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オクタグラム チェインテイルズ  作者: 紅満月
10章 新訳・都市編
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今は亡き魔王のためのセp…否、セルフうどん

その姿は、かつてキルシュと名乗っていたアバターなチェリアの姿に似ているとか何とかアイリス談。君の姿は嫁に似ているですか…歯止めが効かなかったのが悪かったのか。マミったら嫁の姿が変わったのだよ。オラの愛しいピンクブロンドのロリババアなロリ魔王は死んだ…ナズェダ、ナズェダァァァァァァァ!!!


というキッシュの部分が絶望感に苛まれつつも、他の部分では納得していたりもする。むしろ、義理の息子としてはやっと成長したという安堵感もあったり、やなっさんは続編で成長するのはよくある事だ。むしろ、若返ったとかじゃないだけマシだとか、本当にババアになっていたら見るのも幻か…否、限界だっただろうと思うわけで。力使えばどうにでもなるんじゃね?



「聞いていた話と随分違いますわね」


「どういう事ですか、ソールさん?」


「そんなのこっちが聞きたいのん。きっとこれは悪い夢なのん…あれは何処ぞの王さんが化けた夢の世界の魔王なん。偽物なん。真実のミラーを探す旅に出るん」



そしてパイナップル頭の幽霊娘捕まえてパイナップル農園開くん。将来的にパイナップルの缶詰で大儲けしてやるんなー。



「本当に聞いていた通りの無礼な奴じゃのう…まあ、構わぬ。こちら側に来たという事は、わらわと敵対するつもりではないという事であろう。この魔王の城を拠点としてはどうじゃ?」



やっぱりお人好しなのは姿形変わっても変わらんのん。おっと、もう妻でもなければなんでもないのだったのん。このパーティのリーダーはシャルロッテなん。リーダーの言う事は絶対なん。え、オラが決めろってか。では、魔王軍の区画を借りて飲食店を開きたいと思います。ゾンビだって腹減ってるから人を襲うんだと思うの。メシさえ食えれば満足するのはよくある話なんよ。なんか、最近のゾンビは女装したりアイドル活動したりと人権あるみたいやし。



「という事で、手始めに製麺所方式のセルフうどん屋から始めたいと思うん。最初は関東風、関西風、讃岐風の三種類のつゆと上に乗せる具だけでやってくのん。麺を茹でるのは店員とセルフの二種類なん。流行ってきたら徐々に天ぷらとか増やしていくん、所謂リピーター増加に伴う解放条件なん」



と、偽魔王ちゃんに新規出店のコンペをやってみたん。だって、ブラック企業に捕らわれたままのゾンビさんも居たんですよ。メシくらい食わせてあげてもええやないかい。メシが食えないなら人肉を食べれば良いじゃないなんでビッチーノな発想はチューコーノだけでええんやで。


ちなみに、他の案は無かった。コンペに参加しようとする魔族は居なかったのである。むしろ、これはゾンビだから倒しますな発想しか持ち合わせていなかった。まあ、襲ってきたゾンビは倒しても構わないと思うが、そうでないゾンビまで倒しても残機ある限りは復活すると思うの。土管から…ゴリラ型にした金剛石を魔除けに置くべきなんなー。


偽魔王ちゃんは興味を持ってくれたので軍資金もくれた。蒟蒻者たちは冷たい視線をくれた。え、正規ルートなんて知らんのん。チェリアの姿の時点で既にバグってるん。この世界はなんか知らんものに侵略されていましたなん。妖精とかですかね…とりあえず、チョコレートうどんは無いんなー。


というか、シャルロッテたちはどこ行ったん。え、普通に部屋へ案内されていった。そんな客人みたいな扱いせんでええと思うん。はあ、アイリスは偽魔王ちゃんの娘みたいなもので四天王イリスの妹みたいなものであるので来賓クラスと一般魔族のグールさんが教えてくれた。さいですか。グールだけにお詳しい事で。







正面入り口の横に前の世界で買ってあったプレハブ小屋を設置して、その中にブロック魔法でカウンターなどを生成、調理器具も同様に行い、湖の近くに生えていた野生の小麦をアイテムボックスの中で育成してるので材料はダシと具でどうにかなるはずなん。しばらくは手持ちでやってみるん。


え、本来の攻略法としてはゾンビを倒しつつ原因を探り、天使軍を退けつつ人間との融和を図っていくって展開ですが、天使軍は旧の設定活かされて能力者ばかりなん。まこぴーも能力者なん…そして、魔王軍の方がまこぴー居ない分ハードモードなんなー。更にそれを踏み越えてうどん屋という経営戦略シミュレーションというヘルモードに勢いだけで突入したワイ。まあ、歌で戦争止めるとか言う奴よりはマシだと思うん。


とりあえず、しばらくはアルバイト抜きの1人オペレーションなん。メテオとかしないんなー。そういえばこの世界にもボロ復活装備があった気もするんなー。と思っていたら新規開店第1号客が来たん。



「へいらっしゃーい」


「うむ、許可を出してすぐにオープンとは見事なのじゃ。これで簡単に食事が出来るのは良いのぉ」



最初の客は偽魔王でした。だろうと思った。まあ、しばらくは魔族が相手になるであろうとは確信していた。最初からゾンビや人間が来たら敵対とかしとらんだろうし。



「さて、ソールよ。お主の本心を聞こうではないか。このわらわがお主程度の男の浅知恵を見抜けぬと思うてか?」


「心外なのん。オラはただ……生まれ変わった最愛の女に好きだったものを食わせてやりたかっただけなのん。そして、今世を幸せに生きていけと伝えてやりたかっただけなのん。そこに知恵とか邪な気持ちとかありはしないのん。ただただ、伝えられなかった感謝と別れを言葉以外で託したかっただけなのん」



あー、なんか目にしみてきたんな。このネギ、硫化アリル強いんよ、畑作ったらネギも客に切らせるんなー。とりあえず、偽魔王ちゃんにはオススメのきつねうどんを提供しておいた。あいつ、ダシを食べ比べたりミックスしたりと4玉くらい食べやがった。最初のお客様だから無料にするって言ったから遠慮無かったのん。


まあ、ええわ。これで閉店しても満足である。本当ならあの時対峙して言わなくてはいけない多くの事を伝えられた気分にはなったん。ただただ、ありがとうと…そして、ごめんと。どうして言えなかったのだろう。見たくなかったというワガママで、自分は見せておいて。あー、かき揚げ用の玉ねぎも目にしみるんなー。


結局、アレと同じ…否、もっと最悪な事をしておいて、記憶を戻させるなんてマネは出来んのん。だから、この気持ちはおしまいなん。さて、仕込みの続きするんなー。ちょっと、スタミナうどん用のニンニクも目にしみるんなー。







翌日から店内は大盛況である。ゾンビは居ないが多くの魔族が次々とやってきてはうどんを食べていくのだ。正直、最初はもっと細々やる予定だったので食材の仕入れ先に苦労する羽目になったん。偽魔王ちゃんが食べたうどんという事で…人望あるんやな。前のロリ魔王ちゃんには無かった気もする。いや、無かったのは金か…あれ以来、偽魔王ちゃんは来ておらぬし。まあ、オラにはもう関係ない事である。

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