背に腹はかえられぬ…つまり、召喚されしガードベ◯ト
ギルドを後にして、うなぎ屋を探し歩いている我々。さて、皆様お待たせしました。前回はさぞ驚かれた…え、そうでもないだって。いつもの事とか存外なん。まあ、無理もありんせん。なにせあの使い捨てパーティ『イーター・ポール』こと『ピーター・オール』捕縛を逆ハーパーティに譲ったとは。ソール・クーヘンでなかったら信じられない事でした。え、真面目にやれって…もうすこし待てなん。それでは◯ンダムファイト、レディーノーまで言わせろなん。
「さすがのワイでも、あの捕縛依頼には身の危険を感じたのん」
「ソールが身の危険とか嘘っぱちにゃ」
失敬な猫だわ。だいたい、この猫小僧が原因なのをお忘れか。金等級『イーター・ポール』を語っていた素人集団『ピーター・オール』…以下、モノマネ軍団は、ルーチェのタッチパラダイス…否、パラライズによって全員が痺れたままあの屋敷に放置されたのだ。
そしてもう1人…あの違法座薬の元締めと思われる家主である。考えてもみてください、あのような元締めが幹部級部下、その手下のような存在を都合よく隠し持っていない事があるでしょうか。曲がりそうな話をするなとか言うな。
麻痺して失敗した上に実力を詐称したパーティにいったい何の価値があるでしょうか。その価値を見出した元締めさんは4人を捕獲してある場所へ連れて行きました。そこは入れられる事に興奮を覚えている方ではなく、入れる方に興奮を覚えている特殊な男たちの集う場所…はい、私の貞操が危なかったので行きたくなかったんです。それに、入れる方に興奮覚えてるのなら男女問わなさそうな気もしたので。
そういう意味では逆ハーは適任であると思った次第でありましてと供述しました。
「なら仕方ありませんわね」
「はい。好判断だと思います」
「そんな理由なら仕方ないにゃ」
「…どうしてそうなった?」
4人は概ね賛成である。アイリスは最初の展開から大きく変化した事を気にしているが、些細な事ジャマイカ。それに、誰も助けに行こうとか言いださないし…え、受けたからには自己責任でっていう。まあ、あいつらにしてみればまさにパラダイスなのではないだろうか。どいつもこいつもに狙われるような気がするが学園ものだから仕方ないね。天国だろうね…俺には地獄にしか見えんけど。
そんなヘルモードを無事に回避出来たが、うなぎ屋が見つからず腹減るモードは限界に達した。仕方ない、屋台荒らしでもしようじゃないか。マールの食欲は譲れないし誰も邪魔出来ないんだよね。ルーチェは身体中に風を集めて巻き起こさないように…何をって、未成年者飲酒事件とか。ほら、一人称がウチだし。前は違ってた気がするん。え、とっくに星人だって…ああ、ネコミミ星人なのね。え、日本より低年齢化の上にアルコールは飲み放題なんですか。オラ、飲まないからよく分かんねぇだす。
うなぎは無かった。あなごも無かったブルァ…代わりにヘビの蒲焼きを作ろうと思ったが女子には不評だったので辞めた。ブラックバスで蒲焼きを作ろうと思っております。でも、今は温泉施設の建設中です。
手札から速攻魔法「ブロック迷宮」を発動。この魔法はブロックによって建物を構築する設計魔法である。マイ◯ラとか言うな。ただ単にブロックを積み上げて建物を作るだけの簡単なお仕事ですが、やなっさんはバイトで土建業していたので多少の知識はあります。その手のゲームもしていたのでそれなりに出来ます。豆腐建築ですが。あ、麻婆豆腐も作ろう。
という事で小一時間ほどでそれなりの温泉施設が出来ました。もっと立派な施設が良いというならプロ雇え。測量からやり直せである。そもそも、湖岸の温泉ってワイが作った奴やないかい。所有権と採掘に伴う費用とか請求してもええよね。え、違法採掘に土地の不正使用になるから黙っとけって…シャルロッテ、それは理不尽なん。自分の掘って作った温泉に金払って入るとか苦行なん。え、そこはアイリスがどうにかしてくれるって。それならええのん。
さっと行ってさっと帰ってくるのが基本です、誰かさんが釣りしたがっていたが、後日でええねん。魚食いたいだけやろ、ネコ科。オラのアイテムボックスには大量のサーモンとブラックバスがあるねん。でも、ツナは無いねん…ツナマヨ食いたい。
ギルドに戻り、依頼達成の報告を済ませる。フの字が早すぎるとのたもうたが、やったものはやったんだからさっさと確認に誰か行かせてこいである。調子に乗ってサウナも作っておいてやったがサービスだから気にすんなである。もう1回しかないのに強気な発言する性格は嫌いではないが好みでもないんだ。
「なあ、そっちの依頼が終わったんだったら手伝ってくれないか?」
ガチムチくんたちは待機中でした。銅等級だからいずれギルドへ顔を出すだろうという甘い見込みである。まあ、気持ちは分からなくもない。
「めんどうにゃ。それに手伝うメリットないにゃ」
あら、前世では恋心抱いてたのに冷たい対応の猫である。まあ、親切心出したら入れられるもんな…クワガタクワガタ。
頼み込まれても嫌だと言える我々。特にワイはテメェの汚ねぇ臀部見せられてトラウマになってるんだから嫌に決まってるじゃねぇか。同性とか異種間とか否定はしないが、それとあれとは話が別である。私の知らないところで盛ってろって話だ。
まあ、しつこいから有力情報と称して場所は教えてやった。それだけで十分だったのか、ガチムチは慌てて外へ出て行った。
「良かったんですの、教えても…」
「教えなければ手伝うと言うまで食い下がってくるだろ、あのタイプは。それに、どうにかなるだろん」
シャルロッテは心配する気持ちも分からなくはないが、ライバルパーティがその程度で壊滅するなんてありえないと思う…というフラグを立ててみた。
「そう言って毎夜のように居なくなっているのはどなたですか?」
「何言ってるのん?」
気付いた時には居なくなっているから近くにある変なオブジェを攻撃してストレス発散しているというシャルロッテと頷く食欲魔人と猫…まさかオマイら寝袋知らんのん?
懇々と寝袋について説明しました。どうやら、顔を出してなかったのが大きな原因である。え、窒息しないのかって…生き物じゃないから大丈夫なん。神化したから24時間営業ですわ…
さて、説明と同時にどんどん青ざめてくる3人…まあ、少しは反省しろである。特にマールな。後、分かってて止めなかったアイリスは説教である。今まで貯まってた好感度ガタ落ちである。え、前世ではよく殴られてたのにだと…フの字共々再教育が必要なのん。
そんな事を考えているとフの字が確認出来たとのたもうた。お手軽にシャルロッテたちが星2つになったのである。またコツコツとポイントを稼いで、星3つになる時も近づきつつある。という事でさっそくお仕事である。
「フの字さん、フの字さん…逆ハー、旧市街での稼ぎ申告してないのん」