好きな人(1)〜皐月side〜
はぁ…
さっきから佳奈留の視線が気になる…
「佳奈留?どうしたの?」
「えっ!?なんでもない、なんでもない!!」
なんでもなくないでしょ
さっきから俺のこと睨むように見てるんだから
あとね、海斗の視線がものすごく痛いの
海斗は佳奈留が好きだからね
俺のことを佳奈留が見てるのが面白くないんだろ
「なんだよ、海斗」
「な、なにがだよ!!」
「さっきから睨まないでよ」
「べ、別に睨んでなんか…」
「佳奈留が好きだからって俺に八つ当たりしないでよね♪」
俺は海斗にコソッと言った
みるみるうちに海斗の顔が赤くなってく
おっ、なんか面白いぞ
「ななな何言ってんだよ。皐月!俺は決してかかかか、佳奈留のこと好きなんかじゃ…」
「なぁに、1人で百面相してんの?」
いいタイミングで佳奈留が海斗の顔を覗き込んだ
「うっ…」
「う?」
「うわぁぁぁあぁぁ!!!!」
ビューーーーーーン!!!
ものすごいスピードで海斗は走っていった
「なによあれー!!失礼しちゃーう!!ねぇ!?皐月くん!?」
「うん、まったくだよね。あと、皐月でいいから。」
クスクス
海斗ったら恥ずかしいからって叫びながら逃げることないのに
まっ、俺のせいだけどね