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オクタグラム チェインテイルズ  作者: 紅満月
9章 新訳・学園編
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テンプレはスキップ可能でもしない、したくない

ここでギルドの冒険者について紹介しておこう。登録したら銅のプレートを渡される。ランクが上がる毎に星が刻まれ、3つ星になったら次は銀のプレートに。で、銀なら2つで玩具の缶詰めと…え、交換してくれない。それは残念。


で、金のプレートに星1つで最高ランクなんだそうな。そんなのよりカレープレートが欲しい。こんな派手派手しいプレートを首からぶら下げるとか嫌ですん。せめてシルバー巻こうぜ、いぶし銀の。



「で、金等級になったというのに貴方はいつまでわたくしたちと行動を共にしますの?」



銅等級星1つですのシャルロッテさんが冷たい視線で見つめてくる。オラ、一宿一飯の恩は忘れないタイプなんだす。地獄の果てまでご一緒さぁ。


というわけで3人が暮らすホテルのスウィートルームに押し掛けて山菜料理を作っていますぜ。肉は諦めた。また今度金色ウサギ狩ってくる。



「でも、無星からいきなり最上級に引き上げなんて極端ですよね。まるで早く追い出したかったみたいな…」


「受付嬢としての査定に響くから優遇しただけ。でも、マイナス査定には変わらない」



マールとアイリスはギルドへの不満とか考察中です。ギルドなんてそんなもんさぁ。仲介手数料で儲けてるブラック派遣企業に法的な正義なんてあるわけねぇ。


どちらにしても、この章はまだ始まったばかりなのだ。金だろうが鉄だろうがニッケル化合物だろうが関係ない。パーティと共に精進して学園生活を送り、卒業するのが目的なのである。攻略なんて二の次、強いて言えば楽しく生きてみたい。それだけである。


そんな話をしつつ料理を続ける。「な、なら仕方ありませんわね」とか「一緒に頑張りましょう」とか「青春大事」とかって言葉が聞こえてくる。認められたって事でええんやね?






さて、昨夜はお楽しみでしたねという朝である。いや、別に手を出したとかではなく山菜料理で楽しく夕飯しましたという話である。そして、成り行きでソファーで寝る事となったワイ。椅子に座って寝るよかマシです。宿無しで馬小屋で寝るよか遥かにマシです。


元嫁たち3人は暖かい布団で眠っております。襲ったりはしませんよ。シャルロッテは相変わらず寝相が悪うござんす。ヘソ出し腹出しマーメイドです、異性が居るのにキャミソールで寝ちゃう残念娘です。


マールは上品な寝姿、アイリスはいつも通りである。いや、上品な寝姿って何よ?


とりあえず、冷蔵庫の中にあるものは使って構わないと昨日お墨付きを得たので朝食でも作るべや。ルームサービスや朝食バイキングがあるらしいが、日本人なら味噌汁とご飯は欠かせんばい。え、味噌無いやん、オワタ。




結局、オムレツやらトーストやらフレンチな料理を作る羽目になったワイ。誰がハレンチシェフやねん。



「…今日はギルドで模擬実戦に参加しますわ」



キャミソールで寝ていたのに平手打ちをしてくる理不尽なプリンセスはオラの防御力で手を痛めたので治療してやったが未だに怒っている。理不尽だよ、どざえもーん。


マールやアイリスが言うにはパーティでの戦闘を目的とした講習らしく、仮想敵である別パーティとの戦闘訓練であるそうな。別に殺してしまっても構わんのだ…え、いかん。やっぱり?


ちなみにイベント戦闘なので勝っても負けても構わないんですけどね。むしろ、勝てないようになっているのが通例です。


だって、考えてもみてください。量が多い逆ハーパーティと質の高い精鋭パーティ、どちらが勝つかなんて予想出来ないでしょう。僕太です。足引っ張るのは僕太です。


だから、今のうちに戦略叩き込まれました。前衛シャルロッテ、後衛マールとアイリス、遊撃吶喊隊ワイ。とりあえず一番邪魔な回復役を倒せば自由にしていいらしいですたい。倒すなんてとんでもない。逆ハーの弱点を人質に降伏を促せば終わる話じゃないですかー…え、そんなうろたんな事するなって、卑怯は私の得意分野ですぞ?


というか、か弱い女の子たちに野郎どもが襲い掛かるってシチュエーションがないわー。模擬でもないわー…もぐか?





そんな事を考えつつ飯を終わらせてギルドへ……またあの受付嬢に会うとかめんどくさい。と思ったら受付スルーで、そのまま訓練場の方へ歩く面々。ああ、手続きとかは済んでますのね。



「やっと来たか、『氷藍の銀剣』よ」



見ず知らずのおっさんが変な単語を口走った…ああ、教官なのね、厨二満載のパーティネームなのね、シャルロッテ命名なのねそうなのねと妖怪に責任押し付けておこう。マールから教えてもらっただけだけだともいう。


既に対戦相手という生贄は準備されているので教官おっさんの話を右から左へと聞き流しつつ改めて確認していく。


パーティ名『聖八字架騎士団』…八字架ってなんぞや。え、主神キッシュが噛み切られた歯、直→はじか→はちじか→八字架ってこじつけだって。アイリス、それは無理があると思うん。って事は何かい、タイランマッキーの入れ歯を祭ってたりネックレスにしとんのかい。そんなの絶対おかしいよ。え、やってない…それなら構わないんだべ。主審のジャッジですが誤審なのは分かってるけども。


で、向こうのパーティメンバーというかませ犬をざっと見ておこうか。見たくもないけども。書類もおっさん教官殿が用意してくれているみたいだし。資源の無駄遣い乙。


パーティリーダー、リリアン・ビッチーノ・チューコーノ…え、これリリアン・ビリタリカ・シュクレーノって読むん。さいですか。回復役の乙女ゲーヒロイン気取りの腹黒性女って事でええんやな。あ、そこはあってるのね。


次はパーティメンバー、山◻︎た…え、書類が逆さま。あ、マジだ。何々、ヴァン・カタタマキン・イーディーッス…え、ヴァン・カサブランカ・インバースだって。何そのドラまたみたいな苗字…あいつの股はポークピッツだったとウィローの記憶が言ってるのに。嫌な事思い出させるなっちゅうの。


次に、エグニス・リョートー・ガッチムチ…エグニス・リヨルト・ガルムドって読むんかい。異国語分かんないどす。後、オラそっち方面疎いからよく分かんねぇっす。


お次は、ムルド・クソガッキ・セメテーラ…ムルド・カルダット・セムンドラですね、アイリスさん語学堪能ですわね。え、読めてるだろうと…いやいや、私の語彙力の無さ舐めてもらっちゃこまっちんぐ。


最後は、トルス・ウケテーノ・カケテーノ…トルス・アルストロ・ボルケーノって読むん。私には読めませんので後で辞書を買うお金ください。買ったらとりあえず不可能のところに続編になると生首でも修正入って蘇るって注意書きしておきますので。え、聞いてない。アイリスさん冷たい…


というか、さっきおかしなやりとりあったよね?


後、苦笑いのマールはともかく、向こうの連中と一緒になって睨むのは止めろってシャルロッテ。え、性女はさておき、他の面々も猿国々の偉い奴らだから敬った方がいいっておっさん教官殿が注意してきたん。バナナでも与えればいいんですかね。


不敬罪とかで責められるんなら、こちとら主神キッシュの生まれ変わりですぞと…言いふらすつもりは皆無だが、同じ冒険者同士の諍いに血やら権力やら持ち出すのなら、こちらにも考えはありんす。


さあ、もぎ試合を始めようか。え、仕合じゃなくて一方的なもぎたてフレッシュに愛は無いって…哀・戦死ならあるかもよ?

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