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オクタグラム チェインテイルズ  作者: 紅満月
9章 新訳・学園編
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密告してもバレないのは稀…てか、秘密は漏洩する

さて、どうして申告していないのが分かったかと言いますと…トラップです、落とし穴です、罠カード発動です。あれ、重さに対応して発動するようにしていたんですねー。だって、大量の銅貨は置いてきたもん。みんなだってそうだろ…大量の10円はデデーンするやろ。え、誰もブロッコリーの話はしてないって…付け合わせはブロッコリーの味噌マヨ和えでええかな。


早い話が重さに対応して落とし穴の発動が連続するように条件設定してたんなー。だから、全部持って帰ろうとしたら50メートルまっしぐらなん。ついでにいくつかの銅貨に追跡魔法も仕込んであったのん。それが奴らと行動を共にしてたら分かるという仕組みですん。


え、ワイらは金貨銀貨申告してないのにとか言うなし。ちゃんとカレールーのレシピは提供したやろ。あれだけで金貨銀貨の百倍以上の価値あるわ。2割分は貰えるんやで。2割しか貰えんのんやで…もうギルド無くてええんやないかな。


たかだか数万だが、申告漏れは申告漏れ。むしろ悪意のある所得隠しですわ。追徴金待った無しである。ギルドとしても見過ごせないですな。アイリスたんも激おこである。しかもタチの悪い事に一部の金は逆ハーの拠点である教会に置いてある。これが正当な手段での寄付ならギルドも寛容であるが不正は不正。むしろ、逆ハーのリーダーであらせられるビッチーノさんは教会関係者ですし。帳簿の書き換えなんて簡単にやるだろう。


ギルドvs教会というフラグは整った。星3つ、銀等級獲得のフラグが成立したのだ。まだ道半ばだけど。






さて、皆さん覚えておいででしょうか…え、もうその言い方はええって。はいはい。星3つの課題は領主などからの指名依頼達成である。やっと豚専の人の出番です。今回は領主一族として出ます、豚専。あートンカツも食いたい。明日の昼はトンカツにしよう。朝は麻婆豆腐の残りで麻婆丼だ…残るかな?


ギルドから戻り、オイラはいつものように調理中なのだが…4人がさっきから部屋の模様替えし出して埃舞って仕方ない。魔法カードで風属性のバリアを張っているから衛生面の心配は無いがな。


改めてトンカツの話をしよう。密告によってさっさと星枠獲得したからだ。ギルドが教会を潰したいから情報に価値があり、その価値に見合う対価である。仲介業者の戦いは熾烈なのである…利権争いともいう。


冒険者の素材で成り立つギルドに対し、孤児の労働やら寄付金やらで成り立つ教会…自分の力ではなく他人任せであるのだからボロ儲けである。え、どちらもお前の関係者によるものじゃないかって……少なくとも我を崇めよとか言ってないわい。ビッチーノが聖女とか神罰下すの間違いないやろ。つまりワイは無関係ですねん。ギルドについては…どーしてああなったである。フの字以外にも残念なのばっかりな気がします。


まあ、それは後々という事でトンテキの話だ。明日早速赴く事になった領主邸である。旧市街の功績に加えて温泉施設建設の打ち上げという名目も重なった上、キングキングサーモンサーモン(仮)を納入した事でサーモン祭りに呼ばれたのだ。納入先が領主だった。豚肉食えよである。え、食の禁忌とか知らんがな。こちとらミミズまで食ったんですぞ。


まあ、どちらにしても一国の姫君と公爵令嬢が居るのだから誘うわな。ついでに依頼しておけば恩売れるとか利権絡みで星枠くれたの間違いない。アイリスもそこは黙認するらしい。早く次の世界へ行きたいなという止めどない願いなら仕方ない…え、ワイ扇子で戦わなあかんのん。変な仮面もしろと?


ついでに言っとけば逆ハーも高貴な身分であるから御招待であろう。もっとも、今頃は別会場でエキサイトしてるから変な意味でレベルアップしているのだろうが。何が高鳴っているのとか知らない方がええんです。ソール・クーヘン神は言っている、そこへ行くバカめであると。


そんなこんなで後は明日のお楽しみにしておいて、ブラックバスの蒲焼き、麻婆豆腐、ブロッコリーの味噌マヨ和えの出来上がりである。とはいえ、未だに模様替え中である。ホテルの従業員も巻き込んでである。ブロック魔法に触発されたんやろな。建築系のゲームは人気あるから仕方ないんなー。先に食ってよ。


それから1時間経ち、2時間経ち、3時間…ラップを召喚して冷めたり酸化したりしたおかずを仕舞う。ご飯はおにぎりなん。おかずじゃないんなー…未だに模様替えに精を出して食いに来ないならもう作ってやらないのん。ホテルの従業員と楽しく過ごしてろなん。オラは先に寝るん。


この後、2時間くらいして叩き起こされるとネグリジェ姿の4人が搬入されたキングベッドで誘ってきたが知った事じゃないん。寝袋のチャックを閉め直して不貞寝してやってんな。不貞なのはそちらが先ですわ、当然の対応なのん。出来立てとは行かなくても飯を食いに来ない奴らの好感度なんかだだ下がりでヘイト値溜まったのん。







翌朝、ボイコットです、ストライキです、メーデーメーデーです。もう、嫁になる2人は完全にロボットでええんやないかなと思います。で、3人で取り締まりとか人命救助とかするん…オラだけ汗だくになるんか。で、心に突き刺さらない必死の言い訳を朝からしている4人は知らんのん。


ここのホテルにはレストラン併設されてるから食いにきたん。でも、朝食バイキングって費用掛かる気も…あれ、1人だけバイキングの方が費用掛からないのが居たん。というか、さっきからすれ違うホテル従業員に昨夜はお楽しみでしたねコンチクショーみたいな顔されてるん。不貞はしてないみたいだが、冷めたご飯を食べて反省会した4人にその顔はあかんと思うん。


どうせ昼はサーモン尽くしなので、朝は軽く食べるん。麻婆豆腐も完食されておったわ…というか、ここのバイキングは和食も中華も少ないのだ。高級ホテルの割に大した事無い、従業員の質も悪いし仕方ないねである。



「ですから、ソール…昨日の事は…」


「やかましいのん。温い飯が食いたくないならここに毎日通えばええのん」


「そんな事言わずに毎日作ってください」


「お前はただ食いたいだけだろなん。屋台でも構わんと思うん」


「毎日お魚焼いて欲しいにゃ」


「毎日魚だけとか無いわー。ちゃんと野菜も肉も摂れなん。むしろ、まず魚自体が少ないんだから漁から任せる気だろなん」


「前はアレでイチコロだったのに…」


「おいコラ発案者、そもそも特別な依頼前日にナニさせようとしてくれてるのん。それでも査定官かなのん」



全てはアイリスの企みだった。前世の事を今の事と比べたらあかんぜよ。今のオイラは絶食系なん。好きになった女があんな末路を辿るなら好きにならなくてもいいじゃないモードなん。更に昨日の事で加速しとるん。


もう悲劇はこりごりでやんす。ゼラチンの煮こごりも美味しくない。ここのレストランの評価を後で調べておくべきなん。場合によっては食文化革命なん。とはいえ、もうすぐ別世界行くつもりならする必要無いし、模様替えした部屋もどうするつもりなんやろ?

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