狸とうっかりポジを争っている天狗がずっとこっちを見てるんですが。名字与えたら懐かれた。ネームドモンスター化したらなつき度が上がる仕様なんですかね。
「こっち見んななん」
「べ、別に見てないし」
ツンデレはシャルロッテだけでええねん。最近冷たいけど。蒟蒻の影薄いけど…ヒジキが足りてないねん。他の丼屋一行もなんかなつき度上がってる気するん…あれか、自称妖怪魔王倒したからチャンピオン扱いされとんのか。ただの村人に戻れるロッカールームは何処ですん?
「何故あやつは蓮華の記憶を戻さないのじゃ…」
「レンが嫌いだからじゃないと思う。わたしやつららが悪い。血族だから自分で取り戻せると思われてたりしそう」
「それだけじゃなく、オレたちに何もさせてくれませんけどね。結局、青龍以外には必ず居ましたから…」
元祖嫁たち3人がヒソヒソ話してるのん。嫌いではないが血族とか知らんがな、何もさせなかったのではなくいつの間にやら死んどったんや。きちんと戦うつもりだったのに敵が舐めプしたのが悪いんや。
まあ、元祖嫁たちの疑問も分かるん。戻そうと思えば蓮華の記憶はパパッと戻るん。指輪だって再錬成したらええだけなん。だが、理由はシャルロッテと同じなだけである。わざわざ愛してくれてありがとう死を思い出させる必要無いんなー。え、げんぶえーすの話はしとらんぜよ。
ましてや、オラや母親だけでなく姉のように慕うロリ魔王ですら死を覚悟していたなんて事を思い出させて何の得があるのだと。蓮華だってし抜きで死ぬ気ではあったけども、そんなんじゃダメってするつもりだったんだろうが、ロリ大魔王さんよ。やっぱ不幸しか知らない記憶は移植出来ねぇんなー。
それに、今後どうなるか分からない状況でメンタル弱い蓮華に無駄知識与えてもなー。チリメン丼屋のご隠居ごっこさせとるくらいがちょうどええん。
さてさて、次はロボや。行く前に城に寄ってヒヒイロカネを……あれ、城の方角みたら城が崩壊しよるん。あれか、キリンdeathによる魔力枯渇に伴う自壊か。壊れたキツネロボによるフタエノキ◯ミアッーーーか。どちらにしても次の世界詰みそうである。