新しく生きるために。単なる街づくりです
うどん屋が閉店すると同時に四天王と偽魔王ちゃん、蒟蒻者たちがやってきた。なんなん、婚約破棄の申し出なん。釣った魚にエサを与えても愛情注いでない最近の行動は分かっておるん。だが、忙しいのだ…え、そういう仕事を理由に逃げるのがいかんのんやけど仕方ないやん。ワイ以外にうどん作り覚えようとする気概のある奴おらんのんやで。
「別にうどん屋に関しては文句ありませんわ。あなたにしか作れない神の奇跡なのですし」
「うどんに奇跡求められても困るん。ただの趣味の延長なん…というか、うどん屋について文句ないん?」
蒟蒻者たちにはオラが神っぽい何かという事は伝えていたが反応は芳しくなかったん。「だから何」程度である。というか、神の奇跡とか言われても困るんなー。普通の材料で普通に作ってるだけのうどんなん。それを奇跡の味とか言われても困るん。そこそこ美味しいという評価がSNSとかの評価なん。時折来る人間さんもリピーターにはなってくれてないんなー。
「やはり、元お父様はお気づきになっていないのですね。あなたの作る料理はただ死へ向かい行くゾンビを理性のある魔物へと浄化しているのですよ。それはここに居る魔族も誰も出来なかった奇跡の御業。だからこそ、お母様もあなたを認めているのですよ」
「よ、余計な事は言わんで良いのじゃ」
いや、うどん作ってるから認めてるだけやろもん。このイリスはやっぱアホなんなー…というか、ゾンビが浄化されて魔物化とか訳分からんのん。せめて人権は確保しておくべきなん。魔物化というより魔人って扱いにしろなん。人権無視するような上が居ると団体に訴えられるんなー。
進言したら理性を取り戻したゾンビたちは魔人と呼称される事になったとかって話はどうでもええねん。本題は魔人の今後について話し合うって事らしいねん。ゾンビ魔人化計画と並行して行うので、住む土地の選定とかしたいらしい。そういうのはうどん屋店主じゃなく、この国のお偉いさんと話すべきなん…え、話通じないから構わないと。まあ、ハゲガエルだしな。
まあ、ゾンビ化して死んだとかで死亡届出されているかも怪しいところだし戸籍とかは残ってあるだろうし、居住権とかだってどうにかなるはずなん。とりあえず、城門の周りに門前町でも作ればええんなー…結局ワイがブロック魔法で作らされる事になっていたのん。蒟蒻者たちよ、そんなにオラの好感度下げて大丈夫かである。蒟蒻破棄待った無しである。え、破棄するくらいならおでん始めろと。おでんはあんまり好きじゃないから却下なん。店員がふざけたら炎上して閉店待った無しなん。
◇
エンジェルガード作戦本部…
「何故だ。キチンとゾンビどもは討伐しているというのに、どうしてこうなるのだ…」
マスコミどもの過大な数値による一方的な報道によって我が国の経済的損失が起こったが、あれこそ敵国の思惑通りではないか。いや、そんな事で揺らぐようならはま同じ目に合わせれば良いだけ。既にそれは実行済みだ。
「…それも全て魔王軍のせいでしょう。ゾンビの一部は魔王軍と合流し物流を支配しつつあるといいます。今度は主力での総攻撃でも行なってはいかがですか?」
愚かになったゲガエルにそう告げる白マントの人物が居た。
◇
開店前に門前町の整地作業していたら何か来たん。いきなり攻撃してきたから撃退したんなー。罠カード「目には目を、歯には歯を。撃っていいのは撃たれたい性癖を」を発動。やったらやり返す、3倍返しなん。おまけに性格も変わってもらうんですなー…変態3バカに安値で売ろう。で、整地作業をこいつらにやってもらうんなー。どうしてオラが整地作業までさせられにゃならんのや。
放たれた攻撃は3倍で跳ね返って攻撃してきた連中を倒したんなー。そして、四天王配下の土木部隊として活躍するように…なったんはええんやけど、客がまた増えたん。まあ、連中の中には飯係の奴らも居たからレストランとかやってもらうんなー…その為にはさっさと整地作業終わらせるんなー。
◇
「計画は順調だ。天使軍はほぼ壊滅…残っているのは四天女の3人とハゲガエルのみだ」
「…そうね。それと、この子」
「まあ、彼が都合良く居てくれた事が良いように働いたさ。やがてこの国は魔王軍の、魔族のものとなる。あのハゲガエルにはもう少し踊ってもらうとしよう」
黒と白のマントの二人組はそんな密談を行なっていた。
◇
「どーして客が減らんのん?」
門前町が出来て、それなりの飲食店も出来た。味の指導したんやし、そっちにも流れてはいるねん。ゾンビちゃん店員改め、魔人ちゃん店員の何人かを移籍させて二号店も作ったんや。なのに減らんねん。ゾン改め魔人結亜ちゃんがここの看板娘っぽくなってからむしろ増えてんねん。このロリコンどもめなんよ。ロリコン割り増し始めてもええんやないかな。
店員ちゃんが減ったので募集かけます。種族は問いません。楽しくアットホームなロリコンばかり来るお店です。といったものの人間の職業安定所は取り扱ってくれないので来るのは人外ばかりなんなー。と思ってたら2人ほど人間さんがやってきたんよ。
「18歳の速水乃奈ちゃんと16歳の富岡七音ちゃんなんなー。初めての人間さんバイトで通いだから優しく指導してやるんなー」
即採用ですん。この際、潜入員だとかまこぴーラバーズだとか四天女だとか関係ないんです。少しでもまともな生き物ならデュラハンでもアラクネでも何でもええねんなー。え、味見出来ないのと虫は飲食店ではあかんてか。それもそうなんな。
というか、魔人結亜ちゃん見て驚いてたんなー。でも、結亜ちゃんの両親はハゲガエルに娘を売り飛ばす畜生だったので既に転生しているはずなんなー。ファンクラブ怖い。
とりあえず、ビシバシ鍛えてやるん。そして、まともに皿洗い以外の業務を行えるようにしてやるん。え、調理した事無いだと…客商売舐めとんのかワレ。魔人店員ちゃんで皿洗い足りとんねん。少しはオラを楽にさせ…あ、はい。パワハラしません。
とりあえず、偽魔王ちゃんには潜入員が味盗んで大儲けしようとしてるが、調理も出来ない連中だから大丈夫だ、問題無いって連絡しておくんなー。こっちとしては全然大丈夫じゃないん。次は調理スタッフ募集するん。面接以外にも得意料理実食審査増やすんなー。
外面だけ良いエセ天女な2人が入ってきて客足がまた増えたん。もう限定300玉でええんやないかなと思うん。というか、二号店にもうどんとそば納入しないとあかんから倍になって辛いんなー。そして飽きたんなー…洋食が作りたいん。クリームシチューとかナポリタンが食いたい。
ちょっと夜逃げしようかと思います。しばらく探さないでください。製麺所の手配は済んでるので皆さんで頑張ってください…とか書いとけば良かろうもん。いつもの放蕩癖がお仕事し出しただけなんなー。