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真実とその代償

学園へ戻り、ぐったりしている2人には休んでもらう事にした。まあ、仲間が次々と行方不明ともなれば精神的に参るよな。それも狙いなわけだが。


俺は学園の地下深くへ向かい、勇者たちの亡骸を蘇生させた。男の裸なんか見たくなかったけど仕方ない…こういうところだけゲームチックなのはどうかと思う。



「…本当にこれで良かったのかと思うのじゃ…」



ロリ魔王も付いてきたが、俺に言わないで欲しい。ヴィオレ、アチェロ、ダンデラの上司はお前だ。お前の指導に問題があったんじゃないかと言ってやるべきかもしれない。


この5人の飼育方法は3人に任せてある。淫魔なヴィオレとアチェロにはそれぞれ主食として2人ずつ渡す事になった。後、薔薇と百合も栽培するんだと…知った事ではない。ダンデラが「やらないか」と俺に言わなければ3人に任せておくつもりだ。どうしてそうなった。四天王にまともな奴が居なくて草生える。



「それに、坑道に未知の魔物が住んでおるという噂が立っておる。勇者でさえ倒せない魔物と噂が立てば人が寄り付かなくなるのじゃ…」


「坑夫が魔族の時点で何言ってるんだか。真実を伝えなければ坑夫の取り分が減らなくなるメリットあるし良いじゃないか」


「生徒の自主性が減るのじゃ。それが問題なのじゃ…」



暫くしたら学園長が倒したとかって事にすれは良いじゃん。そこまで知らんよ。そう言ったら泣き付かれた…どないしろと。



「…それではダメなのじゃ。残りの勇者も今回の件で心が折れておる。このままでは学園長としてダメダメなのじゃ」


「いや、自分を殺そうとしていた奴を慰めたりするなよ…」



優しすぎるダメダメ魔王だからこそ心配になる。そもそも、この世界は歪みきっている。全てを魔王の所為にして成り立つこの世界だ。魔王軍の所為にして他国と水面下で戦争をしている国がある。魔王軍に対抗するためにと税金を貧民から巻き上げて贅沢をする貴族も居る。悪いのは全て魔王…だから魔王を倒せ。そして倒した後は醜く争う…


それが、この世界の真実だ。そして、その代償を背負わされるのは弱者と1人の少女…



「…安心しろ。俺はお前を手伝ってやるよ。そもそも、そのつもりでこの世界を最初に選んだんだからな」



俺はチェリアの頭をワシャワシャと撫でた。こいつが泣く姿はあまり見たくない。



「お、お主…何を言っておるか分かって…」


「女神でも何でも倒してやるさ。俺は元々、この世界をクリアしてNPCを1人選べるとしたらお前を選ぶつもりだった。こんなクソみたいな世界から連れ出してやるよ…憂う事なくな」



ゲーム内で勇者以外のNPCは選べなかったという。が、これはゲームではない…だったら、好きな奴を連れて行っても構わないだろう?



「…いやいやいや。わらわは魔王じゃぞ。学園もある。いくらお主が望もうとも使命があるのじゃ」



顔を真っ赤にしながらも説得力の無い事を言ってるロリ魔王…俺に逆らえると思っているのか、あるいは女神との戦いを俺だけに押し付けるつもりなのか。



「言っただろう。憂う事なくと…お前の後釜に心当たりがある。お前の子どもだ」


「わらわはまだ清い体なのじゃっ!」



それは良い事を聞いた。後々じっくり楽しむ事にしようなどとゲスい事を考える。だが、チェリアの実の子どもでない事は知っている。そういうイベントをこなして推理した結果だ。


まあ、そのためには完全クリアしなきゃいけないのだが…ふむ。



「…まあ良い。お主がそこまで言うなら信じるのじゃ…クリアしてしまえば強制じゃからな。その代わり、約束通り偽者以外の命は奪わぬと誓え」


「…そもそも、俺は誰も命奪ってないだろう。偽者を倒すのはイフォルマくんの仕事だ。俺は誰も殺さないつもりだからな」


「お主こそ魔王なのじゃ…汚れ仕事を人任せにして…」



何とでも言え。弱い者イジメをするつもりが無いだけだ。が、降りかかる火の粉には容赦しない。だからこそ、降りかかるかもしれない火の粉を排除しただけだ。



「まあ、生徒には手を出さないと誓おう。その代わり…」


「な、なんじゃ…初夜はクリアしてからなのじゃ。そんなに軽い女ではないのじゃ…」



そこまでガツガツしてないんだが、嫌がってないようなので良しとしておく。その事は後にして、6人の勇者が死んで代わりが必要になってくる…実際には生きているがまた偽者が増えても困るわけだ。その対策をしなければならない。


もうネタバレしようと思う。犯人は片玉だ。フィルムットが斬殺されるのが表ストーリーの5年時だ。惨殺ではなく斬殺…つまり斬り殺されたという事である。それが可能なのは大型の剣を装備しているヴァンか斧を装備出来るエグニスのみ。この時点で刺突主体のシャルロッテは容疑者から外れる。だが、5年は地下水路を舞台とし主力モンスターはスライム…打撃が有効なのでエグニスは槌を、後衛の魔法使いたちは杖を装備していた。更に風属性の魔法は腐臭を撒き散らすので使わないようにとフィルムットが警告していたので風による斬撃やシャルロッテは水属性魔法を使えないので高圧放水による切断など不可能。更に言えば、ヴァンは主人公であり物語の中心に置かれている。断罪のきっかけを作ったのもあいつであり、チェリアにトドメを刺したのもあいつだ。俺はチェリアからフィルムットが偽者でないと聞かされた時点で本当の偽者はヴァンであると確信していた。だからこそ片玉にしてやったのだ。



「計画を大幅に見直すだけだ。残念ながら俺も人間だからな…フィルムットの落ち込んだ姿を見たらヴァンに急所を斬り刻まれて男として死亡する展開は少し悲惨過ぎると思えてきてな。妹が寝取られるだけで勘弁してやろうと思い直した」


「わらわのライバルは妹か…」



いや、イフォルマくんに寝取ってもらう予定だからな…だが、嫉妬しているみたいだからちょろインロリ魔王フラグは折れないと確信したので良しとするか。


とりあえず、さっさと終わらせてトゥルーエンドでクリアするとしよう。俺はそのためにおバカ勇者の居る部屋へと向かう事にした。









『拝啓、イフォルマ様

突然のお手紙失礼します。この度、勇者を名乗るキッシュという卒業生が現れ、私は真実を教えられました。あなたを倒したヴァンが偽者の勇者であると。

当然、私はその事が信じられなかったのですが見てしまったのです。ヴァンの右手にある、勇者の証が滲んでいたのを。そして、それをヴァンが知っているのです。

近い内に私はヴァンに殺されてしまうかもしれません。その時、人づてにこの手紙をあなたに届ける事にしました。本来なら信頼出来る仲間に渡したいところですが、偽者はヴァンだけではなくもう1人居ます。私には誰が偽者で、誰が本物かの判断が出来ません。ですからお願いいたします。信頼出来る仲間をヴァンの魔の手から助けてください。』



そんな内容の手紙が届けられた。差出人は氷剣の勇者シャルロッテさん…昨日、鉱山へと捜索隊が送られ彼女の死亡が確認されただけでなく、捜索に加わっていた5人も落盤事故で閉じ込められ魔物に食い殺されてしまったとの噂で寮内は持ちきりだった。


更にキッシュという人が自分は偽者を倒すために学園が用意した監視者であると自ら言ったとの噂もある。つまり、偽者はただ1人…この手紙を信じるならヴァンが偽者で、おそらく魔王と繋がっていてベッドに居ながら今回の事件を起こした事になる。許せない…この僕を倒したヴァンが偽者だなんて。偽者に負けた事が悔しいのではない…偽者に大切な勇者たちを殺されたのが許せない。



「ノブレス・オブリージュに誓って、ヴァン…君を討つ」








「まあ、こうなるよな」


「お主、そう仕向けるよう書かせたのであろう?」



相変わらず学園長室の水晶でイフォルマくんの部屋の様子を見ていた。プライベートも無いな、この学園…


まあ、チェリアの指摘通り解剖されまくっているシャルロッテに書いてもらった。喜んで書いてくれたよ。その間は解剖されないからと…まあ、いいんじゃないかな。グロかったけど。


ちなみに文章を考えたのは俺だからハッタリもハッタリの嘘っぱちだ。が、4年の水着シーンの画像でわざわざ手袋着けて海に入るバカは居ないだろという根拠はある。事実はどうでもいい。仮に違っていてもフィルムットには弱点があるしアイリスの弱みも握っているのだから。


さて、後は我らが真の英雄イフォルマくんを漢にする手伝いをするだけだ。その前に、落ち込んでいる2人の勇者をどうにかするとしよう。イベント参照して…



「よし、ダブルデートするか」


「な、なんじゃ急に…」



そういう話あっただろ。卒業試験前に…本当に誰得イベントだったのが。

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