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オクタグラム チェインテイルズ  作者: 紅満月
9章 新訳・学園編
123/371

ゼロからイチヘ至る過程

再編した世界は勿論のこと元の世界を参考にしたものである。


つまり、始まりはいつも同じ場所から…ぶっちゃけ、焼き直しである。


新訳・八芒星物語集

第一章 『勇気と魔法のレゾナンス』


冒険者の駆け出しとしてプレイヤーはとあるパーティに加わり一人前を目指していくチュートリアルを兼ねた導入的物語である。


冒険者になったと同時に養成学校へ入っての実地と座学をして、ランク上げを行う安全仕様というあまりにもごく平凡な展開である。が、だいたい学園ものになった時点でごく平凡な学園生活なんてものは無いのが常である。


だからこそ、学園生活を……したいだけです、はい。


あの時以降…否、あやつと関わってからまともな学校生活なぞしてこなかったワイには青春が足りてないのですよ。


まあ、とりあえずアオハルしましょ、そうしましょ。





◻︎◆◻︎◆◻︎◆◻︎◆◻︎◆◻︎◆◻︎◆◻︎◆◻︎◆◻︎◆◻︎◆◻︎◆◻︎


目覚めると、そこは見ず知らずの建物の中…所謂「見知らぬ天丼」である。だから俺はカツ丼がいいんだってばよ。


簡素なベッドに寝かされていた俺。そう、ここは冒険者ギルドの一室である。


物語の導入部はプレイヤーが倒れていたのをギルド職員が保護して運び込み、その流れでギルドに加盟し新人パーティの1つに加わりギルドの運営する学園に入学して一人前になるため頑張るんばするのである。


正直、めんどくさい。魔王を倒すとかって目的も無く単に一人前になるためだけの話である。今更感ぱないのぉ……とはいえ、そうせざるを得ない理由の一端はリセマラである。


記憶を失ったあいつらを本から解き放て、あの子は早く人間になりたいんだぞである。なんか妖怪っぽいのも多いけども。


取捨選択をする必要があるのだから、最初のパーティは重要である。さて、ここで問題……いきなり仲間になって大丈夫だ、問題ない連中は嫁の中で誰でしょう。現地嫁も含む…である。


魔王とか竜スラとか狐耳とかロボ娘とか無理だろと。


ならば、必然的に最初のあのメンバーになるというわけだ。



炎剣の勇者である青年、ヴァン

風斧の勇者である青年、エグニス

雷槍の勇者である少年、ムルド

地拳の勇者である少年、トルス

閃光の勇者である青年、フィルムット

氷剣の勇者である少女、シャルロッテ

風雷の勇者である少女、ルーチェ

聖命の勇者である少女、リリアン

無限の勇者である少女、アイリス

更に、水弓の天才少女、マール


ええ、仕方ないじゃないですか。再利用は計画的にです。但し、勇者の肩書きやら国へのしがらみはなるべく消しました。それに、要らないのも居るから配置換えとかします。具体的にはビッチは要らん。


さあ、始めましょうか。さっきからギルド職員が声を掛けたそうに待っているわけですし。



「目覚めました。はい、目覚めたとも。目を覚ませ僕らの世界が何者かにイカちゃんされてるぞい」


「そ、そうですか。さっきからぶつぶつと独り言を呟いていたので気が触れているのかと思いました」



失礼極まりないギルド職員の受付嬢だほい。モブキャラのくせに創造主たる吾輩に猫を被らないとは…これだから受付嬢は。



「ここはギルドで、俺はギルドで冒険者登録をして一人前のギルドマスターになりたいな、ならなくちゃ、絶対なってやる。だからさっさと仲間を紹介しろ」


「……仲間よりお医者さんを紹介した方が良いんじゃないですか?」



医者紹介されたって治せない病はあるだろうに。転生したら村人だったけども実は糖質でしたなんて診断されても今更ですし。



「失敬な。こちとら保険証も持ち合わせていない貧乏人ぞ。十割負担して診てもらうくらいなら野垂れ死にの方がマシだわい」


「…分かりたくありませんが分かりました。ギルド登録してお金を稼いで早くお医者さんに診てもらってください」



憐れみの令でも出ているかの如き目で見られた。誰が生類やねん。こちとら何度も死んでますわ。死にすぎて生きているかどうかもあやふやですねん。





早速受付嬢に案内されて受付で名前やら何やら記入させられました。同時に同意書やら何やらの必読させられましたよ。ああいうのって要点だけ簡単にしてくれればええのに。後、手元に残らない同意書に意味はあるのかと。



「ソール・クーヘンさん…男性、18歳(推定)ですか。まあ、年齢詐称はよくある話ですから構いませんが使用武器が杖で魔法が使えないとなると少々問題がありますね」


「魔法が使えるライダーの方が好きならクリスタルに禿げてしまえばいいんだ」



杖が魔法ありきの増幅器だとか思ってるファンタジー脳はこれだから困る。最強(笑)くらいなら許容範囲内なんですがね。ムッキーって怒ってええよね?


だいたい、魔法なんて手から和菓子出すくらいでちょうどええねん。


で、とりあえずステータスの確認をしましょうと定番の水晶を推奨されました。どうして水晶なんですかね、こういうの。そもそも水晶の価値を知らんのかと。手をかざせるレベルの大きさなら数百万円の価値あっても不思議じゃないのにそれを粉砕する主人公とか頭おかしいんじゃないのかと。


なので、手加減してやったのだ。



「……残念ですがソールさん、あなたの能力値は村人並みです。到底冒険者稼業には不向きなので今すぐ転職をお勧め致します」


「ダーマらっしゃい。オラは冒険者になるんやねん。有名どころから能力譲渡されて冒険王にオラはなれるはずなん」


「そんな都合のいい話はありませんよ。あなたの能力はせいぜい村の紹介をする入口の人レベルです。魔物や山賊が襲撃してきた際、真っ先にやられる程度です」



失礼な。そんなオラが村のアピールをする村人がゲーム以外で居てたまるか。せめてダーツで第一村人になるくらいの運は持たせろ。



「それでも、守りたい世界があるねん。オイラは滅びぬ、何度でも蘇るん」


「死ぬのは勝手ですが、ギルドに迷惑かけて死なないように依頼以外のところで死んでくださいね。後、かなり心配なので何処かのパーティを斡旋させていただきます。少々選定に時間をいただけますか?」


「よかろうもん。一番良いパーティを頼むん」



結果オーライなん。というか、どうあがいてもストーリー外の結果にはならないのが自由度の少ないゲームの欠点なん。いいえを選択し続けたら終わるくらいの遊び心が無いと面白くないのだよ。毒電波とかな。


というか、2回目からはスキップ機能を備えないかんかったな。


そして、数刻後2つのパーティが選定された。数刻とか長いっちゅうねん。



「では、こちらの2つのどちらかに所属していただきます。どちらとも渋々納得していただいておりますので所属せずに転職してサンドイッチマンとかになる方が良いかと思います」


「歩く広告塔になるよりゆるキャラの方がマシですん。というか、他に良いパーティが無かったと割り切って言ってくれた方がええんやで。どのみち2つしか選択肢ないの知ってるし、実質1つしか選択の余地ないの知ってるんやで」



ここで提示された2つのパーティのご紹介です。


1つ目はオタサーの姫リリアンとそれに群がる片玉ら男4人の変態パーティ。


もう一つが嫁たち3人のパーティ。


もうどっち選ぶのかなんて分かりきっていますよね。ちなみにフィルムットとルーチェは後々出てきます。乞うご期待しなくてええんです。


俺の中のウィローの記憶も言っている。前者は絶対ありえないと。そりゃあ、他の四天王が凄いアッーな扱いしている上に逆ハーレムですからね。ろくな展開にはならんわ。



「ハーレム作ろうとか考えている時点で死亡フラグなんですけど、せいぜい荷物持ちが良いところですね。まあ、仕方ありません。紹介しますのでこちらの部屋へどうぞ」



荷物持ちがお荷物になったら根本的にあかんと思うんよ、私。まあ、再会の初対面といきますか。

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