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オクタグラム チェインテイルズ  作者: 紅満月
10章 新訳・都市編
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王の選びかた…別名総選挙ともいう暴挙

朝になって魔王チェリアの引退の話は瞬く間に広がった。と同時に、後任の魔王選出方法も発表された。早い話が選挙方式の人気得票数である。アイリス以外の4人もエントリーさせておいた。後は立候補式である。


投票は数日後に行われて即日開票結果発表である。とはいえ、魔王軍のみならず近隣の魔人も立候補や投票可能なのでなかなか大規模である。



「元…いえ、お父様。分かりきった事を何故今更するのですか。間違いなく人気度でいえばお母様の次がお父様である事は明白です。更にこの結果で四天王を新たに選ぶなど…」


「それはあの3バカが勝手に辞任したせいなん。チェリアじゃないと補佐出来ないとか身勝手なん。補佐すらしてなかった分際で」



ヴィオレ、アチェロ、ダンデラの3人が四天王辞職したのはええねん。魔王選挙に立候補しやがらんかった。結果、四天王も新たに選ばなければならないのである。実行部隊の隊長でええとかふざけるなである。ただ単に性癖満たしたいだけなのは分かっとるん。ウィローが学園長になってからもそればかりで四天王らしい事なんてした事なかったようだし。むしろ恥天王と呼ばれていました。



「それに、あの子たちを本当に見捨てるつもりですか。仕事をさせていたのはこちらです…何処ぞの四天王の3人が役立たずだったが為に。やはり、ここは…」


「イリスが残るとかって話は無しなん。思わぬ伏兵が居る事を願っとくんなー。とりあえず、ラーメン出来たから食えなのん」



イリスみたいに付き合いでうどん屋に来て、あまり好きでもないうどんやソバを頼んで、チェリアの為にうどんを持ち帰るくらいのアプローチしとけばあんな事言わんかったん。仕事に逃避したのはお互い様としても、それを理由にされたら微妙なん。アイリスみたいにゾンビでも美人多く雇ってたの危惧するくらいの嫉妬心は見せて欲しいのん。


というのになんか知らんが勘違いして得票数取ろうと朝から城の内外を駆け巡っている様子。相応しい地位が欲しいとか意味不明な事を言ってるらしい。何もしなければ票入らずに済むのに。あいつらバカなん…神5に選ばれたら魔王か四天王しなきゃならんというのに。









さて、出前もオイラの仕事である。魔王引き継ぎの書類を作っているチェリアと査定官の知識を活かして補助しているアイリスのところへうどんとソバを持って行くという特急デリバリーです。伸びる前に届けるのがウリですん。



「ソールよ、お主これで構わぬのか。シャルロッテはウィローの、マールはキッシュが望んだ人物ではないか。他の2人も同様に…場合によっては手放してしまうのじゃぞ?」


「そんな心配せんでええのん。次期魔王引き継ぎした後は大魔王名乗って第3形態まで変身しなきゃいけないチェリア自身の能力向上に努めて欲しいのん」


「大魔王はともかく、変身なら出来るのじゃ。ほれ」



そう言うとチェリアはロリ魔王フォームから偽魔王フォームに変化した。更に成長してハイパー魔王フォームになった。但し絶壁なのだ。スタイル良くても偽魔王の方があった。



「ソール、1人で3度美味しい」


「そういう感想は求めてないのん。レベル低下とかペナルティーありそうなのん」


「そんな心配は不要じゃ。前世の能力の中に桜樹の力がきちんと備わっておる。お主が作った鎧を体にしてわらわたちは一度別の世界で生きた。その影響なのじゃ」


「鎧…ああ、あのノリだけで作ったポンコツ鎧の事なんな。そんなのよく使えたもので」



聞けば、6つ回収して使ったそうな。3つは分からないとか。後、本丸の黒桜とかは現時点では使用不能らしいんな。まだパワーアップするつもりですよ、この嫁たち。


さて、蒟蒻者たちを手放してしまうですかですか。あり得ない話を仰る。だって、考えてもみてください…こっちはアイドルプロデュースした事のあるオイラが付いてるんですよ。ゲームでやけど。


あいつらがアイドルなんて出来るかと。それにこれは出来レースなん。どう考えてもあの子が一番になるたい。だって、可愛いは正義ですよ。ロリコン魔族とロリコン魔人の集う魔窟とお忘れですか?








という結果です。結亜ちゃんを始めとした孤児の女の子が圧倒的な人気で神5に選ばれました。このロリコンどもめである。うどん屋や食堂の手伝いをよくしてくれる幼女少女の部隊です。こっそりエントリーしておいたのさである。ロリ魔王を継ぐ者としてこれ以上相応しいメンバーが居るでしょうか?



「これでは引き継ぎとか無理なのじゃ」


「そこら辺は大丈夫なのん。神5の下の5人にやらせるのん」



元天女2人と元ゾンビちゃん店員たちがランクインしていた。次点は猫小僧である。健闘はした。だが、猫耳な魔王は設定過多だと思うから仕方ないん。


という事で、魔王アイドルグループと実務部隊の育成はチェリアたちに丸投げしておこう。うどん屋から始まった魔王国物語とか笑うわー。


まあ、精神崩壊しかけて入院したまこぴーよりは人気出るやろ。退陣要求も噴出しているし、既に政府は機能していない様子だ。とはいえ、街は変わらない。食料事情はだいぶ悪化してはいるが、魔族による農地改革が進んでいる。具体的には魔法使用による育成促進とかだ。元天使軍の魔人の中にもそういうのに長けているのも居るから農業アイドルとして頑張っている。飲酒とかで未成年に手を出したりしないかの不安はあるが。


概ね適当に生きていてもどうにかなる模様である。ゾンビには税金とか払えねぇので財源が確保出来ないオワタ国と、税金とか財源にせず自給自足な魔王軍だとどっちが長持ちしますかな話である。どっちもどっちだし、魔王軍がロリコンばかりで辛いけども。








「これで同じになった」


「ふん…既に破壊力上昇の能力を奪っているというのに、ゲガエルの能力まで得るとはな。まあ、策略を巡らせる事無く自爆してくれたから助かりはした。改変させられたからといって、これが元神徒の末路とは情けない」



とある一室にて無惨に殺された天野司の前に佇む白と黒のマント姿の2人が居た。



「それで、卜部真の能力も奪うのか?」


「あれは要らない。要るのはイリスのはず…だからこそ、またこれでお膳立て」



白マントの人物は怪しげなメガネを取り出す。



「これで、またバケモノにすればボス扱いになる」


「あまり無駄遣いするな。同じパターンではあいつも気付く」








「本当に捨てないんですわね?」


「捨てたら増えて戻ってきそうだから責任持って引き続き引き取るんなー。但し、残りたいなら別なん。これからの戦いは大変なん…両親を殺されたドラスラやまた家族を失った狐娘が襲ってくるん。あいつらは病みの属性持ってるから命危ういんなー」


「そんな事を言うて、一番危険な目に遭いたいのはお主ではないか」



チェリアが人を変態のように言うが、おまゆうである。それにしても、大所帯となりました。更にこれからも増えるのである。そう考えると、順番だの序列だの面倒な考えを思い浮かべてしまうのが何人か…


まあ、きちんと決めなければならないが今ではないのは確かである。さて、こっちの準備も終えたし…さっさと次の世界に行くため、まこぴー倒しますわ。



「そんな事より、こいつら宥めて」


「アイリスよ、前世から付き合い長いんだからお主がやらネバーエンディングストーリーなのじゃのん」


「ソールよ、わらわの口真似にしては下手すぎるのじゃ」



結局、この後メチャクチャ飯食わした。だって、シャルロッテたちの言動薄っぺらいん。今後の心変わりとかありそうやもん。見極めないといけないって事なん。一度落ちた信頼なんてもんはなかなか回復出来んのんよ、お互い。

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