それはきっと見たかった世界。尊き萌え
この世界は妖怪の一族による統治は少数である。強き者に従い、弱き者は守られるのは定説。なら、半端に弱く半端に強い者はどうなるのか…結果はこちらである。
「粋ったくせにこの程度とか…それで蓮華のライバルなんて名乗んなっ!」
豆狸による電光石火である。目覚めては繰り返す眠い朝は獲物の槍を深く持ち、寝室の戸を開けるとほんの少し勝ってる胸を張って襲ってくる、そんな痛天狗に突き刺さる刀である。はいはい、応急処置しときますねーなん。安心しろ、その豆狸丸は一欠爆砕機能無いから。仮に死んでもそんな気がしたんだで震え出すのは魂だけなん。よかったね(笑)である。
治療は済んだ。ついでにリベンジャーもした。他界他界には至らなんだ。天井低いからめり込んだん…これも後で請求すると雪ババアに言われた。解せぬ。
すっかり天狗の鼻が折れた天狗娘への尋問開始である。後で接着しといてやるけんもう泣くなや。お面修理くらい無償でしたるんなー。
「どうして、朱雀なんて…言ってたじゃないですか。『強くなって、立派なお嫁さんになるんだ』って」
「だから、強くなって強い人の下についてその人のお嫁さんになろうとしたんじゃないっ…それを、あの人は蓮華がいいって…蓮華じゃなきゃダメだって…」
戦犯、近親大好きクソ親父な発展魔王である。クソ親しか居ません、この世界…歪んどるわー。おまゆうとか言うなし。
つまり、あれです。オラがクソ親父ぶっ飛ばせば全て解決する話であるんなー。よし、ラスボス倒す気になったん。もうオーバーフ◻︎ーな家系図はええねんって話である。誠ってレベルじゃないんなー。止まらないんなー。
「天華ちゃん…少なくともその人は強くなんてないよ。ソール殿の方が何倍も強いよ」
ロリ狐がオラをオヌヌメしとるん。アイリスはアイコンタクトで中古じゃないと言ってきておる。何この連携…しかも、熱い視線が何故か天狗娘の方から…今度はインフェルノすんぞ、このドエム天狗。
「そんなのはどうでもええん。今はお前さんがオラたちと敵対して滅ぼされるまで戦うか寝返ってこっちに着くかの話し合いなん。寝取る算段じゃないんなー」
「寝取る…」
何故そこで顔を赤らめるん、天狗娘…元々赤くないから丸わかりなん。あれか、羞恥による吊り橋効果か何かか?
「昔は蓮華たんと仲良しだったならやり直し出来るん。槍の天狗の仲直しなん…必須だと思うん。この世界から罵倒と嘲笑を浴び続けたおいちゃんに話して楽になってみんしゃい」
ポツポツと語り出した天華曰く、槍と薙刀の違いあるのに蓮華と比べられてきて鬱憤溜まってたのに本人は気にしないで仲良くしようとしてきたので、それなりに心開いてたのにさっさと免許皆伝して道場を去っていった事が許せなかったとの事。それはあかん、蓮華が悪いわ。え、免許皆伝したら追い出されたとか言い訳すんな。
で、天華も必死に努力し免許皆伝して先代の朱雀を倒して新しい長になったのに周りのクソ天狗らは認めなかった事、蓮華から聞いた仲良しこよしのこの屋敷の駄妖怪と比較してしまって惨めになった事、特に嬉々として話していた前世の母で今世の乳母ばばばと仲良しパターンが先代の朱雀である母代わりなインテリ眼鏡級教育ババアの教育方針とは真逆過ぎて前世の蓮華みたいなパターンな上に誰も救ってくれなかったので闇堕ちするのも仕方ないレベルで…これは蓮華と雪ババアと鬼クソトメも悪いわ。どうして引き抜きしておかない、あの豆狸だけに友達役やらせてる時点でアウトだろうよ。
挙げ句の果てに夢であった最強(笑い)発展魔王は近親マニアだから見向きもされなかったという女のプライドにまで傷を負ったという…キツネ一族クソである。ついでに側近のタヌキにも敵わない力量にも絶望してると吐露した。もはや誰が敵か分からないん。この天狗娘、不憫すぎる…慰めてやろう。
「力が干しイカ…否、欲しいか。誰かに認められる力が欲しいか」
「欲しいに決まってるでしょ…でも、誰も認めてくれないんだ。どうせ、どうせアチキなんて…」
やなっさんの時もそうだったんな。東に駄嫁が居ると聞けば行って住宅地を駆け回り、西に駄嫁が居ると聞けば行って胡散臭い訛りのJK探偵に調べてもらい、南に駄嫁が働いていると聞けば行って店舗を監視して、北に駄嫁が拉致られて子をなしたと聞けば外務省に嘆願に行き…まあ、それはどうでもええねん。雨にすら全敗だったわ。誰にも認めてもらえないのは辛すぎるん。なら、オラが認めたやんべ。
オラは天狗娘の槍を手にし、炎の欠片とオーバーレイ。出でよ、新たなる槍の可能性、パイルバンカーである。今なら前の槍を強化したのも付属してイチキュッパである。え、19800円で買わされたわ、東の住宅地図。
「認めるか認められるかではないん。認めさせるん…この新たなる武装でお前を認めなかった連中を叩きのめせばええん。という事で、一時的な共闘といこうや。少なくとも蓮華はお前の事、認めてると思うん。でないと雪ババアとかが寝首掻くはずなん。看病してたのも蓮華なん。その思いの丈、まずは模擬戦という形で蓮華にぶつけてみろなん」
「「えっ?」」
キョトンとしている蓮華と天華。似た者同士である…何処ぞの駄嫁と義妹を思い出したり出したくなかったりするん。あいつら、酷い時も殴り合ってたんな…そして最後にガードベントに回るワイ。ダブルノックアウトとか無かった、オラだけ沈んでた。いや、義妹は寸止めしてくれんねや、悪いのは駄嫁でした。そりゃ菊花だってそんなドメスティックから隔離しようとするよな。納得…
とりあえず、前みたいに庭で修行なんなー。まさにドッカンドッカン突いてる展開になるんなー。で、最後にオラが刺されるんか。そんで劇場版で復活するんか…どーして最近のリメイク作品は綺麗に終わらせられないのか。ちょっと懐かしのヴァンキッシュコスして玄武倒して来ようかなと思う今日この頃。あのコス何処へ行ったかしらん?
「い、行くわよ…」
「は、はい…」
「のぅ、どう見ても嫌々勝負しておるようにしか見えんのじゃが、わらわには」
「仲違いしていた親友が殴り合いの末に光堕ちするのは名シーンなん」
「ソール…もう堕ちてると思う」
親友のチャンバラにいちゃもんつけんな、この母娘。侍じゃなくても真剣じゃーありませんか。え、雪ババアと鬼クソトメの胃がキリキリ舞いしとるとか知らんがな。オラは寿司握ってやるん。天狗は酒がええらしいからサーモン握っときますねー。アルコールはオラ嫌いなん。うどんも好みらしいから用意しとくん。でも、あれは屋台の粉もん好きな気もするん…だってお面とかええ歳したババアが装着するもんやないで。
とりあえず、戦って分かるってのはよくある事なん。とりあえず、後で天狗娘以外の天狗を絶滅させてくるからそれまで仲直り頑張るんなー。ちょっと板場行って酒粕貰ってくるん。酒まんじゅうなら許容範囲ですたい、オラもよく食ったですたい。最近納豆しか渡してこない小豆洗いから小豆も強奪するんなー。