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死を待つ公爵の庭掃除  作者: よっし
第二章:過去と向き合う
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5話:封じられた力と、目覚める魔力

第五話「封じられた力と、目覚める魔力」


夜明け前、ヴェルナーは書斎で目を覚ました。


机に突っ伏したまま眠ってしまっていたらしい。体が強張り、首が痛い。でも、それ以上に――何かが、違った。


彼は自分の手のひらを見つめた。


長年、この手は魔力の暴走に苦しめられてきた。触れたものを枯らし、近づく者を遠ざける。制御できない力の象徴だった。


でも、今は――


「これは……」


手のひらに、淡い光が灯っていた。それは暴走する黒い霧ではなく、柔らかな青白い輝きだった。まるで、月明かりのような。


ヴェルナーは息を呑んだ。


昨夜、彼は初めて自分の魔力と向き合った。暴走を恐れるのではなく、理解しようと試みた。母の残した魔術書を読み解き、エーデルシュタイン家に代々伝わる魔力制御の技法を学んだ。


そして、気づいたのだ。


自分の魔力が暴走していたのは、力が強すぎたからではない。悲しみと恐怖で、出口を失った魔力が行き場をなくしていたからだ。


「制御……できるかもしれない」


ヴェルナーは立ち上がり、窓辺に向かった。


東の空が、うっすらと明るくなり始めている。庭には、朝靄がかかっていた。


彼は、そっと手を窓ガラスに当てた。


以前なら、触れたガラスに霜が降り、冷たい死の気配が広がった。でも、今は――何も起こらない。いや、むしろガラスが温かくなっているような気がした。


「本当に……」


ヴェルナーの胸に、七年ぶりの希望が灯った。


もしかしたら、自分は変われるかもしれない。リディアを守れるだけの力を、取り戻せるかもしれない。


その時、ノックの音がした。


「公爵様、失礼いたします」


アーデルベルトの声だった。


「入れ」


老執事が入ってくると、ヴェルナーが一晩中書斎にいたことに気づき、眉をひそめた。


「公爵様、お休みになっていなかったのですか」


「ああ。少し、調べ物をしていた」


ヴェルナーは、机の上の魔術書を閉じた。


「それより、リディアは?」


「お嬢様は、まだお休みです。昨夜は、かなりお疲れのご様子でしたので」


「そうか」


ヴェルナーは、少しほっとした表情を見せた。


「アーデルベルト、一つ聞きたい」


「何でございましょう」


「オットーは、この屋敷の変化に気づいている。ならば、他の貴族たちも、遅かれ早かれ気づくだろう」


ヴェルナーは、窓の外を見つめた。


「王都の貴族社会では、今、どんな噂が流れている?」


アーデルベルトは、少し躊躇してから答えた。


「正直に申し上げます。あまり、良い噂ではございません」


「聞かせてくれ」


「はい。一部では、公爵様がご病気から回復されたことを喜ぶ声もあります。しかし、多くの者は……その理由を不審がっております」


老執事は、慎重に言葉を選んだ。


「特に、オットー様のような分家の方々は、『得体の知れない娘が、何か怪しい手段で公爵を操っている』という噂を広めているようです」


「やはりな」


ヴェルナーは、拳を握った。


「魔女、と呼んでいるのか」


「……はい。一部では、そのような言葉も」


ヴェルナーの目が、鋭く光った。


「リディアは、魔女などではない。彼女は、ただ――」


彼は言葉を切った。


リディアの力を、何と説明すればいいのか。彼自身、完全には理解していない。ただ、彼女が悪意を持っていないことだけは、確信していた。


「公爵様」


アーデルベルトは、静かに言った。


「私は、リディア様を信じております。エリーゼも、マルタも、ベルンハルトも、皆そうです」


老執事の目には、確かな決意があった。


「この屋敷の者たちは、リディア様がどれほどこの場所を、そして公爵様を大切にしておられるか、見ております。だからこそ、何があってもお守りいたします」


ヴェルナーは、アーデルベルトを見つめた。


「……ありがとう」


「いいえ。これは、私たちの意思でございます」


***


朝食の時間、リディアは食堂でヴェルナーと向かい合っていた。


彼の顔には疲労の色が見えたが、同時に、どこか晴れやかな雰囲気もあった。


「ヴェルナー様、昨夜はお休みになられなかったのですか?」


「ああ。少し、魔術の勉強をしていた」


「魔術の?」


リディアは、興味深そうに身を乗り出した。


「はい。自分の魔力を、制御するために」


ヴェルナーは、手のひらを見せた。そこには、もう黒い痣はなかった。


「すごい……」


リディアの目が、輝いた。


「本当に、薄くなっている」


「君のおかげだ、リディア」ヴェルナーは、真剣な眼差しで言った。「君が淀みを払ってくれたおかげで、私は初めて自分の魔力と向き合うことができた」


「でも、それはヴェルナー様ご自身の力です」


「いや、違う」ヴェルナーは首を振った。「君がいなければ、私はずっと恐怖に囚われたままだった。変わろうとすることもなく、ただ死を待っていた」


彼は、リディアをまっすぐに見つめた。


「君が、私に生きる理由をくれた」


リディアは、頬を染めて視線を落とした。


「私は……ただ、当たり前のことをしただけです」


「いいや。君のしたことは、奇跡だ」


ヴェルナーは立ち上がり、リディアの隣に歩み寄った。


「そして、その奇跡を守るために――私は、強くならなければならない」


彼は、リディアの手を取った。


「リディア、今日は私と一緒に来てほしい場所がある」


「どこへですか?」


「屋敷の地下だ。そこに、エーデルシュタイン家の秘密の部屋がある」


***


昼過ぎ、二人は屋敷の地下へ向かった。


普段は使われていない階段を降りると、そこには長い廊下が続いていた。松明の明かりだけが頼りで、空気はひんやりとしている。


「ここは……」


「代々の当主だけが知る、魔力の修練場だ」


ヴェルナーは、廊下の突き当たりの扉の前で立ち止まった。


重厚な鉄の扉には、複雑な魔法陣が刻まれている。ヴェルナーが手をかざすと、魔法陣が淡く光り、扉がゆっくりと開いた。


中は、広い円形の部屋だった。


天井は高く、壁一面に古代文字が刻まれている。床には、大きな魔法陣が描かれていた。


「これは……すごい」


リディアは、部屋を見回した。空気が、張り詰めている。ここは、強大な魔力を制御するために作られた特別な空間なのだと、直感的に理解した。


「エーデルシュタイン家は、代々強力な魔力を持つ家系だった」


ヴェルナーは、部屋の中央に立った。


「だからこそ、その力を制御する技術も、受け継がれてきた。しかし、私は――母を失った悲しみで、その技術を学ぶことを放棄してしまった」


彼は、自分の手を見つめた。


「恐怖が、私を縛っていた。この力を使えば、また何かを壊してしまうのではないかと」


「ヴェルナー様……」


「でも、もう恐れない」


ヴェルナーは、リディアを見た。


「君を守るために。そして、君と共に生きるために。私は、この力と向き合う」


彼は、魔法陣の中央に立った。


「リディア、危険かもしれない。部屋の外で待っていてくれ」


「いいえ」


リディアは、首を横に振った。


「私も、ここにいます」


「でも――」


「ヴェルナー様が一人で抱え込もうとしたら、私が止める。約束したじゃないですか」


リディアは、微笑んだ。


「それに、もし淀みが溢れたら、私が払います。だから、安心して」


ヴェルナーは、しばらくリディアを見つめた。


やがて、彼は小さく笑った。


「……君には、敵わないな」


「ええ、そうですよ」


リディアは、魔法陣の外側に座った。


「さあ、始めてください。私は、ここで見守っています」


ヴェルナーは、深く息を吸った。


そして、目を閉じ、自分の内なる魔力に意識を向けた。


***


エーデルシュタイン家の魔力は、月の力と結びついていた。


それは、母アリシアから聞いた話だった。


『ヴェルナー、私たちの魔力は、月の満ち欠けに呼応するの。新月の時は静かに、満月の時は強大に。その波を理解し、制御することが、エーデルシュタインの当主の務めなのよ』


幼い頃、ヴェルナーはその意味を理解していなかった。でも今なら、分かる。


魔力は、感情と連動する。


悲しみは、魔力を暴走させる。でも、それは魔力が悪だからではない。感情の波を、魔力が増幅してしまうからだ。


ならば――


感情を制御できれば、魔力も制御できる。


ヴェルナーは、自分の内側に渦巻く魔力を感じた。それは、以前のように荒々しく暴れてはいなかった。むしろ、静かな湖のように、深く澄んでいた。


リディアが淀みを払ってくれたおかげだ。


彼は、その魔力に語りかけた。


『恐れていた。君を。でも、もう恐れない。君は、私の一部なのだから』


魔力が、応えた。


それは言葉ではなく、感覚だった。長い間拒絶されてきた力が、ようやく受け入れられたことへの安堵。


ヴェルナーの体から、光が溢れ出した。


青白い、月明かりのような光。それは部屋全体を包み込み、壁に刻まれた古代文字を輝かせた。


「ヴェルナー様!」


リディアが、驚きの声を上げた。


でも、それは恐怖の声ではなかった。畏敬の声だった。


ヴェルナーの周りで、魔力が螺旋を描いている。それは制御され、美しく、神聖な輝きを放っていた。


彼は、目を開けた。


その瞳は、深い青に輝いていた。まるで、夜空そのもののように。


「これが……私の、本当の力」


ヴェルナーは、自分の手を見つめた。


手のひらから、光の粒子が舞い上がっている。それは、かつての死の気配とは正反対の、生命の輝きだった。


「すごい……」


リディアは、立ち上がった。


「ヴェルナー様、本当にすごいです」


「リディア」


ヴェルナーは、彼女に手を差し出した。


「触れても、大丈夫だ。もう、枯らすことはない」


リディアは、躊躇なく彼の手を取った。


その瞬間、不思議なことが起こった。


ヴェルナーの魔力と、リディアの力が――共鳴したのだ。


青白い光と、温かな金色の光が混ざり合い、部屋全体を包み込んだ。それは、まるで朝焼けのような、優しい輝きだった。


「これは……」


二人は、驚いて互いを見つめた。


「私たちの力が、混ざり合っている」


リディアは、信じられないという顔をした。


「どうして……」


「分からない」ヴェルナーも、困惑していた。「でも、確かに――君の力と、私の力が、調和している」


光は、やがてゆっくりと収束していった。


でも、二人の手を繋いだ部分だけは、まだ淡く輝いていた。


「もしかして」


リディアは、何かに気づいたように言った。


「ヴェルナー様の魔力と、私の淀みを払う力は――本来、対になるものなのかもしれません」


「対に?」


「はい。ヴェルナー様の魔力は、月の力。私の力は、浄化の力。月は、夜の闇を照らし、浄化は淀みを払う。どちらも、『清める』という意味では同じなのかも」


ヴェルナーは、リディアの言葉を噛みしめた。


確かに、それは理に適っていた。


自分の魔力が暴走していた時、それは「汚す」力になっていた。でも、本来の月の魔力は、「清める」力のはずだ。


そして、リディアの力も、清めの力。


「ならば、私たちは――」


「補い合えるのかもしれません」


リディアは、微笑んだ。


「ヴェルナー様が力を制御できれば、私の負担も減ります。そして、私が淀みを払えば、ヴェルナー様の魔力も安定する」


「共に、支え合う」


ヴェルナーは、リディアの手を強く握った。


「そうだ。私たちは、一人では不完全だった。でも、二人でなら――」


「完全になれる」


リディアは、頷いた。


その時、部屋の外から慌ただしい足音が聞こえた。


「公爵様! お嬢様!」


アーデルベルトの声だった。切迫している。


ヴェルナーは、急いで扉を開けた。


「どうした」


「お客様が――いえ、王宮からの使者が参りました」


アーデルベルトの顔は、青ざめていた。


「王宮から?」


「はい。陛下の勅命だと。公爵様とリディア様、お二人とも、三日後に王宮へ出頭せよとのことです」


リディアは、息を呑んだ。


ついに、来たのだ。


「理由は?」


ヴェルナーが尋ねると、アーデルベルトは辛そうに答えた。


「公爵家の呪いが解けた件について、調査が必要だと。そして――」


老執事は、リディアを見た。


「リディア様の『力』について、宮廷魔術師団が尋問したいとのことです」


***


その夜、リディアは温室にいた。


月樹の前に座り、幹に手を当てている。木は、少しずつ回復していた。でも、まだ完全ではない。


「三日後……」


リディアは、呟いた。


王宮に呼び出された。尋問される。


それは、事実上の魔女裁判だと分かっていた。


もし、彼女の力が「邪悪なもの」と判断されれば――火刑台が待っているかもしれない。


「怖くないと言えば、嘘になる」


リディアは、月樹に語りかけた。


「でも、後悔はしていない。ヴェルナー様と出会えて、この屋敷で過ごせて――本当に、幸せだった」


木が、風に揺れた。


いや、風はない。


リディアは、驚いて顔を上げた。


月樹の枝の一つが――動いている。


そして、その先端に、小さな緑の芽が膨らんでいた。


「芽……?」


リディアは、立ち上がった。


確かに、新芽だ。死んだと思われていた月樹が、新しい命を芽吹かせている。


「ああ……」


リディアの目に、涙が浮かんだ。


この木は、諦めていなかった。アリシアの愛を受けて育ったこの木は、七年間もの間、ただ黙って――春を待っていたのだ。


「私も」


リディアは、涙を拭った。


「私も、諦めない」


彼女は、月樹の幹を抱きしめた。


そして、静かに誓った。


どんな困難が待っていても、ヴェルナーの傍にいる。この屋敷を、この庭を――愛する人たちを、守り抜く。


***


同じ頃、ヴェルナーは書斎で一人の男と向き合っていた。


「久しぶりだな、ヴェルナー」


その男は、三十代前半の精悍な顔立ちをしていた。騎士団の制服を着ており、腰には剣を下げている。


「ディートリヒ……」


ヴェルナーは、複雑な表情で答えた。


ディートリヒ・フォン・シュヴァルツヴァルト。彼は、ヴェルナーの幼馴染にして、王国騎士団の副団長を務める男だった。


「お前が、ここに来るとは」


「公務だ」ディートリヒは、厳しい表情で言った。「王宮からの使者として、正式な通達を行った。三日後、お前とお前の妻は、王宮に出頭しなければならない」


「……分かっている」


「ヴェルナー」ディートリヒは、声を落とした。「本当に、大丈夫なのか。お前の妻は――」


「リディアは、何も悪いことはしていない」


ヴェルナーは、きっぱりと言った。


「彼女は、ただ淀みを払っただけだ。それが、魔女の所業だというなら――」


「俺は、そうは思っていない」


ディートリヒは、ため息をついた。


「でも、宮廷はそうじゃない。特に、宮廷魔術師団の長、ヴァルター卿は、お前の妻を危険視している」


「ヴァルターが……」


ヴェルナーの表情が、険しくなった。


ヴァルター・フォン・クライスト。王国随一の魔術師にして、宮廷魔術師団の長。彼は、異端の魔術に対して極めて厳格な姿勢を取ることで知られていた。


「彼は、『正体不明の浄化能力』を持つ女性が、公爵家に入り込んだことを問題視している」


ディートリヒは、真剣な眼差しで続けた。


「そして、その力が『古代の禁術』に由来するのではないかと疑っている」


「禁術……?」


「ああ。かつて、王国が封印した『生命操作の魔術』。それは、淀みを払うだけでなく、死者を蘇らせることさえできたという」


ヴェルナーは、息を呑んだ。


「まさか、リディアがそんな――」


「俺も、そうは思わない」ディートリヒは首を振った。「でも、ヴァルター卿は違う。彼は、少しでも疑わしいものは、徹底的に排除する男だ」


彼は、ヴェルナーの肩に手を置いた。


「だから、気をつけろ。三日後の尋問は、ただの形式ではない。ヴァルター卿は、お前の妻を火刑に処するつもりでいる」


ヴェルナーの拳が、震えた。


「……させない」


「何?」


「リディアを、誰にも傷つけさせない」


ヴェルナーは、ディートリヒを見た。その瞳には、強い決意が宿っていた。


「たとえ相手が王宮でも、宮廷魔術師団でも――俺は、リディアを守る」


ディートリヒは、しばらく沈黙した。


やがて、彼は小さく笑った。


「お前、変わったな」


「……ああ」


「七年前、お前は全てを諦めた目をしていた。でも、今は違う」


ディートリヒは、ヴェルナーの肩を叩いた。


「その女性は、お前にとって、それほど大切な存在なのか」


「ああ」


ヴェルナーは、迷わず答えた。


「リディアは――俺の、全てだ」


ディートリヒは、満足そうに頷いた。


「なら、戦え。お前の力で、お前の大切なものを守れ」


彼は、扉に向かった。


「俺にできることは少ないが――お前の味方だということは、忘れるな」


「ディートリヒ……」


「じゃあな、ヴェルナー。三日後、王宮で会おう」


ディートリヒが去った後、ヴェルナーは窓辺に立った。


月が、中天に昇っている。


その光を浴びながら、彼は静かに誓った。


リディアを守る。この屋敷を守る。そして、二人の未来を――何があっても、守り抜く。


***


三日後の朝は、あっという間に訪れた。


リディアは、最も格式高いドレスに身を包んでいた。深い青のドレスは、エーデルシュタイン家の紋章が刺繍されており、公爵夫人としての威厳を示すものだった。


「お嬢様、お美しいですわ」


エリーゼが、涙ぐみながら髪を整えてくれた。


「ありがとう、エリーゼ」


リディアは、鏡の中の自分を見つめた。


少し痩せた顔。でも、瞳には強い光が宿っている。


「必ず、戻ってくるわね」


「はい……必ず」


エリーゼは、リディアを抱きしめた。


「お嬢様は、私たちの希望です。どうか、ご無事で」


***


馬車が、王宮へ向けて出発した。


車内には、ヴェルナーとリディアだけがいた。


二人は、しばらく無言で座っていた。


やがて、ヴェルナーが口を開いた。


「リディア」


「はい」


「怖いか」


リディアは、少し考えてから答えた。


「……はい。怖いです」


「正直だな」


ヴェルナーは、小さく笑った。


「でも」


リディアは、ヴェルナーを見た。


「ヴェルナー様がいるから、大丈夫です」


ヴェルナーは、彼女の手を取った。


「何があっても、君を守る。約束する」


「はい」


リディアは、微笑んだ。


「私も、ヴェルナー様を守ります。二人でなら、きっと」


「ああ。二人でなら」


馬車は、王都へ向かって走り続けた。


そして、二人の前には――試練が待っていた。


しかし、彼らは知らなかった。


この試練が、二人の絆を試すだけでなく――王国全体を揺るがす、大きな真実を明らかにすることになるとは。



***


【第五話 了】

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