なんと、猫が立ち上がり仲間になりたくなさそうにこちらを睨んでいる
孤高の戦士ワンヴァルカン…単なるノリである。別にレッド転勤とか無いです。モチーフはオオカミで構わんです。頭にバルカン付いてないので外付けをいつか作ります。皆が青く眠っている頃にでも。
さて、本来ならば金品をばら撒く姿を見届けた後に弱みを握って一貫献上するつもりだったのだが予定が大幅に異なっている。弟分の治療費稼ぎとかの設定残ってますかねぇ…
「悪の道に堕ちし少女よ、君にも事情があるのだろう。しかし、警察やギルドに頼らなくともこの私、ワンヴァルカンに掛かれば君の悩みなど赤子が茶を沸かすようなもの。さあ、弟君の病気を治してあげようじゃないかっ!」
「お前、頭おかしいにゃ。後、弟なんて居ないにゃ…それと赤子が茶を沸かしたら事件にゃ」
こいつは、待ちに待ったツッコミ役…ではなく、設定が改竄されているではないか。当初のストーリーでは猫小僧と対峙し撃退後、身の上話を聞いて弟を回復させてギルドへ出頭した後で保護観察という名目でパーティへ入る流れなのに頓挫した。ナズェチガッテルンディス?
ナイフを手にシャーってなってる猫のなだめ方をググりたい。え、普通の猫はナイフ持ってないって…仮にナイフ取り上げても近付けばタッチされて痺れる憧れるし、風と雷の魔法もある。膠着すれば朝飯を待つ3人に袋叩き間違いない。
ここはあれな、再びカードの出番です。こい、俺の運命のカード、ドロー。俺は手札から速攻魔法「植物育成」を発動。この魔法の効果により、そこら辺の土からマタタビが生えて実を成す。それを与えれば猫まっしぐらです、興奮して襲い掛かってきます。ダメじゃん。
こうなったら蓮華を懐柔したモフモフマスターの称号を発揮せざるを得ないではありませんか。え、セクハラ違うよ強制わいせつだよ。念の為捕縛用の縄はあるから暴れたら縛る。シーフ系は縄抜けとか覚えてそうだからきつく縛ってやる。
格闘する事、体感で2時間ほど。一応勝利条件は満たしたが疲れた。首トンとか腹パンしてマミったりジムったりしたら嫌ですからね。手加減しても事故は起こりますから、時折。とりあえず、ホテルへ連れて帰りましょう。ルーチェの家知らんし。なんか、捨て猫を拾って帰る子どもの気分です。シャルロッテおかんに捨ててこいと言われる気もする。
とか考えている間にホテルへ戻ってきた。フロント係に不審がられたけど気にしてはいけない。単なる連れ込みである。そういうのをやるのが宿だろう?
部屋に戻り、気絶しているルーチェの縄を解いてソファーに寝かせる。君の縄第一幕終了である…絶対そういうタイトルのいかがわしい映像あるよな。まあいい、前々前世の世界の出来事だ。
今日の朝飯は何にしよう。シャルロッテとマールは温泉での後遺症もあるし、ルーチェは絶対猫舌だろう(決め付け)だから粥いうまにしよう。え、ルーチェには単なる嫌がらせであるが何か?
米はある。というか異世界ものだとだいたいがパン食で、米を発見するという話があるのだが、三大穀物の栽培が限られた地域のみとかってどうなのとも思う。それにトウモロコシの存在の薄さ。とある教祖の営業しているバーガーチェーンも野菜を食べようって堂々とアピールしてるじゃないですか。え、トウモロコシって野菜なん?
さあ、お手軽クッキングです。本日はこちら、鶏とサーモンの中華風お粥です。材料は米、地鶏の長男、サーモンなどとなっております。お米を地鶏の長男の鶏ガラスープで煮ていきます。その為にはまず鶏ガラを鍋に入れてじっくりコトコト煮込んでいきます。時間がないので煮込んだものがこちら……え、アシスタントがボイコットしたって。そもそもじっくり煮込んでる時点でお手軽じゃないだって。文句言うなし。
日の出る頃にはだいたい出来た。後は山菜の煮浸しと半熟ゆで卵にフルーツのヨーグルトソース添えでもしておこう。統一感無いのは仕方ない…ほぼほぼ冷蔵庫の中は空っぽよ、買い出しに行かないといけないじゃないという展開である。昼は鶏ガラスープでラーメン作ろう。
そんな事を考えているとアイリスが起きてきた。
「………魔女の薬品作り?」
変な格好で鍋かき混ぜているからと指摘されましたん。そこはせめて空鍋と言って欲しかった。とりあえず、昨夜の武勇伝をアイリスに語った…アイリスだけだよ、きちんと話を聞いてくれるのは。
「ソールはどうしてルーチェを仲間にしたいの?」
当然の疑問をアイリスがぶつけてきた。アイリスは知っている、ぼーっと生きてないから。シャルロッテはウィローの嫁だったし、キッシュはマールの原型であるイフォルマくんの女体化を狙っていたので仲間にするのは当然。無論、アイリスは言うまでもない。
ならば、ただの猫耳ガキであったルーチェを仲間に引き入れるのは何故か。エゴだよそれはという話である。決してエコではない。エコと書いてDと読ませる胸の印でもない。まあ、ルーチェもエコボデーだけど。
だって、ウィローの時とある同僚にルーチェが初物だっただの締まりがいいだの散々自慢させられて学園長業に支障が出るくらいだったのですよ。さすがにシャルロッテを一晩貸せと言われた時は殴った。一度や二度と言わずタコ殴りにした。殴って何故悪いかである。で、思ったわけですよ。こんな事なら猫耳に興味があると言ってルーチェも引き取っておけば良かったと。同情したから脱出用に金を渡したが手遅れだった。落ちるところまで堕ちてた。
「勇者にさえならなければ普通の猫耳ガキとして生きていけたかもしれないのだと思うと不憫でな…とかいっぱいあってな」
「ルドルフ」
「そういう事なのん。まあ、ビッチーノさんに惨殺エンドされるくらいなら仲間にして更生させてふるふるふるむーんな人生てか猫生をまっとうさせれば良いかと。いずれ俺は別の世界に旅立つのだから抜けた穴を埋める為にも有能な人材を確保しておくのは間違いではないしょ」
明日ワイは旅に出るほど切羽詰まってないにしろ、イベントは既に折り返し地点を過ぎているのである。セカンドステージは近い…この世界でやり残しも多いが、それは本の世界から出てからの話。鰤男とかは後々である、多分。
「ソール…きっとその心配は不要。ソールはどうあがいても抜けられない」
「心配せずとも死に終わりなんてせんです。一応神の力を取り込んだワイに不可能な事はあんまりないです。さすがに全知全能とまではいかず全治前納くらいなもんですが」
即死回復魔法くらいは出来ます。速攻魔法「死者の使者は四捨で寺社スルー」です…事前死者蘇生魔法とかいうらしいです。リレヰズとかと同じらしいです。
まあ、そんな事はどうでもええのん。前の世界と同様にノンプレイヤーな人たちの越境機能とか未設定ですん。神の力だって分割出来るかどうか分からない。つまり、アイリスすら現地嫁が精一杯である。現状では。
とりあえず、コンゴの事は皆が起きてから話そう。アフリカのどの辺にあるとか、どれくらいの大きさだとか…え、そういう話ではないと。
そんな事をしているとシャルロッテとマールが起きてきた。ソファーの上を見て睨んできた。あ、やっぱりシャルロッテおかんとマールおとんに捨ててきなさいフラグがたったようでありますじゃ。丁寧に段ボールの中に入れておけば良かったのだろうか。あ、段ボールの回収忘れたわ。