責任の取り方次第では討ち入りが起こります
シャルロッテおかんとマールおとんにジョージではなく事情説明を行った。というか、その前に謝罪会見を求められた。アイリスは横で囁いてくれなかった。
何やら、先日の露天風呂救出作戦の問題点についてらしい。待ってろよ生きてろよ絶対そこに駆けつけてやったのが問題らしい。つまり、具体的に言うとフルフロンタルなシャルロッテとマールを見たのが大丈夫じゃない問題らしい。
貴族や王族の娘が肌を晒しなのくんである。廊下で斬りつけよりも重大な事らしいです。でも、助けないという選択肢が無かったのだから仕方ない。実際、助けた事には感謝しているとの談。なら、何故謝らそうとしたし。
何なぬ…やっと囁いてくれたアイリスの話では、高貴な娘が肌を晒すという事は恥らしい。場合によっては出家して修道女コースであると。尼ぞんじゃないのね、今なら天然と養殖の選択肢があるらしいよ。
で、今回の場合は入浴中に魔法の使い過ぎによる完全なる自爆であり爆弾な岩もビックリするほどの場合に相当しかねないらしい。まあ、うん…ドジっ娘にも限度はあるよね。タイミング悪かったら完全にどざえもんだったよ、野豚くん。
つまり、責任取れっていう話に集約されるわけです。切腹か、オゥジャパニーズハラキリキリですか。それで恥が消えるなら仕方あるまい。
「アイリスよ、介錯先生を頼む」
「カンナと蓮華は今世ではまだ知り合いじゃない」
誰が鋼鉄なエンジェルと水使いの巫女を要求しましたか。私は断然UFO乗ってるロリプリンセス派ですぞな。まあ、目の前で再びマミるのは精神衛生上よろしくないですか。間違いなくそれやったら責任押し付けたシャルロッテとマールが額に三日月ハゲの刑である。それで済むはずもないが。
「別に自刃など求めていませんわ。むしろ、そんな事をされては困ります」
「責任の取り方は他にもあるじゃないですか」
2人もこうおっシャルロッテ。死亡フラグは回避されました。が、取り方を求められた…つまり、宦官でありまするか。片玉より重罪らしいです、はい。
「切除手術には適切な器具が必要なのん。旧市街のとある場所に行けばその器具があるはずなのん…朝食食べたら出発なのん」
「何を切除するつもりですの?」
「ナニを」
この後、破茶滅茶シャルロッテに怒られマスター。
説教の大声にてルーチェが目覚めたため一時中断して飯だお。食いつつルーチェの事やギルドのランク上げの依頼について話したお。それはどうでもええんだお。どうしてこうなったお?
「わたくしたちの裸を見た事、ルーチェさんを性的に弄んだ事…全ての責任を取ってもらいますわ」
性的に弄んだとは失敬な。ただ猫耳と尻尾をモフりまくっただけだというのに。その程度で気絶する方が悪いとは考えないのかえ?
まあ、そんな事を言ったら説教が伸びて中華麺を打ったり鶏チャーシューやメンマを作ったり出来んのん。見ーつけたって展開はありません。私の平和はとっくの前々前世にバスターされておりますので。見つからんかったんや婚約者。
「やったねソール、家族が増えるよ?」
「アイリスたん、それ笑えない」
嫁に来ないかではない、墓場への強制執行である。一度目の人生では逃げられたが地獄逝き。二度目の人生Aパートではハーレム築いたが借り物の体で地獄逝き。Bパートは嫁とそこそこの幸せ築けたが巻き添えで地獄逝き。三度目の人生はそもそも嫁たちが狂っていたので地獄逝き…つまり、四度目はもう結婚しなくてええんじゃないかなと悟り開いてたというのに。
だいたい責任って何ですか。日本人が大好きな自己責任論ですか。裸を見ただけで結婚させられるなら露出狂なストーカーなんてやり放題じゃないですか。猫耳と尻尾触っただけで結婚なんて猫の不衛生な多々飼い待った無しじゃないですか。
だが、拒否しているにもかかわらず同じ選択肢が出てくる。少しずつシャルロッテたちの睨みが強くなっている…青い狸でも4回いいえを選択したら諦めるというのに、しつこい連中である。というか、いつの間にやらアイリスも加わっていた。え、元嫁と再婚パターンとか無いよ。新しい人生を限りない喜びをお楽しみくださいと言ったら裏切り者扱いされて睨んできたよ。
とりあえず、この話は保留という事で決着した。だって、アイリスですらアプローチ不足じゃないですか。コンゴの活躍に乞うご期待である。だからアフリカの話はどうでもええねん。
ラーメンは後日改めてという結果(時間不足)になり、鶏ガラスープはシャルロッテの氷魔法で冷凍保存された。シャルロッテ、それアピール違う手伝いや。で、ギルドへやってきた。依頼受けてすぐ完遂してルーチェの冒険者登録というルーチンのためだ。
「では改めて、ランクアップの依頼内容を伝えますね。依頼は『湖の湖岸に突然出来た温泉を有効利用するための施設作りの手伝い』です」
「バードゥン?」
「もう7回目なんですからいい加減分かれ、このタコ」
アイリスのメモ帳が音を立てる。『私は相手の体調も考えられない無能な受付です』と首からプラカードぶら下げてるフの字の減給が確定したようだ。後、アイリスそれアピールやない、単なる業務や。
猫小僧の事を聞いたら、「何ですかそれ、新しい施設のマスコットか何かですか?」と言われた。カレイドキャットにゃと猫耳娘が言ったが、枯れ井戸に興味はありません状態だった。ルーチェ涙目である。俺も鳴きたい、ガォーン。それにルーチェ、アピールやなくてただの自白やで。
ギルドの情報収集力の無さを嘆くべきか、猫小僧の知名度の低さを嘆くべきか、あるいはライバルの逆ハーのランクアップ条件未到達に伴う歴史の変更か、ルーチェの売名行為が足りてないのに急激なサーモン乱獲に伴う急激なランクアップ条件達成に伴い先走ったワイの短絡さを嘆くべきか…全てはフの字がオラを勝手に金等級にした弊害ですねん。
もう諦めた。とりあえずルーチェをギルドに登録して、改めて依頼内容の確認である。湖岸に突然出来た温泉の有効利用とかギルドが勝手にしてええもんなんでしょうか…え、あの辺は領主管轄の土地だから領主に許可貰って使用料払えばどうにでもなるって。さすがは貴族娘のマールなん。え、それアピールじゃなくて知識のひけらかしだがね。そんなので結婚すると思うてか。
というか、ルーチェは無星である。それなのに星2つの依頼達成したところでまたやらなければならないではありませんか。この依頼はキャンセルである…というか、まだ受けてない。そもそもワイは土木建築業じゃないし、ワイ以外は非力かどうかはさておいて可憐な少女たちである。そんな相手の事情すら考慮しないフの字にもう受付は無理なんじゃないかな。人事異動を行うべきである。後、アイリスよ…アピール扱いにしてやるからルーチェを特例で星1つと星枠に出来ないか。出来ないだと…査定官なんて辞めてしまえ。
シャーない、ウィローの財宝発掘あるある探検隊でもして功績稼ぎますか。え、なんか捏造しそうな展開だってか…自分の金を自分のために使って何が悪いか。むしろ他人に奪われるなぞ業腹である。既に奪われていたら地の果ての果てまで行ってキューっと締めてやる。え、それも捏造しそうだから止めろと。矛盾してないですか、それ…え、矛と盾の話も同様だと。ヤラセェ内容で済まんな。