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オクタグラム チェインテイルズ  作者: 紅満月
10章 新訳・都市編
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始まらない戦争、終わらない日常。但し店じまい

 という事で、真夜中です。ワイはまこぴー首相の鶴の一声で展開する事になった核弾頭配備隊の中に居ます。そこまで行くマップは解禁されたんなー。イベントフラグってやつや。一般人立ち入り禁止とかじゃなく義勇兵集めてました。人口少なくなってきてるからしゃーないんな。田舎の方ではゾンビ集落とかあるらしいし、ゾンビ1人見たら20人居ると思えが当たり前の世界なん。


というわけで、こっそりすり替えておいたのさ。花火と核弾頭をな。配備出来るほど隠し持ってたとか笑えない。これで汚い花火が綺麗な花火になってWIN-WINなんよ。ついでに食糧も失敬して期間限定メニューの食材にするんなー。



「止まれ、そこで何をしている?」



ろっと、倉庫内で缶詰を袋詰めしてたら見つかってしもたん。おや、残念娘ではありませんか。おまいも漁りにきたのけ…他人の家のケーキを食べるような奴ですからねー。


千羽水乃再びである。いつの間にやら、まこぴーゲットしたラッキーガールとなっていた。という事は卜部水乃って名前になっとんやろか。いや、別に夫婦別姓でもええと思うん。妻の苗字名乗ってもええとも思うん…拳銃を片手に威嚇しているが、そんなものがオラに効くかである。



「何をしているかだって…ご覧の通り、世間を騒がす窃盗さっ!」



ワンヴァルカンに変身して退散なん。水乃ちゃんには罪あるだろうけど、今はそんな事する余裕無いんなー。とりあえず、何故かあったヤバい缶詰でお馴染みのあれを投げつけてやったらバカな水乃ちゃんは拳銃で撃ってしもたわ。退散退散…臭いが着いたら服捨てなあかんからな。



「何これ…うわぁぁぁぁぁぁぁ…」



直接汁を浴びる事となった水乃ちゃんはゾンビ以上に臭くなってしまったであろう。シュールストレミング…それは、人類最凶の缶詰兵器なのん。もしこれが魔王軍に放たれていたらと思うと核兵器より怖い結果を招いたであろう。水乃ちゃんは犠牲になったのだ。本当にまこぴー、恐ろしい奴である。







というわけで、0泊1日の弾丸夜逃げツアー終わって帰ってきました。単なる休日を謳歌したともいう。まあ、うどん玉も2日分しか頼んでないし仕方ないんなー。ハゲガエルの毛根が他の誰かによって死滅させられた以外は順調なのよ。むしろ、それだけが悔いである…


と、うどん屋まで戻ってきたら店の周りに何かいっぱい転がってるん。魔人が暇人しとっただけやったわ…「髪は死んだ」とか言ってるん。え、ハゲガエルの頭髪大人気やん。誰もが毟りたい頭髪ランキングベスト1位なら誰が毟っても仕方ない状況だったんやなー。


とりあえず、開店準備前の店に入る。うどん温めは自分でやれるんやし、玉を器に入れて天ぷら準備して、炊飯してたらええだけなんやし、たまにはオラ抜きでやってみろと思っていたが……なぁにこれぇである。散乱するテーブルと椅子。撒き散らかされた割り箸と七味…店員の反乱、ここに極まれりですん。あかん、これ変な動画撮られてて既に拡散済みパターンや。閉店待った無しですん。


というか、何の仕込みもしていないがうどん玉だけは配達されてあるという惨事。今日は市販の麺つゆで暇人たちにタダで振る舞って、この店畳もうかと思います。解体作業ですん。ほとぼり冷めるまで高飛びでもするんなー。


誰も出勤して来なかったので、さっさとやった。暇人たちはあまり美味しくないと愚痴を言いつつも食べていたん。閉店のお知らせを書いて、店舗内を清掃した後は調理器具など撤収なん。空き店舗は有効利用してもらうんなー。とりあえず偽魔王ちゃんのところへ行って要相談なん…あ、そういえばずっとワンヴァルカンの服着たままだったんなー。一応洗濯せねば。







「やる気無いのじゃ、生きる気力も失ったのじゃ」


「ダメだこの魔王、何とかしないと」


「アイリス。同じように不貞寝しているあなたには言える台詞ではありませんわ。お母様、だから聞かない方が良いと言ったのです。前世もそうやって他人の恋話から横恋慕してロクでもない行動に至り、奪った上にロクでも無い展開で男の取り合いで世界を滅ぼし、無かった事になっても男の影を追い続けた挙句に周りを巻き込んだ大バカ魔王として恥ずかしい生き様を晒していたと言ったはずです。それでも聞きたいとせがみ続け、今回のこの体たらく。正直言わずとも万死に値します」



もっとも、その体たらくはお母様だけのものとは言い切れないのが現状ですね。死屍累々と言っても過言ではない有様が魔王城のあらゆる所で見られますし…



「なんか、酷い有様なんなー。そんなにハゲガエルの頭髪消失事件がショックとか正直引くわー。『髪は死んだ』とかそんなにハゲはお嫌いですかなん…ハゲガエルは嫌いやけどな」







魔王城はオラのステータスと同じように横になって尻掻いてる連中ばかりだったのん。平和である…ハゲガエルの頭髪消失に悲観出来る奴も居る心優しい連中の集まりである。そんなところへ核弾頭打ち込もうとしているまこぴー、滅すべしである。


で、偽魔王ちゃんなんかも暇そうにゴロゴロしていた。まあ、魔王が忙しいのは勇者倒す時だけでええと思うん。学園長してるわけでもないんだから暇そうにしてるくらいが平和なん。侵略するのは部下のクラーケン娘にでもさせときゃええんなー。



「てんちょー」



と、何処からかやってきたロリ天女の強烈なタックルを食らった。子どもって無邪気なんなー…正直、3メートル飛んだ。バフ効果侮れん。


とりあえず、うどん屋閉店しても子ども食堂だけは続けなあかんと思ってるので、そっちから話進めるんなー。



「とりあえず、うどんを用意していただけますか。お母様は空腹ですので」


「仕方ないのん。ソバも作ったるんなー…シャルロッテたちも呼んでくると良いのん」



とりあえず、少人数なら作るのは厭わないんなー。ちゃんと偽魔王ちゃん用に作ったうどん玉をボックスから出しとくん。奪ってきた鯖缶使って炊き込みご飯でも作るんなー。後は漁港で買った貝を使ったすまし汁に、立ち寄った北の田舎の畑で分けてもらった野菜で煮物作るんなー。おにぎりと交換したら沢山の野菜貰ったんよ。畑で作業していた老夫婦が「これで息子が助かる」とか言ってたんやけど、ランニングシャツ着て放浪の画家でもしよるんやろか?


まあ、物資不足とかありそうなんなー。今日の肉は地鶏の長男のチキン南蛮で我慢してもらうん。甘酢ソースにたっぷりタルタルの高カロリーなんなー。でも、蒟蒻者たちと偽魔王と四天王に加えて天女たちも沢山食べてるのん。


そういえば、この魔王城テレビ無いんなー。うどん屋のテレビ設置しておかないといかんと思うん…でも、国営テレビが金取りに来るから悩みどころなん。とりあえず、ラジオにしとくんなー。

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