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事実婚と既成事実は計画的に

低レベルのオイラに、整形勇者に立ち向かう術は無かった事も無いが素直に捕縛されたん。フェミニストは辛いね……え、エセだって。そりゃあ、好みによりますわな。


そんな捕縛されて…さすがに屋敷に牢屋を備え付けてあるわけもなかった事もなかった。変態紳士ならば公爵の性癖は把握出来るが、名残らしい……知らんがな。


で、その牢屋に放り込まれるのかと思ったが意外や意外…放り込まれたのは風呂でした。クマくさいと言われたよ。そりゃあ、オイラはバイオロボベアRX8だもの。え、それはもういいって?


まあ、アレアとカレアは俺がキッシュと確信しているからこそ牢へ閉じ込めるという事を絶対にしないだろう。但し、脱獄の常習犯なワイ、金が無いから臭い飯で賄うって事で王城には留まっていたんや。


ちなみに現在も大した金は持ってない……この世界にナマポないんすか?


とりあえず、逃げ出すにしても留まるにしても処刑されるにしても折角の風呂を楽しもうじゃないか。泳げる程の広さを誇る男風呂とかロマンの塊だが……混浴はないのか?






「………つまり、わたくしはソールに一度殺されたと?」


「まあ、そう言っても間違いないけど……お兄ちゃんも女神の犠牲者で歪められた思想を未だに持ってるみたいだし」



キッシュがたかだかNPCと一緒に居るのが不思議だったけど、何度もやり直した世界に魔王の部下としてウィローという存在が一度たりとも居なかった点から既に推測は確定に変わっていた。


そして、何より固執していたイフォルマというNPCの女体化……それに釣られてやってくる確率はわたくしたちと再会する事と同等の確率であった。


同時に、他にも訪れる可能性も考慮して勇者たちはそれぞれ分かれて待つ事にした。来なければ時間を巻き戻し、何度も何度も………


そして、やっと現れたクマ……もとい、外見はソレイユから聞いた通りの黒髪茶眼の桐生柳そのものだった。言動は未だにキッシュ寄りだけれど。


それにしても、さっきから一人称が被って仕方ないと思うのはわたくしだけだろうか……






ババンババンバンバンしたら臭い飯の臭いがやっと取れた気がするん。まあ、やっと風呂場の端から端まで20往復出来たんやけどな。犬掻きは時間かかるわ〜。


さて、真面目モードになろうと思う。


この世界は少なくとも勇者が女神を倒した後の世界……つまり、女神化したソレイユことポンコツ葵を封じる為に本に分割された世界ではない。当然ながら、そこに介入するために存在したアバターであるキッシュが存在する意味が無い…


つまり、まず覚えていないのが普通なのに覚えている不思議。更に容姿が変わってる不思議………何より、不老不死でもないのに何百年生きてるんですか。マジで…


まあ、その時不思議な事が起こりまくったという事であろうというのは安易に想像出来る。その1つはチェリアのレベルを対価にした時間操作………実体験してるからあのぶっ飛んだ性能は理解している。


そして、ライオンやオオカミに心当たりがないわけじゃない。作り出した9つの鎧……もし、俺に何かあった時に残す為に作った簡易型の鎧。


チェリアの為の鎧、桜樹をはじめとした中にある獅子と狼をモチーフにした鎧………それを取り込んでまでやりたかった事など考えるまでもない。だからこそ、忘れて欲しかったのだが、カスな神はそれを叶える程の余力は持ち合わせていなかったようだ。


そして、変革した世界の何処かでのカス神にあいつらは願ったのだろう。俺の復活を……そうでなきゃ辻褄が合わない。つまり、この世界は女神を倒し確変した世界であり、俺だけのために歪められた世界ではないかという事だ。


そこまでするか…いや、するからこその結果だ。本質的には書物の時と大差無いという結果。違いは神の雷で死んだわけじゃないだけというずさんな差異。愛が重い嫁たちですよ、まったく。


ここで逃げたとしても地の果てどころか来世以降も追いかけ回されるのは必至。諦めて投降しようと思う……それはいい。


だが、お忘れではないだろうか……この書籍にも似た世界はあり、そこには必ず悪が存在していた。


学園でのカタタマキン…とその後ろに居る帝国。

都市でのテロリスト集団。

牧場でのストーカー。

大和でのネオ魔王軍。

ロボでの腐れポンコツ。

魔銃での……まあ、それは俺だったから構わないか。

後、カス神。


更に有象無象の悪…この世の生きとし生けるものに存在する善と悪の内、正義の味方を気取るつもりは無いが、悪の手先に成り下がるつもりも無い。むしろ、そんなのはリモコンで動くロボットに任せておきたい。


あくまでも俺は勇者の付属品に過ぎないのだ。そして今は同等のスペックすら無いタマネギ村人だ。将来は村に移住しつつバンドで船でも漕いでいれば大成功だろうと思う。そんなルックスも技量も持ち合わせてないが。え、そんな事になる予定は無いから安心しろ…さいですか。


だが、俺がキッシュだった時以前から巻き込まれ体質だったわけですよ。誰のとは言わない………どうしてそんな原因と結婚なんてしようと思ったんですかね。おかしいですよ柳さんって言ってくれる人が居なかったからや。


まあまあ、まだシリアスモードだ。嫁たちの事はチョロいから構わん……が、それはキッシュの嫁に対してだ。ウィローとしては困っているシャルロッテを放置して旅に出るというのは好ましくない。元イフォルマくんのマールも放置するつもりも無い。


つまり、やったねソール。嫁が増えるよ…村人のくせに生意気だって展開まっしぐらだ。またヘイト買いそうだなぁ……


さて。そんな事より嫁たちの風呂場突入イベントはまだですか?







結局、その後のぼせるまで誰も現れなかったのは言うまでも無い事だった。







ソール様を湯船から救出された勇者様方は、ソール様を部屋に監禁した。それはまあ、痴情のもつれなので気にしませんわ。


それよりも先程の話を考える……正直なところ、別にどうでもいい話でしたわ。わたくしにしてみれば今が全てであり、偽物の世界に存在したかもしれないわたくしの事などどうでも良い事。


正直に言えば、彼を…いえ、彼の後ろに控える勇者様方を利用して王国を正しいものにしたいという気持ちが全く無い訳ではない。けれど、窓から外を眺め見るととこの領都…ひいては大国の穏やかさを羨ましく思う。


空っぽだと思いますわ。こうして彼の口車に乗せられ亡命という形で生き長らえてしまった……国のためと無駄であったとしても戦う道を捨てて。



「わたくしは………いえ、分かり切っている事ですわ」








前にも逆上せて倒れた事があったと思うん。どうでも飯野くん。さて、何故にアレアとカレアが横で添い寝しとるんやろう…事後った覚えはねぇーです。


後、だいしゅきホールドはやめていただきたい。爪が食い込んでるんだわ……普通に禁止行為ですぞ。え、夜のプロレスでは大丈夫だ、問題ないって。そうなん?


とりあえず、この2人は夜這いが得意なフレン…もとい、嫁なんだねって事っすわ。


だが、それはキッシュにとっての話。正直なところ、乗っ取られたキッシュが愛しただの惚れただのしたところで今の不完全なる桐生柳の転生体であるソールの嫁というものではない。


ぶっちゃけ、寝取りとか中古とかに抵抗あるだけですん。更に、どうせほんまもんのキッシュとか言って偽りの存在が出てくるんでしょう…で、嫁を巡ってのバトル展開なんざんしょ、どうせ。だから死んだまま消えたままで良かったというのに。


それに、前みたいにもしかしたらアホの子もこちらに来てるんじゃないかな。殴ってやろうかなって気も起きない……レベル差でこっちがズタボロになっちまうわ。


ハーレムなんて作るもんじゃないですな。来世まで縛られますから……とりあえず、疲れたから寝るん。耳を触るならキツネがええんな……ケモミミ嫁が3人とか嫌がらせにも限度あるん。アレルギーにでもなったらどないせいっちゅうねん。


とりあえず寝よう。ふわふわならぬモフモフタイムがあるなんて思うな。神は既に滅びたん。

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