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オクタグラム チェインテイルズ  作者: 紅満月
11章 新訳・牧場編
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忌まわしき覚醒、そして最後の戦い

やっとこさで湖がある町に辿り着いた。ありました、湖名物、光の大蛇の鱗お守り。買って食わせたが偽物ばかりでした…稼いだ資金が無駄になったよ。お土産店は閉店させました、物理で。


光の大蛇は観光資源として悪用されているようです。が、先日テイムされて本尊は消失してしまったので今後の観光課題があるのだとか無いのだとか…どうでもええがな。


先日戦ったサトルも伝説の魔物は譲渡やら交換して手に入れたと言っていた。普通の電気ネズミとか手放したんだと…こいつに決めたとかって相棒も交換したらしい。紅茶が好きなんですな。名前はかで始まり、るで終わるんだろうか…カーバンクルですね、カレー好きなんですね。だが今日はオムライスっぽいオムレツですねん。ご飯入りオムレツ屋ですねん。



「どうするにゃ。ここへ来て手詰まりにゃ」


「どうにかなるん。どのみち、チェリアたちとの合流ポイントもここなん。滞在しとけばどうにでもなるん」



心配性の猫はさておき、チェリアたちが東側でやるべき事は無くなったのだから合流しようと告げたのが数日前。まだ到着しないが一両日中には来るだろう。全部トレードで手に入れる奴が悪いねん。というか、わざわざテイムした伝説の魔物を易々と譲渡したりする奇特な人が悪いねん。オラなら競売に掛けるん。


で、マールたちは光の大蛇が住んでいたとされる社に行く事となった。今日はオラだけで店をせねばならぬ模様。更に社は湖のど真ん中にある孤島にあるようで、観光船で向かうとか。Nice boatな展開じゃないよな…


とか思ったら社のある孤島が浮いた。正確には島は巨大な蛇の頭に付属してました…え、光の大蛇ってもう1匹居たのである。



『我が子をテイムしたのは誰だ』



知らんがな。そんなんで急に立ち上がって津波起こすなや。マールたちがまだ観光に行く前で良かったん。ボバークラフトに乗って退避するんなー。ライスオムレツ屋は臨時休業なん。というか、見つめ合うと素直にお喋り出来ないとかなん。侘しさってレベルじゃねぇぞ。








湖の主、レイクヌッシーによる天変地異で町は壊滅した。屋台はボランティアの炊き出しとなったん…まあ、困った時はお互い様なん。誰も寄り付きゃしないけど。壊滅してるから皆さん町から逃げ出してるん…原発はありません。単なるレイクヌッシーから逃げただけですん。


まあ、レイクヌッシーも子がテイムされて行方不明になったから怒っているだけであり、その迷惑さはさておいても心情は理解出来るわけですよと経験者語りしてみる。やなっさんはそれに加えて色々ありましたん。


つまり、現在の確率でいえば、どこぞのアホが光の大蛇連れてバトル申し込んでくる可能性が高いオイラたちがここに留まる事で再会出来るってパターンなん。チェリアたちには見つけたら連れてくるのは構わないが捕食しないよう厳命してある。したら中に誰も居ませんよエンドである。boat不可避である。


まあ、それまで飯食って待つのがベストという事で、オラはレイクヌッシーに餌付けを始めた。



『何のつもりだ、人間よ』


「単なる廃棄処分なん。腹が減ったら尚更イライラするん…帰ってこないと嘆いて、人を恨んで、全てを憎んで、それでも諦めきれないなんてよくある話なん。でも、お前の子は好きで連れ出されたんなー。殺されたわけでもなければ、異世界に連れ去られたわけでもない。ましてや、娘の為に命を落としたバカ両親でないだろう…かつてドエムゴンだった者よ」



考えてもみてください。我々のような多重自我の集合体や雑魚勇者、ハゲガエルたちが居るのにドエムゴンが幼体なはずがあるでしょうか。つまり、このレイクヌッシーはドエムゴンの魂を受け継いでいるのです。だって、レイクヌッシーなんて設定した覚え無いし…それなら狂ったのはだいたい知り合いでしょうと。



『何の事だ、我は貴様なぞ知らぬ』


「それならそれで別にええねん。とりあえず、廃棄処分代は鱗一枚でええのん。それ、ベリっと」


『おぅふ…人間、やるではないか。もっとやれ』



やっぱドエムゴンでした。鱗剥がし、毟れるだけやったった。後で復興支援に役立てるんなー…人が戻って来れるか分からんけど。新ドエムゴンの里…うん、近寄りたくもない。


とりあえず、ドーピングなんって事でコアドラゴに鱗を与えた。おめでとう、コアドラゴはバハムートっぽい竜に進化した。いや、バハムートは竜じゃないんだけどな。つまり、エンシェントドラゴンっぽくなったという定義ですん…だが、なんか足りない気する。ドエムさ?



「あー…似ても似つかないですね、確かに」


「スズランがそういうならやっぱ足りないんなー…もういっそ、あのレイクヌッシーに統治してもらえばええと思うん」



あのドエムさは紛う事無くドエムゴンなのだ。プライムどこ行ったのかは知らんが。


で、タイミング的にはそろそろテイマーがやってきて「不幸だー」とか言うはずなんだが…え、それはテイマーじゃなくてトウマーなん。さよか。







で、連日の鱗剥がしをしているとやっとこやって来た…チェリアたちが。



「あー…とりあえず、わらわにもこやつがエンシェントドラゴンの縁者であるのは理解出来るのじゃ。で、ソールよ…なぜテイムしたのじゃ?」


「テイムなぞしとらん。連日の鱗剥がしによる影響で奴隷化しただけなん」


「何が違う?」


「あははは…はぁ」


嫁たちからの呆れいただきました。が、オラのせいではない。後、オラが持っていたバッチはスライムに掻っ攫われて栄養となった。おめでとう、スライムはメタルなプラチナスライムに進化しくさった…プラチナ切ない。涙が出ちゃう、だってバッチないとチャンピオンになれないんだもん…胸毛は要らんけど。


とりあえず、そんな事を思ってほのぼのしていた時期が私にもありました。次の光景を見るまでは。



「ソール…あれはどういう事ですの?」


「……星降りの祭壇なん。そういう事なん」



シャルロッテが指差してた先、スライムとバハドラゴがダクってました。融合ガッタイムなん…見ようによってはスライムによる捕食なん。だが、残ったのは卵だけだという結果である。これ、間違いなくプライムの卵なん。何となく分かるん。



「……どうしてこうなったんでしょう?」


「さあ……」



リンドウとスズランは理解不能な様子である。まあ、食い散らかすつもりが合体して卵残して何処かへ旅立った結果という到底納得出来ない仕様になったんだから仕方ないね。こうして最後の戦いは終わった…え、光の大蛇なんて知らんがな。戦闘要員居ませんし…え、ドエムヌッシーはダメだ。あいつの尻尾は岩に挟まってて抜く気無い。自虐プレイにも程があるからな。


結局、孵化までには長い時間を要する事がイリスの鑑定眼で判明したのでドエムヌッシーに育て屋してもらう事になった。めんどくさいから放り投げたともいう。光の大蛇が帰ってこないのだから養子を可愛がればええでないか理論である。



「こんな結末、わらわは望んでおらぬが」


「オラも同意見なん。でも、仕方ないじゃない…リンドウとスズランがそれでいいと言うのなら。ドエムヌッシーだって納得してるんだし」



ドエムゴン復活を一番期待していたのはかつての仲間であるチェリアだけだったというオチである。リンドウとスズランは反抗期でドエムゴンと一緒にパンツ洗うなである…え、そんな事はやった事すらない。さいですか。


まあ、オラとしてはリンドウとスズランが加わった時点でどうでもええんやけどな。栄光騎士団とか放置でええし…オラの真なる目的は嫁とのコンゴである。アフリカはどうでもええっちゅうねん。とにかく、はよここ離れよう。なんか嫌な予感しかしないから…具体的には、ドエムヌッシーの調教はしとうない。

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