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オクタグラム チェインテイルズ  作者: 紅満月
11章 新訳・牧場編
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そのドラゴン、強烈につき…

新訳・八芒星物語集

第三章『ミキシングモンスターズ』


世界には魔物が溢れていた。


ようこそ、私が魔物研究の第一人者オーゲサじゃとかって話ではない。星降りの町に連れ去られた引換券の話でもない。


世界には魔物が溢れていた。だが、それを統べるものは居なかった。ならば作ろうと…


ある人物から渡されたのは1匹のスライムかミニドラゴンであった。ええ、選ぶ魔物によって出てこない魔物が居るんですかね。もふもふ系とか植物系とか…狐出さないといけないので出る方で。あ、そういうのは無い。さいですか。


早い話がドエムゴンとプライム再誕の物語である。強くしろ、食わせて…ミキシングである。オラがくぎゅう作ったのと同じ手法である。


それはええんだ。設定通りだからな。問題は…







「さあ、選ばれしものよ。このスライムを育てるのです」


「いいえ、選ばれしものよ。このドラゴンを育てるのです」


「いや、オトートノカタキヲトルノデス。だから結構です…緑色の弟とか居ないけど」



手のひらに乗ったスライムを突き出してくるリンドウ…ここまでは普通なん。が、それと同時に手のひらに乗ったドラゴンを突き出してくるリンドウ…え、何言ってるか分からないって。リンドウが2人居るんだ。赤リンドウと青リンドウですん。2Pカラーですん。赤はスライム推し、青はドラゴン推しですん。色的に逆やろ。



「おそらく、ママと同じ影響。ポンコツ鎧『蒼穹』による改悪だと思う…事にした方が良いと思う」



説明アイリスたんによる納得の出来る推理ですん。とりあえず、嫁たちはええねん。蒟蒻者たちよ、それ将来ドエムゴンかプライムになる変態魔物だからどっちか選ぶの悩んじゃいけません。トラにしなさいトラに。



「さあ、選ばれしものよ。スライムを」


「いいえ、選ばれしものよ。ドラゴンを」


「ソールよ、どちらでも良いから選ぶのじゃ」


「じゃあ、どちらも嫁になる方向で」



偽魔王パターンより悩む必要無いのだ。どちらが偽物とかって感じしないんですよねー。というか、緑と黄色もあって4ドラゴンになりそうなんよ。え、そこまでは大丈夫だろうって…その浅慮な結果が猫小僧たちだと思うんだが。タッチしたら出てくると考えておこう。


まあ、とりあえず…指輪は複製します。片方の造形は多少変化させます。以降、赤リンドウをそのままリンドウと、青リンドウをアバター時の名、スズランと呼ぶ事にします。んでもって有無を言わせず指輪を付けさせます。だって、このスライムとドラゴンの巫女は最初しか登場しないんですもん。レアキャラ扱いだす。


素早く指輪を装着させる。今回は向こうの意思関係ない。罰するかどうかは思い出したから決めて貰えばええねん。死ねと言われればその通りにするし、一時神であったオラをカニバすればドエムゴンとプライムくらい復活出来るんじゃないかな。それくらいの罪滅ぼしはしてもええねん。一応、嫌々ながらも仕方なく残念な事に義父母であるからな。どっちかといえばウトメと呼称したいが。



「さあ、蘇れリンドヴルムだった者たちよ。そして、オラに裁きを与えてくれなのん」


「わらわの時と全然違うのじゃ」


「うん、全然違う」



母娘がなんか言ってるが、レアキャラでなかったのだから仕方ないじゃないか。しかも、お前らとは違って天涯孤独にしてしまったオラの責任感と罪悪感を考えてみろなん。


そうこうしているとリンドウとスズランがスライムとドラゴンをポイッした。あれ、そんな雑な扱いでええん?



「「キッシュさんっ!!」」



そのままダブルで捨て身アタックをしてきました。あ、これミンチより酷くなるパティーンやん。だが、回避不可能である。それが罰なのだから。が、そうはならないんだがね。知ってた、うん知ってた。



「「逢いたかった、ずっと…ずっと…」」



2人に抱き締められました。泣いております。考えてみれば、リンドウの前でオラ一度死に掛けてますからね。ストーキングによって。オラの魂である熊スーツだけですが、実際には。それを繰り返させたという点においては全面的に俺が悪い。が、所詮オラはキッシュという名のアホ勇者に宿った仮初めの魂だったのだ。どのみちあのような結果にしかならない。


2人に分裂しても結局二倍美味しいだけで傷は半分にはならないのだ。頭を撫でたところで何の慰めにもならないが、したいからするだけだ。



「…さあ、気が済んだら俺を殺せ。殺して死肉をスライムとドラゴンに食わせば多少は両親に近付くだろう。そうすれば、家族で一緒に暮らせる日も近くなるん」


「何を言ってるんですか。オレの家族はキッシュさんと皆さんじゃないですか」


「おれたちの意見も無視して勝手に新天地作って、おれたちを閉じ込めた両親の事なんて知りません。おれたちはただ魔物の統率者を必要としているだけです」



リンドウらしからぬ発言のような気もしなくはないが、ドエムゴンとプライムはリンドウの意に反してやらかした模様である。後で詳細を聞くとして、とりあえず宥めるん。ドラスラが2倍になったところで2倍宥めるくらいは大丈夫なん。ロリハーレムで鍛えられたんなー。ほれほれ、本物のマグロでも食えなん。今夜は鉄火丼にするん。あ、ダブルで増えたからって片方がギャグみたいな死に方させたりせんからな。


ギャグといえば、母娘3人は生温かい目で見ているが、蒟蒻者たちの視線が人を射殺せるくらいの鋭さなんやけど。誰1人としてオラに飯作ってくれないくせに…リンドウはきちんと料理が出来る良妻なんだから優遇して何が悪いか。もう少しロリだったらチェリア以上に本妻となっておるわ。


とりあえず、事情聴取を試みなければならない。というか、またキャンピングカーを作る必要があるのだが…しまった。核燃料以外ロクな材料を調達していなかったではないか。仕方ない、プレハブ小屋を生け贄にして特殊召喚するしかないではないか。


まあ、まずはそのプレハブ小屋を出して休息である。元うどん屋の店舗だから少々ダシとかの臭いは残っているがそれは仕方ない。


この世界でうどん屋は出来ないと思う。都市とは違って人があまり居ないので。なら、移動販売するんなー。バーガーショップなら出来る。サーモンバーガーと地鶏の長男バーガーで儲けようではないか。


一応、打ち捨てられたスライムとミニドラゴンも回収しておくべや。今度は真っ当な生き方させてやるん……無理か。


とにかく、互いに紹介しない事には始まらない。というか、リンドウってこんなに熱烈でしたかね。まだ離してくれない…あ、ゲルになってお風呂に入ってくる積極的な子でしたわ。アイリスもやれやれって顔してる。まあ、依存度でいえば上位ですからね、リンドウって。

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