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オクタグラム チェインテイルズ  作者: 紅満月
11章 新訳・牧場編
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大切なもの、譲れない願い…大特価セール中

後の事はドエムヌッシーに丸投げして、オラたちはバカンスなん。え、そんな暇は無いからさっさと次に行けってか。まだ終了イベント起きてないから行けないのん。


結局のところ、毛や鱗でパワーアップしてもバッチによる修正しても統率する魔物にはならんかった。え、バッチだからダメなんだ、パッチなら良かった気もしれないだってバグパッチだと思うん。だって不倫スライムなんだぜ、その完成形。


つまり、最初から統率者なぞ作るのは不可能なのだ。ドエムゴンとプライムの何処に統率者の貫禄があるでしょうか…いや無い。皆無である。あくまでも前の歴史ではエンシェントドラゴンという地位に居たからこそ変態でも許されただけの話であり、変態がエンシェントドラゴンになったとてその品位は限りなく地にめり込んでいるのだから無理。仮に変態でなくても食い散らかす品の無さはアウトだと思うの。つまり、最初から無理ゲーなのです。


という事で、リンドウとスズランにはドエムヌッシーを統率者として仮認定させておくという使命があるので説得です。というか、卵になった時点で詰んどら。



「あ、構いませんよ」


「別に統率者は誰でも構いません」


「……オラたちの努力は何だったのん」


「そうじゃの…」



チェリアも同席した話し合いは数秒だけだった。ドエムヌッシーは統率者になった。ドラゴンもスライムもああなったのなら仕方ないじゃないって結末ですん。


リンドウもスズランも別に統率者に拘りなかった。親への拘りは…え、もう転生したから親じゃないって。



「そもそも、カンナさんは消えなかったですよね」


「イルムだって姿を変えても存在していました。なら、おれたちが消える事をあなたは許しはしなかった。なのに自爆して封じ込めた。それを許すなんてやっぱり無理です」


「まあ、気持ちは分からなくはないのじゃが…その自己犠牲の精神はリンドウも言えた立場ではないのぉ」



親の立場として慰めてやろうとするチェリアの思惑は数秒の話し合いで霧散した。が、どいつもこいつも自己犠牲精神が過ぎるのん。いったい誰に悪影響されたんだか…こっち見んな。


とりあえず、エンドフラグは立った。が、何か忘れている気もする。え、悪のジムリーダーとか栄光騎士団とかはええねん。光の大蛇はいずれ帰ってくる気もするん…あ、豚や牛にタコなどなど仕入れしてないん。オラのアイテムボックス農場や牧場を広げるのが資金稼いだ一番の目的なの忘れてたんなー。買い出し行くのん。







『本当にそれで良かったのか、貴様たちは』


「ああ。当初の目的は果たした。約束通り子は返す」



黒マントの人物の手には卵があった。そして、ドエムヌッシーの頭の上には光の大蛇の姿があった。



『まあ、こうでもしないと卵は手放しませんものね。あの人たちは…あるいは目玉焼きにして食べかねません』



光の大蛇…かつてのライムはこの2人組に加担し、この結果になった場合の協力をしていたのだ。



「まあ、確かにこうでもしなければリンドヴルムの弟妹は手に入らなかっただろう。その点においては感謝する」


『素直にイルムちゃんの器が欲しかったと言えば良かったんですよ。それをあなた方は…』


「これはイルムにはならんよ。残念ながら、別の存在だ…イルムを超えた別のな」


『そこまでする意図は何だ。あやつとてお前とて一度は全てを捨てた身ではないか』


「名の通りだ…それ以上の他意はない」






港町に来たら、それ以上の鯛は無いと言われたがワイはブリハマチの方が好きですん。水族館みたいな魚養殖始めたん…ミミズは神編集により削除されました。嫁たちには不評なので。


既に豚や牛、羊や山羊などは仕入れている。繁殖中である。よくよく考えたら、あの卵もアイテムボックス内で孵化させるべきだったのではとも思う。もう手遅れだし、ドエムヌッシーが育てるなら大丈夫だ問題だらけである。


リンドウとスズランからの許しは得たが、もう1人許さないと言われそうなのが蓮華だから早く行きたい、でも行きたくないという事である。原因…もしかしなくても雪ババアと腹黒狸である。間違いなくお嫁にしなさいとのたもうてくる。蓮華も懇願してくる未来しか見えない。見てくれだけは良いからなぁ…外面ともいう。


正直、どうして順番入れ替えなかったのかと思う。今思ったところで仕方ないが。



「本当に沢山買いますね」


「リンドウもスズランも好きなもの買えばええんやで。うちには大食らいからうどんジャンキーまでおるから大変やねん」


「確かにチェリアさんは毎日毎日ソールさんのうどんが食べたいと言ってました…」



向こうのご飯係だったリンドウは苦労していたようだ。今日は天ぷらうどんにしよう。かき揚げと海老天は必須なん。



「ところで、ソールさん。オレたちの事なんですけど…融合したりした方がいいんでしょうか?」


「唐突にも程があるん。そして不要なん…同じ記憶を持っていても、2つに分かれてたものがまた集約されるとろくな事にならん。オイラみたいに…」



要らぬ心配である。双子の良さを何も理解してないともいう。個別ルートとセットルートは両方あれば尚良いが、片方だけでも物語は成立するん。そんな事はさておき…


キッシュであった主なオラとやなっさんからなるオイラ、そしてウィローからなるワイとごちゃごちゃして誰が誰やら分からないまま再構成されたソールというオイラ…変な生き物は2人も要らない。むしろ、村人不在の方がいいとも思うが、そこはご容赦ください。


もし、未来が変わってどちらかが去りたいと思っても体が1つしかなければ動けなくなる。今のオラがそんなのなん。嫁たちを愛でたいキッシュと、シャルロッテに真実を伝えたいウィローと、全てどうでもええっちゅうねんなやなっさん…やなっさんの闇が深すぎて手出し出来ないです。さすが人間不信の塊です。


そんな何者にもなれないオラたちが告げるのは、生きろという事である。ペンギンも好きだけどゴマフアザラシの赤ちゃんが一番好きです。え、栄光騎士団には三獣士って将軍がおるとか世間話どうでもええけん、はよ魚詰めてくれん?



「少なくとも、リンドウとスズランの違いくらい分かってるけん。別に一纏めにするつもりも無いし、気にすんな」



リンドウはドジっ子である。炎の鞭をどんぶらこするほどの。だが、スズランはちょっと天然である。某髭の兄弟ほどの差異は無いが、多少なりとも違いはある…はずなん。チェリアだって今の姿を保っているが本当の姿は別だったりするのだし違いはある。アイリスは…うん、勇者の証以外は同じです。性格は変わってますが。


とりあえず、満足してくれたようだ。後、緑とか黄色に増えたりしてもええんやで?

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