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オクタグラム チェインテイルズ  作者: 紅満月
12章 新訳・大和編
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二度と戻らない未来…リバイバル上映準備中

蓮華の前世は指輪と共に霧散した。いいのです、それで。もふもふはルーチェで我慢します。


嫁たちにも殴りかかられたが私は硬いのでビクともしない。前々世の経験は活かされているのだ…エスカリボルゲインも豆狸丸も効果無かった。なんで雪ババアと腹黒狸も混じって攻撃なんかしてんだ。ルラギッタン…あ、元々敵だったわ。



「だって、鬼クソトメがこういう展開ご希望していたのだから仕方ないではないか。前世では娘を頼むとか言っておいたが舌の根乾いたらこれですよ。まあ、そういう意味ではやなっさんの方が哀れだったんなー」



だって、世論に同調して相手の親族縁者にも罵倒されましたからね。誰からも祝福されないとかメンタルクラッシュバン◯ィクーですん。今回もそれだったらやったら殴られた。どのみち悪い選択肢の結果ならオラは潔く身を引く。大逃亡ですん。もう結婚で被害者になるのは懲り懲りだすー。







とりあえず、宴も終わって魑魅魍魎が酔い潰れて寝ています。自棄酒をかっ喰らって蒟蒻者も何人か寝ています。無法地帯ここに極まれり。


だが、そんな中でも寝ていないのが約1名…オラを除いて。先程の殴りにも参加しなかった嫁、ロリ大魔王である。縁側でお話ししようよ、面貸せやとのお誘いです…大人になったものだ。ロリババアだけど。



「わらわの時にはきちんと選択肢を与えておったではないか。何故、それすらしなかったのじゃ…蓮華を嫌うという事は絶対にあるまい、お主なら」


「ただの気まぐれなん。1人くらい合流しなくてもいいんなー」


「たわけ。そんな嘘がわらわに通ずるものか…わらわの時もそうするつもりであったくせに。改めて問うぞ…せめて、蓮華にも選択肢を与えるべきじゃったのではないのか?」



バカな事を仰る。洗脳されている状態でも信念を持ったロリ大魔王と繰り返して刷り込まれている蓮華とは全く違うではないですか。しかも、それそれ教えた当人が忠告した上で話したイリスと、そうするよう仕向けた雪ババアという違い。それだけで、もう…


それはきっと、あの時の諦観に似ている。そう割り切ろうとした。所詮、その程度の仲だったのだと…だから、せめて親だけは信じろと。他の男を好きになったならそれで構わない。ただ、自分の幸せを誰かに誇れるように生きてくれと…


付け焼き刃の記憶と刷り込まれた好意から導かれた気持ちなんて本当ではないのだ。それはまるでアイドルとの恋愛を夢で見て、そのアイドルが実際に目の前へ現れたファンの心境であろう…自分でいってて何いってるかちょっと分かんないどす。



「…与えたところで結果が見えてる選択肢なんて選択肢じゃない。少なくともどこぞの強欲魔王は選択肢両取りっていう滅茶苦茶な選択をしたからここに居るん。蓮華にそれは出来ない」



親に頼まれて構ってくれるキッシュに父性を求めて、やがて好意となったチョロ狐だったんですよ、あの子。刷り込みブーストかけられて今世は超チョロ狐だったのです…それを解除して前世の記憶というチョロ因子を取り除いただけでないかい。



「じゃが、お主は蓮華に謝りたいと言うておったではないか…」


「親を失って、更に旦那が自殺紛いの行為した事に対してなん…だったら、親が居る今世では不要な謝罪なん。だから私は謝らない。今世の蓮華をルラギッてなんかないからな」


「言っておる事が滅茶苦茶なのじゃ」



滅茶苦茶なのはお互い様なのん。チェリアにはチェリアなりの負い目があったのは分かってるん。誰が好き好んで誰かを犠牲にしてまで過去に戻るかと…あの場面の選択肢だって1つしか無かったんだろうと。こいつが自分のためだけに何度も過去に戻ってオラを探すような奴かと。だから、あんな決まり切ったシーンをオラは却下した。


誰が好き好んで好きな女を死なせる展開を望んだりするものかよ。肉体的にも精神的にも。俺の知る蓮華が…今の紅蓮が子を大切に思うのなら、それを踏みにじる事だって同等である。今度は間違えんさ。相手はずっと近くに居るのだからな。









「では、この世界では妖怪同士が争いをしているのですわね」



翌朝、リーダーであるシャルロッテが蓮華たちからこの世界の話を聞いていた。本人はリーダー辞めたいと言っているが、痛い名前のチームを引き継ぐのは無理というのがオラやチェリアの固辞理由である。


それはさておき、ご当主である蓮華の話では敵の妖怪は四神を名乗る連中と第八天魔王を自称するバカをトップにした痛い厨二集団である。そう考えると、織田さんとか元祖厨二なんですかね。その痛さ封鎖できません、事件は現場で起こしてるんだ的な…あ、ユージーではないんですね。よく性転換させられる方か。


話を戻そう。その厨二集団との戦いに勝つというのが今回の試練である…今回は妖怪なので食べないとチェリアが宣言した。え、むしろ妖怪の方が食べられそうなのあるんでないかいと。


そんな中、疑問を呈したのは意外な人物であった。



「で、何が原因で争いをしてるんにゃ。善とか悪とか、それはお前たちの話にゃ…向こうからしてみればこっちが悪かもしれんにゃ」



駄猫がインテリ入ってるん…変なもん食べたな、こいつ。寿司か、寿司酢における糖分と塩分過多か…猫の食事には気を付けなければならない。あるいはマグロなどの回遊魚における水銀か、ヒスタミンか…一回、全員のアレルギー検査行う必要あるんなー。



「ずっと、長い時間を争い続けてきました。だから、わっちには原因と言われても…」



まあ、14代目ですからなぁ…初代の自虐さとか知らんのはお互い様なん。どうせ、同じメニュー注文したのにどっちかが大きかったとかって食の恨みだと思うん。おいなりさんとかな気もするん。



「例えば、2つ前の世界なら話は分かるにゃ。助けようとした側と滅ぼそうとした側なら、ウチだって助けようとする側につくにゃ。でも、この世界はおかしいにゃ。ただ戦ってるだけにゃ」



駄猫にしては素晴らしい思考である。この中で最低の思考は間違いなく霞です、断言出来る。



「だから、そんな戦いに巻き込まんで欲しいにゃ。せめて理由が必要にゃ、戦う理由が」



多々買う理由…欲しい物を集めたいからですん。もしくはコンプリートするのが癖だからですん。そして廃課金者になるん。それは人の業なのですぞ、だからガチャが儲かるのです…え、そんな話はしてない?


別に敵対してる所に所属するとかって話ではないん。オラたち、田舎出の成り下がり冒険者だってばよ。別に雇われたら嫌な仕事でもこなさなきゃいかんべ。けんども、何やっでるか分かんねぇ連中にこき使われるよりも、何やっでるか分かる連中の方が安心するべって事である。


早い話がリスクとリターンである。後から世間から白い目で見られないかとか、極悪人として断罪されないかである。世間体である…別に報酬とかはどうでもええねん。安寧な生活を求めている萌え妖怪の為に頑張るのは構わないが、それが正しいと自分にとって納得出来る理由が欲しいねん。それさえあればオラは悪にでもなれるん。誰が犬やねん、道場するなら金をくれなん。◻︎クサブローなん。


とりあえず、考えがまとまらないみたいなんで回答保留になった。アイデンティティに関わりかねないから仕方ないんなー。つまり、そんなものが無いオラにはどうでもええって事やねん。とりあえず、板場に忍び込んでタケノコ料理作りたいんや。

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