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国境を越えると、そこは倉庫…え、その密林違うって?

王国からわざわざ大国に移動したのもつかの間。ポンコツ勇者に加えて女体化貴族と獣化双子勇者を仲間に加えた…もとい、その付き人となっている住所不定無職のニートな村人である俺は馬車で野を越え山越え谷越えて、一路ある国へ向かっていた。


はい、車酔いならぬ馬車酔いしております。昔から乗り物には弱いの…



「もうダメかもしれない。俺の屍を越えていけなん」


「それ17回目だから。そろそろアンタは覚悟決めなさいよ。どうせあの子たちはアンタの言う事なら何でも聞くんだろうし」



もう戦力に組み込む話してる…アレアは過酷なん。いや、何の話かって。ほら、勇者がダメならって話ですよ。勇者が使えないのは間違いないのであるなら、勇者の近親者を使えばいいのっくって事で。あ、ブタじゃないよ。オークと異種間コミュニケーションするつもりねーです。殲滅したいって方向に持ってきますし。


ほら、魔王な勇者に対抗する唯一の勇者がいるじゃないですか。なんか、ハゲのパワー貰ったとかで複雑な心境なんですがね。それはさておき……覚えていますか、目と目が合った時を。あ、対人恐怖症だから目なんて合わせる事出来なかったわ、ワイ。


アイリスの出自はどんなものか…はい。対明太子用ヒューマノ…違います。チェリアの遺伝子を持つクローンとかです。つまり、シスターズです…イリス計画という名の。さすがに2万もは居ないらしいが、アイリスの姉妹としてそれなりの数が居る。具体的にはアイウエオ順でパ行まで。「ン」は除かれる模様。


だが、それをゲーム通りチェリアが存在を許したのが不可解と思いきや、現代のイリス計画を提案したのはアイリスだったりする…姉妹の再誕という形で。気持ちは分かる。居ないものを再び歴史なぞって居るようにする…つまり、俺とは逆パターンです。


というか、それをやり遂げるアイリスが怖い…病んどる気がする。ハゲのパワーが原因だと思う。え、病ましたのは俺のせいだって………そんなバナナ。



「分かってますの。名目は勇者とその関係者による他国への視察ですのよ……それを馬車酔いなんかする付き人のせいで予定が狂ったなんて事態になったら怪しまれますわ」


「だから、オラは熊の着ぐるみ着て熊車になると言うたん。なのに否定と却下したのはお前たちじゃねぇだすか…この外道勇者どもがっ!」


「お兄ちゃん。勇者がそんなのに乗ってたら怪しまれるよ………」



指名手配王女連れてる時点で怪しさ百倍通り越して兵隊のみなさん呼ばれると思うん。退魔の剣よりフック飛ばせる武器が欲しいとです。いや、それよりもスコップと虫取り網か……あ、炎と氷出せるなら無敵になったりブロック出したりする機能を杖に仕込まねばならんのん。忙しいのー。


それに、勇者だからって顔パスは無理だと思うん。え、勇者とは他人の家のタンスとか漁る者だから大丈夫だってか……だから私は村人でええと思うんだ。前科持ちの勇者とか腐ってると思うん。しかも窃盗とかみみっちい……


というか、前科持ちの勇者とかならまだええと思うん。アイリスがイリス計画に噛んでるって時点で何かしらやらかしとるはずなん……黒幕的な事をしとるやろと。


アレカレがメイドとして潜入してら事からも少なからずやらかしとるのは確定。神扱いされてますし、近親濃くが深刻な神国で…それは間違いなく嫁の仕業ですわな、まあ。


ならばです。これすらも手のひらの上の出来事であるという気がする。最終的に俺がどうなればハッピーエンド迎えられるのかという話です……


よくあるパターン、この手の話はハーレムエンドなわけですよ。それはそれで構わないと思うんです。でも、それで一生を終えるまで幸せに暮らせるかは別問題。嫁は勇者で婿は村人…まあ、アイドルと一般人の結婚ってレベルでしょうな。そう、嫉妬の対象である…誹謗中傷は耐性あるけど、物理的な攻撃は低レベルの俺には現時点ではきつい。


しかも、アイリスの姉妹がほぼ会えるアイドル級の数居たりすると………もう一度転生してやり直したいです。そんで、次はプロデューサーさんになって推しのアイドル育てるんや。


そんな事を考えながら過ごす事数日。いよいよ、ご対面の時……あれ、なにやら肝心な事を忘れているような。いやいや、誰がアクセロリータやねん。別に最後のパ行がロリ体型なのかって期待してるわけじゃないんだからねっ!


じゃなくて、そんなに勢揃いしてるならリーダーアイリス居るんじゃね?







連邦のとある施設。ここに3人の勇者が居た。



「……国境付近にて勇者独特の魔導力場を感知。照合の結果、バカ獅子の勇者とアホ狼の勇者と合致。更にエスカリボルケインの波動も感知」



モニターの前に座っていた機械人の勇者ことカンナが残りの2人に向かいそう告げた。



「あの2人があの杖を探し当てるなんてありえない。従って、パパも同行していると考えるべき」


「おぉ……やっと転生してきてくれたんすね。これで勝つる」



その2人…アイリスと葵。死闘を繰り広げてた仲ではあるが、今の葵は何処ぞの概念化しそうな程の世界線を束ねた存在みたいなもんなのだからと割り切られ、それなりに受け入れられていた。ぶっちゃけ、諦めたともいう。



「その判断は否定します。既に6度同様の展開がありましたが、どれも転生ですらなかった偽者でした。残滓を回収した例もありますが、それがあるという事は残り全てが纏まって転がり込んでくる事など皆無に等しいと判断します」


「カンナンの言動は小難しい。そして詰まらんのん……とりあえず、白い悪魔部隊を出迎えに向かわせるのん。誰なん、連邦の本拠地を密林の地下に作ったのは」


「お前だ」



アイリスの冷めたツッコミはさておくとして、かつて書物の中に存在した連邦は一応あるにはあるが、あくまでもそれはそこに住み着いた人々がいるというだけであり、この世界本来の連邦の姿ではない。


ただ、少女が失った姉妹を甦らせる為と、バカな勇者のノリとそれを間に受けた機械少女で作り上げられた地下の秘密基地こそが連邦の姿……ジャブ◯ーとか言わない。


そして、白い悪魔部隊と呼ばれる……いや、アイリスの妹分である数人が出迎えに基地から飛び出していった。いや、鰻顔した量産型じゃないですから。







行けども行けども密林ばかり……連邦って定義はなんだっけと思いつつ口からゲロビを毎日放っております。誰が滅殺とか口にしとるんやろ。あ、あれは連合やったわ。


もうお屋敷を出てから半月は超えたが、未だにアイリスたちからのアプローチ無し。というか、勇者どもは俺が現れなかったら時間を巻き戻せばいいじゃないって考えの元で行動しているから、ろくな連絡手段持ち合わせていないらしい。それでええのか救世主ども。



「本当にこんな所で味方になってくださる方々が居ますの………」



没落王女の呟きはもっともだ。というより、王国奪還しても無人機に殲滅されるんじゃないかな……で、クイーン扱いになって、オイラは自爆するオチやろか。あ、もう自爆した後だったわ。かなり痛かったし死ぬかと思った。というか死んだ。


そんな事を考えつつ今夜も野営の準備をする。え、飯を作ってくれる侍女とか同行してるんだろって……どうにもこうにも出来ない侍女のフリした勇者という遊者なら2人ほど居ますが役立たずですが何か?


おぜうさまやお姫様が料理なんて出来るはずもなく、村人さんが孤独な生活していた経験から野営の殆ど賄ってます。これ、絶対おかしいよ。いや、もう慣れたけどもよ。


唐揚げが食べたいという侍女な遊び人たちのリクエストに応えるべく、まずは食材探しから始めなければならぬ。鶏肉のストックなんてもうとっくに尽きたのだ。というか、アイテムボックスに食材なぞもうほぼ存在しない。いい加減遭難ですか、そうなんですと認めるべきだと思う。


油が残っていたのは最後の希望だと思う。なら、食材は不幸ですかと…パンドラよりパンケーキ食べたい。だが、材料無いんす。こういう時、材料がないから料理が出来ませんっていうゲームシステムはクソだと思うの。パンが作れないなら代用品作って米粉パンでも作れと。というか、オーブンとか持ち歩いてるからパン作れるのかと。


そんな事はどうでもええ。鳥肉の確保だ、まずは。


とか思っていたら、空から大きな鳥が…いや、女の子の集団が。え、大佐にでも追われとんのん?



「不審者を発見。排除する」


「敵対象は一名。冴えない男のみ」


「生きては返さない。ここがお前の墓場だ」



あ、これオラが追われる展開でないと?

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