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オクタグラム チェインテイルズ  作者: 紅満月
12章 新訳・大和編
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もう一度始める為に…虎々と等

翌日の早朝、オラたちは屋敷の北にある第一神殿にやってきたん。メンバーは14人…いきなり大将の蓮華出陣である。負けフラグは大人しく家で寝てればいいのに懲りないんなー。多分、この中で最弱なのは蓮華なん。オラを除く。


で、切り込み隊はタヌキとか猫とかロリ大魔王とかツンデレ姫の歯止め効かない連中なんな。他は中衛後衛に均等振り分けされてるん。オラは飯炊きなん…という事で、馬の頭と牛の頭ともしもピアノも弾けそうな豚などなどを屠殺してくるんなー。



「ここは主に動物の類いの妖怪が根城にしています。ここを束ねる四神は白虎…その名の通り、大きな白い虎です。ですが、ここにはかつての仲間も捕らえられるか洗脳されています。キツネやタヌキの類いを見かけたら昏倒させてください」


「ふむ…つららの気持ちは分かるのじゃが、全ては不可能じゃぞ。敵対するものを全ては昏倒させる技量も暇も無い。多少の犠牲は覚悟しておくのじゃ…でないと、こちらに犠牲が出る。そうなってしまった時点でわらわたちの敗北じゃ。それを絶対に許さぬ奴がおるからの」


「雪ババア、雪ババア、これはタヌキですかなのん」



早速、妖怪・ぬえをゲットした。胴体はタヌキだから食えるはずなのん。尻尾はヘビだから…まだ蒲焼きのタレは出来てないんな。食えないなら鳴介って名前付けて飼うんなー。鵺の鳴介なん…凄い奴なん?



『離さぬか小僧。我こそは四神が1人、白虎であるぞ』


「ぎゃあぁぁぁあぁぁぁしゃべったぁぁぁぁ、鳴介しゃべったぁぁぁぁ」


『ぬっ……ぐぉぉぉぉぉぉぉ………』



この世は分からない事が沢山あるん。思わず鬼のように右手が光って唸ってバーニングなネクスト縮めてバーネクトフィンガーして頭部破壊してしもたんな。ファイト第1条では失格扱いなん。ミケると復活して空飛び出すんなー。



「あいつ鳴介じゃなかったん。ボブだったん、ヌーボーだったん…タラコはオラが嫌いなので食卓には出しません」


「のぅ…四神があっさり倒されてしまったように見えるのじゃが?」


「まあ、そういう事もありますよ。後、雪ババア言うな」



この後、タヌキとキツネいっぱい捕獲した。エキノコックス対策における隔離と投薬らしいんなー。









さっさと帰ってきたん。エキノコックス対策は済ました。でないと閉園待った無しなん…旭山みたいな知恵出せる飼育員はここに居ません。え、飼育員なんて最初から居ないとか初耳なん。


食肉加工された牛や馬や豚野郎は板場に運ばれた。が、難敵にはまだ認められないので侵入不可だった。これは透明化するの待った無しですわ。早く透明人間になりたーい。



「あの、ソール殿…少しよろしいですか?」


「どしたん、ご当主さん。寿司食いたいん?」



いなりか、いなり寿司がええんか。それはオラのおいなりさんだってくらいの量が食いたいんか。この蓮華たんは欲望に忠実だから仕方ないんなー。



「いえ、今回の白虎討伐の件についてです」


「ヌーボーか…惜しい事をしたん。猿顔でなければきちんと鳴介として飼ってやれたん。そしたら雪ババアと結婚して子宝に恵まれるはずだったんなー…本当に惜しいレア妖怪を殺してしもたん」



見えないチカラがオラをあん時動かしたんなー。きっと、ヌーボーは天国で同僚の女教師とよろしくやってるん。きちんと火葬してやったから後で葬式してやるんなー。喪服は必要ですか?



「そういう心配はしていません。霞ちゃんの話では、何故か弱体化していたそうなんです。それで他の方々にも聞くと全員が口を揃えて『それもソールが何かやったのだろう』という事で…」


「冤罪なん。何故にわざわざ白いもふもふを自ら葬りに行くスタイルせにゃならんのん…そもそも、その前情報信じてたから鵺の鳴介を捕獲したん。なのに、あいつが四神とかなんなんなん?」



事実は小説よりショボいん。白い毛並みのモフ虎に鞭打ってゲットしようと期待してたん。出来れば獣人となって嫁狙いだったのに、既に駄猫ポジ居たからと無理だったという悲しい話になったん。あれか、前の世界で大虎から得た加護ちゃんのお陰でルーチェはポジション争いに不戦勝したんか。


という事は、次の青龍戦もスズランの不戦勝である。まあ、スズラン勝てるために八百長する気満々でしたが。八百屋は近くにありますかなん。



「では、ソール殿は特に何もしてないと…」


「するなら朱雀戦なんなー。唯一紅一点の可能性が高いのはそこなん…でも、どうせ白虎が鵺だったから期待はしない方向なん。他の四神とかの現在の姿をスタッフのタヌキ以下Bチームに探らせる方がええんなー」


「それは一理ありますね…でも、ソール殿。それを知ったとしても先行するのはやめてくださいね。その…かつての貴方も無茶をしたそうなので」


「それは約束出来んのんなー。オラは守る為なら無茶でも飲茶でも何でもするん。そこだけは譲れない唯一のアイデンティティなん」



無茶をするくらいいつもの事なん。ここ数日は徹夜ですがな、オラじゃなかったら過労死レベル軽く超えてますがな。だが、板場には未だ潜入出来ていないという不遇…今回のボスはあの座敷童子なのだ。間違いない。雪ババアから説得してもらえるよう頼んだがダメだった。だから蓮華でもダメやろな。



「それで、また悲劇を繰り返すんですか……」


「…そんな無駄な事はしないんなー。今度は主人公に僕の事忘れてくださいうぐぅなんて理不尽で不可能な要求突きつけたりせんのん。きちんとオラの記憶全消しして事切れてやるん」


「消す…なら、逆の事だって」



蓮華の前世はなつき度マックスのもふもふ嫁だったん。それに戻りたいと言いたそうにこっちを見ている。だが断るん。



「失ったものを戻すには限界があるんなー。蓮華の場合には媒体必要なん。せやかて、その媒体は紅蓮が放り投げて消えてったん。見つけても追っかけてきて捨てるよう迫ってきたから砕いたん。でも、当然の事なん…今の幸せを捨ててまでかつての不幸を思い出す事はない。ただ、幸せに生きてくれるならそれだけで十分だ。それがかつてお前を愛したキッシュの本音だ。そして、自らを消してまで望んだたった1つの願いだ」


「…だとしても、もう一度チャンスを貰えませんか。かつての蓮華ではなく、今のわっちとして」


「しつこいのん。それが欲しいならまずあの性悪鬼をなんとかするんなー。それが出来なきゃ意味ナッシングなん」



まあ、過去の所為で未来まで奪ったりはしないんな。今の気持ちが憧れだとしても否定する事は容易く、叶える事は難しいが頑張るのを否定するのは気が引けるのですん。



「が、頑張ってみます」


「ちなみに板場に入れたらもっと好感度上がるんなー」


「それは無理です」



断言されたん。やはりあの座敷童子はラスボスクラスなん。自前で板場建築した方が早い気してきたんなー。蓮華でも説得出来ないとか雪ババアクラスの大物なん。むしろ、最大戦力なんでないかい?


というか、何処でフラグ管理間違えたん?

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