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オクタグラム チェインテイルズ  作者: 紅満月
9章 新訳・学園編
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悪の姿は様々であるが灰汁のように取り除けない

ホテル暮らしの仮エッティ…いえ、オラは相変わらず寝袋生活でお楽しみはしてません。懲りた4人と単独で誘ってきてしこたま叱ったミリルとの攻防は今のところオラの防戦で成立しております。


話を戻すと、ミリルを含めた4人は星3つになりました。え、新入生まだ募集してるかって…お黙り荘は満室ですわ。誰も退去するつもり無さそうなのに…なんか、チェリアに会うまではワイがこの状態だと見越しているアイリスの策略やねん。まあ、否定はしませんが。


で、パーティとしては遠距離攻撃のチャクラム使いにして豚ムットくんから閃光をもぎ取ったミリルは元気でいられるなら元気でいられるからって具合にチャレンジしまくってます。正直、前世の豚専より強い…光輪のミリルって2つ名付きそうです。あ、ラベンダーは関係ありません。豚臭いのでラベンダーの香りの消臭剤使ってるだけです。本来豚は清潔好きなはずなんだがな…これは退室時の消臭代高くつくぞ。


でだ。そんなパーティの新体制に慣れてきたところでそろそろ本題の銀等級昇任試験である。まったくもって学園らしい事をしてるつもりはありませんが、これ学園再建物語なのではと薄々気付き出した最近。だって、ミリル領主代行があの廃墟をリフォームして学園を作るにあたりその母体基盤をギルドがするか教会がするかで揉めているとの市井の噂。正直、どっちでも腐敗エンド待った無しという状況である。


とはいえ、ロリ魔王ちゃん不在、ウィローはこんな事になった現状の上に当時の関係者はどこにいるかも生きているかも大体不明なのでブレイブ・スクール再建は不可なのです。成り行きを見守るしかありません…という事で、銀等級昇任試験の内容は「教会の不正を暴き、学園運営をギルド有利で進める」というメチャクチャ私利私欲な依頼なんですが、それは。


それに反発した逆ハーら、一部の信徒冒険者はギルドを抜けて教会主体のクランを結成したとかしないとか。そんな展開で大丈夫かである。メガネの死亡フラグ待った無しで…え、そのクランじゃないし、メガネのキャラ今のところ居ない。なら構わんけど。


とりあえず、最初の展開ではパーティ単体で強い敵を倒してその討伐部位納品だったのにどうしてこうなった…え、この辺りでもっとも強い金色ウサギを一撃で倒した奴がいるからその基準が怪しくなっただって。誰だ、その基準変更しようと言い出した奴はっ!



「ギルド長か当時の受付チーフリーダーの仕業。その辺りは調べとく」


「了解なのん。引き続き噂集め頑張るんばなのん」


「ソール…こんな事で昇任出来ますの?」



我々のやっている事は情報収集である。シャルロッテとマール、ミリルには市井やら様々な場所での情報収集、アイリスは査定官の権限を活かしてギルドの書類から情報収集。で、ワイとルーチェは世間を騒がせない怪盗さって事で教会や教会関係者の所へ侵入して情報を集めている。


情報というのは大事である。というか、それが昇任試験の決め手であるのだ。が、集まる情報は決して教会の悪い話ばかりではない。むしろ、ギルドの悪い話も領主関係の悪い話もあるのである。むしろ、対比は同一である。まあ、領主代行としては耳の痛い話であるが、前日まで未成年だったミリルよりは誕生日さえ祝わない領主の責任が15割くらいあるのではないだろうかと思う。


この結果を意図的に操作して教会のみを悪と断じるのは簡単である。が、逆ハーらの抵抗がめんどくさくなるのは確実。逆にギルドも悪いという情報も出せば混迷である。どのみち全面戦争は避けられない。そこに領主まで加わると…もうこの土地が荒廃エンド待った無しである。ここはあの違法座薬の元締めの後ろにいる黒幕に………はい、教会の司祭とギルド長とセバスチャンの3人からなる談合組織なんですよね、それはである。このワンヴァルカンがしっかり見てきたので間違いないんです。どうしよ、この展開…


誰にも言えないまま、あれこれ考えつつも飯を作らなければならないワイ。ミリルもサーモン料理で胃袋を掴まれた模様。飯で平和になるならいくらでも作りますが、サーモン料理なのにいくらは不作ですわ。今日はサーモンの炊き込みご飯にイクラ乗せて海鮮親子丼っぽくしたの作ろう。バター乗せたら更に美味そうである。それに地鶏の長男の胸肉と水菜のサラダ、野菜たっぷりのけんちん汁でええやろ。また鶏ガラスープ作らないとそろそろストック無くなりそうなんなー。


という事で、調理の間にこちらの映像でもご覧ください。









「所詮、奴は座薬の元締め。あいつが捕まったところで我々まで辿り着けぬよ」



某所にて、とある男たちが集まり会合を行なっていた。



「しかしですよ、あの聖女まで捕まるとはいやはや」


「ご安心ください。あの書類の紹介者と使用者のページ、幸いにも末尾でしたので燃やして消去しておきました。信徒など大勢居るのですから、よもやあの薬物の仲介人が教会関係者だと夢にも思わないでしょう」


「それは違いない。で、今度は学園運営か…今度儲けるのはあの男が率いる商会側だったが、居なくなったんだ。ギルドの番で良いだろう?」


「それは困りますな。教会側としては大事な収入源が途絶えたのですから、こちら側でないと」


「まあまあ…どちらになるかはこれからの協力金次第ですよ。幸いにも代行の小娘は成人した途端に男の元へ走りましたからな。前と変わらず最終決定権は私にあるという事をお忘れなきよう…」



という、セバスチャンとギルド長、教会司祭の談合映像である。









速攻魔法「●REC」の最初の映像がこのような映像なのが至極残念であるが、証拠映像は必要なので仕方ない。まあ、魂にはかつてな嫁たちのそういう映像は永久保存されているからよしとしよう。


ミリルはそれを見て「領主代行として全てを断罪するですの」と意気込んでいる。己の咎を抱えているが、そういうのは構わなす。汚い大人の事情を抱え込んだところで好意を寄せてくれる女を守らない奴なんて男じゃないだろう?


アイリス曰く、フの字はギルド長の悪巧みは知らないようだ。知っていたら廃棄処分間違いないと言われたが、さすがにそこまでバカではないだろう。アホだけど。無能だけど。


まあ、どちらに転んでも学園再建は不可なのです。むしろ、領主制をこの地で廃止するべきなのです。だって、ここまで大きな事になるのに領主夫婦は何してくれてますねんである。学園を荒廃させてる時点でもう無能なのである。その中で唯一の救いがまともでおかしな子ミリルである。


あいつ、いつの間にか映像コピーして街中で垂れ流してやがった。音声も含めてである。ミリルは光も波だから音も波なのでコピー出来たとか言ってたが、お前前世がピンクの丸い奴だったから前々からコピー能力持ってただろ?


それから少しして事態が動くのは当然の事であった…が、アタシ聞いてないである。そんな斜め上な展開を誰が予想出来ただろうか…え、当然の結果じゃないかって。ちょっとは含みもたせろなん。

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