資源の有効活用はリサイクルの基本…使い回しとか言うな
「あなただけに嫌な役割は押し付けませんわ」
「ソールさんの力になれるならやろうと思います」
「頑張ってやるにゃ」
話をしたら何故か3人がやぁってやるぜモードなん。いや、カレーといえばインド。インドといえばだいたい象なんでしょうけども…断、食うのがな状態で言われても説得力ないん。まだ黙々と食べてるアイリスの方が好感持てるわ…でも、無理して買わなくてええで。え、空にしないと昼もカレーだから嫌とな。やっぱ不味いウサギ肉はあかんか。
「そんなアピールより、作ってくれた食事を食べない方が人として終わってる」
あ、そういう作戦なのね。柴漬けとカレーは合わないと思っていたがアイリスは気にしてないようだ。まあ、日本で多少なりとも生活していたアイリスならまだしも、カレーに漬物の抵抗はあるんでしょうね。失敗失敗…一流の飯炊き係になるにはまだまだ厳しそうだ。育ってきた環境が違うからやね。うーん、頑張ってみるべや。せやかて、アイリスに触発されて不味いカレー食わんでもええよ。カレーまんにして露天に売り付けるし。だから食うなって…あ、これで昼にカレーパン以外の何か作らなきゃいけなくなった。マールはあれか、大食いフードファイターか。むしろそっちで生計立てろよ。なんだよ、なんで更にじゃなくてカレー鍋に飯入れて食おうとするんだよ。
カレーパンの夢は潰えた。麻婆カレーの夢も含めて。ただ1人の大食らいのせいで。まあ、不味いウサギ肉が処分出来たので良しとしよう。これからはウサギ肉は狩ってからの即冷凍保存にしようと思う。え、ウサギ肉に新鮮さを求めるなって。肉屋が泣いて反論してきたよ。所詮は仲卸からの小売販売店。そもそも、ギルドで冒険者から買い取ったのをそのまま小売店に売るという…しかも、下処理は一切合切冒険者任せ。そんな不衛生な処理で大丈夫か。大丈夫じゃない、胃薬だである。
というわけで、悪徳仲買人の居るギルドへやってきました。
「いえ、その件に関しましては買い取りの…え、受付チーフリーダーだったのだから受付カウンターの責任者だった責任は重いと…はい、以後気をつけます」
フの字がアイリスから警告を受けました。警告3つで再教育ですよ。まあ、買い取りカウンターの雑な買い取りと不良品横流し疑惑が出てきたらしいが、そこはアイリス査定官にお任せしましょう。あのウサギ肉、本来なら飼料用程度の品質しかなかった。これだから安物は…仕方ないじゃん、主夫としては安いの買わないと家計がもたんのだし。誰かのせいで。
アイリスの小言が終わり、本来の目的に入る。まずは旧市街の学校の怪談…もとい、階段に罠が沢山仕掛けられていたから大変だった。そんな大ががりなものは仕掛けてない。単に踊り場ごとに余った落とし穴カードばらまいてただけじゃないですか。斥候が居ないパーティだからそんな事になるんですよ。自業自得じゃん。推薦してやっただけありがたく思えです。たかだか50メートルから下まで落ちたところで回復魔法使えば問題無いだろ。ス◯ランカーでもあるまいに。
というわけで、無事にルーチェが星1つ半ですという結果になった。え、バグ仕様だから些細な事は気にするな。むしろ、そうならなかったらアイリスさんが火を吹くぞ…え、そんな機能は無い。リンドウにドラゴン転職させてもらえなかったのか。なら仕方ない、いざとなったらオラのカードのドラゴン召喚使うんなー。
さてさて、次は依頼の話題です。なんか、妥当な討伐は無かったが、それに準ずる捕縛依頼があったらしい。捕縛なので生きたままという事になるが、万が一の場合は倒してしまって構わないらしい…そんな依頼の時点で討伐よりハードル高いんですけどもね。ほら、念願の氷の剣だって奪った方が楽じゃん。人1人養うのにどれだけの費用がかかると思ってんの?
フの字が言うには、捕縛対象は4人組の銅等級。何やら、勝手にプレートを金メッキ加工して金等級を名乗り、ギルドを介さず護衛業をご営業してあらせられておるとか。どっかで聞いたような気もする。
で、ギルドとしては仲介業で稼いでいるから手数料被害が多いと…え、等級詐称にギルドの信用問題だって、嘘を仰るウナギさんである。あ、魚食べたい。サーモン以外で。
という事で、ギルドとしては等級剥奪の上シチュー引き回しにて打首獄門らしい。え、そこまではせんし、シチュー引き回してどうするのかと。炊き出しボランティアに従事すればええんでかいかい?
奴隷に落として温泉施設建設に従事させるんだとさ。金の亡者なのん…で、そのチーム名が『ピーター・オール』らしいわ。手配書も用意してくれてたわ…やっぱあいつらなん。今話題のIP詐欺なん。ピーの位置を入れ替えただけで許されると思っているのか…え、伏せ字のお前が言うなとか心外ですん。
で、その4人組がリーダーのクワガタ・コーワン、メンバーのアルサール・ルルバン、ジケン・ダイスキェ、ミーネ・フージオである。そのまんまである…え、じゃあオラはロックリバーとか名乗らないかんのやろか。なんか、自爆を強要されそうで嫌だな。了解しないぞ。
とはいえ、捕縛しないという選択肢は無い気がする。いや、正直言ってこんなパチモンと関わり合いたくないけども。どっかの司令室から捕縛のフィールド出せませんか。で、新幹線が変形したロボで倒せばええじゃない。え、そんなの勇者に頼め…誰が宇宙人の話をしましたか。勝手に目を輝かせるなですよ。シャルロッテ、勇者に憧れるのはええんやが、お前も元勇者やで。
そんな意味の無いバカな会話をしつつも依頼を受けるわけですよ。しかし、マジで乗り気では無い。それなら温泉施設の建築をすれば良いとさえ思えてきた。だってさ、その4人の居場所が分かる機能を備えてるんですよ、ワイ。フレンドリー登録とかじゃなくてよくある能力です、ケンサコです。どうしてそんな事が出来るのとかワイに質問すんな。
「ちょっと待ってくれ。その依頼、俺たちにも受けさせてくれ」
おっと、ここで救いの…ではなく笑いの神がログインしてきました。さっきから後ろの方で背景と化していたミイラ男たちです。またの名を逆ハーともいう。え、さっきから居ただって…落とし穴から落ちたとか推薦という名の嫌がらせだろとか失礼な罵声浴びてたって。知らんなぁ…背景に反応するのはモブキャラが可愛かった時だけなん。どうしてミイラに恋を求めるのか…ゾンビとどっちが許されるんだろう。どちらも死体損壊待った無しなのに。
「待ってください。この依頼はこちらに優先権があるのです。それを無視するという事は、私のお給金がだだ下がりという事になるんですよ。あなた方に私のお給金が払えますか?」
「フィリス、警告。ギルドはそんなに安月給じゃないら、いかにも低賃金しか払っていないと思われる発言はギルドの信用問題となる。後一回」
もう一回もう一回である。オラはその椅子から蹴落としたいのである。だから今回は依頼の優先権を放棄したいと思います。
「おぜうさん、こちらの依頼をあちらの5人に」
「ソール、何を勝手な事を仰ってますの。こういう場合は早い者勝ちではありませんの?」
シャルロッテの言葉は正論だ。が、論だけで展開を読み取れないのはまだまだ半人前の証である。後で説明すると言って、ワイは前回の温泉施設建設手伝いによるギルド依頼を受領した。逆ハーは何故かやぁってやるぜ菌に感染したが、こっちの3人は冷めたようだ。仕方ない仕方ない、種明かし種明かしである。場所を移してからな。