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オクタグラム チェインテイルズ  作者: 紅満月
12章 新訳・大和編
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それは小さな歪みの終わり。そして始まり

毎度、鳥獣ハンターのソールっす。酒まんじゅうによる酔い潰れで嫁と蒟蒻たちは寝たのでこっそり鳥肉確保に来たん。酒まんじゅうの酒粕が「鬼ころせ、くっ殺せ」ってヤバそうな自家製酒だったのが問題なのん…やっぱあの座敷童子がラスボスだと思うん。


という事で朱雀の巣である神殿までやってきました。やっぱここもただの石による建築なん…そしてもぬけの殻である。鳥肉が居ない…白虎の所は必要肉だけ確保し、青龍は海に帰った後で、ここは空の巣症候群。やる気出ないんなー。


どうせ、玄武んとこは人型とかだろうしカニバは興味ないので神殿だけ行ってみようやってみようという事にした。後、神殿にめぼしい金色の鎧は置いてなかった。つまり、天華はラスボスパターンではないんな。良かった良かった。


てなわけで、げんぶえーすの神殿までやって来たら神殿が死んでんねん…犯人はガシャドクロのげんぶえーすやねん。ところどころ骨が散らばってんねん。


で、何か変なの居るんだ。あれだ、金色のアレだ…ちょっと声のええお笑い芸人とかビールでよく見るアレだ。え、麒麟ではありません、キリンです。でもオラはゾウさんの方がもっと好きです。


というわけでかねてより作成していた1分の1スケール旧蓮華たんフィギュア像の稼働である。ご丁寧に八天の首輪装備済みです。


だって、もふもふが足りんのん。今の蓮華たんをもふるわけにはいかんから代用目的で作ってたん。劣化レプリカなん。今なら指輪の破片で前世の記憶も移植出来たりもするけどしないん。それやると今の蓮華たんの死亡フラグでオラ悪くねぇって展開になりかねん。



「愛しの蓮華ではないか。やっと逢いに来てくれたのか」


「蓮華違うんなー。劣化レプリカ風擬似人工キツネ妖怪インターフェースフィギュア・睡蓮なん。速攻魔法『キリンさんより像さんの方が萌えです。でも、フィギュアの方がもっと萌えです』を発動。この効果により睡蓮が起動する…かつての恨み、ここで百遍地獄に落ち晒せ」


『応』



そこから始まるキリンとキツネ娘ロボの取っ組み合い。だが、相手はキリンである…首が長いだけの生き物である。せめて麒麟が良かった。やっぱラスボスは座敷童子だわ。


適当な棒…もとい石柱で滅多打ちされるキリン…動物虐待に見えるだろ、ただの親子ゲンカ(擬似)なんだぜ、あれ。ちょっとパワー出力間違えたん。もふもふにあんなパワー要らん。



「ぐはっ…や、やるではないか。だが、まだ僕は変身を二回残しているんだ。まずは第二段階、真の麒麟をお見せしようではないか……変身っ!」



シーン……変身せんし。真の麒麟マダー?



「だから言った。変身は一度だけだと」


「っ!?」



いつの間にやら、白マントの仮面被ったのが居た。しかも真横である。さすがのオラでもビビった。はて、何処ぞで見た記憶があるん……まあいいのくん。何か知ってる解説役な気がするのでオラが質問するんなー。



「解説の白マントさん、どういう事ですのん?」


「…あれは元は貂。イタチが化けるという妖怪…そして偶然キリンや麒麟、そして黄竜に化けれるようになっただけの才能しかなかった妖怪。でも、力を失った」


「ほうほう…失ったのにまた変身してますがな?」


「金色の葉っぱの力…でも、あれは一度しか使えない。なのにあれはバカだから最強の黄竜ではなく第1形態のキリンに化けた」


「金色の葉っぱは後4枚無いん?」


「そんな夢を見るような展開無い。カラスが落としたのだけ」



つまり、バカはバカでしかないって事なんなー。後、城へ行ってもダンジョンの鍵は手に入らないと教えてもらったん。そんな鍵付きのダンジョンなんて転生ものではなかなか聞かんけどなー。


というか、この白マント…誰かに似てる気がするんなー。いったい何者なんやろ?


そんな事はさておき、呆然としている痛イタチに今も何度でもボコってる睡蓮…生きている不思議、死んでない不思議である。もうええと思うん。火葬、水葬、土葬やったから次は…風葬と鳥葬はヤバそうなので却下なん。つまり、あれしかないん…プログラムドライブである。



『応』


「さあ、天葬変態ゴリンジューの始まりなん。つまり、リベンジャーによる打ち上げキリン、下から見るか、上から見下すかなん」


「見下す方で」


「気が合うんなー」



この白マント、ノリが良いのである。睡蓮によるキリン打ち上げが始まったん。成層圏突破した後は摩擦熱で燃え尽きるんなー。宇宙葬の末路である。というか、あんなに石頭なのは問題である。尻尾以外の素材選択間違えたんなー…むしろ、両手に天国と地獄を付けておけば良かったかもしれない。新しい蒟蒻には金槌持ってもらうんなー。


こうして、キリンは天に帰った。睡蓮は無傷であるが、『応』しか言わんしちょっと頭使い過ぎてエラー出てる。白マントが欲しいと言ったので渡した。さすがに持って帰っては蓮華に絞められるん。だって、ちょっと胸部盛ったからなー。解説料なん。


さて、汚ねぇ花火っぽい流星も見たし、クリア条件達成してしもたから帰るん。あんな弱いのがボスで大丈夫じゃ無いと思うん。あ、そういえば睡蓮に首輪付けたままだったん。まあええか。利用する意味無い装備やし。








帰ってきたら殴られた。バカめ、赤くするのは顔だけでええねん。天狗娘。



「あんた、魔王を倒したでしょ。アチキには分かんのよ…どうしてアチキに一発でもぶん殴らせてくれなかったのよっ!」



理不尽なん。オラ、げんぶえーすの神殿までしか行ってなかったん。玄武は北を守護してるん…つまり、あやつは最初から敗を望んでいたん。あれ、それで行くと玄武って完全なる負けキャラやん。まあ、亀と蛇って他に比べたら人気出ない気もするん。ましてやガシャドクロだし。



「代わりにフルボッコだどん。むしろボコれるまでやったから肉塊になってたどん。魂までボコボコだどん」



まあ、やったのは睡蓮ですけど。やっぱ、核がないと限度あるんなー。白マント、どうすんなやろ。まあ、それはええねん。そんな事より朝飯なん…鳥肉取れなんだから久しぶりに洋風にするん。米食えよ、でもたまにはパン食わせろよである。


そして、真に片付けなければいけない問題が山積みなのである。蒟蒻たちも放置気味だからフラストレーション溜まってそうで嫌だわー。嫁も同じくである。また長い長い面談ですよ。誰から話すべや。その前にオムレツ焼くん。






『応、お応応…ガーピーガーピー』


「やっぱり壊れた。修理が必要…ついでに改良も」



白マントは睡蓮を連れて空き家となった城へ戻って来ていた。



「…それは何だ?」


「情報提供料」



黒マントはそれを訝しげに見ていた。卵を撫でながら。



「……ソール作のロボか。まあ、他で調達するよりかは高性能かつ利用価値はあるが…まだ我々の存在を悟られてはならない」


「…会ったし、気付いてる。あの人はそういう人」


『ガーピーガーピー…応お応応』


「とりあえず、それをなんとかしろ。材料だけは無駄にあるからな」


「分かってる…全ては交わるべき時のために」

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